【2025年版】ローマ 観光のモデルコースと所要日数
本記事では、ローマ観光をお考えの方に向けて、効率良く観光するためのモデルコースをご紹介します。

これからローマ観光をお考えの方は、是非当サイトをご活用いただけますと幸いです。写真や地図を交えて可能な限り詳しく紹介させて頂きます。
観光所要日数
ローマはヨーロッパの主要都市の中でも非常に見どころの多い観光地ですが、主要観光スポットは中心部に集中しております。そのため地下鉄やWEBの事前予約を上手く活用すれば、丸1日でも主要スポットだけならかけ足で観光する事は可能です。
しかし、1つ1つの観光スポットにじっくりと時間をかけて観光するには、最低でも丸2日の所要日数は必要です。フルで2日間の観光日数があれば、ローマの主要スポットの網羅はもちろん、バチカン市国(サンピエトロ大聖堂・クーポラ)とバチカン美術館にもそれなりに時間をかけてじっくりと観光する事ができます。
観光だけでなく、買い物や食にもじっくりと時間をかけたい場合は、最低でも丸3日間の滞在日数は確保したい所です。以上を踏まえると、イタリア旅行の中でローマ観光に費やす所要日数は2日間(3泊)、もしくは3日間(4泊)がおすすめです。
次項より、1日目と2日目に分けてでローマの主要スポット及び、バチカン市国を効率よく観光するためのモデルコースをご紹介していきます。
モデルコース1日目 ローマ主要スポット 完全網羅コース
モデルコース1日目「ローマ主要スポット 完全網羅コース」では、ローマの中でもシンボル的存在のモニュメントを中心に観光していくほか、人気のピノキオ専門店やジェラート専門店などにも立ち寄ります。
ややハードなコースですが、内容は盛りだくさんです。以下の①~⑫までの観光スポットを巡っていきます。
文字部分をクリックするとそのスポットの解説部分に移動します。
① コロッセオ、 ② パラティーノの丘、 ③ フォロ・ロマーノ、 ④ ベネチア広場、 ⑤チルコ・マッシモ、 ⑥真実の口、 ⑦パンテオン、 ⑧ピノキオ専門店「BARTOLUCCI」、 ⑨ナヴァーナ広場、 ⑩スペイン広場、 ⑪トレビの泉、 ⑫ジェラート専門店「Gelateria Valentino」
以下より、①〜⑫までのスポットを詳しく解説していきます。
08:00 メトロB線「テルミニ」駅


旅のスタートは、メトロB線の「テルミニ(TERMINI)」駅です。地下鉄テルミ二駅には、B線の他にA線もありますが、乗り場は明確に案内されているので、案内標識(写真右上)に従って行けば、簡単に乗り場にたどり着けます。
地下鉄のテルミニ駅は、国内外を結ぶ長距離列車が発着する「テルミニ駅」とも構内でつながっています。これから宿泊施設を予約される方は、「テルミニ」駅周辺のホテルを拠点とすれば観光効率が良いのはもちろん、近隣都市への移動も非常にスムーズです。
15分(メトロB線12分+徒歩3分)
08:30 コロッセオ


テルミニ駅からわずか2駅先に位置する「コロッセオ」。この円形闘技場が誕生したのは、皇帝ティトゥスの時代、紀元80年にも遡ります。
高さ約48.5mを誇るこの巨大な楕円形の建造物は、長い方の幅で188メートル、短い方でも156メートル、外周の長さは527mにものぼります。地下には当時としては画期的な昇降機などの設備も備えられていました。この昇降機によって猛獣や巨大な舞台装置などが地上に運ばれていました。
このコロッセオは主にローマ人の娯楽の場として、剣闘士による闘いや、戦車競争、猛獣の殺戮ショーなど、様々なエンターテインメントが行われていました。当日の観客数は5万~7万人にも上ったと言われ、市民の熱狂ぶりがうかがえます。
コロッセオはローマの中でも一二を争う人気スポットなので、混雑を避けるために朝一番での訪問か、事前に公式サイトなどで入場予約をしておくのがお勧めです。コロッセオ、フォロ・ロマーノ、パラティーノの丘のチケットは全て共通なので、それぞれ1回づつ入場が可能です。また、コロッセオにローマパスで入場するには、別途入場予約が必要です。
- ・8:30〜16:30(1/2 - 2/15)
- ・8:30〜17:00(2/16 - 3/15)
- ・8:30〜17:30(3/16 - 3月の最終土曜日)
- ・8:30〜19:15(3月の最終日曜 - 8/31)
- ・8:30〜19:00(9/1 - 9/30)
- ・8:30〜18:30(10/1 - 10月の最終土曜)
- ・8:30〜16:30(10月の最終日曜 - 12/31)
徒歩5分~8分
09:50 パラティーノの丘

