【フィレンツェ】ドゥオーモ大聖堂の見どころと観光情報を徹底解説

本記事では、フィレンツェのシンボルであるドゥオーモ大聖堂の見どころや観光情報について徹底解説いたします。他にもおすすめの撮影ポイントや、付属施設の観光情報など、ドゥオーモ観光に役立つ情報が満載です。
ドゥオーモとは - その建造と歴史について
一般的に「ドゥオーモ」の名で知られる大聖堂の正式名称は、花の聖母(マリア)を意味する「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」と言います。
この街のシンボルでもある「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」の建設は「アルノフォ・ディ・カンピオ」の設計によって1296年にスタートしました。
ところが、設計者であるカンピオの死などもあり、工事は予定通りに進みませんでした。何度も何度も中断を繰り返したすえ、クーポラを除く大聖堂部分が完成したのは、約100年後の1413年の事でした。
そして、ここから工事を進行するには大きな課題が残されていました。15世紀当時では、直径43メートル、高さ100mもあるクーポラの開口部分に屋根を加える技術はなく、工事の足場を組む事さえままなりませんでした。
この問題を解決し、多くの設計案から最適なものを選ぶ方法として、1418年に設計コンクールが開催されました。
そのコンクールで圧倒的な支持を集めて採用されたのが「ブルネッレスキ」がローマの古代建築からヒントを得て考案した「二重構造」の設計プランです。
これは、円蓋を2重構造にする事で工事の足場を確保しながら、徐々に建物を上方に築いていくというものでした。さらに2重構造によって重さを支えるポイントも分散されるので、強度的な面から考えても非常に素晴らしいプランでした。
しかし、当時としては「ブルネッレスキ」の設計案は革新的過ぎたため、彼の設計案を不安視する声もありました。そこで「ブルネッレスキ」の監視役として、彫刻家の「ギベルティ」が任命されました。これに激怒した「ブルネッレスキ」は、仮病などを使い、工事を進行しませんでした。
ドゥオーモ大聖堂と関連施設について
ドゥオーモ大聖堂があるドゥオーモ広場には、入場チケットや営業時間がそれぞれで異なる6つの見学スポットがあります。ドゥオーモ大聖堂の建物だけでも3つの入場スポットがあります。
まずは以下のドゥオーモ広場周辺マップにて、それぞれの見学スポットの位置関係をご確認ください。
① ドゥオーモ大聖堂内部、② クーポラ、③ テラス、④ サン・ジョヴァンニ洗礼堂、⑤ ジョットの鐘楼、⑥ ドゥオーモ付属美術館
上記6箇所のうち「① 大聖堂内部」「② クーポラ」「③ テラス」の3箇所は全て「ドゥオーモ大聖堂」にある見学スポットになります。ただし、予約なしで無料入場できる大聖堂内部以外は、「クーポラ」と「テラス」でそれぞれの入場チケットが必要になります。
残りの「④ サン・ジョヴァンニ洗礼堂」「⑤ ジョットの鐘楼」「⑥ ドゥオーモ付属美術館」の3箇所は、ドゥオーモ 大聖堂とは別の建物になりますが、付属・関連施設として位置付けられています。見学するにはそれぞれの入場チケットが必要になります。
入場料金
ドゥオーモ関連の6施設は、以前までは1枚の共通チケットで全施設に入場する事ができましたが、現在は、施設単体ごとの入場チケットが必要となっております。ただし、ドゥオーモ大聖堂内への入場に関しては、以前と同様に予約やチケットなしで無料入場可能です。また、6歳以下の方は全ての施設に無料入場できます
ドゥオーモ大聖堂(サンタ・マリア・デル・フィオーレ教会)
- 無料
クーポラ(大聖堂ドーム部分の展望台)
- 20ユーロ(一般大人)
- 10ユーロ(7~14歳)
テラス(大聖堂に付属するテラス部分)
