聖ヴィート大聖堂(プラハ城)の見どころ・観光情報

(2017年9月1日) プラハ城 聖ヴィート大聖堂

プラハ城観光の一番の見所である「聖ヴィート大聖堂」は、プラハ城内で最大の建造物です。

大聖堂の大きさは、奥行き124m、幅60m、高さは96.6mを誇り、城内の一箇所から外観を眺めるだけでは、とても建物の全容を把握する事はできません。そのため、見る角度によって全く別の建物に見えます。

また、大聖堂内部の装飾や礼拝堂を飾るステンドグラスの数々も素晴らしく、中でもアルファンス・ムハ(ミュシャ)の作品「聖キリルと聖メトディウス」は必見です。

聖ヴィート大聖堂内部

その他、教会の内部には「ヴァーツラフ1世の王冠」や「キリストの聖遺物」など、いくつかの国の重要な宝物も収められています。

基本情報

プラハ城のチケット料金表

■入場料金とチケットの種類

聖ヴィート大聖堂は「Aコース」か「Bコース」のチケットで入場可能です。メイン所だけ周りたいなら「Bコース」のチケットで十分です。プラハの歴史などに関心が強い方は「Aコース」がおすすめです。

また、写真にこだわりがある方は「Bコース」チケットに加えて「X 大聖堂付属大南塔 – 展望塔 」チケットの購入がおすすめです。南塔からはプラハ城内を上から見下ろして撮影したり、聖ヴィート大聖堂の尖塔を間近で撮影する事ができる他、プラハ旧市街の街並みも一望できます。

チケットの種類一般入場料割引入場料*1家族入場料*2

プラハ城 – A コース

350 CZK175 CZK700 CZK
プラハ城 – B コース250 CZK125 CZK500 CZK
プラハ城 – C コース350 CZK175 CZK700 CZK
II 常設展「プラハ城歴史物語」140 CZK70 CZK280 CZK
IV 聖ヴィート大聖堂宝飾展250 CZK125 CZK500 CZK
VI 旧王宮美術館100 CZK50 CZK200 CZK
VII 火薬塔 – 火薬塔展70 CZK40 CZK140 CZK
X 大聖堂付属大南塔 – 展望塔150 CZK//

プラハ城 – A コースI 旧王宮、III 聖イジー教会、V 黄金の小道、VIII 聖ヴィート大聖堂、 II 常設展「プラハ城歴史物語」、IV 聖イジー修道院 – 国立美術館、VII 火薬塔、IX ロジュンベルク宮殿

プラハ城 – B コースI 旧王宮、III 聖イジー教会、V 黄金の小道、VIII 聖ヴィート大聖堂

プラハ城 – C コースIV 聖ヴィート大聖堂宝飾展、VI 旧王宮美術館

*1 割引入場料:子供(6~16歳) • 26歳までの高校生と大学生(26歳を含む) •65歳以上のシニア(65歳を含む)

*2 家族入場料: 大人2名までと16歳以下の子供1~5名

プラハ城の地図

チケット売り場の詳細については別記事の「チケット売り場へのアクセス」を参照ください。

■営業時間

□4月1日〜10月31日
月曜-土曜: 9.00 – 17.00 / 日曜: 12.00 - 17.00
□11月1日〜3月31日
月曜-土曜: 9.00 – 17.00 / 日曜: 12.00 - 16.00

大聖堂内の見どころ

聖ヴィート大聖堂の中央身廊。大窓のステンドグラスから差し込む太陽の光が、聖堂内部を美し照らしています。

聖ヴィート大聖堂内部の大きさは、全長124m、高さ33m、中央身廊と両脇の側廊を合わせた聖堂の最大幅は約60mもあります。

聖堂に入る誰もが、高さ33mという数字以上に高く感じる吹き抜けの天井に、上を仰ぎ見ずにはいられないと思います。そして、アーチ状の天井に目を凝らしてみると、網状にリブ(助骨)が張り巡らされているのが分かります。

