プラハの概要

人口はおよそ120万人の街「プラハ」は14世紀神聖ローマ帝国の首都となって繁栄した街です。プラハの様に各時代の文化を色濃く反映して、それらが一体となった景観は、他のヨーロッパでは決して目にする事ができません。それでいて、どこか懐かしさを感じるこの街には、通年を通して多くの旅行者が訪れます。

古都の情緒あふれるこの美しい街は、それ自体が一つの世界遺産です。プラハ歴史地区は、その美しい街並みと歴史的な景観から1992年にユネスコによって世界文化遺産に登録されました。

観光する

 

プラハの面積は約496km²ほどで、おおよそ東京の5分の1ほどの面積です。プラハは、カレル橋を中心に、東側に「旧市街」「新市街」「ユダヤ人地区」の3地区、西側に「フラッチャ二地区」「マラーストラナ地区」の2地区、東西合計で5つの地区が存在しています。5つの地区の中でも、特に人気の観光スポットが「プラハ城(フラッチャ二地区)」「カレル橋」「旧市街広場(旧市街)」の3スポットです。

プラハ観光マップ

上記の「プラハ観光マップ」内で赤字で記した場所が、プラハの主要観光スポットになります。次項以降では各スポットの概要と観光所要時間の目安などをご紹介致します。

プラハ観光のモデルコースについては、別ページ「プラハのモデルコースとおすすめ観光ルート」で詳しく紹介しております。

プラハ城

プラハ城

所要目安:3〜3.5時間

フラッチャ二地区の高台に立つプラハ城。かつてはボヘミア国王や神聖ローマ皇帝の居城でした。城内はとても広く城全体が一つの町の様になっています。ギネスブックにも世界で最も広い城であると認定されています。

【プラハ城内 おすすめ観光スポット】

以下の4施設は2022年頃より入場不可となっております。改修中や開放終了などの理由が考えられます。公式サイトでも特に案内はありません。

プラハ城を詳しく見る

カレル橋

カレル橋

所要目安:15分〜1時間

プラハの旧市街とマラストラーナ地区を結ぶこの橋は、14世紀にカレル一世の命により60年近い歳月をかけて建築されました。橋には30体の聖人像が並び、観光客はもちろん、音楽を奏でる人々、似顔絵描き、土産物売りまで、常に多くの人で賑わいます。橋の両端にある橋塔からの景観は絶景です。

【カレル橋に関する記事】

カレル橋を詳しく見る

旧市街広場

旧市街広場

所要目安:30分〜1時間

旧市街の中心に位置する旧市街広場は、プラハのエンターテインメントの中心です。旧市街広場を囲うように、ゴシック、バロック、ロココなど、様式の異なる歴史的な建物が並び、カフェやレストランなども広場に面して建っています。観光スポットとしてはもちろん、のんびりランチやディナーをする場所としてもおすすめの場所です。

【旧市街広場 おすすめ観光スポット】

旧市街広場を詳しく見る

マラーストラナ地区

マラー・ストラナ地区

所要目安:30分〜1時間

マラストラーナ地区は、カレル橋の西側に位置する小地区です。この地区には、ホテルや飲食店が多く、観光名所への徒歩でのアクセスはもちろん、どこに行くにも便利なエリアです。「聖ミクラージュ教会」や「ヴァルトシュテイン宮殿」といったバロック建築の傑作もこの地区で見ることができます。

【マラーストラナ地区 おすすめ観光スポット】

マラー・ストラナ地区を詳しく見る

ストラホフ修道院

ストラホフ修道院

所要目安:20分〜30分

「ストラホフ修道院」は、約800年ほど前の12世紀に創建されたフラッチャニ地区にある修道院です。「神学の間」と「哲学の間」と呼ばれる二つの図書室は、ナポレオンの妻をはじめヨーロッパ中の要人が訪れた言われている。