- 25ユーロ(一般大人)
- 10ユーロ(7~14歳)
ジョットの鐘楼
- 15ユーロ(一般大人)
- 7ユーロ(7~14歳)
共通チケット(サン・ジョヴァンニ洗礼堂 + ドゥオーモ付属美術館)
- 10ユーロ(一般大人)
- 5ユーロ(7~14歳)
※ 毎月第1週目の火曜日は、付属美術館が休館のため利用不可です。
サン・ジョヴァンニ洗礼堂
- 5ユーロ(一般大人)
- 3ユーロ(7~14歳)
※ 毎月第1週目の火曜日のみ利用可能。
入場チケットの予約・購入方法
ドゥオーモ関連施設の全ての入場チケットは事前に「公式チケット予約サイト(英語)」からオンライン予約が可能です。このうち、クーポラのチケットに関しては、GET YOUR GIDEと言うサイトの「フィレンツェ:大聖堂ドームへの入場券ページ(日本語)」からも予約購入が可能です。公式サイト以外で予約購入する場合は若干の手数料が発生しますが、日本語ページから予約が可能です。
また、事前にオンラインではなく、現地ドゥオーモ付近に数カ所あるチケットオフィスや自動券売機でも各施設のチケット購入が可能です。ただし、3日先まで予約がいっぱいという事態は普通にあるので、事前のオンライン予約がベターです。
各施設の概要と営業時間
基本的にドゥオーモ大聖堂と全ての関連施設は、営業時間や入口が異なっています。例えば、クーポラは大聖堂の建物の一部ですが、営業時間も入口も大聖堂とは異なリます。
以下、ドゥオーモ大聖堂と関連施設の概要と営業時間になります。
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(ドゥオーモ)
予約なしで無料入場できる「ドゥオーモ大聖堂内部」には「最後の審判」や「ウッチェロの時計」など多くの見どころが存在しています。ドゥオーモ関連施設では、唯一無料入場できるのため、日中は建物に沿って入場待ちの行列ができます。確実に入場されたい方は、朝一番や閉館2時間ぐらい前の訪問がお勧めです。大聖堂内部の見どころに関しては、本記事後半の「ドゥオーモ大聖堂 外部の見どころ」と「ドゥオーモ大聖堂 内部の見どころ」の2項で詳しくご紹介しております。
営業時間 | 10:00~18:30(月~金曜) 13:00~16:30(土曜) 13:30~16:45(日曜) |
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休館日 | 1/1、1/6、12/25、イースター |
※ 大聖堂内部から下りる事ができる「サンタ・レバラータ地下教会の跡地(クリプト)」の営業時間は大聖堂と同じになります。
クーポラ
ドゥオーモのクーポラ(大聖堂の丸天井部分)は展望フロアになっており、入場の上で463段の階段を登りきると、フィレンツェ市内の絶景ビューを堪能する事ができます。更に、展望階に上る途中でクーポラの2重回廊部分の通路を歩くので、クーポラの天井画を間近で見ることができます。
クーポラに登るためには、事前のチケット予約が必須です。予約は「公式予約サイト(英語)」「現地のチケットオフィス」「現地のチケット券売機」のいずれかの方法で行う事ができます。予約さえしてしまえば、決まった時間に並ばずにクーポラに入場する事ができます。ただし、当日のチケットオフィスでの予約は、3日後まで予約が埋まっているという事も普通にあります。事前に公式ページから数ヶ月前に予約を取っておくのがベストです。
営業時間 | 08:30~19:00(月~金曜) 08:30~17:00(土曜) 13:00~16:00(日曜) |
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休館日 | 1/1、1/6、金曜祭前の金曜、復活祭、6/24、8/15、9/8、11/1、12/8、12/25~12/26、イースター |
