ウフィツィ美術館とは?歴史・見どころ・回り方を徹底解説

イタリア・フィレンツェのウフィツィ美術館は、世界屈指のルネサンス美術コレクションを誇る必見スポットです。ボッティチェッリの《春》や《ヴィーナスの誕生》、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ、カラヴァッジョといった巨匠たちの代表作が一堂に集まっています。
本記事では、「ウフィツィ美術館とは?」という基本情報から、その歴史や館内の見どころ、観光に役立つ実用情報(営業時間・料金・アクセス・混雑回避方法)まで詳しく解説します。
さらに、初めて訪れる方におすすめの回り方(モデルルート)や、周辺の観光スポットもまとめました。
ウフィツィ美術館を訪問する前の予習や、当日の鑑賞ルート作りにぜひご活用ください。
なお、ウフィツィ美術館のチケット予約方法や料金、入場の流れについては、以下の別記事で詳しく解説しています。
ウフィツィ美術館とは

ウフィツィ美術館とはいったい何かをQ &A形式で分かりやすくご紹介致します。
ウフィツィ美術館とは?
ウフィツィ美術館は、フィレンツェの支配者だったメディチ家歴代当主の莫大な美術コレクションを展示・所蔵する美術館です。
美術館の建物は16世紀後半のメディチ家当主「コジモ1世」が、公務のために建設した事務所(オフィス)が元になっています。イタリア語である「ウフィツィ」という言葉は英語の「オフィス(office)」を意味し、ウフィツィが美術館として作品の一般公開をスタートしたのは18世紀後半以降です。
どんな美術品がどのくらい展示されているのか?
ウフィツィ美術館は絵画展示をメインとする美術館です。 2階と3階合わせて約100ある展示室には、13世紀〜18世紀のイタリア フィレンツェ絵画を中心に、随時2500点もの美術品が展示されています。絵画のコレクションでは、質と量共にイタリア最大の美術館で、フィレンツェ絵画のコレクションでは世界一を誇ります。
館内に彫刻も展示されていますが、それらの多くは19世紀後半にパルジェロ美術館や考古学博物館へと移されました。
誰の作品が展示されているのか?
イタリア美術の三大巨匠と言われる「レオナルド・ダ・ヴィンチ」「ミケランジェロ」「ラファエロ」の作品を筆頭に、フィレンツェで一時代を築き、ローマやバチカンで活躍した「ポッティチェッリ」や「ペルジーノ」などの作品が展示されています。
他にも「カラヴァッジオ」「ティツィアーノ」「フィリッポ・リッピ」など、館内の至る所に名だたる画家の作品が並んでいます。
ウフィツィ美術館はどこにあるのか?
ウフィツィ美術館は、イタリアの人気観光地「フィレンツェ」の中心部に位置しています。通常の観光客が滞在するフィレンツェの主要宿泊エリアからであれば徒歩圏内の距離です。
ウフィツィ美術館の歴史
ウフィツィ美術館の起源
初代トスカーナ大公で16世紀のメディチ家当主「コジモ1世」は、それまで13もあった行政の事務所を一つに統合するため、新たな建物(後のウフィツィ美術館)の建設を計画します。
【コジモ1世の肖像画】
{{PD-US}} - image source by WIKIMEDIA
「オフィス(office)」を意味するイタリア語「ウフィツィ(uffizi)」と言う名も、元の建物が国の事務所(オフィス)、つまり行政市庁舎であった事に由来しています。
建設場所には、シニョーリア広場からアルノ川へと続く広大な土地が選ばれ、元々その周辺にあった住居などは、メディチ家の豊富な財力によって買い取られました。
そして、この新たな建設プロジェクトを全面的に任されたのが、芸術家であり建築家でもあった「ジョルジョ・ヴァザーリ」です。
【ジョルジョ・ヴァザーリの肖像画】
{{PD-US}} - image source by WIKIMEDIA
ヴァザーリはアルノ川に面して、まるで空中に浮いているかの様な「コの字型」の建物を設計すると、1560年より工事を開始します。
しかし、建設工事は予定よりも大幅に遅れ、工事着工から20年後の1580年10月にようやく完成を迎えます。
残念ながら、既にこの時プロジェクト発起人である「コジモ1世(1519年~1574年)」と設計者の「ヴァザーリ」はこの世を去っており、メディチ家当主はコジモ1世の息子「フランチェスコ1世」に代替わりしていました。
歴代メディチ家当主による改修と作品収集
完成の翌年、フランチェスコ1世は自身や歴代メディチ家当主が貯蔵収集してきた膨大な美術品を飾るため、最上階の東側をギャラリーに改築、更に10年後には、希望者に対して美術品の公開をスタートします。
ウフィツィ美術館が、正式な美術館として開館するのはこの数世紀後の話になりますが、この建物が初めて美術館としての体裁を成したのは、この時だと言われています。
美術品の公開をスタートしてからも、メディチ家の当主が代替わりするたびに館内の作品は増えていきました。
1637年には、第5代トスカーナ大公にあたる「フェルディナンド2世」が、ウルビーノ公国出身の「ヴィットーリア・デッラ・ローヴェレ」と結婚したため、ウルビーノ公国が所有していた「ティッツィアーノ」や「ラファエロ」の傑作がウフィツィ美術館にもたらされました。
しかし、1734年の時点でコジモ3世の娘である「アンナ・マリーア・ルイーザ・デ・メディチ」に跡継ぎができなかったため、メディチ家の家計は途絶えてしまいます。
この際の「ルイーザ」の遺言《メディチ家のコレクションがフィレンツェにとどまり、一般に公開されること》という内容に従い、ウフィツィ美術館の膨大なコレクションはトスカーナ政府へと所有権が移りました。
ウフィツィの一般公開、そして国立美術館へ
ハプスブルク家出身で18世紀のトスカーナ大公「レオポルド1世」は、ウフィツィ美術館に新たな入口を新設し、所蔵作品の管理体系を整えると、1769年(1765年と記す資料も多数あり)より、ウフィツィ美術館の一般公開をスタートします。実に建物が完成してから200年以上も後の事でした。
その後、ナポレオン1世率いるフランス軍の侵略やトスカーナ大国の消滅を経て、1861年にイタリア半島初の統一国家「イタリア王国」が誕生します。
これにより、ウフィツィは国立美術館となりますが、以後も建物の改築と整備は継続されていきます。
20世紀から21世紀にかけて行われたプロジェクト「グランド・ウフィツィ」では、展示エリアはおおよそ2倍に拡張されました。
ウフィツィ美術館8つの見どころ
本項では、ウフィツィ美術館の見どころ大きく8つに分けてご紹介致します。
【見どころ①】ダ・ヴィンチ作品などルネサンス期の名画
ウフィツィ美術館の最大の魅力は、やはり絵画コレクションです。ここには、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロ、ミケランジェロといったルネサンス三大巨匠の作品をはじめ、フィレンツェ生まれのボッティチェッリや、バロックを代表するカラヴァッジョ、ヴェネツィア派のティツィアーノなど、イタリア美術史を彩る名画がずらりと並びます。
ここでは、その中でも代表的な名画を10作品だけピックアップして簡単にご紹介します。
受胎告知 - ダ・ヴィンチ作

