ヴェルサイユ宮殿を攻略 – 見どころ、回り方、所要時間【フランス観光】
本記事では、「ヴェルサイユ宮殿 敷地内の見どころ」と「ヴェルサイユ宮殿内部の見どころ」について、それぞれ詳しく解説致します。
他にも「所要時間」や「敷地内の回り方・モデルコース」「営業時間」「敷地内の移動手段」など、これからヴェルサイユ宮殿を観光する上で役立つ情報が満載です。
ヴェルサイユ宮殿とは
ヴェルサイユ宮殿は、ルイ14世が1682年に建設した王宮(宮殿)です。1795年にフランス革命が起こるまでは、政治の中枢としてはもちろん、歴代国王や貴族達の住まいとして利用されてきました。
フランス革命以後の「ヴェルサイユ宮殿」は腐敗した王家の象徴として、常に取り壊しが検討されてきました。しかし、20世紀後半に入り、宮殿と付属施設の修復が本格的に開始された事で、徐々に当時の美しい姿を取り戻していきました。
そして、1979年に「ヴェルサイユ宮殿と庭園」がユネスコの世界遺産に登録されると、フランス国内のみならず、世界を代表する人気観光スポットとなります。
21世紀現在のヴェルサイユ宮殿は、専門家の厳しい監修のもと、建物の外観や装飾、家具や調達品の配置に至るまで、当時に近い状態が忠実に再現されています。
総面積800ヘクタール(東京ドームの約175倍)を誇る広大な敷地内には、「宮殿」「庭園」「大トリアノン」「マリー・アントワネットの離宮」など、見どころが満載です。
ヴェルサイユ宮殿 敷地内の見どころを一覧形式で簡単に紹介
ヴェルサイユ宮殿の敷地内には、大きく5箇所の見どころが存在しています。各スポットについては、後ほど詳しく解説致しますが、まずは一覧形式でご覧ください。
画像をクリックすると拡大し、「詳細解説へ」ボタンをクリックすると、そのスポットの詳細解説部に移動します。
- 見どころ①
ヴェルサイユ宮殿歴代フランス国王たちが莫大な予算をかけて築き上げた敷地内最大の見どころ。「鏡の間」を始め20箇所以上の回廊や広間の見学が可能。
- 見どころ②
庭園敷地内でルイ14世が最も気に入っていたとされる「庭園」。庭園内には、左右対称に美しい花や草が植えられ、大小500〜600ほどの噴水が置かれています。
- 見どころ③
大トリアノン宮殿グラン・トリアノンとも言われるこの場所は、ルイ14世がモンテスパン夫人と愛を育むために建設させました。ピンクの大理石が美しい「柱の回廊」は必見。
- 見どころ④
マリーアントワネットの離宮敷地内には「プティ・トリアノン」をはじめ、アントワネットが晩年を過ごした「王妃の村里」や、愛人と密会した「愛の神殿」など、見どころが満載。
- 見どころ⑤
王室の馬車ギャラリーヴェルサイユ宮殿の関連施設。ヨーロッパ最大級の馬車コレクションを誇り、実際に使用していた馬車や小道具などを展示。
以下の地図にて、各スポットのヴェルサイユ宮殿敷地内での位置もご確認ください。
敷地内の各スポットは、それぞれで営業時間も異なり、入場チケットの種類によって入場範囲も異なっております。
ヴェルサイユ宮殿見学 所要時間の目安
ヴェルサイユ宮殿観光の所要時間の目安は6〜7時間ほどです。
上記の所要時間は、パリからの移動時間は含めず、ヴェルサイユ宮殿内の主要スポット「ヴェルサイユ宮殿」「大トリアノン宮殿(グラン・トリアノン)」「マリーアントワネットの離宮(プティ・トリアノン)」「庭園」などを、ある程度ゆとりを持って、じっくりと観光した場合の所要時間です。また、事前にヴェルサイユ宮殿の入場予約をしておく事が大前提となります。
所要時間のおおよその内訳は以下の通りです。
ヴェルサイユ宮殿 70分〜90分ほど
庭園 30分~40分ほど