テラス
2020年ごろより入場可能になったドゥオーモ大聖堂に付属するテラス部分で、入口はクーポラと同じです。150段の階段を上った後、高さ30メートルのテラスからパノラマビューを楽しむ事ができます。
年配の方などで、クーポラ(463段の階段)やジョットの鐘楼(414段の階段)に登るのはつらいという方は、こちらへの入場がおすすめです。また、予約がいっぱいでクーポラに登れなかった方は、こちらならチケットが空いている可能性もあると思います。
営業時間 | 10:30~17:15(月~金曜) 10:00~17:00(土曜) |
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休館日 | 毎週日曜、1/1、1/6、金曜祭前の金曜、復活祭、6/24、8/15、9/8、11/1、12/8、12/25~12/26、イースター |
サン・ジョヴァンニ洗礼堂
ドゥオーモ西側のファサード正面に建つ八角形のビザンティン様式の建物が「サン・ジョヴァンニ洗礼堂」です。この洗礼堂はドゥオーモよりも遥かに早い11世紀には完成していました。
洗礼堂の東側にはギベルティが制作した「天国の扉」と呼ばれる黄金の扉があるほか、内部に入場すると天井一面に、黄金の美しいモザイク画「最後の審判」が描かれています。多少行列ができる事もありますが、ドゥオーモ関連施設の中では混雑が緩やかな施設の一つです。
営業時間 | 08:15~10:15 / 11:15~19:30(月~金曜) 08:15~19:30(土曜) 8:13~13:30(日曜) |
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休館日 | 1/1、9/8、12/25、イースターの日 |
ジョットの鐘楼
ドゥオーモの西側ファサードの右手側に建つ、高さ84.7m、幅15mの塔が「ジョットの鐘楼」です。ジョットの鐘楼の上は展望階になっており、414段の階段を登ってアクセスする事ができます。鐘楼の上からは、フィレンツェ市内の景観をパノラマビューで望むことができます。日中は行列が出来ている事が多いですが、行列の回転は早いので見た目ほど並ばずに入場する事ができます。
景観的にはクーポラよりも、こちらのジョットの鐘楼からの方が、クーポラが正面に見える分、見栄え的に映える写真が撮れます。ただし、人気があるのは圧倒的にクーポラの展望階になります。
営業時間 | 08:15~19:45 |
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休館日 | 年中無休 |
ドゥオーモ付属美術館
ドゥオーモ付属美術館では、ドゥオーモの建築や歴史に関連した美術品や資料が展示されています。ギベルティの天国の門のオリジナルや、ミケランジェロのピエタ、ドナテッロのマグダラのマリア、ドゥオーモの模型などもここで鑑賞する事ができます。ドゥオーモ関連施設の中では最も混雑が緩やかですが、見学ボリュームと見応え十分の穴場スポットです。
営業時間 | 10:15~19:30 |
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休館日 | 第一火曜、1/1、12/25、イースターの日 |
ドゥオーモ大聖堂 外観の見どころ
まずは、ドゥオーモの外観の見どころからご紹介します。
ドゥオーモ西側のファサード
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(ドゥオーモ)の西側には、美しい彫刻が施されたファサードがあります。大聖堂内部にはこのファサードの入口から入場します。ファサードに向かって右側の縦長の建物は「ジョットの鐘楼」です。