受胎告知は、大天使ガブリエルが聖母マリアにキリストを身ごもった事を告知するという聖書の一場面を描いた作品です。本作はレオナルド・ダヴィンチのデビュー作でもあります。
東方三博士の礼拝 - ダ・ヴィンチ作

新約聖書の伝統的なエピソードの一つ「東方三博士の礼拝 」を描いたレオナルドの未完作品。作中では、東方より導かれし三博士が、聖母に抱えられた幼子イエスに礼拝する姿が描かれています。
キリストの洗礼 - ヴェロッキオ / ダ・ヴィンチ作

ヨハネがキリストにヨルダン川で洗礼を施す場面を描いた作品。レオナルドの師匠である「ヴェロッキオ」の代表作品ですが、向かって左手側の天使だけはレオナルドが描いたと言われています。
聖家族 - ミケランジェロ作

彫刻家を自負するミケランジェロの数少ない板絵作品の一つです。作名は「聖家族」ですが、ドーニ家に依頼されて描いた事から、トンド・ドーニ(ドーニ家の円形画)とも呼ばれます。
ヒワの聖母 - ラファエロ作

絵画のテーマとして伝統的に描かれてきた3人「聖母マリア」「幼子イエス」「洗礼者ヨハネ」の姿を、美しいピラミッド型構図で表現したラファエロの代表作です。
春 - ボッティチェッリ作

