サン・ピエトロ大聖堂を攻略 – 見どころ、行き方、所要時間、混雑回避方法【バチカン市国】

(2019年9月19日 公開) (2019-11-27 最終更新) サン・ピエトロ大聖堂の身廊

バチカン市国のシンボルとも言える「サン・ピエトロ大聖堂」は、ローマ観光の上で絶対に外せない見学スポットの一つです。外観は比較的シンプルですが、大聖堂内部の装飾は他に類を見ないほどの美しさを誇ります。

本記事では、サン・ピエトロ大聖堂の営業時間や行き方などの基本情報はもちろん、観光の見どころや混雑回避の方法などについても詳しく解説致します。

サン・ピエトロ大聖堂とは

サン・ピエトロ大聖堂の景観
サン・ピエトロ大聖堂の身廊

サン・ピエトロ大聖堂は、バチカン市国の玄関口であるサンピエトロ広場の西側に面して建つキリスト教最大の建造物です。この壮大な大聖堂は、世界に10億人以上の信者を持つと言われるカトリックの総本山となっており、毎年世界中から数え切れないほどの信者が巡礼に訪れます。奥行き216メートルを誇る聖堂内には、一度に最大6万もの人間を収容する事ができます。

サン・ピエトロ大聖堂の礎が築かれたのは324年、キリスト教を公認した「コンスタンティヌス帝」の命によって「聖ペトロ」の墓の上に建設された聖堂が元になっています。

聖ペトロとは、キリストの十二使徒の筆頭で、暴君ネロによって紀元64年に逆さ十字架にかけられて命を落とした聖人の事です。ペトロの名は、サン・ピエトロ大聖堂や広場の由来にもなっており、その遺体は現在の大聖堂の真下に埋葬されています。

最初に(324年~329年に)この地に築かれた当時の聖堂は、ルネサンスとバロック芸術の粋を極めた現在の「サン・ピエトロ大聖堂」の美しさとは、ほど遠いものでした。

しかし、それから約1200年後の1506年、教皇ユリウス2世の時代に、彼の命によって老巧化した聖堂の建て替えが開始されました。建築は1世紀以上の長期にわたり、設計や監修には、ブラマンテ、ラファエロ、ミケランジェロなど、時代の寵児と言われる天才芸術家たちが10人以上も携わりました。

そして、工事着工から実に120年後の1626年、ついに「サン・ピエトロ大聖堂」は完成をむかえました。その後も、ベルニーニ設計の大天涯をはじめ、様々な装飾や芸術品が完成し、その美しい姿を今に伝えています。

サン・ピエトロ大聖堂の内部

サン・ピエトロ大聖堂の基本情報

営業時間

サン・ピエトロ大聖堂は大聖堂内の見学だけでなく、附属施設のクーポラに登って景観を楽しむ事も可能です。

サン・ピエトロ大聖堂

  • 7:00~19:00(4~9月)
  • 7:00~18:30(10~3月)

クーポラ

【エレベーター】
  • 7:30~18:00(4~9月)
  • 7:30~17:00(10~3月)
【階段】
  • 7:30~17:00(4~9月)
  • 7:30~16:00(10~3月)

休館日

日曜のミサ、宗教行事の日などがある日は休館となります。

入場料金

  • 大聖堂:無料
  • クーポラ:10ユーロ(エレベーター)、8ユーロ(階段)

大聖堂内見学時の注意事項

注意事項を記した看板

服装について

大聖堂は神聖な場所です。短パン、タンクトップ、キャミソール、ミニスカートなど、極端に肌の露出の多い服装では入場できません。また、帽子を着用しての入場も禁止です。

写真撮影について

写真撮影に関しては、フラッシュや三脚を利用しなければ問題なく可能です。

荷物について

スーツケースや大きめのリュック、ベビーカーの持ち込みは禁止されています。事前にクロークルームに預ける様にしてください。クロークルームを探す際は「GUARDAROBA(CLOAKROOM)」という青い看板(写真下)の方向に従ってください。