西側ファサードは、ドゥオーモで最も遅く完成した部分で、かつては数世紀に渡り未完のまま放置されていました。デザインも何度か変更され、初代のファサードは1296年から「アルノルフォ・ディ・カンビオ」によって製作が開始されました。しかし、カンビオが亡くなった事もあり、下部分以外の装飾は未完に終わりました。その時のファサードの模型は、現在ドゥオーモ付属美術館に展示されています。
その後、ファサードにだまし絵が描かれた時期もありましたが、1864年に新しいファサードを設計するためのコンテストが開催され、見事「エミリオ・デ・ファブリス」という彫刻家が勝利しました。現在、見る事ができるファサードの装飾は、その「ファブリス」が1871年から1887年にかけて手がけたものです。赤、緑、白の大理石を使用した幾何学模様の装飾は非常に美しいです。

正面ドアの上方には「使途のギャラリー」と呼ばれる彫像群が並んでいます。

ファサードの3つある扉上部のルネット(半円)部分には、キリストや宗教をテーマーにしたモザイク画がそれぞれに描かれています。以下ファサードに向かって左側から順に写真だけご紹介します。
この3つのフレスコ画は、フィレンツェの彫刻家「ニコロ・バラビーノ(1831–1891) 」が全て手がけました。
ドゥオーモ南側の景観
ドゥオーモは、見る角度によって見え方が全然違います。下画像は建物の南側に回って撮影したものです。

ドゥオーモの長さは153メートルありますが、この南側に回ってみると、その長さを感じる事ができます。

ドゥオーモ北側の景観
日中は西側の大聖堂入口からこの北側まで大聖堂の入場を待つ人で長蛇の列ができます。予約必須のクーポラの登り口もこの北側に入り口があります。

ドゥオーモ東側の景観
ドゥオーモの東側は、大聖堂の最奥部にあたります。意外と見逃しがちなので、ドゥオーモの外観はぐるりと一周回って見学することをお勧めします。

写真は修復中の時期に撮影したものですが、現在は修復が完了しております。
ドゥオーモ大聖堂 内部の見どころ
ドゥオーモの内部には、西側ファサードの入口から入場します。下の写真と模型を参考にしてください。
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(ドゥオーモ)は、長さ153メートル、身廊幅38メートル、翼廊幅90メートル、最大収容人数は3万人と、世界でも有数の大きさを誇るラテン十字型の大聖堂です。
内部は、尖頭のアーチやリブ・ヴォールトの天井など典型的なゴシック様式の構造で、中央の身廊と2つの側廊からなる三廊式で構成されています。ヨーロッパの大聖堂を数多く見てきた方からすると、然程の斬新さは感じないかもしれません。ドゥオーモはどちらかと言えば、外観の美しさが魅力だと思います。

大聖堂内の44枚の窓には、キリストと聖母マリアの生涯の場面や、聖書に登場する聖人たちの姿が描かれています。これらはルネッサンス初期を代表する偉大な芸術家たち(ドナテッロ、ギベルティ、ウッチェッロ、カスターニョなど)が手がけたものです。
ここから更に大聖堂内の見どころについて詳しく解説していきますが、まずは以下の「聖堂内マップ」にて、各見学ポイントをご確認ください。
① ウッチェロの時計、② ニッコロ・ダ・トレンティーノ騎馬像、③ ジョン・ホークウッド騎馬像、④ 神曲を持つダンテの肖像、⑤ 最後の審判、⑥ 主祭壇と十字架像 、⑦ サンタ・レバラータ教会の跡地
細かく記せば、まだまだ見学ポイントはたくさんありますが、ガイドブックなどでもよく紹介されているのは上記6箇所になります。それぞれの見学ポイントについて以下より詳しく解説していきます。
ウッチェロの時計
ドゥオーモの西側の入口から入場して後ろを振り返り、視線を上部に向けると、1443年に制作された「ウッチェロの時計」を目にする事ができます。


この時計は初期ルネサンスの画家「パオロ・ウッチェロ」が設計した24時間時計で、通常の時計と逆回りで動きます。この時計には日没を知るための役割もあり、現在も微調整されながら使用されているそうです。
また、4.6m四方の正方形の四隅には、預言者の顔が遠近法を駆使して立体的に描かれています。これは時計の「現在」に対して「未来」を示唆しています。
騎馬像のフレスコ画
入口から左側の側廊に沿って少し進むと、壁際に2枚の騎馬像のフレスコ画が飾られています。向かって左側が、15世紀のイタリア画家「アンドレア・デル・カスターニョ」作の「ニッコロ・ダ・トレンティーノ」の騎馬像、右側が「パオロ・ウッチェロ」作の「ジョンホークウッド騎馬像」で、英国出身の傭兵隊長ジョン=ホークウッドの騎馬像を描いた作品です。
ドゥオーモ大聖堂は、市民の寄付金で建てられたため、フィレンツェの著名人や軍事指導者を称える美術品が何点もあります。
神曲を持つダンテの肖像
大聖堂の真ん中あたり、左手側廊の壁には、フィレンツェ派のイタリア画家「ドメニコ・ディ・ミケリーノ」が1465年に手がけた「神曲を持つダンテの肖像」が飾られています。

