ヴェッキオ宮殿 – チケット予約・購入方法から見どころまで徹底解説

フィレンツェ イタリア
ヴェッキオ宮殿の外観と5百人広間

本記事では、現在も市庁舎として機能しているフィレンツェの人気スポット「ヴェッキオ宮殿」のチケット予約・購入方法から、見どころ、観光の基本情報まで幅広く解説致します。

ヴェッキオ宮殿とは - 歴史とその役割

ヴェッキオ宮殿の外観

現在のヴェッキオ宮殿は、市庁舎としての役割を担う一方で、宮殿の一部を観光客向けの「博物館」として解放しております。入場は有料となりますが、フィレンツェの中でも非常に見応えのある人気観光スポットとなっています。

ヴェッキオ宮殿の見どころにつきましては、本記事の中盤以降で詳細にご紹介いたします。

ヴェッキオ宮殿の歴史

ヴェッキオ宮殿とネプチューン像

ヴェッキオ宮殿は元々「行政長官」を迎え入れるための宮殿兼要塞として1293年に建設が計画されました。工事はドゥオーモの設計も行った「カンビオ」が担当し、着工されたのは計画スタートから6年後の1299年の事でした。1314年頃には、高さ95メートルの塔を含む建物の中核部分が完成しました。

この宮殿は、時代と共に名称とその役割が異なるのが特長で、完成当初は「プリオーリ宮殿」と呼ばれていました。しかし、15世紀には「シニョーリア宮殿」と呼ばれる様になりました。「シニョーリア」はイタリア語で「政庁舎」を意味しており、この宮殿がかつてフィレンツの政治の中枢であった事がうかがえます。

その後、宮殿がメディチ家当主でトスカーナ大公の「コジモ1世」の住居となっていた時代は「ドゥカーレ宮殿」と呼ばれていましたが、16世紀中頃にコジモ1世が宮廷をアルノ川南側の「ピッティ宮殿」に移した事で、現在の呼び名である「ヴェッキオ宮殿」と呼ばれる様になりました。「ヴェッキオ」はイタリア語で古いを意味しており、ヴェッキオ宮殿には「古い宮殿」という意味があります。

ヴェッキオ宮殿は、メディチ家の衰退や時代の変化と共にその役割を大きく変え、1865年から1870年までは国会議事堂、1872年頃から市庁舎として使用される様になりました。

ヴェッキオ宮殿の営業時間とチケット料金

ヴェッキオ宮殿の外観

ヴェッキオ宮殿の見学エリアには大きく「博物館」「塔」「遺跡エリア」の3箇所がありますが「遺跡エリア」は現在閉鎖中となっています。ヴェッキオ宮殿では、かつての「宮殿エリア」を「博物館」という形で公開しています。博物館=宮殿エリアとご認識ください。入場可能エリアの「営業時間」と「チケット料金」は以下の通りです。

営業時間

現在、ヴェッキオ宮殿の公式HPで案内されている営業時間は以下の通りです。メイン見学エリアの「博物館」と「塔」で、若干だけ閉館時間が異なります。

博物館(MUSEUM)

  • 09:00~19:00

毎週木曜日は通年「9時~14時」までとなります。

塔(TOWER)

  • 09:00~17:00

毎週木曜日は通年「9時~14時」までとなります。

最終入場は営業時間の1時間前となります。

チケット料金

現在、ヴェッキオ宮殿の公式HPで案内されているチケットは「博物館」と「塔」の2種類のみとなります。

博物館(MUSEUM)

12,50ユーロ / 1名

塔(TOWER)

12,50ユーロ / 1名

以前まで「博物館」と「塔」の入場がセットになったお得なチケット販売がありましたが、現在は公式サイト上でも案内されていません。

予約手数料

2ユーロ / 1予約

上記料金は公式サイトでチケットをオンライン予約する場合にのみ発生する予約手数料です。同時に複数名のチケット予約する場合も手数料は2ユーロのみですが、博物館と塔の2種類のチケットを予約する場合は、それぞれに2ユーロづつの手数料が発生します。

ヴェッキオ宮殿のチケット予約・購入方法を解説

ヴェッキオ宮殿の入場チケットは「公式サイト」や「現地窓口」などで購入が可能なほか、若干の手数料を払って日本語ページから購入する事も可能です。

  1. 公式販売ページで購入する(英語ページ)

    料金:14.5ユーロ

    ヴェッキオ宮殿の公式サイト

    「ヴェッキオ宮殿」のチケットは、事前に「ヴェッキオ宮殿の公式サイト(英語)」より、入場日時を指定の上で購入が可能です。現地窓口で購入するよりも「2ユーロ」の予約手数料分だけ高くなりますが、当日券購入列をスキップしてスムーズに見学をスタートする事ができます。購入ページの言語は英語となり、予約システムも若干古いので、英語サイトに抵抗のある方や、普段からスマートフォンでのオンラインチケット予約に慣れていない方だと、購入ハードルは高いかもしれません。また、購入完了後のキャンセルは不可となっています。