レオナルド・ダヴィンチと同じ工房に所属していた兄弟子でもある「ボッティチェッリ」の代表作品。愛と美の女神「ヴィーナス」の姿を中心に、500以上もの植物と200以上の花で埋め尽くされ、喜びが画面から満ちあふれてくる様です。
ヴィーナスの誕生 - ボッティチェッリ作

ボッティチェッリがメディチ家のために描いたい作品。絵画中央には、海の泡から生まれた愛の女神「ヴィーナス」が巨大な貝に乗った姿で描かれています。
ウルビーノのヴィーナス - ティツィアーノ作

本作「ウルビーノのヴィーナス」は、ベネチア派を代表する画家「ティツィアーノ」の代表作の一つで、愛と美の女神「ヴィーナス」が、永遠の愛の象徴「バラ」を手にした姿が官能的に描かれています。
バッカス - カラヴァッジオ作

大胆な明暗のコントラストを得意とした「カラヴァッジョ」の代表作品の一つで、ローマ神話のワインの神「バッカス」の姿が描かれています。
メデューサ - カラヴァッジオ作

イタリア・バロックを代表する画家「カラヴァッジョ」の傑作のひとつで、ギリシア神話の怪物「メデューサ」の首が切り落とされた瞬間を描いています。盾に直接描かれたユニークな作品で、写実的な描写と劇的な表現が強烈な迫力を放っています。
本記事では代表的な10作品を簡単にご紹介しましたが、これらの作品を含め、有名作品の詳細解説は以下の別記事にまとめております。訪問前の予習としてぜひご覧ください。
【見どころ②】第1回廊
ウフィツィ美術館の見学開始地点となる第1回廊(東画廊)では、トスカーナ大公フランチェスコ1世が最初に美術作品を展示した当時の様子が再現されています。
この回廊自体に超有名と呼ばれるほどの作品展示はありませんが、数百年以上前に制作された貴重な美術品が並んでいます。例えば、回廊左右に並ぶ彫像や石棺は、ギリシャ時代やローマ時代に制作されたものです。

白と灰色の大きな四角模様の大理石床は18世紀のロレーヌ家統治時代に造られたものです。
左右の壁面上部には、16~18世紀の歴史上の人物が肖像画で描かれています。

頭上には、アレッサンドロ・アローリを筆頭に16世紀の画家グループによって描かれたグロテスク模様の天井画があります。模様の中には幻獣や神々と混じってメディチ家の紋章も描かれています。

【見どころ③】トリブーナ

ウフィツィ美術館のA16室には「トリブーナ」と呼ばれる八角形の特別室があります。1581~83年に建築家ベルナルド・ブオンタレンティが、トスカーナ大公フランチェスコ1世(コジモ1世の息子)の命で設計したもので、「美術館」という概念の起源とされる重要な空間です。もともとは「大公の宝物庫」として、美術品だけでなく宝飾品や珍しい自然物も並べられ、まさに小宇宙(コスモス)を凝縮したキャビネットでした。
八角形という形は、キリスト教で「天に近づく数」とされる象徴性を持ち、ドーム天井は天空を表しています。

内部装飾は「四大元素」をテーマに構成され、床の大理石象嵌は大地、深紅のビロードの壁は火、5,000枚以上の真珠貝で飾られたドームは水、そして風を取り込むランタンは空気を象徴しています。部屋全体が宝石箱のように設えられ、訪れる者を圧倒します。
壁面にはブロンズィーノやロッソ・フィオレンティーノらの絵画が飾られ、さらに部屋の中心には八角形のテーブルが据えられています。

このテーブルは部屋の建設と同時期に制作されたもので、画家ベルナルディーノ・ポッチェッティら複数の芸術家が装飾に携わりました。
展示作品の中でも特に有名なのが「メディチ家のヴィーナス(前2世紀)」です。

フランス国王ルイ14世が複製を望んだ逸品で、ナポレオンによって一時フランスに持ち去られた後、1815年にウフィツィへ戻ってきました。
このほか、同じく前2世紀の大理石像「闘士」なども展示されており、古代からルネサンスに至るコレクションを一望できます。

現在は部屋の中に立ち入ることはできませんが、3箇所の入口から内部を覗き込むことが可能で、常に人だかりができる人気見学スポットとなっています。展示作品以上に「空間そのもの」が芸術作品として成立している、ウフィツィ美術館を代表する名所です。
【見どころ④】二オペの間

