サン・ピエトロ大聖堂のクーポラを攻略 – 登り方、料金、入口、所要時間【バチカン市国】
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バチカン市国
バチカン市国の見所の一つである「サン・ピエトロ大聖堂」には二つの楽しみ方があります。一つは、無料で入場可能な大聖堂内部の見学、そしてもう一つは有料入場が可能な「クーポラ」に登って絶景を眺める事です。
本記事では、そのうちのクーポラ見学について徹底解説致します。クーポラの入場料金や営業時間などの基本情報はもちろん、並び口や入口、チケット購入方法、展望階に到達するまでの流れまで余す事なく解説致します。
これからクーポラへ登ろうとお考えの方に向けたお役立ち情報が満載です。
サン・ピエトロ大聖堂のクーポラとは?
まず一般的に「クーポラ」とは、屋根あるいはその一部として建築物をおおう半球形、もしくはそれに近い形状の部分です。ドームなどと呼ばれる事もあります。写真で見た方が早いと思いますので、以下の画像でサンピエトロ大聖堂のクーポラ部分をご確認ください。


赤枠で囲った部分がクーポラで、景色が楽しめる展望階は、青枠で囲った部分になります。写真で見るとそんなに高さがない様に見えますが、約120mの高さがあります。
このサン・ピエトロ大聖堂のクーポラは1547年にミケランジェロの設計によって建設が開始されました。
残念ながら、完成を見ずしてミケランジェロは、工事スタートから17年後、彼が89歳の時にこの世を去りました。
その後、弟子の「ジャコモ・デッラ・ポルタ」にその意志は引き継がれ、ミケランジェロの死後から13年後の1590年にクーポラは完成しました。
現在、サン・ピエトロ大聖堂のクーポラ部分(展望階)へは「階段」か「エレベーター + 階段」で登る事ができます。
サン・ピエトロ大聖堂 クーポラの基本情報
クーポラの営業時間や料金は、階段とエレベーターのどちらを利用するかで異なってきます。また、階段を利用した場合は551段、エレベーターを利用した場合でも途中から320段の階段を登る必要があります。
営業時間
クーポラの営業時間は、階段とエレベーターで異なります。階段の方が入場終了時間が早いのでご注意ください。
階段
- ・7:30~17:00(4~9月)
- ・7:30~16:00(10~3月)
エレベーター
- ・7:30~18:00(4~9月)
- ・7:30~17:00(10~3月)
休館日
サン・ピエトロ大聖堂に準ずる(日曜ミサや宗教行事日)
クーポラの入場料金
クーポラの料金は「エレベーター」と「階段」のどちらで展望階に登るかで料金が変わるほか、事前予約する場合は予約料金が上乗せされます。
【当日の窓口購入(入場予約なし)】
- エレベーター:15ユーロ
- 階段:10ユーロ
【事前予約】
- エレベーター:22ユーロ
- 階段:17ユーロ
クーポラを事前予約する場合は「サン・ピエトロ大聖堂」の入場予約料金も含む形となり、大聖堂にはクーポラ予約時間の90分前までに入場する形になります。参考までに、大聖堂の入場予約だけだと7ユーロです。
服装・荷物・その他の注意事項
「クーポラ」は神聖なサン・ピエトロ大聖堂の一部ですので、服装や持ち物に注意を払う必要があります。具体的には以下の服装や荷物持ち込みは禁止されています。
- 極端に露出の多い服装
- スーツケースや大型のバッグ
- 飲食物(水の透明ペットボトル1本程度はOK)
- 武器、または鋭利な物品
- ベビーカー(大聖堂前に預かり所あり)
服装に関しては、ショートパンツやノースリーブ(女性)、お洒落サンダルなどで入場されている方はかなり多いので許容範囲の様です。一方で、男性のタンクトップやビーチサンダル、女性のミニスカート(膝丈より短い)やホットパンツで入場している方は見かけませんので、NGとお考えください。荷物に関しては、リュックサックやトートバック、ハンドバック、ショルダーバックなどであれば持ち込みOKです。
その他の注意事項
服装や荷物以外にも、以下の点にご注意ください。
- 悪天候時はクーポラ(展望フロア)に入場不可となる可能性があります。
- クーポラの展望フロアまでは最低320段の階段を登る必要があります。
- かなり狭い通路を上がって行くので閉所恐怖症の方などはご注意ください。