  2. GET YOUR GIDEで購入する(日本語ページ)

    料金:22.0ユーロ

    GET YOUR GIDEのフィレンツェ:ヴェッキオ宮殿 入場チケット & ビデオガイドページ

    英語ページでのチケット購入に高いハードルを感じる方は、「GET YOUR GIDE(日本語)」というサイトの「フィレンツェ:ヴェッキオ宮殿 入場チケット & ビデオガイドページ」経由での購入がお勧めです。日本語ページからチケット購入ができる上に、24時間前までなら無料キャンセルも可能です。もちろん、公式サイトでチケット購入した場合と同様に、専用窓口での本チケット受け取りが可能で、指定した時間にスムーズに入場できます。多少手数料を払っても、日本語ページからスムーズにチケット予約したい方にお勧めの購入方法です。他にも「ヴェッキオ宮殿」のチケットを日本語ページから販売しているサイトはありますが、当サイトの調査時点ではこの「GET YOUR GIDE」での購入が最安です。日付指定後に、「宮殿(22ユーロ)」だけか、「宮殿と塔(35ユーロ)」の両方に入場するかを選択して購入が可能です。

  3. 現地の販売窓口で購入する(英語・イタリア語)

    料金:12.5ユーロ

    ヴェッキオ宮殿のチケットは、訪問当日に現地の販売窓口でチケット購入する事も可能です。料金的にはこの方法が最もリーズナブルですが、ヴェッキオ宮殿はフィレンツェの中では、かなり人気の高い観光スポットの一つです。夏場のピークシーズンなどは、当日の窓口購入はお勧めできませんが、閉館1時間前や、冬場のローシーズンであれば、比較的混雑は緩やかです。時期や状況に応じて、当日での窓口購入かオンライン予約かをご判断ください。ヴェッキオ宮殿の公式では事前のオンライン予約が推奨されています。

上でご紹介した「GET YOUR GIDE」などの日本語ページがあるサイトから購入すると、正規料金に手数料が上乗せされますが、公式サイトでの予約と同様に、専用口から混雑を回避できる点を踏まえると、決して悪くない選択肢です。

また、ヴェッキオ宮殿見学のメインは「博物館」となり、あの「ダヴィンチ」と「ミケランジェロ」が対決した「500人広間」も、通常のチケット範囲で見学可能です。以上の理由から、無理に「塔」の入場を含むチケットを購入する必要はないと思いますが、クーポラもジョットの鐘楼にも登らない方は、ヴェッキオ宮殿の「アルノルフォの塔」に登る事で、同等の景観を楽しむ事ができます。ただし、塔へと続くエレベーターはありませんので、233段の階段を登る必要があります

ヴェッキオ宮殿のロケーションと行き方

ヴェッキオ宮殿はドゥオーモ広場から南側約500メートルほどの場所、シニョーリア広場の南東側に面して建っています。ドゥオーモがある広場からは、ほぼ一直線です。

フィレンツェ中心部の地図

主要スポットから「ヴェッキオ宮殿」にアクセスする場合「S・M・ノヴェッラ駅」からは徒歩で15分ほど、ドゥオーモからは、徒歩6分~8分ほどです。ウフィツィ美術館に行く場合も、ヴェッキオ宮殿からなら徒歩1~2分ほどになります。

ヴェッキオ宮殿のロケーションに関しては、以下のグーグルマップも参考にしてください。

ヴェッキオ宮殿の入口

ヴェッキオ宮殿の入口は、シニョーリア広場の南東側に面しています。入口両側のダビデ像とヘラクレス像が目印です。

ヴェッキオ宮殿の入口ヴェッキオ宮殿の入口

当日の入場方法・観光開始までの流れ

ヴェッキオ宮殿のチケットは、シニョーリア広場から宮殿の建物に入った奥の窓口で購入する事ができます。

ヴェッキオ宮殿 チケット売り場の入口

「チケット予約者」「当日券購入者」「フィレンツェカード保有者」も全て、2階の見学エリアに入る前に必ずチケットオフィスに立ち寄る様にしてください。

チケットオフィスの窓口は「チケット予約者、またはフィレンツェカード保有者」と「当日券購入者」で分かれています。

ヴェッキオ宮殿 チケット売り場の窓口

「Info Point」と呼ばれる左側の窓口は「公式サイトやGET YOUR GIDEなどでチケット予約した方」や「フィレンツェカード保有者」の専用窓口です。一方、右側の窓口は、当日券購入者用の窓口になります。夜の閉館前だと混雑は緩やかですが、日中は行列ができている事も多いです。

チケット予約者は、専用窓口「Info Point」で「予約書(バウチャー)」を提示すると、本チケット(写真下)を発券してもらえます。

ヴェッキオ宮殿 フィレンツェカード保有者用の入場チケット

上画像のレシートの様な紙切れは「フィレンツェカード」利用時に発券される「本チケット」です。予約経路により発券される「本チケット」のデザインは若干異なります。

以後の経路は、チケット予約者の方も、フィレンツェカード保有者の方も、当日券購入者の方も同じです。以下の「ヴェッキオ宮殿 0Fフロアマップ」を参考に、階段を上がり観光をスタートください。