A39室は、ローマのラテラノ近くのブドウ畑で発見された二オペとその子供達の彫像グループを飾るために18世紀に整備された広間です。部屋名は、ギリシャ神話に登場する女性でケンタウロスの娘である「二オペ」に由来しています。
下画像の中央が「二オペ像」で両脇には二オペの子供の像が飾られています。

神話では、14人の子を持つニオベが、2人しか子供のいなかった女神「ラトナ」に対して、子だくさんを自慢し嘲笑します。怒り狂ったラトナは2人の息子「アポローン」と「アルテミス」に、二オペの子供を全て殺させてしまいます。子供を失った二オペは嘆き悲しみ、ゼウスに願って自ら石像となりました。本展示室は、この神話に基づき、悲しむ二オペと逃げ惑う子供達の姿が彫像で表現されています。
広間の壁には絵画も4点ほど飾られています。下はそのうちの一点で、17世紀にフランドル派の画家として活躍した「ルーベンス」作の「勝利」です。

本作は同室内に展示されている絵画「戦闘」と連作になっています。
室内はネオクラシック様式(新古典様式)で統一され、天井や壁にはスタッコ仕上げの見事な装飾がほどこされています。装飾は美しい白と金色で統一され、ラグジュアリーな雰囲気です。

この広間は日本のガイドブックなどでは、あまり大きく取り上げられる事は少ないですが、第18室のトリブーナと並んで、ウフィツィ美術館の至宝と言われています。
【見どころ⑤】南画廊のビュースポット

ウフィツィ美術館3階の南側にある「南画廊(第2回廊)」は、展示作品だけでなく絶好のビュースポットとしても知られています。大きな窓からはフィレンツェの歴史的中心地を一望でき、館内で最も人気の高い撮影ポイントのひとつです。
南側の窓からは、アルノ川に架かる「ヴェッキオ橋」と、その背後に広がる丘陵地帯までを見渡すことができます。夕暮れ時には川面と街並みが黄金色に輝き、訪れる人を魅了します。

一方で、北側の窓からは「ヴェッキオ宮殿」と赤いクーポラを持つ「ドゥオーモ(サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂)」がそびえ立つ景観を望むことができます。

まさにフィレンツェを象徴する2つの建築を一度に見渡せる特別な場所です。
展示室をめぐる合間に、ぜひこの窓辺で足を止めてみてください。絵画鑑賞の合間に、芸術の都フィレンツェそのものを“生きた背景画”のように楽しむことができます。
【見どころ⑥】オープンテラスカフェ(3階)

ウフィツィ美術館の3階西画廊の奥は、オープンテラスが開放的なカフェ「Caffetteria Bartolini」があります。3階展示室の突き当たりに位置しているので、2階を見学する前に一休みと言う感じの利用などがお勧めです。テラス席からは「ドゥオーモ」や「ヴェッキオ宮殿」を望む事ができます。

メニューはドリンクの提供はもちろん、サンドイッチやパスタなどの軽食から、パフェやジェラートなどのデザートまで一通り揃っています。全体的に料金はやや高めですが、ミネラルウォーターなら1.5ユーロ〜、アルコール類なら6.0ユーロ〜と、多くの方が許容範囲の料金設定だと思います。
ドリンクの料金のみ、テーブル利用かテイクアウトかで変わってきます。当然テイクアウトした方が割安です。
【見どころ⑦】ヴァザーリの回廊

ウフィツィ美術館の館内には、700点以上の自画像コレクションが並ぶ「ヴァザーリの回廊」と呼ばれる展示エリアへの入口があります。
この高架式の回廊は全長約1kmほどの長さがあり、ヴェッキオ宮殿、ウフィツィ美術館、ピッティ宮殿の3施設を結んでいます(入場はウフィツィ美術館からのみ)。
回廊内は、ダ・ヴィンチやラファエロなど、有名画家の自画像コレクションで飾られています。近年は小説で映画にもなった「インフェルノ」のワンシーンに登場した事からも注目を集めました。
この回廊は、安全上の理由から2016年12月頃より閉鎖されていましたが、2024年12月より観光客向けに再オープンされました。
ヴァザーリの回廊の大改修には、1000万ユーロもの予算が投入され、2021年の初めより18ヶ月間に渡り行われます。改修後は既存の自画像コレクションは別の美術品へと一新されます。また、安全面を考慮した5つの新しい緊急出口や空調システム、LED照明、ビデオ監視カメラなども完備されるそうです。
更に、ウフィツィ美術館取締役の「アイケ・シュミット」によれば、これまでの完全予約制で団体入場に限られていた「ヴァザーリの回廊」への入場形態も大幅に変更するそうです。
回廊へは、ウフィツィ美術館の1階(日本の2階)D19室(ヴェネツィアの小礼拝堂)によりアクセス可能です。料金は「47ユーロ」で、ウフィツィ美術館との入場がセットになっています。
【見どころ⑧】ギフトショップ
ウフィツィ美術館で美術品を鑑賞後「EXIT」の案内にそって出口へ進んで行くと、必ずギフトショップを通過する構造となっています。