「パラティーノの丘」は、フォロ・ロマーノの南側に隣接する高台のエリア一帯の事です。かつては、ローマの政治や経済の分野に権力を発揮していた貴族などが暮らしていました。その中でもローマ初代皇帝であった「アウグストゥス」の邸宅は必見で、非常に保存状態の良い赤や黄色のフレスコ画が残されています。
パラティーノの丘は、北側のフォロ・ロマーノとは敷地内で繋がっているので、南東側のパラティーノの丘の入口から入場して、フォロ・ロマーノ方面を目指しながらパラティーノの丘を観光して行くと効率が良いです。
10:10 フォロ・ロマーノ


フォロ・ロマーノは「ローマ人の広場」を意味する言葉で、古代ローマの政治や経済の中心として栄えていた場所です。
その広さは巨大帝国ローマの規模からすると、4~500メートル四方とさほど広くはありません。しかし、敷地内には、老院議事堂「クーリエ」や、裁判・商取引などを行う「バシリカ」など、かつてローマ帝国を都市として機能させた重要な建造物が集中しています。
他にも、歴代皇帝の偉業をたたえる神殿や凱旋門(写真右上)をはじめ、ローマ帝国時代の貴重な遺跡などを目にする事ができます。
- ・8:30〜16:30(1/2 - 2/15)
- ・8:30〜17:00(2/16 - 3/15)
- ・8:30〜17:30(3/16 - 3月の最終土曜日)
- ・8:30〜19:15(3月の最終日曜 - 8/31)
- ・8:30〜19:00(9/1 - 9/30)
- ・8:30〜18:30(10/1 - 10月の最終土曜)
- ・8:30〜16:30(10月の最終日曜 - 12/31)
徒歩3分~4分
※フォロ・ロマーノの西側の出口から出ると近いです。11:30 ベネチア広場

ベネチア広場の南側に面して建つ巨大な白亜の建物は、通称「ヴィットリアーノ」と呼ばれています。この建造物は、統一イタリアの初代国王「ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世」を記念して1911年建てられたもので、内部は博物館となっています。
建物の中央には、エマヌエーレ2世のブロンズ製の騎馬像が立ち、その下には無名戦士を祀る祭壇が置かれています。本モデルコースでは外観だけ見学します。
徒歩12分~14分
11:50 チルコ・マッシモ

チルコ・マッシモは紀元前7世紀末から8世紀にかけて建設された巨大な闘技場の跡地です。かつてこの場所では、4頭の馬に引かせた戦車が激しい競争を繰り広げていました。長さ620メートル、幅120メートルの敷地内には15万人もの観客を収容できたと言われています。当時この跡地の中央にあったオベリスクは、現在ボルゲーゼ公園の西側にある「ポポロ広場」に置かれています。
徒歩2分
12:30 真実の口


ローマの休日のワンシーンで有名な真実の口を訪問します。真実の口は、サンタ・マリア・イン・コスメディンという教会の入口柱廊の左側にあり、写真撮影自体は無料となります。ただし、50セントの寄付金が推奨されているので、写真撮影場所近くの募金箱に投入してください。
記念写真は1人につき1枚~2枚ほど撮影する事が可能で、所要1分〜2分もあれば十分です。ただし、たいていの場合は撮影待ちの行列が出来ているので、所要合計30分〜40分くらいは見ておいた方が無難です。
また、真実の口とは別に、教会内部(写真右上)にも無料で入場する事ができます。教会自体は小さくて質素な感じなので、所要10分弱もあれば時間的には十分です。
- ・9:00〜18:00(夏季)
- ・9:00〜17:00(冬季)
13:10 休憩・ランチ