クロークルームへの案内板

位置的には、大聖堂の建物の右側あたりです。以下の地図の黄色枠の場所が「クロークルーム」になります。

クロークルームへの案内板

サン・ピエトロ大聖堂のロケーションと行き方

ロケーションと最寄駅

バチカン市国内にある「サン・ピエトロ大聖堂」は、ローマ観光の中心地である「テルミニ駅」から西側に5kmほど離れています。最寄駅は地下鉄A線の「Ottaviano(オッタヴィアーノ駅)」になります。

ローマ 地下鉄A線 Ottaviano(オッタヴィアーノ駅)

「Ottaviano(オッタヴィアーノ駅)」下車後、サン・ピエトロ大聖堂の入口(並び口)までは徒歩10分〜12分ほどです。

サン・ピエトロ大聖堂と地下鉄駅や観光スポットの位置関係は以下の地図を参考にしてください。がサン・ピエトロ大聖堂のロケーションになります。

バチカン美術館 サン・ピエトロ大聖堂 サン・ピエトロ広場 サンタンジェロ城

Roma Termini(テルミニ駅) Ottaviano(オッタヴィアーノ駅) CIPRO{チプロ駅)

行き方

ローマ市内中心部から「サン・ピエトロ大聖堂」へは、トラムやバスでもアクセス可能ですが、地下鉄A線「Ottaviano(オッタヴィアーノ駅)」で下車後、徒歩でアクセスするのが王道です。

「テルミニ駅」から地下鉄を利用する場合、駅内の床のオレンジ色の円に「A Ottaviano - SanPietro」と案内があるので、この案内に従って行けば、地下鉄A線の改札や乗り場にアクセスできます。B線もあるので乗り間違えない様にしてください。

バチカン美術館への案内標識

地下鉄A線「テルミニ駅」から「Battistini(バッティスティーニ駅)」行きの電車に乗って、6駅目の停車駅が「Ottaviano(オッタヴィアーノ駅)」になります。地下鉄A線に関しては、以下の路線図も参考にしてください。

ローマ 地下鉄A線の路線図

駅からのアクセス

「Ottaviano(オッタヴィアーノ駅)」下車後、サン・ピエトロ大聖堂の入口がある広場までのアクセスルートは以下のグーグルマップを参照ください。

がサン・ピエトロ大聖堂の入口(並び口)、がサン・ピエトロ大聖堂、がOttaviano(オッタヴィアーノ駅)になります。まずは「 サン・ピエトロ大聖堂の入口(並び口)」を目指してください。

地下鉄で「Ottaviano(オッタヴィアーノ駅)」駅に到着したら「San Pietro(サン・ピエトロ)」の案内に従って地上に上がってください。

オッタヴィアーノ駅 サン・ピエトロ方面の案内板

地下鉄から地上に出たら、まずは南側の大通り「オッタヴィアーノ通り」をひたすらまっすぐ進んで行きます。

「オッタヴィアーノ通り」を真っ直ぐ進んで行くと、今度は「シピオニ通り(Scipioni)」という大通りにぶつかります。この時点で、右奥にはサン・ピエトロ大聖堂のクーポラ部分が見えています。

シピオニ通り

「大聖堂」の入口がある「サン・ピエトロ広場」に出るには赤い矢印の方向に進んで行きます。

続いて、バチカン市国の壁沿いの通り(写真下)に出るので、更にまっすぐ進んで行きます。

サン・ピエトロ大聖堂近くの道

100mほど進むと、二つのアーチがある天使の門の前に出ます。ここがバチカンの国境になりますが、入国審査やパスポート提示はありません。門を抜けた奥が「サン・ピエトロ大聖堂の入口」がある「サン・ピエトロ広場」です。