ヴェッキオ宮殿 0Fフロアマップ

ヴェッキオ宮殿見学最大のハイライトである「500人広間」なども全て「博物館エリア」で見学できます。博物館見学=宮殿内見学と認識ください。見学エリア入場後も、複数箇所でチケットを提示を求められるので、常にチケットは提示できる状態にしておいてください。

館内の至る所にある「案内板」も館内見学の目印になります。宮殿のメインエリアを見学する方は「MUSIUM(博物館)」を示す「Museo」と書かれた方向に、塔に登る方は「Torre」と書かれた方向に進んでください。

ヴェッキオ宮殿館内の案内板

「アルノルフォの塔」に登る方は「Torre」の案内に沿ってこの階段の奥を進んで行く流れになります。「アルノルフォの塔」と「博物館」の両方を見学される方は、先に塔から見学する事をお勧めします。営業時間が「博物館」の方が長い事も理由ですが、博物館見学後に塔の200段以上の階段を登るのは結構きついと思います。

ヴェッキオ宮殿内、アルノルフォの塔の登り口

ヴェッキオ宮殿の見学エリアと回り方

ヴェッキオ宮殿 2階の広間

ヴェッキオ宮殿内で見学できるエリアは建物全体からするとほんの一部になります。しかし、外観からは想像できないほど館内は広く、十分過ぎるほどの見学ボリュームがあります。

ヴェッキオ宮殿の見学エリアは大きく「博物館(Museo)」「アルノルフォの塔」「遺跡(Archeological site)」の3つに分類されています。入場可能なエリアも購入するチケットの種類によって異なってきます。

ヴェッキオ宮殿の案内板

主に見学のメインとなるのは0階〜2階(日本だと1階~3階)を占める「博物館(宮殿内見学)」です。チケット購入後は「Museo」の案内に従って見学をスタートください。恐らく多くの方がこの博物館のみを見学されると思います。博物館と言っても、宮殿の複数の広間を歩きながら、装飾や絵画を見学する形になるので、宮殿見学と言った方がしっくりくると思います。

また、景観を楽しみたい方はプラスで「アルノルフォ塔」に登るのもおすすめです。

チケットの種類と料金に関しては、記事前半の「ヴェッキオ宮殿の入場料金(チケット料金)」の所でご紹介しておりますが、博物館エリアのみの見学チケットは「12.50ユーロ」、塔の入場チケットは別途で「12.50ユーロ」になります。フィレンツェカードをお持ちの方は、共に無料で入場する事ができます。

それでは、次項よりヴェッキオ宮殿の見どころについて詳しくご紹介していきます。

外観と地上階の見どころ

まずは、ヴェッキオ宮殿の見どころの前座と言える、外観からご紹介致します。

ダビデ像とフィレンツェ行政区の紋章

ミケランジェロ作 ダビデ像のレプリカ

内部の見どころをご紹介する前に、ヴェッキオ宮殿入口の両側に飾れている二体の彫像をご紹介します、入口に向かって左側が、「ミケランジェロ」作「ダビデ像(写真上)」のレプリカになります。

ダビデ像の本物は「アカデミア美術館」に展示されていますが、このレプリカも見た目のインパクトとクオリティは中々のものです。

そして、入口を挟んで右側の像がバッチョ・バンディネッリ作の「ヘラクレス像」になります。

バンディネッリ作 ヘラクレス

視線を建物の上部に向けると、時計の下付近のアーチ部分に、フィレンツェの街の9つの行政区の紋章がフレスコ画で描かれています。

フィレンツェの街の9つの行政区の紋章

それではこれより館内の見どころについてご紹介していきます。入場はダビデ像に向かって右側からになります。

ヴェッキオ宮殿の入口

第1の中庭

入り口から入場して少し進むと、ミケランジェロが装飾を手掛けた美しい「第1の中庭」があります。

中庭の中央には噴水があり、その上には「アンドレア・デル・ヴェロッキオ」作の「イルカを抱いたキューピッド」が飾られています。残念ながらこちらは現代の修復家が作った複製で、オリジナルは館内の2階に展示されています。

噴水の水は、ボボリ庭園からパイプを伝わってここに運ばれているそうです。

噴水を囲む列柱回廊の奥にある壁面には、美しいフレスコ画や金箔が施されています。これらは後年にヴァザーリがトスカーナ公「フランチェスコ1世」の命で装飾したものです。

この「第1の中庭」以降の見学スポットは階段を上がって1階になります。ただし、これより先の見学は有料なので、まずはチケットオフィスにて入場チケットを購入します。

ヴェッキオ宮殿 1階見学エリアへと続く階段

チケット売り場の場所は以下「ヴェッキオ宮殿 0階(地上階)のフロアマップ」を参考にしてください。第1中庭の奥になります。

ヴェッキオ宮殿 0Fフロアマップ

また、簡易的で恐縮ですが当サイトオリジナルの「ヴェッキオ宮殿のフロアマップ(PDF)」を作成しましたので、よければダウンロードの上でご利用ください。通路の通り抜け箇所や壁の配置などはざっくりと描画しております。あくまでも見学箇所の確認程度にご利用ください。