クーポラ入場から見学開始までの流れ
(入口、登り方・チケット購入方法)
本項では、クーポラの入口に並んで入場チケットを購入し、展望フロアまで登る流れを詳しく解説していきます。
クーポラに登るには、まずはサン・ピエトロ大聖堂の建物に入場する必要があります。大聖堂への入場レーンの並び口は、サン・ピエトロ広場の北側にあります。
図で示すと以下の「緑色の丸」で記したあたりが入場レーンの並び口です。
図に記された赤色のルートで大聖堂に入場し、そこからクーポラの上り口に移動するイメージです。図上に記されたアルファベットは気にしないで大丈夫です。
レーンの先で広場に入る前にセキュリティチェックを受けます。
セキュリティチェック通過後に広場に出るので、そのまま大聖堂に向かって歩いていきます。
サン・ピエトロ大聖堂の建物近くまで来ると、案内板と階段があります。
「サン・ピエトロ大聖堂」に入場する場合も、「クーポラ」に入場する場合も、とりあえず正面の階段を上がります。
階段を登って一番手前側の扉が「サン・ピエトロ大聖堂の入口」です。
扉を抜けて右手側に進むと「クーポラの上り口」と「チケット売り場」があります。
クーポラの入口に関しては、ざっくりですが、以下の大聖堂入口付近の見取り図も参考にしてください。
大聖堂見学後にクーポラに登る場合もクーポラ入口へのアクセス経路は同じです。朝イチで訪問された方は、クーポラの営業時間は「7時30分」からとなりますので、先に「サン・ピエトロ大聖堂」から見学する形になりますが、大聖堂見学後にクーポラに登る事も、クーポラに登った後に大聖堂を見学する事も問題なく可能です。どちらかを見学した後に、入口から並び直す必要は一切ありませんのでご安心ください。
上り口に進む前にスタッフがいますが、特に何も提示せずにそのまま通過できます。
奥に進んで突き当たりを左に折れると、手前にレーン、右奥に回廊が見えます。
上写真は朝一なのでレーンに人がいませんが、日中は行列ができます。朝イチで訪問された方は、クーポラがオープンする7時30分頃に、一旦大聖堂の見学をストップしてでも「クーポラの入口」に並んで登頂するのが良いと思います。クーポラ見学後の出口は「サン・ピエトロ大聖堂内部」と繋がっていますので、クーポラ見学後に再び大聖堂内を思う存分見学できます。
レーンを抜けたら、回廊を奥まで進み「クーポラのチケット売り場」へ向かいます。
チケット販売の窓口では購入枚数と、「エレベーター(WITH ELEVATOR)」か「階段(ON FOOT)」のどちらのチケットを購入するかを伝えてください。
「Elevator ticket for two people(エレベーターのチケット2枚)」や「On foot for one peple(階段のチケット1枚)」などと言えば伝わると思います。
2025年2月の時点で「エレベーター利用は15ユーロ」「階段利用は10ユーロ」でした。年々値上がりしてますね。
エレベーターを利用する場合も、途中からは階段になり「320段分」は自力で登る必要があります。階段の方は自力で「551段分」の階段を登る形になります。
クーポラのチケットはクレジットカードほどの大きさで、デザインは時期によって変わる事があります。
チケットを購入したら「クーポラの上り口」は奥にあります。
「エレベーター利用の方」は左手のレーンから、「階段利用の方」は右手のレーンから建物に入ります。
建物に入ると、再び通路が二方向に分かれています。ここでは、エレベーター利用の方は右手に、階段利用の方は左手に進みます。
前回訪問時は、右手に進んでエレベーターに乗り込みました。毎年、階段と交互に利用するようにしています。
エレベーターを利用すると、丁度クーポラ部分の根元辺りにある「屋上テラス」まで登る事ができます。階段の方は231段分の階段を登ると、この場所に到着します。ここからはエレベーターの方も階段の方も同じ経路になります。

奥の階段からクーポラの展望階に登って行きます。ここから頂上までは、まだ320段分の階段があります。

階段を登って、クーポラの建物に入るとスローブが続いているので、ひたすら歩いて行きます。

スローブを抜けると、サンピエトロ大聖堂内部 クーポラの内側に出ます。クーポラは2重構造になっているため、一端内側に入ってから最終的に外側の展望フロアに出る形になります。