大トリアノン宮殿 60分~70分ほど
マリーアントワネットの離宮 80分〜90分ほど
王室の馬車ギャラリー 40分〜60分ほど
各スポット(王室の馬車ギャラリー除く)の所要時間を、全て多い方で見積もった場合、単純な見学時間だけで5時間ほどです。これにセキュリティチェックや多少の待ち時間、さらに休憩時間やショッピングタイムなども加えて、おおよそ6〜7時間ほどです。
また、本項ではトータルの所要時間には含めておりませんが、ヴェルサイユ宮殿の付属施設の1つである「王室の馬車ギャラリー(入場無料)」も見学する場合は、更にプラスで所要60分は見て置いたほうが良いと思います。
どちらにしても、パリからの移動時間なども考慮すると、丸1日はヴェルサイユ宮殿観光のために空けておいた方が、間違いありません。その方が、体力的にも精神的にもゆっくり観光できると思います。宮殿の敷地の広さは、多くの方が想像されている以上に広大です。
どうしても時間がなくて、ヴェルサイユ宮殿内部だけに絞って観光される方でも、ピークシーズンの場合は、トータルで所要2時間30分から3時間は見ておいた方が無難です。
見どころ① ヴェルサイユ宮殿内部
ルイ14世が自身の権力をヨーロッパ全土に示すために建設した「ヴェルサイユ宮殿」。南北680mの長さを誇るこの大宮殿内には「鏡の回廊」をはじめ、多くの見どころが存在しています。
まずは一覧形式でヴェルサイユ宮殿内部の見どころをご覧ください。画像をクリックすると拡大し、「詳細解説へ」ボタンをクリックすると、そのスポットの詳細解説部に移動します。
- 王室礼拝堂
かつて、マリーアントワネットとルイ16世が結婚式を上げた18世紀造の礼拝堂。
- ヘラクレスの間
主に音楽会や舞踏会、大使の接待などに使用された広間。
- 豊穣の間
かつて、金やダイヤモンドなど、ルイ14世の所蔵品の中でも特に貴重な品だけが置かれていた広間。
- ヴィーナスの間
主に夜会で軽食をとる場として利用されていたバロック様式の大広間。
- ディアナの間
室内にはローマ神話の女神「ディアナ」の伝説にちなんだ美術品や絵画が数多く置かれています。
- マルスの間
かつて「衛兵の間」として使用されていた事から、軍事的な装飾が多く見られる広間。
- メルクリウスの間
ヴェルサイユ宮殿の中でも最も贅を尽くした部屋の一つだと言われています。壁面にルイ15世の肖像画あり。
- アポロンの間
日中は公的の場として、夜はダンスや音楽を楽しむ場として利用された広間。壁面にルイ16世の肖像画あり。
- 戦争の間
ルイ14世の勝利と終戦時の「ナイメーヘン和約」をテーマとしている部屋。
- 鏡の間
鏡、ステンドグラス、天井画が美しく輝く長さ約75mの回廊。ヴェルサイユ宮殿で最大の見どころです。
- 王妃の寝室
「マリーアントワネット」をはじめ、歴代の王妃が使用していた部屋。アントワネットは、この場所で公開出産を行いました。
- 戦史の回廊
フランス戦史の勝利をテーマーにした33点の絵画が並ぶ長さ120mもある巨大回廊。
- 大会食控えの間(第1控えの間)
毎晩の様に大会食が開かれた部屋で、多くの人々に見守られながら、国王はここで食事を取りました。
- 牛眼の間(第2控えの間)
国王の起床・就寝の儀式を執り行う際の待合室としても利用された広間。部屋名は円形の窓の形に由来。
- 王の寝室
ルイ14世やルイ15世が寝室として利用した部屋。
- 閣議の間
国務会議や財務会議、婚前儀式などが行われた広間。
- 王妃の階段
大理石の階段とも呼ばれる王妃の御殿へと続く専用階段。
以下より、ヴェルサイユ宮殿内部の各見学ポイントを詳細に解説してまいります。
王室礼拝堂