真実の口の周辺でランチを探す場合、すぐ西側にあるパラティーノ橋を渡るとお手頃なレストランを複数見つける事ができます。中でも夜は予約が必須のイタリア料理店「ダ エンツォ アル29」は、非常に口コミ評価が高くてお勧めのレストランです。あるいは、お手頃価格で評判も上々のイタリア料理店「Trattoria da Teo」などもお勧めです。
徒歩20分
14:30 パンテオン

パンテオンは、アウグストゥス帝の側近であったマルクス・アグリッパによって建設されました。しかし、その後火事で焼失したため、120年にハドリアヌス帝によって石造りの神殿として再建されました。パンテオンは、外観のインパクトもさる事ながら、無料で見学できる神殿内部も中々の見ごたえがあります。中でも、ローマ時代に時間を計るために利用されたクーポラ頂上の8.8mの天窓や、ラファエッロの墓は必見です。
- ・8:30〜19:30(月 - 土曜)
- ・9:00〜18:00(日曜)
徒歩3分~4分
15:00 ピノキオ専門店「BARTOLUCCI」


パンテオンから北西に250m(徒歩3分)ほどの場所に、木製のおもちゃや雑貨を扱うピノキオグッズの専門店「BARTOLUCCI」があります。店内はピノキオの置物や時計、文房具など子供から大人まで楽しめる商品が満載です。おすすめはピノキオの掛け時計、もしくは「ROMA」の文字が入ったピノキオの置物です。
- ・10:00 - 22:00
徒歩5分
15:40 ナヴァーナ広場

ナヴァーナ広場は、バロック様式の3つの噴水が特徴的な広場です。3つの噴水の中でも広場中央に位置するベルニーニ作「四大河の噴水」がこの広場のメインシンボルです。更にその後方には、ボッロミーニ設計による「サンタニェーゼ・イン・アゴーネ教会」が建っているので、是非この二つの建造物をバックに記念撮影を行ってください。

■ネプチューンの噴水とムーア人の噴水ナヴァーナ広場の北側には「ネプチューンの噴水(右写真)」があります。この噴水は建設当初は噴水部分だけの造りでしたが、19世紀になって立派な彫刻が置かれて現在の形となりました。そして、広場の南側には「ムーア人の噴水」もあります。「ムーア人の噴水」は噴水中央のベリーニの下絵を元に造った「戦うムーア人の彫刻」がトレードマークです。
徒歩15分
16:20 スペイン広場

スペイン広場の階段は1723年に急こう配の丘とその下を結ぶために建設されました。このスペイン階段は、映画「ローマの休日」で、オードリヘップバーン扮するアン王女が、階段に座ってジェラートを食べるシーンはあまりにも有名です。是非、ジェラートを食べながら写真撮影をしてみてください。また、広場の階段は休憩スポットとしても活用できるので、正面の噴水を眺めながらジェラートを食べて休憩するのもおすすめです。

■舟の噴水スペイン階段を降りて真正面にあるのが「舟の噴水」です。この噴水はバロックの時期を代表するイタリアの彫刻家「ベルニーニ」によって造られました。舟はテベレ川でワインの運搬に使われていた小舟をモデルにしたという説があります。

■コンドッティ通りスペイン階段を背にして舟の噴水を通り過ぎた先には、ローマの高級ショッピングストリートと言われる「コンドッティ通り」があります。通りに並ぶのは、プラダやシャネル、ブルガリをはじめ、高級革製品のショップなど、日本で手に入るブランド品の店がほとんどですが、サンタンジェロ城からスペイン広場へ行く途中にある通りなので、折角なので見るだけでも立ち寄ってください。
徒歩8分
17:10 トレビの泉

古代ローマ時代のヴィルゴ水道の改修を記念して18世紀に建設されたバロック様式の噴水がトレビ(トレヴィ)の泉です。トレビの泉と言えば、後ろ向きにコインを投げると「ローマにもう一度戻って来ることができる」というジンクスがある場所です。そのため、観光客はこぞって後ろ向きでトレビの泉にコインを投げ入れます。折角なので是非トライしてみてください。トレビの泉の正面の彫像は海上とトリトンを従えた「海神ネプチューンの像」です。
徒歩2分
17:50 Gelateria Valentinoのジェラート