作品名の通り中央に立つのは神曲を持つ「ダンテ」で、中央と左側には天国と地獄、その右手側には未完成のドゥオーモとフィレンツェの景観が描かれています。
ダンテはフィレンツェ出身の詩人でしたが、政争に敗れてフィレンツェを追放され、以後故郷のフィレンツェに二度と足を踏み入れる事はありませんでした。
最後の審判
ドゥオーモ大聖堂内部の見学で必見なのが、八角形の天井に描かれた「最後の審判」のフレスコ画です。

このフレスコ画は、ミケランジェロの弟子で「ヴァザーリの回廊」も手掛けた「ジョルジョ・ヴァザーリ」が中心となり、1572年から1579年にかけて制作されました。
完成から400年以上経過しているにも関わらず、現在も非常に良好な状態を保っているのは、1978年から1994年にかけて行われた大規模修復のおかげです。
作中では、人間が生前の行いによって、天国行きか地獄行きかを再臨したキリスト(画像右上)によって審判される聖書の一場面「最後の審判」が描かれています。全体は大きく5つの場面で構成されており、一番内側の八角形には預言者たちが描かれています。
逆に一番外側の八角形部分には、地獄の場面(画像下)が描かれています。
「ミケランジェロ」も、この30年程前にシスティーナ礼拝堂に「最後の審判(1536年~41年)」の壁画を描いており、ヴァザーリとその他の弟子たちは、このミケランジェロの最後の審判を大いに参考にして本作を作り上げました。
主祭壇と十字架像
ドゥオーモ大聖堂の最奥部分には、イタリア彫刻家「バルトロメオ・バンディネッリ」などが手掛けた「主祭壇」と「大理石の祈祷席」があります。主祭壇の下のブロンズ製の棺には「聖ゼノビウス」の聖遺物が収められています。
また、主祭壇に置かれている「十字架象(画像下)」は、彫刻家で木工細工師の「ベネデット・ダ・マイアーノ」が手掛けたものです。
内部の見どころは以上ですが、1980年頃まではミケランジェロが生涯で4体制作した「ピエタ像(画像下)」オリジナルもこの聖堂内におかれていました。現在、このピエタ像はドゥオーモ付属美術館に展示されています。
付属美術館には、かつて大聖堂内に展示されていた多くの美術品が展示されています。
サンタ・レバラータ教会の跡地
"Inside Santa Maria del Fiore (Florence)" by Gryffindor is licensed underCC BY 3.0
現在のドゥオーモ大聖堂が建設された場所には、7~9世紀頃まで「サンタ・レバラータ教会」がありました。その後は長らく地下に埋もれていましたが、1966年にドゥオーモ大聖堂の修復作業を行った際に、地下でサンタ・レバラータ教会の遺跡が発見され、一般公開されるようになりました。
この地下遺跡には大聖堂内部にある階段からアクセスする事ができます。階段の位置は以下のマップにてご確認ください。
入場料金に関しては、以前までならドゥオーモ施設の共通チケットを提示すれば無料でしたが、現在は共通チケット自体が廃止となっております。また、廃止以後はコロナの影響もあり、この遺跡は閉鎖となっております。再びオープンした際は無料、もしくは階段の降り口付近で別途入場チケットを購入するなど、入場形態が変更になると思います。
サンタ・レバラータ教会の跡地では、教会の柱や壁、美しいモザイク床などを見学する事ができます。また、ドゥオーモ大聖堂のドームを完成させた「ブルネッレスキ」のお墓もここにあります。
"Inside Santa Maria del Fiore (Florence)" by Sailko is licensed underCC BY 3.0
ドゥオーモのお勧め撮影ポイント
「ドゥオーモ」はフィレンツェのシンボルだけあって、フィレンツェ市内に絶景ポイントが多く存在しています。本項では、その中でも特におすすめの撮影ポイントを厳選してご紹介します。
ジョットの鐘楼の展望フロアから撮影
最も王道で人気がある「ドゥオーモ」の撮影ポイントは、ジョットの鐘楼の展望フロアです。この景観を求めてフィレンツェを訪れる方も多いのではないでしょうか。