ヴェルサイユ宮殿内に入場して最初の見どころがこのマンサール設計の「王室礼拝堂」です。礼拝堂は二層で構成され、上階は国王や王族用、1階はそれ以外の信者が利用していました。
ルイ14世は信仰にはあまり関心がありませんでしたが、後年の妻「マントノ夫人」の影響を受けて、次第に強い信仰心を持つようになりました。そして1689年にこの礼拝堂の建設をスタートしますが、他国との戦争によって工事は一旦中断を余儀なくされます。1689年に入り、再び工事が再開すると、約20年後の1710年に礼拝堂が完成しました。
王家の先祖で守護聖人のサン・ルイに捧げられたこの礼拝堂は、ルイ14世時代にヴェルサイユ宮殿で建設された最後の建築物となりました。ちなみにマリーアントワネットとルイ16世の結婚式もこの場所で行われました。
王室礼拝堂で一際目を引くのが新旧約聖書をテーマに三位一体を表現している天井画です。
天井画の中央には宮廷の筆頭画家であった「アントワーヌ コワペル」作の「世界の贈罪の約束をもたらす栄光の中の神」、祭壇の上方にはシャルル・ド・ラ・フォス作の「キリストの復活」などの作品が描かれています。
更に祭壇上の2階部分には18世紀の前半に制作された「ロベール・クリコ」作のパイプオルガンが置かれています。
ヘラクレスの間
元々この場所には、礼拝堂がありましたが、1664年にベネチア共和国がルイ14世に贈った絵画「パリサイ人シモン家の食事(画像下)」を飾るために、現在の「ヘラクレスの間」に改修されました。
部屋内の装飾は、フランス出身の建築家「ロベール・ド・コット」が手掛け、壁には大理石が嵌め込まれています。フランソワ・ルモワンヌが、1733年から3年の歳月をかけて描いた天井画「ヘラクレスの神格化」も必見です。
主にこの広間は、音楽会や舞踏会、大使の接待などに使用されました。
豊穣の間
かつて、この「豊穣の間」には、金やダイヤモンドなど、ルイ14世の所蔵品の中でも特に貴重な品だけが置かれていました。中には日本や中国の磁器などもあり、当時のフランスの国力の強大さが伺えます。
部屋名は、かつてこの広間が「骨董品と逸品の小部屋(現 娯楽の間)」に通じていた事に由来するそうです。他の部屋は、軍神「マルス」など、古代神々の名が付けられていますが、この「豊穣の間」だけが何故か例外になっています。ジェノヴァ製のビロード(パイル織物の一種)で覆われた壁面は、ルイ14世の皇子達の肖像画などで飾られ、天井には「ルネ=アントワーヌ・ウアス」作の美しい天井画が描かれています。
ヴィーナスの間
ヴィーナスの間は、1670年に造られたバロック様式の大広間で、主に夜会で軽食をとる場として利用されました。天井には、ルイ14世に因んだ太陽の装飾や神話をモチーフにした天井画が描かれています。
天井画中央の楕円部分を飾るのは、この広間名の由来となった、装飾画家「ルネ・アントワーヌ・ウアス」作の「強大国を従わせるヴィーナス」です。
室内の壁際にはヴァラン作のローマ皇帝姿のルイ14世の像(写真下)が置かれています。この像は、もともとは宮殿内の大階段に置かれる予定でした。
下の写真はヴィーナスの間の壁に描かれている遠近法を用いた「だまし絵」です。
ディアナの間
かつて、ビリヤード好きだったルイ14世は、この部屋の中央にテーブルを置いて、ビリヤード台として使用していました。
室内には、1665年にベルニーニによって制作された「ルイ14世の胸像」が置かれているほか、ローマ神話の女神「ディアナ」の伝説にちなんだ美術品や絵画が数多く置かれています。下の絵画は室内暖炉の上に飾られている「イーピゲネイアを救うディアナ」という作品です。参考までに「イーピゲネイア」とは、ギリシア神話に登場する王女の名前です。