トレビの泉の観光後は、超人気の老舗アイスクリーム店「Gelateria Valentino」で夕食前のスイーツタイムです。この店は味と品質に非常に高いこだわりを持っており、-35度から-45度の温度でアイスやジェラートを徹底管理して材料の鮮度を保っております。そのため他の店の様にショーケースからジェラートやアイスを覗く事はできないです。是非、最高のクオリティのジェラートを堪能ください。値段は3ユーロからで、一押しは「ピスタチオジェラート」です。
- ・10:00〜23:00
19:00 観光終了・ディナータイム
1日目のモデルコースはこれで終了です。トレビの泉周辺でレストランをお探しなら、陽気なスタッフとピザの絶妙な味付けが評判の「Pizza in Trevi」や、もっちりとした生地のピザが病みつきになるローカルレストラン「Piccolo Buco」などがお勧めです。
モデルコース2日目 バチカン市国攻略コース
バチカン市国攻略コースでは、以下の①~⑥までの観光スポットとショップを巡って行きます。
文字部分をクリックするとそのスポットの解説部分に移動します。
①サン・ピエトロ大聖堂、②クーポラ(サン・ピエトロ大聖堂)、③サン・ピエトロ広場、④バチカン美術館、⑤サンタンジェロ城、⑥サンタ・マリーア・マッジョーレ教会、⑦EATALY ROMA
この2日目「バチカン市国攻略コース」では、ローマ観光のハイライトとも言える「バチカン市国」をじっくりと時間をかけて観光します。span>バチカン市国内には大きく別けてと3つの見どころがあり、それぞれ「サン・ピエトロ大聖堂」「クーポラ」「バチカン美術館」です。この3つはどれも混雑必須の観光スポットですが、事前予約や訪問時間帯を工夫して効率よく観光します。
07:00メトロA線「テルミニ」駅

旅のスタートは、メトロA線の「テルミニ(TERMINI)」駅です。テルミニ駅から地下鉄A線で「バチカン市国」の最寄り駅「Ottaviano」駅を目指します。朝が強い方は、サン・ピエトロ大聖堂の開場時間である7時に到着できる様にもう20分早く出るとより観光がスムーズになります。
20分(メトロA線10分+徒歩10)
07:20 サン・ピエトロ大聖堂

混雑必須の人気スポット「サン・ピエトロ大聖堂」は入場は無料ですが、事前の入場予約を行う事はできません。混雑回避のため、開場時間の7時直後に合わせて観光をスタートします。カトリックの総本山と呼ばれる「サン・ピエトロ大聖堂」の内部では、ルネッサンスからバロックまで、イタリア芸術の技術が結集した美術品の数々を目にする事ができます。内部の至る所に、ミケランジェロやベルニーニをを始めとする一流芸術家たちが手がけた装飾、彫像、絵画、モザイク画などが目白押しです。是非じっくりと時間をかけて観光する事をお勧めします。

■バルダッキーノ(大天蓋)大聖堂内の装飾やオブジェクトの中でも、ベルニーニが手掛けた「バルダッキーノ(大天蓋)」と呼ばれる高さ29メートルの大天蓋は必見です。4本の螺旋状の柱が特徴的なこの大天蓋には、鍍金ブロンズが惜しみなく使用され、大天蓋の真下には「聖ペテロ」が埋葬されています。

■ミケランジェロ作「ピエタ像」サン・ピエトロ大聖堂に入場してすぐ右手に、クリスタルケースに囲まれた大理石の像があります。これは、ミケランジェロが若干24歳の時に手がけた代表作「ピエタ像」です。ミケランジェロは、このピエタ像を完成させた事でその名を世に知らしめました。

■並ばないで入場できる別ルートの噂サン・ピエトロ大聖堂は、バチカン市国正面のサン・ピエトロ広場から並んで入場するのが通常ですが、バチカン美術館からシスティーナ礼拝堂見学した後に、左側の通常出口と反対側にある右側の出口から出ると、サン・ピエトロ大聖堂に並ばないで入場できるというルートがあります。このルートの通行が100%可能であれば、バチカン美術館とシスティーナ礼拝堂を見学した後に「サン・ピエトロ大聖堂」を見学する方が効率が良いのですが、このルートは実際には一般旅行客の通行は許可されてない様です。