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火薬塔

火薬塔

所要目安:15分〜25分

歴代の王たちが戴冠パレードを行った際、その出発地点がこの火薬塔でした。全長2500M。ここから旧市街広場とカレル橋を抜けて、プラハ城までつづく道を「王の道」と呼び、現在は、この道を観光として辿る事がプラハ観光の定番となっています。

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ヴァーツラフ広場

ヴァーツラフ広場と国立博物館

所要目安:1時間

新市街の中心に位置する長さ750m、幅60mもあるプラハの目抜き通り。通りの側道にはブランドショップをはじめ、様々なショップやカフェが建ち並びます。そして通りの奥には広場のシンボルである国立博物館がそびえ立っています。

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ダンシングハウス

ダンシングハウス

所要目安:5分〜10分

プラハの中で最も有名な現代建築様式の建物。アメリカ俳優の「ジンジャー・ロジャース」と「フレッド・アステア」の踊る姿にインスピレーションを受けてデザインされました。

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国立マリオネット劇場

国立マリオネット劇場

所要目安:1時間45分〜2時間

プラハの老舗マリオネット劇場。モーツァルトのオペラ作品「ドン・ジョバンニ」と「魔笛」を現代風にアレンジした人形劇を上演しているほか、ワークショップではオリジナルのマリオネット制作に挑戦できます。

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宿泊する

プラハのホテル

プラハは小さい街なので主要どころは全て徒歩で見学できますが、効率よく観光するには拠点となるホテルの立地が非常に重要になります。

【カレル橋周辺のホテルがおすすめ】

プラハの観光で「プラハ城」「カレル橋」「旧市街広場」は絶対に外せない観光スポットです。この三つは時間帯(朝夕夜)によって全く別の表情を持っているので複数回訪問する事をおすすめします。

そして、この3大スポットへのアクセスを考慮すると「カレル橋」周辺のホテルに滞在するのがベストです。カレル橋から徒歩5分圏内のホテルを拠点とすれば、非常に効率よく観光できます。以下に立地が良くて口コミ評価の高いおすすめホテルをご紹介します。

カレル橋周辺のおすすめホテルや、プラハのホテルの選び方に関しては、別記事の【プラハ 観光】おすすめホテルと宿の選びの方で詳しく紹介しております。

■おすすめアパートメントホテル【マロストランスカ・レジデンス

マロストランスカ・レジデンス

マラー・ストラナ地区にあるファミリーやカップル向けのアパートメントホテル。その絶好のロケーションとスタッフの神対応が、どの予約・レビューサイトでも高評価を得ています。部屋は全部で11室あり、全て家具とレイアウトが異なります。

部屋によって雰囲気がガラリと変わるのがこのホテルの特徴です。中でもホテルに2室だけある「プレジデンシャルスイート」は広さ155 m2もあり、まるで宮殿の様であると口コミサイトなどで高く評価されています。

また、ルーフテラスの360度パノラマビューが大人気の部屋「ペントハウス・アパートメント」は1室だけの部屋なので早めの予約が必須です。この部屋のテラスからの眺めは絶景です。

マロストランスカ・レジデンスを詳しく見る

行き方

【空港からプラハ市内まで】

市内への交通手段

プラハ空港(ヴァーツラフ・ハヴェル・プラハ国際空港)から市内中心部までは17キロほど離れており、車なら30分ほどの距離です。市内への交通手段は、公共交通機関、タクシー、送迎サービス会社、ホテルの送迎などがあります。タクシーも公共の交通機関も、共に到着ホール(チェックインホール)の前から利用する事ができます。以下は各交通手段の詳細です。おすすめ順に掲載しています。

また、プラハの送迎に関しては別記事の「プラハ 空港から市内への移動方法 送迎サービスを徹底解説」でも詳しく解説しております。

■プラハエアポートトランスファー(Prague Airport Transfers

Prague Airport Transfers」という会社が運営している定額タクシーです。予約時に宿泊予定のホテルを記載すれば、ホテルまで直接送迎してくれます。料金は1-4人乗りの通常タイプで片道「550CZK(定額)」と、かなりリーズナブルです。1台の料金なので4人までなら何人乗っても料金は一緒です。ちなみに5人-8人乗りなら1台「CZK 780(定額)」です。