サン・ピエトロ広場 入口付近のアーチ門

後は黄色い案内板の「BASILICA CUPOLA」の方向に従って広場方面に歩いて行きます。

サン・ピエトロ広場 入口付近の案内板

サン・ピエトロ大聖堂の入口

サン・ピエトロ大聖堂に入場するには、大聖堂に向かって右手側にある並び口から入場していきます。

サン・ピエトロ大聖堂とクーポラの入口

上記画像の並び口は、サン・ピエトロ大聖堂に入場する場合も、クーポラに登る場合も共通で、途中の通路で大聖堂の入口方面とクーポラの入口方面で分岐されます。

下画像は、サン・ピエトロ大聖堂(クーポラ)の入口で開場を待つ人たちの様子です。朝一番だったので数人並んでいる程度です。

サン・ピエトロ大聖堂とクーポラの並び口付近の景観サンピエトロ大聖堂(クーポラ)の入場口

大聖堂とクーポラの並び口は「ENTRANCE BASILICA - DOME」と書かれた黄色い看板が目印です。

サン・ピエトロ大聖堂 入口の看板

この並び口は開場の午前7時より少し前に開きます。入口から仕切りの順路に沿って歩いて行きます。日中はこの仕切りに沿って行列ができます。

サン・ピエトロ大聖堂 入口付近の景観

数10メートルほど歩いた先で「荷物検査」を受けます。

クーポラ 入場前の荷物検査

荷物検査を通過したら、再び順路に沿って進んで行きます。

サン・ピエトロ大聖堂とクーポラ入口への順路

ひたすらサン・ピエトロ大聖堂の建物に向かって歩いて行きます。

サン・ピエトロ大聖堂とクーポラ入口への順路

サン・ピエトロ大聖堂の建物近くまで進むと看板があります。

サン・ピエトロ大聖堂とクーポラ入口の分岐点

大聖堂に入場する場合はエンジ色の「BASILICA」の案内に従って左側へ進んでください。階段を登ると、目の前が大聖堂の入口です。参考までに、クーポラ観光後に大聖堂を見学する事も、大聖堂見学後にクーポラに登る事も可能です。入口から並び直す必要はありません。

下画像は、サン・ピエトロ大聖堂の入口で開場を待つ人たちです。開場の午前7時までは大聖堂の中には入れませんが、6時30分〜45分ごろの時点で入り口の前まで来ることができます。

サン・ピエトロ大聖堂 入口前で開場を待つ人たち

営業時間中は、入口は開いているので、ここから自由に大聖堂に入場(無料)できます。ただし、日中はここまで辿り着くまで1時間〜2時間待ちは当たり前です。

サン・ピエトロ大聖堂の入口が開場したら(開場していたら)入場して、いよいよ観光スタートです。

サンピエトロ大聖堂の入口

サンピエトロ大聖堂のファサード

サン・ピエトロ大聖堂のファサード

ファサードは建築物の正面部分の事で、サンピエトロ大聖堂のファサードは、サン・ピエトロ広場に面した東側に位置しています。

このファサードの設計は、最初期は「ブラマンテ」が担当し、その後「ミケランジェロ」が引き継ぎ、最終的にスイス人建築家の「カルロ・マデルノ」によって、1612年に完成に至りました。ファサードの高さは約45メートル、幅は約114メートルもある巨大な建造物です。