1階の見どころとフロアマップ

ヴェッキオ宮殿1階の展示エリアは、大きく3エリア「500人広間」「レオ10世のアパートメント」「フランチェスコ1世の書斎」に分かれております。地上階から案内に沿って階段を登ってくると、見学の開始は「3, 五百人広間」の西側(地図の左側)の階段付近からになります。

ヴェッキオ宮殿 1Fフロアマップ

3, 五百人広間4, フランチェスコ1世の書斎5, コジモ・デ・メディチの間6, 豪華王ロレンツェの間7, レオ10世の間

5百人広間を中央にして、その右翼側のエリアをまとめて「レオ10世のアパートメント」と呼びます。このエリアには他にも広間が複数ありますが、非公開となっている部分が大半です。現在「5, コジモ・デ・メディチの間」も非公開となっている可能性があります。

「フランチェスコ1世の書斎」に関しては、一般の個人見学のチケットでは入場できないエリアとなっております。見学するには「公式サイト(英語)」より、秘密のツアーと呼ばれるガイドツアー に参加する必要があります。

「500人広間」はヴェッキオ宮殿見学のハイライトとも言える場所なので、時間をかけてじっくりと見学してください。その後、「レオ10世のアパートメントエリア」に関してはさらっと程度に見学して、右翼側の階段から2階に上がってしまって良いと思います。もしくは、先に2階に上がって、最後にじっくりと「五百人広間」を見学するルートもおすすめです。

以下より、1階の見どころについて詳しく解説していきます。

500人広間

ヴェッキオ宮殿の五百人広間

ヴェッキオ宮殿最大の見どころが、1495年7月からわずか7ヶ月間で造られた「五百人広間」です。

メディチ家を失脚させた「サヴォナローラ」の命で、建築家「クロナカ(シモーネ・デル・ポライウオーロ)」が設計し完成させました。

この広間は、その名のとおり、定員500人の議会を開催するための大広間で、奥行き53m、幅23m、高さ18mの規模を誇ります。フィレンツェが共和制だった時代には500人の市民会議が開かれていました。

視線を天井に向けると、メディチ家を称える絵画で豪華に飾られています。絵画は、コジモ1世の戴冠の様子を中心にフィレンツェンの歴史を39枚のパネルで表現しています。

五百人広間の天井画

何故メディチ家失脚後にできた広間に、メディチ家を称える装飾があるのか疑問に思われると思います。それは現在の天井や壁面の装飾が、後年のメディチ家復権後に手掛けられたものだからです。かつてメディチ家を失脚させこの広間をつくらせた「サヴォナローラ」は15世紀後半に処刑となり、16世紀中頃のコジモ1世の時代にメディチ家はその権力を取り戻しました。

再び広間の装飾の話に戻ります。壁の両側にはヴァザーリの絵画「シエナ攻略」と「ピサ攻略」が、それぞれ連作として3枚づつ飾られています。広間の壇上に向かって右手側が「シエナの攻略」の連作3枚です。

ヴァザーリ作の絵画 シエナの攻略
ヴァザーリ作の絵画 シエナの攻略
ヴァザーリ作の絵画 シエナの攻略

シエナの戦いの真ん中の絵の下付近には、ミケランジェロの「勝利像」も飾られています。この像は元々、教皇ユリウス2世の墓碑のために制作されたものです。

ミケランジェロの「勝利像」

そして、壇上に向かって左側に並ぶ3枚が「ピサ攻略」です。

ヴァザーリ作の絵画 ピサ攻略

元々この両側の壁は、「ダ・ヴィンチ」作の「アンギアーリの戦い」とミケランジェロ作の「カスチーナの戦い」で飾られる予定でした。しかし、ダ・ヴィンチが制作段階で新技法に失敗して作業を中断すると、それに呼応するかの様にミケランジェロも作業を中断してしまいました。結局2人の作品は作業途中のままとなり、現在のヴァザーリ作のシエナの戦いとピサの戦いは、そのダ・ヴィンチとミケランジェロの作品の上に描かれたとされています。

謎のメッセージ「CERCA TROVA」

上でご紹介した「シエナの攻略」の3枚の絵画のうち「マルチャーノ・デッラ・キアーラの戦い」には、絵画の中に「CERCA TROVA(探せ、さすれば見つかる)」という謎の文字が残されています。

ヴァザーリ作の絵画 シエナの攻略

写真だとほぼ視認できませんが、この謎の文字は映画インフェルノなどでも謎解きの重要なキーワードとして扱われ、非常に有名な見学ポイントとなっています。

ヴァザーリのこのメッセージに関しては、有識者の間で本格的な研究も行われていますが確かな事は分かっていません。諸説ある中で最も有力とされているのが、現在のフレスコ画の下に眠るダ・ヴィンチ作「アンギアーリの戦い」を示唆したメッセージではないかというものです。確かにそう考えると「CERCA TROVA(探せ、さすれば見つかる)」というメッセージは辻褄が合いますね。