ミケランジェロ広場から撮影
やや遠目のアングルになりますが、夕焼け時の景観は、このミケランジェロ広場の右に出る場所はありません。

ドゥオーモ広場から撮影
ドゥオーモ広場は、超定番と言える「ドゥオーモ」の撮影ポイントです。広場に足を運べば、色んな角度やアングルでドゥオーモを撮影ができるのが魅力です。

パラッツォ ガンバ ラグジュアリー アパートメンツから撮影
ドゥオーモが部屋から見える人気アパートメントホテル「パラッツォ ガンバ ラグジュアリー アパートメンツ」からならいつでも好きな時に目の前でドゥオーモを撮影できます。


ボーボリ庭園から撮影
ピッティ宮殿の敷地内にあるボーボリ庭園からもドゥオーモを撮影する事ができます。他の場所から見るドゥオーモと違って、のどかな雰囲気の写真が撮影できます。

ドゥオーモ付属美術館から撮影
意外と知られていませんが、ドゥオーモ付属美術館のテラスからも、ドゥオーモのクーポラを間近で見る事ができます。撮影できるのはドゥオーモ東側の後塵部分になるので、結構マニアックなアングルですが、非常に迫力のある写真が撮影できます。

ヴェッキオ宮殿 アルフォルノの塔からの景観
シニョーリア広場の南東側に隣接するヴェッキオ宮殿の塔もフィレンツェ市内を見渡せる絶景スポットの一つです。
高さはドゥオーモのクーポラに次ぐ94メートルを誇ります。
クーポラについて
所要時間の目安とおすすめの訪問時間帯
ドゥオーモ(サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂)内部の見学所要時間は30分~40分もあれば十分だと思います。
ただし、上記の所要時間に入場待ちの時間は含まれておりません。ドゥオーモ入場はクーポラの様に入場予約ができないため、夏場などは入場待ちで長蛇の列ができます。
入場の待ち時間を踏まえたトータルの所要時間は、混雑具合にもよりますが、1〜2時間(うち待ち時間30分~60分)ぐらいが平均だと思います。11月~4月頃のローシーズンであれば、ほぼ並ばずに入場できる事も多いです。
どちらにしても、ドゥオーモを見学する場合は、開館前か閉館前ぐらいの訪問がお勧めです。一方、11時〜14時ごろは混雑ピークとなる可能性が高いので避けるのが賢明です。ドゥオーモ以外の観光スポットに関しては、コロナウィルスの影響で全て入場日時指定の予約入場となっておりますので、予約さえしておけば並ばずに入場する事できます。
見学の訪問時間を踏まえた「ドゥオーモと関連施設の見学モデルコース」に関しては次項にて解説します。
ドゥオーモ大聖堂と関連施設の回り方
本項では、あくまでも目安として、ドゥオーモ関連施設のうち5箇所を1日で観光するモデルコースをご紹介しますが、ご自身の予定や体力、嗜好などに合わせて訪問スポットをご調整ください。
基本的には、無理にドゥオーモ関連施設を全て観光するよりも「① ドゥオーモ大聖堂内部」「④ サン・ジョヴァンニ洗礼堂」「⑤ ジョットの鐘楼」の3箇所に絞って観光するだけで十分だと思います。というよりも、6箇所全てを観光される方は稀だと思います。
また、「クーポラ」と「ジョットの鐘楼」に関しては、両方を1日で上るのは体力的に厳しいと思いますので、いずれか一方だけで十分です。
残った滞在時間は「ウフィツィ美術館」「アカデミア美術館」「ミケランジェロ広場」などの観光に充てるのがお勧めです。
モデルコース
8:15 サン・ジョヴァンニ洗礼堂を観光