ファサード上部の三角形部分(破風)の下には、このファサードが完成した時代の教皇「ボルゲーゼ家のパウルス5世」の名前が刻まれています。

サン・ピエトロ大聖堂のファサード

建物正面には9つのバルコニーと8本の円柱が並び、大聖堂の入口へと続く階段は、ベルニーニによって設計されました。

サン・ピエトロ大聖堂 ファサードの円柱と正面階段

余談ですが、新ローマ法王の誕生時は、中央バルコニーの窓から発表が行われます。

更に建物の両端に目を向けると、ファサードを挟む様に、巨大な2体の像「聖ペテロ像(向かって左)」と「聖パウロ(向かって右)」が建っています。

サン・ピエトロ大聖堂正面の聖ペテロ像と聖パウロ像

向かって左側の像「聖ペテロ」の右手には、キリストから授かった天国への鍵が握られています。

聖ペテロ像と右手に握る天国の鍵

ファサードの上部、建物の上部には、ヨハネとペテロを除く高さ6メートルほどの11使従の彫像が並んでいます。

サン・ピエトロ大聖堂 11使従の彫像サン・ピエトロ大聖堂 11使従の彫像

ファサードの上部にはミケランジェロ設計の「クーポラ」があります。このクーポラの十字架の頂点までの高さは、地上から約136メートルあります。

サン・ピエトロ大聖堂のクーポラ

クーポラには展望フロアがあり、有料で入場が可能です。詳細に関しては以下の記事で詳しく解説しております。

サンピエトロ大聖堂 内部の見どころ

サン・ピエトロ大聖堂の身廊

サン・ピエトロ広場側の入口から入場して玄関の回廊を抜けると、圧倒的な奥行きと迫力で大聖堂の3廊式の身廊(写真上下)が目に飛び込んできます。この3廊式の身廊の幅は58m、1606~12年にかけて、カルロ・マデルノによって制作されました。

サン・ピエトロ大聖堂の身廊サン・ピエトロ大聖堂の身廊

この世界一の大きさを誇る大聖堂の奥行きは216m、総面積は1万5160㎡にも上り、11の礼拝堂と45の祭壇を備えています。主に内部の装飾はベルニーニが手掛け、他にもミケランジェロが設計したクーポラやピエタ像、左右の側廊にそって並ぶ礼拝堂、祭壇、さらに彫刻や装飾に至るまで、一つの美術館とも言えるほど見どころが満載です。

サン・ピエトロ大聖堂 天井の装飾サン・ピエトロ大聖堂内の礼拝堂サン・ピエトロ大聖堂内の装飾とオブジェクト

以下より、サン・ピエトロ大聖堂内部の絶対に見るべき観光ポイントをご紹介していきます。

5つの大扉

玄関廊(アトリウム)

サン・ピエトロ大聖堂の広場側の入口から入場すると、まず最初に全長73メートル、高さ20メートルの玄関廊(アトリウム)にでます。そして、この廊下に沿って、ブロンズ製の5つの扉が設けられています。以下は大聖堂に向かって左からの並び順で各扉名と作者を記載致しました。

  • 死の扉(ジャコモ・マンズー作)
  • 善と悪の扉(ルチアーノ・ミングッツィ作)
  • フィラレーテの扉(アントニオ・フィラレーテ作)
  • 秘蹟の扉(ヴェナンツォ・クロチェッティ作)
  • 聖なる扉(ヴィーコ・コンソルティ作)

5つの扉の中でも、特に見るべき3つの扉をご紹介します。

善と悪の扉

善と悪の扉

善と悪の扉は、ミラノ生まれの彫刻家ルチアーノ・ミングッツィの1977年の作品。ローマ教皇ヨハネ23世の下で開催された第2バチカン公会議(1962~65年)の様子などが彫刻で表現されています。

フィラレーテの扉

フィラレーテの扉

フィラレーテの扉は、15世紀に造られた扉で、5つの扉の中で唯一「旧サン・ピエトロ大聖堂」時代からあったものです。フィレンツェ出身の彫刻家「アントニオ・フィラレーテ」によって制作されました。扉の中央には聖ペトロとパウロが描かれ、扉の下部(写真下)には二人の殉教が描かれています。

フィラレーテの扉の下部

聖なる扉

聖なる扉

聖なる扉は、1950年の聖年祭に、スイスのカトリック信徒たちによって寄贈されたブロンズ製の扉で、聖書の物語の彫刻が刻まれています。

聖なる扉の彫刻

この扉は、カトリック教会において、「ローマ巡礼者に特別の赦しを与える」とした年「聖年」にのみローマ法王の手によって開かれる特別な扉です。近年だと、1999年の12月24日に新世紀を迎えた時と、特別聖年として制定された2015年12月8日に扉は開かれました。