本来はツアーや団体旅行者専用のルートの様なのですが、そこまで厳重にチェックしてないため一般の旅行者でも通行できてしまうというのが実際の様です。ですので、係員の気分やタイミング次第では、通行できない場合がある運次第のルートになります。ちなみに、私もこのルートでシスティーナ礼拝堂からサン・ピエトロ大聖堂に並ばずにスキップ入場できましたので、通れる場合の方が多い様です。しかし、本記事で紹介するモデルルートでは、この通行が不確かなルートを使用しない前提で、効率良く観光できるコースをご案内しております。
- ・7:00〜19:00(4月 - 9月)
- ・7:00〜18:30(10月 - 3月)
階段で30分、もしくはエレベーターと徒歩で15分
08:00 クーポラ(サン・ピエトロ大聖堂)


サン・ピエトロ大聖堂の内部からは「クーポラ」と呼ばれる大聖堂のドーム部分に有料で入場する事ができます。クーポラの登り口は、サン・ピエトロ大聖堂の正面入口付近からアクセスする事が可能です。
右上画像の通路を「DOME ENTRANCE」の案内に従って進んで行くと、チケット売り場とクーポラの登り口があります。クーポラに階段で登る場合の入場料金は8ユーロで、頂上までの所要は約30分、551段の道のりです。
10ユーロ出せばエレベーターで途中まで登る事ができますが、どちらにしても途中からは階段で登る必要があります。エレベーターを利用した場合は、頂上まで所要15〜20分ほどです。クーポラの頂上までは、かなりしんどいので覚悟を決めて登る必要がありますが、苦労した分だけ価値のある絶景を望む事ができます。

■午前中は逆光クーポラからの景観は絶景ですが、午前中は残念ながら逆光となります。本モデルコースでは、効率良くスムーズに観光するために午前中にクーポラに立ち寄るコースをご案内していますが、写真にこだわる方は、混雑覚悟で最もクーポラから綺麗な写真が撮影できる午後の時間帯に訪れるのがおすすめです。逆にサン・ピエトロ広場から大聖堂を撮影する場合は午前中が順光になります。
- ・8:00〜18:00(4月 - 9月)
- ・8:00〜17:00(10月 - 3月)
徒歩1分
09:30 サン・ピエトロ広場


天才芸術家「ベルニーニ」によって1656年から1667年にかけて造られた「サン・ピエトロ広場」は、サン・ピエトロ大聖堂の東に広がる円形の広場です。広場の外周を囲む直径240mの回廊の上には140体の像が並び、広場の中央にはエジプトから運ばれた「オベリスク」と呼ばれる高さ41.23メートルのモニュメントが聳え立っています。その「オベリスク」の両側には、「カルロ・マデルノ」と「ベルニーニ」がそれぞれに手がけた2つの噴水があり、噴水とオペリスクの間には、四列の柱が一列に見える「ベルニーニポイント」という不思議な地点があります。サン・ピエトロ広場は、大聖堂とクーポラを見学した後に、ゆっくりと見学するのがお勧めです。
10:00 休憩・ランチ

サン・ピエトロ広場の観光後は、間違いなく長丁場になるバチカン美術館観光に備えて少し早めのランチがお勧めです。早めのランチをとる事でランチタイムの混雑も避けられるので一石二鳥です。バチカン市国周辺のおすすめのレストランは、グルテンフリーのピザが人気の「Miscellanea」や、内装が可愛くてリゾットやスイーツが好評の「Ristorante Arlù」、ピザとハンバーガーが好評の「Ris Cafè Pub & Restaurant」などがおすすめです。いずれのレストラン(カフェ)も、サン・ピエトロ広場からバチカン美術館に行く途中のルート付近にあるので、午後にバチカン美術館にアクセスするのに非常に便利です。
徒歩5分(バチカン市国付近のレストランから)
11:00 バチカン美術館


いよいよ二日目のモデルコースのハイライト「バチカン美術館」を見学します。バチカン美術館の見学コースは全長7km、総面積4万2000m2にも及ぶため、公開中の全ての展示室を見るには半日は必要です。
そのため、ほとんどの観光客は3時間~4時間ほどかけて、「ピナコテカ(絵画館)」「ピオ・クレメンティーノ美術館」「ピーニャの中庭」「地図のギャラリー」「ラファエロの間」「システィーナ礼拝堂」などの人気スポットだけを観光する場合がほとんどです。半日以上かけてでもバチカン美術館を堪能したい方は、上記スポットに加えて「キアラモンティ美術館」「バチカン図書館」「グレゴリウス・エジプト美術館」などを見学コースに加えれば、6時間以上みっちりと美術品を堪能できます。前提として、予めバチカン美術館の予約サイトで時間指定予約を行っておく必要があります。必ず事前にチケットを予約の上で、予約書をプリントして持参ください。