フランチェスコ1世の書斎

フランチェスコ1世の書斎{{PD-US}} - image source by Magnificus

この幅4mほどの小さな書斎は、ジョルジョ・ヴァザーリが設計し、装飾や絵画に関しては「マニエリスム」の画家たちが手掛けました。マニエリスムは、絵画「長い首の聖母」で有名な画家「パルジャミーノ」などに代表される美術様式で、人体を極端な比率で描くのが特徴の一つです。そのため、部屋内の絵画に目を向けてみると、極端に首の長い人物が何人も描かれています。

また、この書斎の絵画は4つの元素「水」「空気」「火」「大地」がテーマーなっています。壁の四面には、それぞれの元素に関連した44枚の絵画(油絵)が飾られています。

さらにこの部屋は、寝室に通じる秘密のドアや隠し戸棚なども備えています。

フランチェスコ一世はここで化学や錬金術の研究を行っていたそうです。

レオ10世のアパートメント

レオ10世のアパートメントは、メディチ家の3代「レオ10世」「ロレンツォ」「コジモ」の名を冠した広間をはじめ、複数の広間で構成されています。

レオ10世の間

レオ10世の間

五百人の間から奥に進むと、レオ10世のアパートメントの一角「レオ10世の間」に出ます。

この部屋の壁と天井には、レオ10世の生涯にまつわる絵画が飾られています。その絵画の間にある円形の部分には「レオ10世」や「豪華王ロレンツォ」の胸像なども置かれています。

こちらは本広間の天井画の一つ「レオ10世のミラノ奪還」です。

ヴェッキオ宮殿 - レオ10世の間の天井画「レオ10世のミラノ奪還」"Palazzo Vecchio - 1st Floor - Sala di Leone X - View Up on Central Painting on Ceiling" by Txllxt TxllxT is licensed underCC BY 4.0

「レオ10世」は、わずか16歳で枢機卿になった人物で、政治や軍事よりも、文化や芸術に力を注ぎました。また、ミケランジェロやラファエロなどのパトロンとして、サン・ピエトロ大聖堂の建設に携わり、ルネサンス文化の発展にも大きく貢献しました。

豪華王ロレンツォの間

「豪華王ロレンツォの間」と名付けられたこの広間の天井は、彼の偉業を讃える絵画で埋め尽くされています。下画像はその一部で、上部の大きな絵画はジョルジョ・ヴァザーリが手がけた「大使の賛辞」と呼ばれる作品です。

豪華王ロレンツォの間の天井画「大使の賛辞」

作中では、外国の大使がロレンツォに対して最大限の賛辞を送る姿が描かれています。つまりロレンツォが如何に偉大であるかを示すための作品です。

「ロレンツォ」はメディチ家最盛期の君主として政治や外交で辣腕をふるった人物です。上でご紹介したレオ10世の父でもあります。

ロレンツォは、文化や芸術にも関心が深く、ボッティチェッリやフィリッピーノ・リッピらのパトロンとして彼らを支援しました。若き日のミケランジェロもロレンツォによって才能を見出され大きな庇護を受けました。

コジモ・デ・メディチの間

ヴェッキオ宮殿 - コジモ・デ・メディチの間
"Sala de Cosme el Viejo, frescos de Giorgio Vasari." by Miguel Hermoso is licensed underCC BY 4.0

部屋名となっている「コジモ・デ・メディチ」は、父より銀行業を受け継ぎ、メディチ家の権力基盤を築いた人物です。豪華王ロレンツォの祖父にあたり、老コジモとも呼ばれます。

天井やエディキュールには、コジモの生涯のエピソードや逸話が描かれた絵画や装飾があります。これらはヴァザーリやバルトロメオが手がけたものです。

最も代表的なのが天井中央にある絵画で、コジモが息子のピエロとジョバンニらと共に、亡命先のヴェネツィアから帰還した場面が描かれています。

2階の見どころとフロアマップ

ヴェッキオ宮殿の2階は、1階が政治的な用途で使用されていた空間だったのに対して、どちらかと言えばリラックスした住居的空間になっています。

2階では「四大元素の間」「百合の間」「謁見の間」「エレオノーラの礼拝堂」「地図の間」など、様々な広間を見学する事ができます。先ずは以下の2階フロアマップを確認ください。

ヴェッキオ宮殿 2Fフロアマップ

10, 四大元素の間11, サトゥルヌスのテラス12, ヘラクレスの間13, ユーピテルの間14, オプスの間15, ケレースの間16, エレオノーラの礼拝堂17, 緑の間18, サビニの間19, エステルの間20, ペネローペの間21, グアルドラダの間22, プリオーリの礼拝堂23, 謁見の間24, 百合の間25, 地図の間

順路に沿って2階に上がってくると、見学は建物の右翼側からスタートになります。この右翼側の「10, 四大元素の間」〜「15, ケレースの間」までのエリアをまとめて「四大元素のアパートメント」と言います。

それでは以下より順路に沿って見どころをいくつかピックアップしてご紹介していきます。

四大元素の間

四元素の間

部屋名が示すとおり天井や壁面には、四元素「水」「火」「土」「空気」を主題にした油絵とフレスコ画で飾られています。これらの作品は「ヴァザーリ」「クリストファノ・ヘラルディ」「マルコ・マルケッティ」らが手がけました。