ミケランジェロ作 ピエタ像

ミケランジェロ作 ピエタの像

サン・ピエトロ大聖堂に入場してすぐ右手に、クリスタルケースに囲まれた大理石の像があります。これは「ダビデ像」で有名な「ミケランジェロ」の代表作の一つ「ピエタ像」です。バチカン美術館のピナコテカ(絵画館)にも同像の複製がありますが、こちらが正真正銘のオリジナルになります。

ミケランジェロは若干24歳の時に、フランス人枢機卿の依頼をうけ、1498年から2年を費やしてこのピエタ像を制作しました。

このピエタ像では、聖母が十字架から降ろされたイエスの亡骸を胸に抱く姿が表現されています。胸に斜めにかかる帯には、作者である「ミケランジェロ」の名前と、彼が「フィレンツェ人」である事が示されています。

ミケランジェロのピエタ像

ミケランジェロは、このピエタ像を完成させた事でその名を世に知らしめました。

聖ペテロ像

聖ペトロ像

大天涯を正面にして、中央身廊の右手側に置かれているのが、キリスト十二使徒の筆頭である「聖ペテロのブロンズ像」です。この等身大の像は、13世紀のフィレンツェの彫刻家「アルノルフォ・ディ・カンビオ」によって造られたという説が有力ですが、4世紀~5世紀頃に別の誰かによって造られたという説もあります。像の両足は、信者が聖ペテロへの信仰を表現するのに、口づけしたり触ったりするため、磨り減っています。

四つの支柱と聖人像

四つの支柱と聖人像

中央の大天涯(バルダッキーノ)を囲む様に、クーポラを支える4本の角柱がそびえ立ち、その4つの支柱の上にはそれぞれ祭壇があります。この4つの祭壇全てに、異なる聖遺物が安置され、その下方には、各聖遺物にゆかりの深い聖人像が配置されています。各聖人像は4メートル半もある巨大なものです。

聖ヴェロニカの像(フランチェスコ・モーキ作)

聖ヴェロニカの像

1632年に制作されたヴェロニカの聖人像。ヴェロニカは、十字架を背負ってゴルゴタの丘へと歩みを進めるキリストの額の汗を拭くため、身につけていたヴェール(布)を差し出しました。そして、そのヴェールには、キリストの顔跡が残ったとされています。

聖アンデレの像(フランソワ・デュケノワ作)

聖アンデレ像

1640年にブリュッセル出身の彫刻家デュケノワによって制作された聖人像。聖アンデレは、聖ペトロの兄弟で、新約聖書に登場するイエスの弟子の一人です。右手には4辺の長さが等しい十字架を抱えています。

聖ロンギヌス像(ジャン・R・ベルニーニ作)

聖ロンギーヌス像(ベルニーニ作)

1639年に巨匠ベルニーニが手掛けた聖人像。ロンギヌスは、ローマ帝国の兵士で、キリストがゴルゴタの丘で磔刑にあった際に、その生死を確かめるために左脇腹に槍を突き刺したと言われています。その槍の穂が、キリストの身体に触れた聖遺物となっています。

聖女ヘレナの像(アンドレア・ボルジ作)

聖女ヘレナの像(アンドレア・ボルジ作)

聖ヘレナは、コンスタンティヌス帝の母で、キリストが磔刑に処せられた十字架と釘をエルサレムで掘り出してローマに持ち帰ったと言われています。

ベルニーニ作 大天蓋(パルダッキーノ)

ベルニーニ作の大天蓋(パルダッキーノ)

大聖堂内の身廊の奥には、4本の螺旋状の柱に支えられたベルニーニ設計の大天蓋があります。この高さ29メートルの大天涯は、ベルニーニのパトロンであったローマ教皇「ウルバヌス8世」の命によってベルニーニが手掛けたものです。