プラハエアポートトランスファーの予約方法や詳細は別記事の【プラハエアポートトランスファー】予約から乗り方まで徹底解説で詳しく解説しております。

■エアポートエクスプレス(AE Airport Express)

エアポートエクスプレスは空港とプラハ本駅を結ぶ定期運航のバスです。料金もリーズナブルで、所要時間はスムーズに行けば45分ほど。注意点としては、いくつか停車駅を経由するので、交通状況によってはかなり運行が遅れる場合がある事です。

■タクシー

時間に一刻の猶予もない方はタクシー(通常30分ほど)が早いです。安全なのは「AAA Radio Tax」という黄色い車体のタクシー会社です。料金は市内中心部まで550CZK〜600CZKです。逆にこれ以外のタクシーは評判も良くないので乗らない方が良いです。しかし、現在(2017年5月時点)「AAA Radio Tax」のタクシーは空港で拾えないという情報もあります。もし事実ならタクシーはやめた方が無難です。

■市営バス

プラハ空港から発着のバス「No.119」「No.100※ノンステップバス」「No.179」のいずれかで市内にアクセス可能です。旧市街やカレル橋、マラー・ストラナ周辺に行きたい方は「No.119」のバスの終点で地下鉄に乗り換えるのが便利です。一番安く市内まで行ける移動手段ですが、カレル橋などがある市内の中心地まで行くには、地下鉄へ乗り換える必要があります。地下鉄は現地の出勤時間や、時間帯によっては非常に混雑しており、交通費をよほど節約したい方以外には、あまりおすすめできない移動手段です。

【日本からのアクセスと所要時間】

残念ながら日本からプラハへの直行便はなく、乗り継ぎ時間込みの最短で13時間〜14時間ぐらいです。しかしながら、所要13時間〜14時間の便で行こうとすると、乗り継ぎ時間に余裕がないため、遅延が発生するとアウトです。余裕を持った乗り継ぎを考えると、所要16時間〜25時間ぐらいの便を探すのが妥当なラインです。逆に所要時間が25時間を越えると、乗り継ぎ時間が10時間を超えたり、乗り継ぎが2回あったりするので、所要16時間〜25時間の便をご自身の予算に合った形で探すと良いです。

【主な航空会社と経由地】

比較的リーズナブルで、おすすめの航空会社は太字にしています。

  • ・LOT ポーランド航空(経由地: ワルシャワ)
  • ・日本航空, チェコ航空(経由地: ヘルシンキ)
  • ・KLM オランダ航空(経由地: アムステルダム)
  • ・ルフトハンザドイツ航空(経由地: ミュンヘン)
  • ・大韓航空(経由地: ソウル特別市)
  • ・エミレーツ航空(経由地: ドバイ)
  • ・フィンエアー(経由地: ヘルシンキ)
  • ・全日本空輸, チェコ航空(経由地: フランクフルト・アム・マイン)
  • ・アリタリア-イタリア航空, チェコ航空(経由地: ミラノ)
  • ・エールフランス航空(経由地: パリ)
  • ・SWISS(経由地: チューリッヒ)
  • ・全日本空輸, Eurowings(経由地: デュッセルドルフ)
  • ・全日本空輸, ユーロウィングス(経由地: デュッセルドルフ)
  • ・アエロフロート・ロシア航空(経由地: モスクワ)
  • ・日本航空, オーストリア航空(経由地: フランクフルト・アム・マイン, ウィーン)
  • ・スカンジナビア航空(経由地: コペンハーゲン, ストックホルム)
  • ・ブリティッシュ・エアウェイズ(経由地: ロンドン)
  • ・アシアナ航空, LOT ポーランド航空(経由地: ソウル特別市, ワルシャワ)
  • ・ターキッシュ エアラインズ(経由地: イスタンブール)
  • ・中国国際航空, 海南航空(経由地: 北京)