「水」の元素を表すフレスコ画は「裸体のヴィーナスが浮かぶ水の景色」です。

ヴェッキオ宮殿 四元素の間の絵画「ヴィーナスが浮かぶ水の景色」

絵画の下の大理石の暖炉はバルトロメオによって設計されました。

「空気」の元素を表す作品「サトゥルヌス天を壊す」は天井に「油絵」としてはめ込まれています。

ヴェッキオ宮殿 四元素の間の絵画「サトゥルヌス天を壊す」

作中では、クロノスがウラノスの肉体の一部を斧で切断して、海に投げ込むというギリシャ神話の一場面が描かれています。

「火」の元素は「ウルカヌスの鍛冶場」というフレスコ画で表現されています。

ヴェッキオ宮殿 四元素の間の絵画「ウルカヌスの鍛冶場」

サトゥルヌスのテラス

サトゥルヌスのテラス

「四大元素の間」と「ヘラクレスの間」に隣接するこのテラスは、ローマ神話に登場する土星の守護神サトゥルヌス(ギリシア神話だとクロノス)に捧げられています。

クローズしている事も多いですが、テラスに出るとフィレンツェの町並みを一望できます。

テラスの回廊の天井には、ヴァザーリとストラダヌスが手がけた美しい絵画も飾られています。

ヘラクレスの間

ヘラクレスの間

ヘラクレスの間の天井には、ヴァザーリやマルコ・マルケッティなとが手がけた油絵が飾られています。下はその中の一作で、女神へーラーが放った蛇を赤子ながらに握りつぶすヘラクレスの姿が描かれています。

ヴェッキオ宮殿 ヘラクレスの間の絵画

イルカを抱いたキューピッド

ヘラクレスの間の北側のテラス付近には、第1の中庭にあった彫刻「イルカを抱いたキューピッド」のオリジナルが展示されています。本作は1465年にダ・ヴィンチの師である「ベロッキオ」によって作られました。

ヴェッキオ宮殿 イルカを抱いたキューピッド
"Putto col delfino di verrocchio" by sailko is licensed underCC BY 3.0

元々はフィレンツェの北側にある「カレッジ・メディチ別邸」に置かれていましたが、16世紀に「コジモ1世」と「エレオノーラ」の結婚の際に、ヴェッキオ宮殿に運び込まれました。

ケレースの間

この広間はローマ神話に登場する豊穣の女神「ケレース」に捧げられており、天井には「ケレース」を主題とした絵画が飾られています。

ケレースの間

この天井画はヴァザーリの弟子「クリストファーノ・ゲラルディ」によって描かれたものです。作中では神話のエピソードの一つが描かれており、冥界の王「プルートー」に娘の「ペルセポネー」を誘拐された「ケレース」が娘を探し求めています。

ダンテのデスマスク

ダンテのデスマスク

ケレースの間からエレオノーラの礼拝堂に通じる廊下の一角には「ダンテのデスマスク」が展示されています。

このマスクは、映画インフェルノに登場したことから一時期話題になりました。

映画の中では、キーアイテムとして厳重に保管されていましたが、実際は簡易的なガラスケースの中で地味に展示されています。と言うのも、このマスクはダンテの顔から型取りした本物のデスマスクではないからです。

叙事詩「神曲」で知られるダンテですが、後年は政争に巻き込まれ故郷のフィレンツェを追放されてしまいます。以後、二度と故郷に戻ることはできませんでした。

エレオノーラの礼拝堂

ヴェッキオ宮殿 エレオノーラの礼拝堂

「エレオノーラの礼拝堂」は、マニエリスム期の代表的な画家「ブロンズィーノ」の美しいフレスコ画で飾られた個人礼拝堂です。上写真中央の大きな絵はブロンズィーノ作「十字架降下(ピエタ)」です。

下の天井画もブロンズィーノ作です。

ヴェッキオ宮殿 エレオノーラの礼拝堂

エレオノーラ礼拝堂の名は、トスカーナ大公コジモ1世の妃「エレオノーラ・ディ・トレド」の名前に因んで名づけられたものです。下はウフィツィ美術館に展示されているエレオノーラの肖像画(ブロンズィーノ作)です。

エレオノーラ・トレドと息子ジョバンニの肖像 - アーニョロ・ブロンズィーノ作(1545年)

ブロンズィーノはメディチ家の宮廷画家として数多くの肖像画を残しています。

15世紀には、メディチ家に変わり権力を握った「ジロラモ・サヴォナローラ」が、シニョーリア広場で処刑される前にこの礼拝堂で祈りを捧げたそうです。

緑の間

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本広間はコジモ・デ・メディチ(老コジモ)が、1539年から1540年にかけてヴェッキオ宮殿に引越してきた際に、最初に改装に着手した広間の一つです。