頭上に目を向けると、ミケランジェロ設計の直径42mのクーポラを間近で見ることができます。均等に16分割された装飾の中央の窓からは光が差し込んでいます。

今度は視線を下に向けると、ベルニーニ設計の大天蓋や主祭壇が遙か下に小さく見えます。

ドゥオーモ内側の黄金のモザイク画もこんなに間近で見ることができます。

クーポラ内側の通路に沿って歩いて行くと、横に入り口が見えてきます。

この入り口を入ると下り階段があり、その先に再びクーポラ展望階への登り口があります。

ここから頂上までは残り165段です。

この辺りから階段の通路幅が極端に狭くなっていきます。

この金属素材風の赤い手すりの階段が見えたら、展望フロアは目の前です。

階段を登りきるとクーポラ展望フロアに到着です。

クーポラの外周に沿って360度の景観を楽しむ事ができます。

サン・ピエトロ大聖堂 クーポラからの展望
クーポラの展望階に到着したら、まず見るべきは東側の「サンピエトロ広場」方面の景観(写真上)です。この景観を見たくてクーポラに登ろうとお考えの方も多いのではないでしょうか。
サンピエトロ広場の先には「サンタンジェロ城」も見えます。更にその奥に見えるのは最高裁判所の白い建物です。

クーポラの北西側からは、バチカン市国の領土の3分の1を占めるという、イタリア式のバチカン庭園が広がっています。手前に見える建物は、バチカン市国の中枢とも言える「バチカン政庁舎」で1928年に建てられました。

「バチカン政庁舎」前方の庭の植え込みは「教皇の紋章」を象っています。

クーポラから見て「バチカン政庁舎」の左後ろあたりには、バチカン市国の鉄道列車も見えます。こちらは世界最短850mほどの国有鉄道で、ピウス11世の在位中に建設されたものです。

北側方面からは、バチカン美術館のシスティーナ礼拝堂や地図のギャラリーの建物を見下ろす事ができます。システィーナ礼拝堂の外観は意外に質素です。

南側は、どちらかと言えば住宅街の様な景観です。左奥に見えるのは「ロシア正教会」の建物です。手前には線路も走っています。

クーポラの展望階から出口へ
展望階からの景観を十分に堪能したら「EXIT」や「USCITA」と書かれた出口案内板に沿って歩いて行きます。

出口の案内に沿って帰りは行きとは別の階段で下りていきます。

階段を下りきった所にある、出口の案内板に沿って一旦野外に出ます。

再び、行きの時に通った「屋上テラス」に出ます。

登りの時は、屋上テラスを素通りした方も多いと思いますが、折角なら軽く散策する事をお勧めします。
屋上テラスからは、サン・ピエトロ大聖堂の正面を飾る彫像を背後から鑑賞する事ができます。

ちょっとシュールな景観ですが、この場所でしか見られない景観です。

クーポラもこんなに綺麗に間近で撮影できちゃいます。

屋上テラスにはギフトショップも併設しており、土産物を購入する事ができます。

ポストカードやマグネット、ロザリオ、書籍など、商品はかなり豊富に取り扱っています。


カフェも併設しているので、帰りに一休みするにはもってこいです。屋上テラスは素通りされる方も多いので、カフェは空いている事が多いです。

カフェでは、ドリンク各種と、パン、パニーニ、スイーツなどの軽食が販売されています。ペットボトルの水を買うだけでも中の飲食席で休めます。
休憩や屋上テラスの散策を終えた方も、屋上テラスを素通りする方も、「USCITA EXIT」と書かれた緑の案内板がある横の入口から、建物に入り下っていきます。

中ではエレベーターと階段で降り口が分かれているので、どちらで降りてもOKです。帰りのエレベーター利用時にチケット確認はないので、階段のチケットで登った方も帰りはエレベーターを利用しても問題ありません。無論、エレベーターのチケットをお持ちのかたは、エレベーターで降りても当然問題ありません。
エレベーターで降りた場合も、階段で降りた場合も、下画像のドアからサンピエトロ大聖堂内部に出ます。位置的には大聖堂の左廊側にある「ベネディクト14世の墓碑」の下からになります。
大聖堂の見学がまだの方は、クーポラ見学後に思う存分堪能してください。これでクーポラの観光は終了です。
クーポラの出口に関しては、以下の大聖堂内マップも参考にしてください。
「サン・ピエトロ大聖堂」の見学ポイントについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
クーポラの入場予約は可能?
2025年より「Book your visit(公式予約ページ)」から「クーポラ」の入場予約が可能となりました。
ただし、2025年2月の確認時点では、事前予約して訪問しても、優先入場レーンが設けられている訳でもなく、チケット予約をしてもお金だけ無駄になってしまう状況です。予約書を提示する場面もなく、結局、予約なしの訪問者と同じレーンから入場する形になります。スタッフに予約書を提示しても「何だそれ?」みたいな反応を示されました。
今後は予約者の入場レーンなどが整備されて、入場予約に意味が出てくる可能性もありますが、現状は予約をしても予約料金分のお金だけを失ってしまう状況です。混雑を回避したい方は、入場予約よりも、朝早く、7時〜9時30分ぐらいまでの間に訪問するのが確実です。
今後の参考までに、クーポラの予約料金は以下の通りです。料金にはサン・ピエトロ大聖堂の予約料金も含まれています。
- エレベーター:22ユーロ
- 階段:17ユーロ
予約時に指定するのは「クーポラ」の入場時間のみとなり、サン・ピエトロ大聖堂にはクーポラ予約時間の90分前までに入場するのがルールとなります。
また、英語ページのチケット購入や、自分で入り口を探したり事に不安がある方は、GET YOUR GIDEというオプショナルツアーサイトの「バチカン:サン ピエトロ大聖堂アクセス&早朝クーポラ ツアー」などに参加する事で、クーポラとサン・ピエトロ大聖堂をガイド付きで効率よく見学する事ができます。ガイドツアーと言っても、クーポラ見学後は、サン・ピエトロ大聖堂内で解散となるため、そのあとはお好きなだけ見学可能です。