■絵画館(ピナコテカ)絵画館(ピナコテカ)には、ラファエロをはじめとする最盛期のルネサンスの巨匠たちの作品を中心に、11世紀~16世紀までの絵画とタピスリーが約500点も展示されています。
展示は18部屋にも渡っており、ラファエロの「キリストの変容」「フォリーニョの聖母」、メロッツォ・ダ・フォルリのフレスコ画「リュートを奏でる天使」など、多くの貴重な作品を目にすることができます。

■ピオ・クレメンティーノ美術館12の展示室から成る「ピオ・クレメンティーノ美術館」には、あのミケランジェロも絶賛したと言われる「ベルヴェデーレのトルソ」や「ラオコーン」など、古代ギリシャとローマ時代の彫刻が展示されています。

■システィーナ礼拝堂(最後の審判)「システィーナ礼拝堂」は、ローマ教皇の命を受けた、フィレンツェの建築家が、1475年から1483年にかけて完成させました。
礼拝堂の奥行は40m、幅は約13m、高さは20mもあり、天井や壁面は美しい芸術作品の数々で埋め尽くされています。中でもミケランジェロが描いた祭壇の壁画「最後の審判(写真右上)」と、天井画「天地創造」は必見です。
この作品を見るだけでもバチカン美術館を訪れる価値があります。残念ながら内部は一切の撮影が禁止なので、目に焼き付けて楽しんでください。当サイトで掲載している写真はピーニャの中庭にあったパネルを撮影したものです。
- ・月曜~土曜:9:00~19:00(入場は17:00まで)
3/1以降の毎週金曜と土曜などは、営業時間が「9:00~20:00(最終入場は18:00)」となります。
【バチカン美術館に関する参考記事】【関連リンク】徒歩17分
14:30 サンタンジェロ城


元々、サンタンジェロ城はハドリアヌス帝と後世の皇帝のための霊廟として建設されたものでした。しかし、後に要塞としての役割が強まり、いつしか「サンタンジェロ城」と呼ばれる様になりました。現在、サンタンジェロ城の内部は有料(14.00ユーロ)で見学する事ができます。サンタンジェロ城の内部はいくつかのフロアに別れており、屋上の展望フロアでは、ローマ市内の景観をパノラマビューで楽しむ事ができます。他にも景観を楽しみながら食事ができるカフェや、ローマ時代の貴重な品々や、武器、武具、軍服などが展示されている博物館などもあります。本コースでの所要時間は、サンタンジェロ城内部の見学時間も含んでいますが、サンタンジェロ城は外観だけ見学して次の観光スポットに移動する人も多いので、あまり興味がなければ外観だけ見学して移動するのも選択肢の一つです。

■サンタンジェロ橋「サンタンジェロ橋」は、テベレ川を挟んで「サンタンジェロ城」と対岸を結んでいます。橋の上では独特のスタイルに身を包んで観光客を楽しませるパフォーマー(写真右)を目にする事ができます。
- ・9:00〜19:30
徒歩15分
16:00 メトロA線「Lepanto駅」
サンタンジェロ城の観光を終えたら、最寄り駅「Lepanto」駅に徒歩で移動し、メトロA線で「Termini駅」に向かいます。
10分(メトロA線12分+徒歩9分)
16:30 サンタ・マリーア・マッジョーレ教会

サンタ・マリーア・マッジョーレ教会は、ローマの4大聖堂の一つで、敷地はバチカン市国に属しています。そこまで大きい教会ではありませんが、クラシカルなバジリカ様式の内部は非常に美しく、特に後塵のモザイク画「マリアの戴冠」は必見です。ガイドブックなどでは扱いが小さかったり完全にスルーされている教会ですが、穴場的な存在で非常に見ごたえのある一押しの教会です。そして、このタイミングでサンタ・マリーア・マッジョーレ教会を訪問する一番の理由は、お土産コーナーがあるからです。ここで販売されているお土産「ロザリオ」や「手鏡」などは安くてローマの他の店では購入できないものばかりです。教会自体の入場は無料で、別途隣接の博物館への入場が有料になります。
- ・7:00〜18:45
28分(メトロB線10分+徒歩18分)
17:40 EATALY ROMA