「緑の間」という部屋名は、部屋の色に由来している訳ではなく、かつて壁を飾っていた風景画に因んで名付けられています。

部屋内は、部分的に絵画や彫刻が飾られ、アーチ形の天井にはギルランダイオが手がけたグロテスク模様のフレスコ画が描かれています。

ペネローペの間

ペネローペの間

広間の部屋名は、ギリシャ神話や、吟遊詩人ホメーロスの叙事詩「オデュッセイア」に登場する女性「ペネローペ」から名付けられています。天井には、この部屋を象徴するヴァザーリとストラダヌス作の絵画「ペネローペの織物」が飾られています。

ヴェッキオ宮殿 ペネローペの間

作中では、夫の帰還を待つ美女「ペネローペ」が、求婚を迫る男たちの申し出を断るため、織物を織る姿が描かれています。ペネローペは織物が完成したら、求婚者108人の中から誰かを選ぶとしましたが、毎晩織物をほどいて完成を延ばしていました。

また、見落とされがちですが「ボッティチェッリ」作の「聖母子」もこの広間に飾られています。こちらも必見です。

ペネローペの間 - 聖母子と天使(ボッティチェッリ作)

プリオーリの礼拝堂

プリオーリのチャペル

プリオーリ(最高執政官)のために建てられたこの礼拝堂は、聖ベルナルドに捧げられています。

聖ベルナルドは、12世紀のフランス出身の神学者で説教家だった人物です。

現在の礼拝堂の姿は16世紀初期に、政治家「ピエロ・ソデリーニ」がフィレンツェ出身の彫刻家「バッチョ・ダーニョロ」に依頼して作らせたものです。

写真だと角度的に見えませんが、天井にはキリスト12使徒や三位一体を描いた金色のモザイク画が描かれています。

謁見の間

ヴェッキオ宮殿 謁見の間

百合の間と隣接するこの謁見の間は、フィレンツェが共和国時代にプリオーリ(最高執政官)の会議や法廷の場として使用されていました。そのため、別名「正義の間」とも呼ばれます。

広間の設計と制作は、百合の間と同様に「マイアーノ兄弟」が担当し、1470年から1472年にかけて造られました。

フィレンツェの紋章が刻まれた金箔張りの八角形の天井(写真下)は必見です。

ヴェッキオ宮殿 謁見の間 金箔張りの天井

壁面のフレスコ画の一つには、コジモ1世の依頼でサルヴィアーティが描いた「カミッルスの物語」があります。

ヴェッキオ宮殿 謁見の間

作中では、軍事のカミッルスがケルト人からローマを救った場面が描かれています。

百合の間

ヴェッキオ宮殿 百合の間

百合の間は、当時フィレンツェの友好国であったフランスの王冠のシンボル「フルール・ド・リス(ゆりの紋章)」に由来し名付けられました。

百合の間は、2人の兄弟彫刻家「ベネデット・ダ・マイアーノ」と「ジュリアーノ・ダ・マイアーノ」が設計と制作を手掛けた部屋です。木組みの天井には青の地に金の百合の紋章が描かれています。

ヴェッキオ宮殿 百合の間の天井装飾

百合の間の壁は1面だけフレスコ画が描かれている部分があります。

ヴェッキオ宮殿 百合の間のフレスコ画

当初の予定では、全ての壁面を、イタリアの著名な画家たち「ギルランダイオ」「ボッティチェッリ」「ペルジーノ」「ポッライオーロ兄弟」らのフレスコ画で埋める予定でした。

しかし、彼らの多くはバチカンのシスティーナ礼拝堂の仕事を終えて帰還したばかりで多忙を極めていました。唯一1482年に東壁のフレスコ画を完成させたのは「ギルランダイオ」でした。

ヴェッキオ宮殿 百合の間のフレスコ画

フレスコ画の中央を飾るのはフィレンツェ最初の司教「聖ゼノビウス」で、両側には立つのは2人の助祭です。更にその外側にはフィレンツェの国旗と紋章が描かれています。左手側で国旗を掲げているのはフィレンツェのシンボルであるライオン像「マルゾッコ」です。

更にこの部屋で見逃せない美術品がドナテッロ作のブロンズ彫刻「ユーディットとフォロフェルヌス像」です。15世紀に制作されたこの像は、かつてシニョーリア広場置かれていましたが、19世紀にこの場所に移動しました。

ヴェッキオ宮殿 ドナテッロ作 ユーディットとフォロフェルヌス像

百合の間の窓からは、ドゥオーモの景観を望むこともできます。

ヴェッキオ宮殿 百合の間から見るドゥオーモ

地図の間

ヴェッキオ宮殿 地図の間

地図の間はコジモ一世の命で、ヴァザーリが部屋の設計を手掛けました。部屋の中央には巨大な地球儀がおかれています。この地球儀は「マッパ・ムンディ」と呼ばれ、1581年当時としては最大のものでした。

ヴェッキオ宮殿 地図の間

壁面には隙間なくびっしりと53枚の地図が飾られています。53枚の地図は全て異なる国を描いており、イタリアはもちろん、フランス、インド、中国、ロシア、エジプト、ギリシャ、日本など様々です。53枚の地図のうち30枚は聖職者で数学者の「イグナシオ・ダンティ」が、残りの23枚は修道士で地図制作者の「ステファノ・ボンシニョリ」が手がけました。まるで、バチカン美術館の地図のギャラリーの縮小版といった雰囲気です。