天地創造を描いた聖ヴィート大聖堂のステンドグラス

このリブによって天井を支える「ヴォ―ルト」という構造は、14世紀当時のヨーロッパにおける最先端技術で、ドイツ人の建築家「ペーター・パーラー」によって設計されました。聖堂内に入ると最初に目に飛び込んでくる後陣の大窓のステンドグラスは、「天地創造」の場面を表現しています。

聖ヴィート大聖堂 入口上にある円形のバラ窓

こちら(上の写真)は入口真上にある円形状のバラ窓に飾られているステンドグラスです。ゴシック特有のフライングパットレス様式によって、壁を補強しながら嵌め込まれています。このステンドグラスには約2万7000個のガラスが使用されており、まるで万華鏡の様です。

聖堂内部は入口付近までは入場無料ですが、通路を進んで見学するにはチケットが必要となります。聖堂内は左側通路より時計回りに側廊を歩いて見学します。

側廊には聖人や王の聖遺骸を納めた19もの礼拝堂が並び、壁面には美しいステンドグラスの数々が飾られています。

聖ヴィート大聖堂の煌びやかなステンドグラス

■アルフォンス・ムハのステンドグラス

聖ヴィート大聖堂の内部には後陣の大窓をはじめ、左右側廊の壁面に至るまで美しいステンドグラスが並んでいます。ステンドグラスの中でも代表的な作品が、聖堂の入口から見て3番目に飾られている「アルフォンス・ムハ(ミュシャ)」が制作した「聖キリルと聖メトディウス」です。

「アルフォンス・ムハ(ミュシャ)」が制作した「聖キリルと聖メトディウス」のステンドグラス

礼拝堂を飾るムハのステンドグラス。このステンドグラスはチェコ芸術の最高傑作と言われています。

アルフォンス・ムハの作品「聖キリルと聖メトディウス」の一部分 ムハのステンドグラスは聖堂内の他のステンドグラスと比べて、大きめのガラスを組み合わさて構成されているのが特徴的です。

アルフォンス・ムハの作品「聖キリルと聖メトディウス」の一部分 左の写真と同様に、こちらもムハのステンドグラスの一部分です。他のステンドグラスと比べると一つ一つの絵が精巧で滑らかに描かれているのが分かります。

アルフォンス・ムハの作品「聖キリルと聖メトディウス」の右下部分 こちらもムハのステンドグラスの一部分で、右下部分を拡大したものです。

「アルフォンス・ムハ(ミュシャ)」が制作した「聖キリルと聖メトディウス」のステンドグラス こちらのステンドグラスは、聖堂の側廊に飾られている別のステンドグラスです。ムハのステンドグラスと比べると、細かいガラスが組み合わされているのが分かります。

■聖ヴァーツラフ礼拝堂

ムハのステンドグラスと並び、聖堂内で最も有名なスポットの一つがこの「聖ヴァーツラフ礼拝堂」です。礼拝堂は南塔の東側に位置しています。

聖ヴァーツラフ礼拝堂

聖ヴァーツラフ礼拝堂は、カレル4世の命により建築家の「ペーター・パーラー」によって1367年ごろに制作されました。

■聖ヤン・ネポムツキ―の墓碑

1729年に聖人に列せられた「聖ヤン・ネポムツキ―」を称えて制作された「聖ヤン・ネポムツキ―の墓碑」。制作には約2トンもの純銀が使用されました。この墓碑の制作にはハプスブルグ家の宮廷建築家「フィッシャー・フォン・エルラッハ」や、イタリアの彫刻家「アントニオ・コッラディーニ」など、複数人の建築家や彫刻家が携わって制作されました。

