天使と悪魔の舞台「サン・ピエトロ広場」の特徴や見どころを徹底解説【バチカン市国】
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バチカン市国バチカン市国の玄関口とも言える「サン・ピエトロ広場」は、サン・ピエトロ大聖堂や付属のクーポラに入場する前に必ず通る広場です。近年では、トム・ハンクス主演の「天使と悪魔」の舞台となった事でも知られています。
本記事では、このサン・ピエトロ広場の魅力と見るべきポイントを詳しく解説致します。
サン・ピエトロ広場の見どころ
サン・ピエトロ広場の実際の見学は、バチカン市国とローマの国境である「天使の門(写真上)」からスタートしますが、本来の巡礼路は東側の「サンタンジェロ橋(写真下)」を渡る所からスタートします。
このサンタンジェロ橋の欄干の天使像は全て、十字架や釘など、キリストの受難と関係する何かを手にしています。巡礼者はまず、このキリストの受難の道である「サンタンジェロ橋」を乗り越えて、両手を広げて迎える様に建つサン・ピエトロ広場の柱廊に迎えられるという、天才建築家「ベルニーニ」が描いた一連のストーリーがあります。
さて、ここからは本記事の主題である「サン・ピエトロ広場」の魅力を紹介していきます。30万人を収容できると言われるこの広場は、サン・ピエトロ大聖堂の内装も手掛けた「ベルニーニ」によって1656年から1667年にかけて造られました。広場は、日曜や聖日になると、ミサに参列する巡礼者たちで埋め尽くされます。
サン・ピエトロ広場は、大きく2つの部分で構成されています。一つは、ミケランジェロ設計のカンピドリオ広場をモデルにした大聖堂側の台形部分、もう一つは円柱の柱廊に囲まれた楕円形の部分です。
広場の幅は240メートル、奥行き340メートル、広場を囲む柱廊には、高さ15メートルの円柱が4列で284本も並んでいます。
柱廊の上部に目を向けると、欄干の上には高さ3.2メートルの「140体の聖人像」が並んでいます。この聖人像は、ベルニーニではなく、その弟子たちが手掛けたものです。
広場中央には、日時計の役割も兼ねる高さ25.13メートルの「エジプトのオベリスク」が聳え立っています。地上から十字架の頂点までを含めると、41.23メートルの高さがあります。
元々このオベリスクはエジプトから運ばれたもので、戦車競技の旋回の目印として、32年にローマ皇帝「カリグラ」によって、競技場に建てられたものです。その後、1586年にルネサンス期のイタリア建築家「ドメニコ・ファンターナ」の監修によって、大聖堂の左側から現在の場所に移動されました。
オベリスクの左右には「2つの噴水」があります。大聖堂に向かって左側が、バロック建築の先駆者の1人である「カルロ・マデルノ」の設計に基づいて1613年に造られました。
一方、右側の噴水はベルニーニよって1675年に付け加えられたものです。
また、左右の噴水とオベリスクとの間には「ベルニーニポイント」と呼ばれる円形の印が2つあります。
このベルニーニポイントの上に立って柱廊側を見ると、4列の柱が重なって1列に見えます。これは柱が全て放射状に並んでいるための現象で、意図的にベルニーニが考案したものです。
ざっくりですが、下写真の赤矢印が指すあたりが2つの「ベルニーニポイント」の位置です。
更にオベリスクを円状に囲む様に天使の顔のレリーフ「ウエスト・ポネンテ」があります。
映画「天使と悪魔」の中では、天使の吐く息の方向が次の殺害現場を示すとされていました。是非「ベルニーニポイント」と一緒にこの「ウエスト・ポネンテ」も探してみてください。
そして、サン・ピエトロ広場の西側に面して建つのが、高さ約45メートル、幅約114メートルを誇る「サン・ピエトロ大聖堂」です。キリスト教最大の建造物であるこの壮大な大聖堂は、世界に10億人以上の信者を持つと言われるカトリックの総本山です。
このサン・ピエトロ大聖堂とサン・ピエトロ広場は、暴君ネロによって逆さ十字形に処せられた「聖ペテロ」の名に因んで名づけられたものです。
更に建物の両端に目を向けると、ファサードを挟む様に、巨大な2体の像「聖ペテロ像(向かって左)」と「聖パウロ(向かって右)」が建っています。
続いて、大聖堂の上部に目を向けると、ミケランジェロ設計の「クーポラ」があります。
このクーポラの十字架の頂点までの高さは、地上から約136メートルあります。
サン・ピエトロ大聖堂とクーポラへの入場口は、このサン・ピエトロ広場の北側(大聖堂に向かって右側)にあります。朝一番ならほぼ並ばずに入場できますが、日中は1時間~2時間待ちは当たり前です。
大聖堂とクーポラを見学する場合は、広場のこの場所に並んで入場してください。
サン・ピエトロ広場までのアクセス方法や、大聖堂の見どころ、入場方法などは、別記事の「サン・ピエトロ大聖堂を攻略 – 見どころ、行き方、所要時間、混雑回避方法」にて詳しく解説しております。
また、大聖堂のクーポラに入場して絶景を堪能する方法は、同じく上の記事にて詳しく解説しておりますので、是非参考にしてください。
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