シェンゲン協定に加盟しているヨーロッパの国からの便は全てターミナル2に、それ以外の国からの便はターミナル1に発着します。

【航空会社の特徴】

・ルフトハンザドイツ航空:
リーズナブルな便も時期によっては見つかる。あまり悪い噂は聞かない。乗り継ぎの良い時間帯があればおすすめ。
・エミレーツ航空:
コストパフォーマンスが非常に高く、機内エンターテイメントも充実。羽田の深夜便があるのもありがたい。8万〜15万でチケットがあれば買い。
・ターキッシュ エアラインズ:
日本人に馴染みは薄いが、料金的にもサービス的にもおすすめ。機内食の評判が良い。8万〜15万でチケットがあれば買い。
・アエロフロート・ロシア航空:
とにかく安いが、乗り継ぎが長かったり時間帯が悪い場合が多い。良い乗り継ぎが見つかれば買い。
・中国国際航空, 海南航空
安く行きたい人におすすめ。運行時間と乗り継ぎ時間も意外と良い。しかし、経由地の北京空港(完全禁煙)は色んな意味で非常に評判が悪い。機内食はかなりまずい。

プラハを知る

【プラハの歴史】

プラハの美しい街並み

プラハの基礎を作ったのは1346年、神聖ローマ帝国の皇帝となったボヘミア王「カレル1世」です。カレル1世は首都をプラハに移して大学を創立、プラハに学問を根付かせました。

さらに先進的な都市開発を行い、黄金のプラハと形容されるほど街を発展させました。カレル1世の統治の元、ボヘミアは今のチェコの3分の2を占めるほどの勢力を誇るまでになり、一時期はヨーロッパの中心的存在として注目をあびていました。ボヘミアの貴族たちもカレル家の支配の元で豊かな暮らしを謳歌しました。しかしその後は、オーストリアのハプスブルク家や、ヒトラーのドイツなど、他国による支配下を受け、長きに渡り暗黒の時代を迎え、耐え忍ぶ事を余儀なくされました。

その後は、1968年の改革派による改革運動「プラハの春」を経て、1989年の「ビロード革命」で共産党政権が崩壊しました。1993年には、チェコスロヴァキアからチェコに独立すると、プラハはチェコの首都となりました。

■人物

  • ・カレル1世:神聖ローマ皇帝カール4世として知られるボヘミア王。1345年に王位を受け継ぐ。プラハに大学を作ったり、カレル橋やプラハ城の大改築を命じた人物。
  • ・聖ヤン・ネポムツキー:カレル橋に立つ聖人像の中で最も有名な聖人。カレル1世の命により、ヴルタヴァ川に落とされ処刑された。
  • ・ヤン・フス:15世紀にプラハで宗教改革を行ったプロテスタントの指導者。ローマカトリックの堕落を批判し、火あぶりの刑に処せられる。彼の死に衝撃を受けた民衆たちはフス派を名乗って、立ち上がり、カトリック教会相手にフス戦争が勃発した。

■出来事

  • フス戦争:ローマカトリックの堕落を批判して、火あぶりの刑に処せられた「聖ヤン・ネポムツキー」の死に衝撃を受けた民衆たちがフス派を名乗って立ち上がり、カトリック教会相手に勃発した戦争。さらにその後、ドイツ語を強要するカトリックへの反発が高まり、フス戦争はやがて民族戦争へと発展していった。フス戦争はフス派の敗北で終わったが、プロテスタンとカトリックの対立は続き、ビーラー・ホラの戦いで再び衝突した。
  • 窓外投出事件:ボヘミア貴族がハプスブルグ家の代理人をプラハ城の窓外へ投げ出した事件。