素材には鍍金ブロンズやパンテオンから調達したブロンズが使用され、大天涯の真下には「聖ペテロ」が埋葬されています。

この大天涯を身廊の中央から眺めると、奥の「黄金の司教座」が大天涯の4本柱を額縁にするかの様に、一層美しく見えます。

ベルニーニ作の大天蓋(パルダッキーノ)

4本の柱が螺旋状になっているのは、かつて旧サン・ピエトロ大聖堂の祭壇の周りの柱が螺旋状になっていたのを、ベルニーニが踏襲したためだと言われています。大天涯の台座には、教皇ウルバヌス8世のバルベリーニ家の紋章が刻まれています。

大天蓋(パルダッキーノ) 土台の紋章

ベルニーニ作 聖ペトロの司教座

聖ペトロの司教座

祭壇の奥の後塵には、ベルニーニが1666年に手掛けたブロンズ装飾の「聖ペトロの司教座」が圧倒的な存在感でそびえ立っています。この巨大な司教座の制作には120トンものブロンズが使用されました。

ベルニーニは大聖堂の装飾を、この司教座の完成と共に終結させました。司教座の中には聖ペテロが使用したと言われる木製の玉座が収められています。この木製の玉座は9世紀に、カール大帝によって教皇に寄進されたものです。

司教座上部の円形部分には、聖霊の象徴とされる鳩が描かれ、それを取り囲む様に飛翔する天使たちが配されています。

サン・ピエトロ大聖堂 礼拝堂のモザイク画「聖セバスティアヌスの殉教」

中央の椅子は、神学の礎を築いた東方教会と西方教会の博士たちの四つの像によって支えられています。各像の高さは5メートルほどありますが、司教座自体が巨大なため、写真だと小さく見えてしまいます。

聖ペトロの司教座を支える4人の教会博士たちの像

クーポラ(大円蓋)

クーポラ(大円蓋)

サン・ピエトロ大聖堂の外観のシンボルでもある「クーポラ」は、床から十字架の先端までの高さが136.57メートル、内部の直径は42.56メートルもある巨大なものです。内側と外側に通路がある二重構造になっており、有料でクーポラに入場すれば、内側と外側の両方の通路を通る事ができます。

クーポラは、サン・ピエトロ大聖堂の最初の設計監督を務めた「ブラマンテ」の頃から建築は計画されていましたが、ブラマンテの死や設計監督の交代などを経て、ミケランジェロが新設計を考案しました。現在、我々が目にする事ができるクーポラは、このミケランジェロの設計が元になっています。

均等に16分割された窓からは神秘的な光が差し込み、クーポラの中心部には天使に囲まれた神の姿が描かれています。

実際に「ミケランジェロ」が完成する事ができたのは、クーポラのドラム部分(円屋根を支える円筒状の壁)まででした。その後、クーポラが完成したのは彼の死から62年後の事でした。

円蓋内側の装飾(写真下)は、ミケランジェロの設計にはなかったもので、彼の死後にイタリア画家「カヴァリエール・ダルピーノ」が手掛けたものです。

クーポラ内側の装飾クーポラ内側の装飾

祭壇のモザイク画

サン・ピエトロ大聖堂の側廊や礼拝堂にある祭壇には、様々な美しいモザイク画が飾られています。元々これらはフレスコ画で描かれていましたが、傷や痛みがひどく、現在のモザイク画に置き換えられました。オリジナルはバチカン美術館やバチカンの聖具室などに保管されています。

聖セバスティアヌスの殉教(ドメニコ・ザンピエーリ)

サン・ピエトロ大聖堂 礼拝堂のモザイク画「聖セバスティアヌスの殉教」

ヨハネ・パウロ2世のお墓がある「セバスティアヌスの礼拝堂」を飾るフレスコ画です。

キリストの洗礼(カルロ・マラッタ作)

サン・ピエトロ大聖堂 祭壇のモザイク画「キリストの洗礼(カルロ・マラッタ作)」

無原罪の御宿り(ピエトロ・ビアンキ作)