ギフトショップでは書籍やガイドブックを中心に、有名作品をあしらったポストカード、雑貨、文房具、マグネット、食器など、様々な商品が販売されています。購入せずとも見ているだけで楽しめる場所です。
ウフィツィ美術館の観光情報
本項ではウフィツィ美術館の観光情報をご紹介します。
営業時間・料金
| 営業時間 | 08:15~18:30 |
|---|---|
| 休館日 | 毎週月曜日、1月1日、12月25日 |
| 料金 | WEB予約時の料金
現地購入時の料金
|
地図・ロケーション
ウフィツィ美術館は、フィレンツェの中心部、アルノ川沿いに位置しています。
多くの方がローマやベネチア、ミラノなどから列車でフィレンツェを訪れるかと思います。フィレンツェの陸の玄関口である列車駅「サンタ・マリア・ノヴェッラ駅」から「ウフィツィ美術館」までは徒歩18分〜20分ほどになります。
フィレンツェのもう一つの人気スポット「ドゥオーモ(サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂)」からだと、南方向に向かって歩いて徒歩8分ほどです。
混雑回避方法
ウフィツィ美術館には年間200万人もの観光客が訪れます。おおよそですが、1日の訪問数だと5,500〜6,000人ほどになるので、当日はチケット購入を求める観光客で行列ができます。
夏場のピークシーズンなどは、チケット購入に2時間待つ事や、当日に入場できないと言う事も普通にあり得ますので、混雑を回避してスムーズに入場したい方は「公式チケット販売サイト(英語・イタリア語)」にて事前のオンラインチケット予約が必須となります。
どうしても英語ページからの予約に抵抗がある方は、オプショナルツアー会社が提供しているページを利用すると、日本語ページからチケット予約をする事も可能です。
以下、GetYourGuide という会社が提供しているチケット予約ページをご紹介いたします。
正規料金に加え、手数料が3.5ユーロほど発生致しますが、ウフィツィ美術館のチケット予約を日本語ページから行う事ができます。予約完了後は、メールで送られてくるPDFファイルの「予約書」をプリントアウトか、スマートフォン上で提示すれば、本チケットを受け取る事ができます。公式サイトから予約した場合も、チケットの受け取りは必要となるため、手間なども変わりません。
ウフィツィ美術館の回り方
ウフィツィ美術館の回り方について解説致します。美術館内には、ウフィツィ美術館広場に面する入口から入場します。公式サイトから予約した方はチケットの受け取りは不要です。

チケットをお持ちの方は「①」か「②」のいずれかより入場します。ウフィツィ美術館のチケット予約方法や入場の流れに関しては以下の記事にて詳しく解説しております。
館内入場後、最初のチケット検札を抜けたら、上階へと続く階段の前に出ます。まずは一気にこの階段で最上階の3階まで上がります。これが正しい見学順路です。

3階まで上がったら、順路に沿って進んで行きます。進める方向は一方向です。

見学エリアの廊下に出る前に最後のチケット確認があります。ここを抜けた先が見学エリアになります。下写真は見学エリア側から撮影したものです。

ウフィツィ美術館の見学は3階東側の第1回廊(画像下)からスタートする形になります。

館内地図の左上側に記した赤丸が見学開始地点になりますのでご確認ください。
ウフィツィ美術館の構造は非常にシンプルで、展示室番号の若い方から順に、3階から2階へと見学して行くのが、館内構造的に最も効率の良い回り方です。先に2階から見学する事も可能ですが、有名作品は3階に集中しているので、2階から見学するメリットはないと思います。
展示室は全部で約100室ほどあり、その展示室に沿って長い回廊が走っています。基本的にはこの回廊を進みながらご自身の見学したい展示室に出入りして行く形になります。展示室によっては回廊からは直接入れず、隣の展示室を経由する必要がある場合もあります。どちらにせよ迷うほどの複雑さはありません。
順路に沿って平均的なペースで3階と2階を見学すると、見学所要時間は、1時間半〜2時間ぐらいが目安ですが、ダ・ヴィンチ作品などの人気展示室には行列ができる場合もあります。見学時間には十分な余裕持って訪問ください。
下画像は、ウフィツィ美術館 「A35室 レオナルド・ダヴィンチ」と「A38室 ラファエロ・ミケランジェロ」の展示コーナー入口の写真です。