聖ヤン・ネポムツキ―の墓碑

優雅な天蓋に覆われた墓碑を飾るのは、十字架を握る「聖ヤン・ネポムツキ―像」

聖ヤン・ネポムツキ―の墓碑上部の天蓋を支える天使 墓碑上部の天幕を支える銀の天使像

墓碑の土台を支える天使と騎士 墓碑の土台を支える天使と騎士

■その他の見どころ

プラハの大司教シュヴァルツェンベルク枢機卿像 プラハの大司教シュヴァルツェンベルク枢機卿像(1892年-1895年)は、彫刻家ヨゼフ・ミスルベクの作品。

砂岩制の彫像に飾られた聖ヴィートの墓 砂岩制の彫像に飾られた聖ヴィートの墓は、彫刻家エマニュエル・マックスによって20世紀に制作されたもの。

ネポムツキ―殉教の絵 殉教の発端となった「王女の懺悔」「王の追及」「カレル橋から投げ落とされる罰」の3つのシーンを描いたネポムツキ―殉教の絵

プファルツ選帝侯 フリードリヒ5世のプラハ逃亡を描いた木製レリーフ プファルツ選帝侯 フリードリヒ5世のプラハ逃亡を描いた木製レリーフ

大聖堂 外観の見どころ

プラハ城内における聖ヴィート大聖堂の外観の鑑賞ポイントは大きく別けると三カ所あります。聖堂正面の「西ファサード」第3中庭から見る「南ファサード」聖イジー広場から見る「聖堂の後陣部分」のそれぞれ三カ所です。

この三カ所から見る聖ヴィート大聖堂は、全く別の建物に見えるので、是非それぞれのポイントから大聖堂を鑑賞してみてください。

大聖堂のそれぞれの鑑賞ポイントの特徴と見所は以下にてご紹介致します。

■西ファサード(大聖堂入口)

聖ヴィート大聖堂の西ファサード

正門からプラハ城に入場し、第2中庭を抜けて第3中庭に入るとすぐに、聖ヴィート大聖堂の西ファサードが圧倒的な存在感でそびえ立っています。多くの方が大聖堂で最初に目にするのが、この聖堂正面に位置する「西ファサード」です。

聖ヴィート大聖堂は外観の大きさや内装の煌びやかさに目を奪われがちですが、壁面や扉に彫り込まれた彫刻にも目を凝らして見ると、同じものは一つもなく非常に精巧に作られている事が分かります。

この西ファサードの中央の扉にも、大聖堂の歴史を題材に10の場面を描いた彫刻が刻まれています。これらの彫刻は全て20世紀に制作されたものです。さらに中央扉上の半円(ルネット)にはキリストの受難を表現した彫刻が刻まれています。

聖ヴィート大聖堂の中央扉を飾るルネット「キリストの受難」。非常に詳細に彫り込んだ装飾が特徴的です。

中央扉左側のレリーフ 中央扉の左側に彫り込まれたレリーフ。上の彫刻から順に「聖ヴィートの遺骸を受け取る聖ヴァーツラフ」「聖ヴィートのロトンダの建立」「ロトンダに安置される聖ヴィートの遺骸」という作品名です。

中央扉右側下のレリーフ 中央扉の右側最下部のレリーフ。作品名は「聖堂の聖化」。中央扉には左右で5場面づつ、合計10場面のレリーフが描かれています。

聖ヴィート大聖堂の入場口 中央扉に向かって左側が入場口です。夏場のピークシーズンには長蛇の列ができます。ただ、列の流れは早いので見た目の列ほど並ばないと思います。11時~14時ぐらいが入場のピークだと思います。

聖ヴィート大聖堂の出口 中央扉に向かって右側が出口です。ここからは入場できません。空いてると思ってここから入場しようとする人が必ずいます。

■南ファサード

聖ヴィート大聖堂の南ファサード

正面ファサードから大聖堂の建物に沿って右側に歩いて行くと、第3中庭から大聖堂の「南ファサード」を望む事ができます。南ファサードは聖ヴィート大聖堂の側面側にあたり、バロック様式のクーポラが特徴的な南塔が一際目を引きます。