ドゥオーモ関連施設の中でも開館時間が早くて、最も短時間で見学できる「サン・ジョヴァンニ洗礼堂」を朝一番で見学します。洗礼堂内で「最後の審判」の天井画をじっくりと鑑賞した後は、サン・ジョヴァンニ洗礼堂外の東側の扉「天国の門」も忘れずに見学してください。
9:00 クーポラに登ってパノラマビューを堪能

洗礼堂を見学した後は、ドゥオーモ東側の入口から463段の階段を上って、クーポラの展望フロアを目指します。クーポラはドゥオーモ関連施設の中で最も人気のあるスポットなので、必ず事前にチケットを予約購入の上で訪問してください。予約した日時に入り口付近に行けば並ばずに入場できます。
10:15 ドゥオーモ付属美術館で美術品を見学

クーポラを観光した後は、ドゥオーモ付属美術館を見学します。館内は混雑も緩く座れる場所もあるので、休憩も兼ねながらゆっくりと見学してください。美術館の見学が終わったら、午後の観光に備えて早めのランチ休憩がお勧めです。時間が限られる方は、このドゥオーモ付属美術館の見学はスキップして、先に「ドゥオーモ」や「ジョットの鐘楼」などを見学ください。時間がある方でも、ドゥオーモの歴史や美術品に興味がなければ、この美術館の見学はスキップしてしまって良いと思います。
12:30 ジョットの鐘楼

かなりハードですが、午後一番で「ジョットの鐘楼」に登ります。時期にもよりますが、ジョットの鐘楼からクーポラ側を綺麗に撮影するには、正午ぐらいの時間帯がお勧めです。下の様な空の綺麗な写真が撮れます。

展望フロアまでは414段の階段を上ってアクセスしますが、途中に休憩ポイントもあるので、ご自身のペースでゆっくり登ってください。ジョットの鐘楼の見学が終わったら、カフェで一休みするなどして休憩を取ってください。
16:00 ドゥオーモ(サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂)内部を見学

いよいよ最後は「ドゥオーモ」の中を見学します。ジョットの鐘楼に登ってすぐに「ドゥオーモ」に入場しようとすると、行列のピーク時間帯と重なる可能性があります。土日の閉館は16時台になるので、14時頃には並んで入場を待つ必要がありますが、平日であればドゥオーモ広場から一端離れて、16時ぐらいに再訪すると、比較的混雑が緩やかな場合が多いです。どちらにしても並ぶ時間を考慮して、最低でも閉館2時間前には入場列に並ぶのがお勧めです。
時間と体力に余裕があれば、ドゥオーモ内部の階段からアクセスできる地下の「サンタ・レバラータ地下教会の跡地(クリプト)」にもアクセスしてみてください。
以上でドゥオーモ関連施設を1日で回るモデルコースは終了です。2020年ごろより新たに入場可能となったドゥオーモ大聖堂の「テラス」に関しては、本コースには含まれておりません。基本的には展望からの景色を楽しむ場所なので、クーポラやジョットの鐘楼に入場できなった場合の代替場所としてぐらいに認識するのが良いと思います。
テラスは料金的にも25ユーロと最も高く、ドゥオーモ運営側が、1日の入場人数拡大のために無理矢理整備した見学スポットの様に思えます。