サン ピエトロ大聖堂とクーポラを見学できるツアー紹介
所要60分料金:40€ガイドツアー英語ガイド24時間前までキャンセル無料集合場所:サン・ピエトロ広場の一角
サン ピエトロ大聖堂を見学するガイドツアーの中でも最安クラスがこの「GET YOUR GIDE社」が提供するガイドツアーです。見学は早朝に少人数で行われ、ガイドと共に、サン・ピエトロ大聖堂のクーポラ(ドーム部分)を見学する事ができます。
▶ バチカン:サン ピエトロ大聖堂アクセス&早朝クーポラ ツアー
上記ツアーでは、最初にクーポラ(ドーム部分)をガイドツアーで見学した後は自由見学になるので、好きなだけ大聖堂内部の見学が可能です。 ガイドの言語は英語になりますが、待ち合わせ場所に集合して、後はツアーのグループに流れについて行けば、問題ありません。クーポラのチケット購入や大聖堂に入場するまでの流れに不安がある方にお勧めです。
おすすめのクーポラ訪問時間帯
クーポラ入場の行列が最も緩やかな時間帯は、サン・ピエトロ大聖堂の開場時間である7:00頃です。
この時間帯か、少し前に入口に並べば、ほとんど待ち時間なく入場する事ができます。クーポラ自体の入場は7時30分からとなりますが、先に「大聖堂」を見学した後に、クーポラに登ると効率よく観光できます。大聖堂はクーポラに登った後も見学可能なので、クーポラから降りてきた後に、サン・ピエトロ大聖堂内部を再度ゆっくりと見学ください。
ただし、朝一番での「クーポラ」訪問は一点だけデメリットもあります。午前中のクーポラから撮影するサン・ピエトロ広場方面の景観は、下画像の様にやや逆光気味となります。ちなみにこちらは「iPhone XS Max」で撮影したものです。

このぐらいのクオリティの写真が撮影できれば十分という方は、朝一番のクーポラ訪問がベストだと思います。
混雑に関わらず、とにかくクオリティの高い写真を撮影したい方は、時期にもよりますが、混雑ピークの12時〜14時ごろが最も「サン・ピエトロ広場」方面を綺麗に撮影できる時間帯だと思います。下の写真は12時ごろに撮影したものです。

逆光さえ回避できれば良いという方で、多少写真にこだわる方は、完全な巡行ではないと思いますが、混雑のピークが緩やかになる16時頃の訪問がおすすめです。この時間帯であれば、少なくとも逆光での「サン・ピエトロ広場訪問」の撮影は避けられると思いますし、混雑も緩やかです。ただし、確実に混雑を避けるなら朝一番がベストの訪問時間です。
クーポラ見学 所要時間の目安
クーポラの所要時間は、入口の行列に並ぶ時間を除けば、50〜70分ほどを見ておけばよいと思います。
所要時間の内訳は、登頂に20~25分、クーポラ見学に15~20分、下りに15~20分で、これ以外に休憩時間なども踏まえると、50~70分ぐらいが一般的な観光所要時間だと思います。
また、クーポラを見学して「サン・ピエトロ大聖堂」を見学しない方は少数だと思います。大聖堂の見学も含めた場合だと、約2時間ぐらいの所要時間を見ておけば間違いないと思います。
ただし、早朝以外に訪問される方は、上記にプラスで待ち時間60分前後は想定しておいた方が良いと思います。
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この記事への質問と回答一覧
サンピエトロ大聖堂のクーポラ予約できるようになったようです!
情報ありがとうございます。記事内にも反映しました。