展示室の入口には、展示室番号を記した案内板があるので、室番号と地図を照らし合わせながら、お目当ての作品を探して行く形になります。作品は展示室番号が若い部屋にあるものほど年代が古くなっています。つまり、展示室の番号に沿って見学すれば、イタリア絵画の歴史を年代順にたどって行くことができます。
見学終了後、出口は2階の最後のエリア「展示室 E」を抜けた先にあります。

退館する場合は「展示室 E」エリアの奥にある階段から1階に下ります。

一度退館すると館内に戻る事はできませんので、見逃した作品がないか確認の上で出口に向かってください。

出口の案内板「USCITA(EXIT)」に従って行くとギフトショップの入口にたどりつきます。出口はギフトショップを通過した奥にあります。

ギフトショップは定番の書籍やポストカード、マグネットなど、展示作品に関連した各種グッズが販売されています。

ギフトショップを出ると、入館時に通過したセキュリティゲートを横手に外に出る事ができます。もちろん退館時にセキュリティチェックはありませんのでご安心ください。
ウフィツィ美術館 周辺の観光スポット
ウフィツィ美術館の周辺には見どころ満載の観光スポットが複数存在しています。以下いくつかご紹介致します。
ヴェッキオ宮殿

ウフィツィ美術館に隣接するシニョーリア広場の一角には、かつてフィレンツの政治の中枢であった高さ95mの「ヴェッキオ宮殿」がそびえたっています。
ヴェッキオ宮殿の内部には、歴代トスカーナ大公やメディチ家が収集した絵画や彫刻の美術品が数多く展示されているほか、ミケランジェロとレオナルド・ダ・ヴィンチが壁画制作で対決した「500人広間」や中世の趣きを残す美しい広間が数多く存在しています。
ヴェッキオ宮殿はウフィツィ美術館から徒歩2分ほどの距離なので、合わせての観光するのにかなりお勧めです。
ドゥオーモ大聖堂と付属施設

フィレンツェのシンボルであるドゥオーモ大聖堂は聖堂内の見学はもちろん、ドーム部分(クーポラ)や付属の鐘楼に登ってフィレンツェ市内の景観を一望する事もできます。
更にドゥオーモ大聖堂が立つ広場には、付属施設である「サン・ジョヴァンニ洗礼堂」や「ドゥオーモ付属美術館」などもあり、ドゥオーモと関連施設を回るだけでも一日がかりです。
アカデミア美術館
ウフィツィ美術館から徒歩15分ほどの場所に位置する「アカデミア美術館」では、ミケランジェロ作「ダビデ像」のオリジナル彫刻を見学する事ができます。
アカデミア美術館の展示は彫刻がメイン展示となりますが、ペルジーノやボッティチェッリと言ったフィレンツェを代表する画家たちの絵画なども展示されています。
ヴェッキオ橋

アルノ川にかかる「ヴェッキオ橋」は、フィレンツェに10ある橋の中でも、最古かつ最も有名な橋です。ウフィツィ美術館からは、徒歩5分ほどの場所に位置しています。
ヴェッキオ橋は、外側部分の建物が川にせり出てるのが特徴で、橋の上の両脇には、金細工店や宝石店が並んでいます。
外観を少し離れた位置から楽しんだ後は、是非、橋の上をウインドウショッピングがてら歩いてみてください。
ピッティ宮殿
ピッティ宮殿は16世紀半ばよりメディチ家が居城として利用していた場所です。敷地内の美術館や博物館では、歴代君主が収蔵した莫大な美術品や様々なコレクションが展示され、敷地の奥には4万5千㎡の面積を誇る「ボーボリ庭園」が広がっています。
敷地内最大の見どころである「パラティーノ美術館(ピッティ美術館)」には、「ラファエロ」「フィリッポ・リッピ」「ボッティチェッリ」など、名だたる画家の名作が展示されています。
ピッティ宮殿は、広大な庭園見学も踏まえると、半日あっても時間が足りないほど、見どころ満載の見学スポットです。
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