また、コジモ1世はこの部屋の上部を飾るための肖像画を、イタリア画家の「クリストファノ・デル・アルティッシモ」に200枚以上も描かせました。かつてそれらはこの広間の上部を飾っていましたが、16世紀の後半にウフィツィ美術館に移されました。当初の計画では、タペストリー、金銀のアイテム、武器などもこの広間に飾る予定だったそうです。

地図の間の見学を終えたら、ヴェッキオ宮殿の博物館(Museo)エリアの見学は全て終了です。部屋の先にある階段から地上階まで下りる事ができます。塔に上る方も一旦は地上階まで下りて、そこから「Torre(塔)」書かれた案内板に沿って登り口までアクセスしてください。

アルノルフォの塔

アルノルフォの塔

一般の入場チケット(12.5ユーロ)ではなく、塔の入場がセットになったチケット(17.5ユーロ)を購入すると、高さ95メートルの「アルノルフォの塔」に上って、フィレンツェ市内を一望する事ができます。エレベーターはありませんので、 233段の階段を登る必要がありますが、絶景のパノラマビューを堪能できます。予約の都合でジョットの鐘楼やクーポラに登れなかった方は、代わりにこの塔に登れば、それらと遜色のない素晴らしい景観を楽しむ事ができます。

ヴェッキオ宮殿 アルノルフォ塔からの景観
"Vista del duomo di Firenze e del paesaggio circostante dalla cima di Palazzo Vecchio" by Lauramcr92 is licensed underCC BY 4.0

塔は、雨天の場合や強風時は登れなくなることがあります。また、 6歳未満の子供は塔への入場は不可で、18歳未満の方は大人の方の同伴が必要となりますのでご注意ください。

塔見学のメインは見晴台からのパノラマビューですが、城壁最上部の通路を歩いたり、かつて牢獄だった場所を見学したりもできます。この牢獄は、かつてアルベルゲッティ(Alberghetto)と呼ばれ、亡命前のコジモ・デ・メディチ(老コジモ)や、処刑前のサヴォナローラが投獄されていた場所です。フィレンツェの歴史に興味がある方は、こういった部分も意識しながら見学してみてください。

塔に上る際は、案内板「Torre(塔)」の方向に従って登り口にアクセスしてください。登り口付近でチケットの確認があります。

ヴェッキオ宮殿内の案内板

塔への階段は地上階の第1中庭付近にあります。以下の地図にてご確認ください。

ヴェッキオ宮殿 0Fフロアマップ

【塔名の由来とかつての役割】

アルノルフォの塔の名前は塔の設計者である「アルノルフォ・カンビオ」に因んで名付けられています。カンビオ は、ドゥオーモ最初期のファサード装飾を手がけた人物として知られています。

また、アルノルフォの塔の見張台に置かれている鐘は、かつて議会の招集や、火災、外敵の侵入などを知らせる重要な役割を担っていました。

ヴェッキオ宮殿 観光所要時間の目安

ヴェッキオ宮殿の所要時間の目安は1時間20分ほどです。

上記は本記事内の「ヴェッキオ宮殿の見どころ」で紹介しているスポットを、ある程度ノンビリと一通り見学した場合の所要時間目安です。

所要時間に関しては、ご自身のペースや気分次第で短くも長くもできますので、随時ご調整ください。また、「アルノルフォの塔」にも登る場合は、トータルで1時間50分〜2時間ぐらいの所要時間を見ておいた方が良いと思います。

おすすめの訪問時間

ヴェッキオ宮殿のメイン展示エリアである「博物館(Museo)」は、4〜9月の間は、夜の23時まで営業しています。この期間中は、19時以降に「ヴェッキオ宮殿」を訪問すれば、混雑を回避できるのはもちろん、限られた観光時間を有効に利用する事ができます。

ヴェッキオ宮殿でフィレンツェカードを利用する方法

フィレンツェカード提示で発券される入場チケット

フィレンツェカードは有効期間の72時間以内であれば、市内約76カ所の美術館、博物館、教会に入場できるお得なフリーパスチケットです。

本カードをオンラインや現地で購入しておく事で、ヴェッキオ宮殿内の専用窓口「infoPoint」にて、チケットオフィスに並ばずに入場チケット(レシートの様な紙)を入手できます。

フィレンツェカードを利用した当日の入場の流れは、本記事内別項の「当日の入場方法・観光開始までの流れ」を参考にしてください。

また、フィレンツェカードにつきましては、以下の記事にて詳しく解説しております。

まとめ

ヴェッキオ宮殿は、ガイドブックなどではやや扱いが小さめですが、非常に見どころの多い観光スポットです。また、付属の「アルフォルノの塔」からは、ジョットの鐘楼やクーポラに引けを取らない絶景を望む事ができます。

ウフィツィ美術館からも徒歩1分~2分と好立地なので、是非「ウフィツィ美術館」とセットでこの「ヴェッキオ宮殿」も観光スケジュールに組み込んでみてください。館内は広くて本当に楽しめるお勧めスポットです。

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