コーロ礼拝堂祭壇画『無原罪のお宿り』– ピエトロ・ビアンキ

聖ヒエロニムスの聖体拝領(ドメニコ・ザンピエーリ作)

聖ヒエロニムスの聖体拝領(ドメニコ・ザンピエーリ作)

教皇アレクサンデル7世の墓碑

▼画像クリックするとトリップアドバイザーに移動します。

Monument to Alexander VII (トリップアドバイザー提供)

教会左側翼廊にある「ベルニーニ」の晩年、80歳の時に手掛けた、彼のパトロンで教皇の「アレクサンデル7世」の墓碑です。上の写真では分かりにくいですが、土台の部分にやや突き出して配置されている金色のオブジェクトは「砂時計」です。ベルニーニはこれによって「過ぎゆく時のなかで死は誰にも避ける事ができない」という事を表現しています。

混雑を回避するおすすめの訪問時間

大聖堂内の装飾とモザイク画

サン・ピエトロ大聖堂の行列が最も緩やかな時間帯は、開場時間である7:00頃です。

この時間帯か、少し前に入口に並べば、ほとんど待ち時間なく入場する事ができます。または、16時あたりから混雑がかなり緩やかになるので、夕方以降の訪問もお勧めです。ただし、大聖堂の附属施設である「クーポラ」の営業時間は17時までとなります。同時にクーポラに登ろうとお考えの方は、この辺も考慮の上で訪問時間を検討してください。

予約は可能? サン・ピエトロ大聖堂に優先入場する方法

サン・ピエトロ大聖堂はバチカン市国観光の目玉の一つであるため、夏場のピークシーズなどは、1時間〜2時間の入場待ちは当たり前となります。

残念ながら、サン・ピエトロ大聖堂の入場予約はできませんので、混雑覚悟で並ぶか、混雑が緩やかな時間帯を狙って訪問するかの何れかになります。

ただし、GET YOUR GIDEというオプショナルツアーサイトのサン ピエトロ大聖堂:予約入場&セルフガイド ツアー(音声ガイド付きの自由見学ツアー)」に参加する事で、サンピエトロ大聖堂に優先入場する事が可能です。サンピエトロ大聖堂に優先入場してしまえば、大聖堂の回廊から付属施設のクーポラにもほぼ並ばずに入場する事ができます。

サン・ピエトロ大聖堂の回廊にあるクーポラ入口

この方法の場合、サンピエトロ大聖堂のツアー料金(通常無料)と、クーポラの入場料金の両方を支払う必要がありますが、タイムイズマネーという考え方の方にはベストの方法だと思います。

サン ピエトロ大聖堂:予約入場&セルフガイド ツアー

GET YOUR GIDE「サン ピエトロ大聖堂:予約入場&セルフガイド ツアー」 サン ピエトロ大聖堂:予約入場&セルフガイド ツアー

ご希望の時間帯を選んで、空いた時間に列に並ぶことなく入場しましょう!サン ピエトロ大聖堂と地下墓所へスピーディに入場して、自分のペースでお好きなだけ見学をお楽しみください。お持ちの携帯電話またはタブレットを利用して、ミケランジェロや他の芸術家たちによる素晴らしい作品を満喫しましょう。

所要時間の目安

大聖堂内の柱と装飾

サン・ピエトロ大聖堂内見学の所要時間の目安は、30分〜40分ほどです。

30分〜40分の時間があれば、大聖堂内をぐるりと一周して、「ピエタの像」「聖なる扉」「ベルニーニ作の大天蓋」「祭壇のモザイク画」など、一通りの見所をゆっくりと見学できます。ただし、上記の目安時間には行列に並ぶ時間は含まれておりません。

また、附属施設のクーポラに登るは場合はトータルで、2時間~2時間30分ほど見ておけば良いと思います。クーポラの方が、上り下りやチケット購入がある分、所要時間はかかります。