観光の後はショッピングです。まだまだ体力に余裕のある方は「Termini 駅」からメトロB線にのって「Piramide 駅」に移動します。そこから徒歩7分ほどの場所にある「EATALY ROMA」はレストラン兼、高級スーパーです。この店ではイートインで食事が楽しめるほか、イタリアの生鮮食品、チーズ、生ハム、トリュフ、ポルチーニ、お菓子やオリーブオイルなど、ありとあらゆる商品を見つける事ができます。
イタリアのお菓子は甘すぎてまずい物がほとんどです(個人的な意見です)が、この「EATALY ROMA」で購入したチョコやクッキーのお土産だけが日本の友人にも好評でした。個別に包装されているお菓子も多いので、日本へのお土産探しに非常に便利です。商品も豊富なので見てるだけでも楽しめます。何より夜の12時まで営業しているのが有難いです。
- ・9:00〜24:00
19:00 観光終了・ディナータイム
「バチカン市国攻略コース」はこれで終了です。もしディナーの店探しに困ったら、テルミニ駅周辺なら、良心的な価格と定員の接客マナーが日本人にも好評の大衆イタリア料理店「Trattoria Cecio
」や、日本語のメニューが嬉しいローマの郷土料理を提供する「トラットリア アンティカ ボエム」がおすすめです。また、同じく日本語メニューがある老舗の「Ristorante del Giglio」などもおすすめです。この店は接客も非常に親切で日本人の方の利用率も高い様です。
その他のお勧め観光スポット
ローマの2日間のモデルコースからは時間の都合で仕方なく外しましたが、時間的に余裕のある方には是非立ち寄って頂きたいお勧めの観光スポットをご紹介致します。
ボルゲーゼ美術館

ローマでバチカン美術館に次いで人気の美術館が、この「ボルゲーゼ美術館」です。元々は、美術品収集家として知られる「枢機卿 シピオーネ・ボルゲーゼ」の別荘でしたが、18世紀より彼のコレクションを展示する美術館として使用されています。
「ボルゲーゼ美術館には、ラファエロをはじめ、ティツィアーノ、カラヴァッジオ、ベルニーニなど、16世紀から19世紀にかけて活躍したイタリアの巨匠たちの絵画や彫刻が数多く展示されています。中でも「ベルニーニ」の作品が充実しています。これはボルゲーゼがベルニーニのパトロンであったためです。
ボルゲーゼ美術館は完全予約の入れ替え制となっています。見学には必ず事前予約が必要です。また、以前まではローマパスの使用が可能でしたが、現在は使用できなくなりました。
- ・8:30~19:30
ボルゲーゼ公園

ローマ市民の憩いの場所の一つがこの「ボルゲーゼ公園」です。総面積9.5万㎡を誇るローマで2番に大きいこの公園は、17世紀に枢機卿に選出されたボルゲーゼ家の別荘として造園された場所です。上の写真は18世紀後半に造られた「湖の庭園」で、園内には動物園もあります。ボルゲーゼ公園は、ボルゲーゼ美術館に立ち寄った際に休憩や気分転換に訪れるぐらいがお勧めです。
ポポロ広場