南塔には別チケット「X 大聖堂付属大南塔 – 展望塔 150CZK」で登る事もできます。南塔は時間と体力があれば是非登る事をおすすめしますが、エレベーターはありませんので287段の階段を登る必要があります。

「参考記事:南塔(聖ヴィート大聖堂 )からの景色と入場ガイド

他にも南ファサード側には、「黄金の門」や「最後の審判のモザイク画」など、大変多くの見どころがあります。是非、建物の全容だけでなく壁面の彫刻やモザイク画に目を凝らして観光してみてください。

南ファサードの外観。南塔の先端のバロック様式で作られたクーポラが特徴的です。

第3中庭から南ファサードを望むと大聖堂の奥行きを感じる事ができます。しかし、聖ヴィート大聖堂の奥行きは124mもあるため、通常のカメラではとても奥行きの全景をとらえる事ができません。

南塔に嵌め込まれている巨大な時計盤 南塔に嵌め込まれている巨大な時計盤

南塔の上部 南塔の上部です。ここに登って景観を楽しむ事ができます。

南ファサードで一際目を引く「黄金の門」 南ファサードで一際目を引く「黄金の門」

最後の審判のモザイク画 黄金の門の上部に描かれた「最後の審判」のモザイク画は西暦1370年頃の作品です。

黄金の門は14世紀のゴシック建築の傑作と称され、かつては聖ヴィート大聖堂の正門としての役割を担っていました。黄金の門の3つの尖頭アーチ上部には「最後の審判」のモザイク画が描かれおり、このモザイク画は30種類にも及ぶ鮮やかなガラスの破片を組み合わせて描かれています。一時期は破損が酷く本来の色彩が損なわれていましたが、近年の修復により鮮やかな色彩を取り戻しました。

黄金の門の鉄柵 黄金の門の柱廊と外側を隔てる3つの鉄柵。

黄金の門 鉄柵にある12体のブロンズ像 黄金の門の鉄柵に飾られている12体のブロンズ像。これらは12宮を象っており1955年に制作されたものです。

■聖堂東側の後塵部分(聖イジー広場からの景観)

聖イジー広場から見る聖ヴィート大聖堂

プラハ城の正門から入場して、聖ヴィート大聖堂の建物を右側に沿って歩いても、左側に沿って歩いても、聖イジー広場にたどり着きます。

聖イジー広場に出て後ろを振り返って見ると、尖塔と小尖塔に囲まれた大聖堂の後陣部分を目にする事ができます。この尖塔群に囲まれた大聖堂後陣部分の作りは、フランスのゴシック建築をお手本にしています。

聖イジー広場から聖堂側に向かって写真を撮れば、上の写真の様な感じで聖ヴィート大聖堂の全容を撮影する事ができます。記念写真を撮るには絶好の撮影スポットです。

大聖堂の歴史

大聖堂内部

歴代の王がまつられたこのゴシック建築の大聖堂は、1344年にカレル1世の命により建設が始まりました。元々は、929年に聖ヴァーツラフがボヘミアにおけるカトリックの総本山として建てたロマネスク様式の簡素な教会でした。

14世紀半ばになると、カレル1世は簡素な聖堂を壮麗な大聖堂へ改修する様に命じました。

しかし、15世紀以降の宗教改革の混乱により、工事は中断や設計変更を繰り返しながら完成まで長い歳月を費やしました。そして、聖ヴィート大聖堂が完成したのは、約600年後の1929年の事でした。

大聖堂の完成まで数世紀の時を費やした事で、聖ヴィート大聖堂にはゴシック、ルネッサンス、バロックなど異なる時代の建築様式が混在する事となりました。更にその後は「アルフォンス・ムハ」を始めとする多くの芸術家や彫刻家が大聖堂の装飾を手掛け、聖ヴィート大聖堂は現在の美しい姿に変貌を遂げました。

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