ローマパスについて

ローマパスは、ローマ市と公共交通機関(ATAC社)が発行しているカードで、ローマ市内の観光スポットや美術館に無料、もしくは割引料金で入場できるお得なチケットです。
更に地下鉄やバスも乗り放題になるため、ローマの交通機関を活用して、美術館や博物館などを広範囲で観光する方には非常にメリットの大きいカードです。ローマパスは、使い方によってはかなりお得な料金でローマ市内を観光できる様になるので、皆さんの観光予定のスポットの多くが、ローマパスの対象範囲であれば是非購入を検討してみてください。
ローマパスには「48時間(ROMA PASS 48hours)」と「72時間(ROMA PASS 72hours)」の2種類があり、それぞれ料金と有効期間、特典範囲などが異なります。
ローマパスの基本情報
■ 48時間(ROMA PASS 48hours)ローマパスの48時間有効なチケットは、最初の任意の1施設の入場が無料になります。それ以降の入場に関しては全ての対象施設で割引が適応されます。
料金 | 28€※コロッセオ入場は別途2€で入場予約が必要 |
---|---|
有効期限 | 48時間※使用開始から48時間有効 |
その他の特典 | 地下鉄・バス(ATAC社)が乗り放題 |
ローマパスの72時間有効なチケットは、最初の任意の2施設の入場が無料になります。それ以降の入場に関しては全ての対象施設で割引が適応されます。
料金 | 38.5€※コロッセオ入場は別途2€で入場予約が必要 |
---|---|
有効期限 | 72時間※使用開始から48時間有効 |
その他の特典 | 地下鉄・バス(ATAC社)が乗り放題 |
ローマパスの利用範囲
対象施設 | 通常料金 | 割引料金 |
---|---|---|
アカデミア・ディ・サン・ルカ | free | free |
カピトリーノ美術館 | € 11,50 | € 9,50 |
Centrale Montemartini | € 7,50 | € 6,50 |
トラヤヌスの市場 | € 11,50 | € 9,50 |
ナポレオン美術館 | free | free |
ローマ博物館 | € 9,50 | € 7,50 |
トラステヴェレのローマ博物館 | € 6,00 | € 5,00 |
Museo di Casal de’ Pazzi | free | free |
バラッコ古代彫刻美術館 | free | free |
Musei di Villa Torlonia - Casina delle Civette | € 6,00 | € 5,00 |
Musei di Villa Torlonia - Casino Nobile | € 7,50 | € 6,50 |
Musei di Villa Torlonia - Casina delle Civette + Casino Nobile | € 9,50 | € 7,50 |
Museo Pietro Canonica a Villa Borghese | free | free |
壁の博物館 | free | free |
Museo dell'Ara Pacis | € 10,50 | € 8,50 |
Museo Carlo Bilotti - Aranciera di Villa Borghese | free | free |
ローマ市立動物学博物館 | € 7,00 | € 5,50 |
マクセンティウス帝の邸 | free | free |
Galleria d'Arte Moderna di Roma Capitale | € 7,50 | € 6,50 |
Museo della Repubblica Romana e della memoria Garibaldina | free | free |
Museo delle Civiltà | € 10,00 | € 5,00 |
Museo Nazionale Preistorico ed Etnografico “Luigi Pigorini” | ||
Museo Nazionale dell’Alto Medioevo | ||
Museo Nazionale delle Arti e Tradizioni Popolari | ||
Museo Nazionale d’Arte Orientale “Giuseppe Tucci | ||
コロッセオ、フォロ・ロマーノ、パラティーノの丘 | € 12,00 | € 7,50 |
カラカラ浴場 | € 8,00 | € 2,00 |
チェチリア・メテッラ・エ・カストルム・カエタニ霊廟 | € 5,00 | € 2,00 |
マッシモ宮殿、アルテンプス宮殿、Crypta Balbi、ディオクレティアヌスの浴場跡 | € 12,00 | € 8,00 |
€ 13,00 (€2,00) | € 2,00 | |
バルベリーニ宮殿、コルシーニ宮殿 | € 12,00 | € 6,00 |
ローマ国立近代美術館 | € 10,00 | € 5,00 |
スパーダ美術館 | € 5,00 | € 2,50 |
ローマ国立楽器博物館 | € 5,00 | € 2,50 |
ヴェネツィア宮殿 | € 10,00 | € 2,50 |
サンタンジェロ城(博物館) | € 14,00 | € 5,00 |
ヴィラ・ジュリア国立博物館 | € 8,00 | € 4,00 |
イタリア国立21世紀美術館 | € 12,00 | € 9,00 |
ヴァレンティーニ宮殿のローマ式ドムス | € 12,00 (€1,50) | € 8,00 |
オスティア・アンティカ | € 10,00 | € 2,00 |
ローマパスの購入方法や詳しい情報に関しては、別記事の「ローマパス 現地とオンラインでの購入方法から利用範囲まで徹底解説」にて詳しく解説しております。
まとめ
本記事で紹介しているモデルコースはあくまでも一例ですが、ローマのメイン所は全て網羅できると思います。反面、それなりに歩く距離も多く、二日間の中で見どころを凝縮しておりますので、体力や趣向に合わせてお好みで観光コースをカスタマイズして頂ければと思います。例えば、本モデルコースを3日間で周るなどすれば、かなりゆったりとした感じで、ローマの主要スポットは網羅できると思います。
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