暖炉の上部には「エジプトの脱出」を題材にした浅浮彫りがあしらわれています。
ディアナの間は天井画も素晴らしいのでお見逃しのない様に見学ください。
マルスの間
この広間は元々は「衛兵の間」として使用されていました。そのため、軍事的な装飾が多く、兜や武器などが置かれています。その後、音楽会を開く場所や、舞踏会、賭博の場所としても使用されました。当時この広間は、一般の見学者や宮廷の人々が、昼間だけ自由に通る事ができる通路に含まれていたため、王室の持つ彫刻や絵画を説明する案内書まであったそうです。天井の中央にはオーランド作の「狼の牽く戦車に乗るマルス」が飾られています。
メルクリウスの間
水星を意味する「メリクリウスの間」は、元々は控えの間で、1682年からは盛儀用の寝室として利用されていました。
この広間はヴェルサイユ宮殿の中でも最も贅を尽くした部屋の一つだと言われ、1689年までこの広間にあった銀製の調度品は最非常に有名です。
冬場になると、ルイ14世はこの広間で「トランプ」や「すごろく」を楽しんだそうです。また、ルイ14世が亡くなった際は、この広間に遺体が一週間安置されていました。
天井には、シャンペーニュ作の「2羽のニワトリに引かれた戦車にのるメリクリウス」が描かれ、天井支えの曲線部にも同じくシャンペーニュ作の絵画が飾られています。
壁際に置かれている時計(写真下)は、1706年に時計職人の「アントワーヌ・モラン」が、ルイ14世に贈ったカラクリ式です。一時間ごとに扉が開き、女神「ペーメー」がルイ14世に王冠を授ける仕掛けになっています。
メリクリウスの間には、いくつかの肖像画も飾られています。下の肖像画は1730年のリゴー作「ルイ15世の肖像」です。ルイ15世はわずか5歳でフランス国王に即位しました。
壁面は大理石ではなく、真紅の「ダマスク織」で覆われています。
アポロンの間
「アポロンの間」は、王が客人と会う場所である事から「玉座の間」とも呼ばれていました。
かつてこの広間には、ルイ14世用の高さ2.6mの銀製玉座が置かれ、「鏡の間」で公的行事がある時などは、この広間から玉座が運ばれて利用されていました。
アポロンの間は、日中は公的の場として利用されましたが、夜会になると、ダンスや音楽を楽しむ場に一変し、国王自身も娯楽を楽しみました。
部屋内で一際目立つ絵画は、フランス宮廷肖像画「イアサント・リゴー」の有名作品「ルイ14世の肖像画(上写真右側)」です。その対面には、ルイ16世の肖像画も飾られ、18世紀に「鏡の間」用に作られた燭台なども置かれています。
戦争の間
戦争の間は、オランダ戦争でにけるルイ14世の勝利と終戦時の「ナイメーヘン和約」をテーマとしている部屋です。ルブランによってデザインされた暖炉はアントワーヌ・コワズヴォの浅浮彫りで飾られています。大きなメダイヨン(円形薄彫り肖像)には、ローマ皇帝の扮装をした馬上のルイ14世が描かれています。
鏡の間
ヴェルサイユ宮殿で最大の見どころがこの「鏡の間」です。
鏡の間は、元々テラスだった場所を、1678年から約8年の期間をかけて、フランス建築家「マンサール」が、国王の居室と王妃の居室を結ぶ回廊として改造したものです。
回廊の長さは約75m、幅は約10m、高さは約12mもあり、17組の巨大な窓と357枚もの鏡が壁一面に張られています。
頭上に目を向けると、ルイ14世の第一画家であった「シャルル・ルブラン」が手掛けた天井画で埋めつくされています。天井画は、オランダ戦争とフランドル戦争を題材に、ルイ14世の政治と軍事面での偉業が描かれています。
さらに、天井画の下には、精巧を極めた無数のシャンデリアが輝いています。
17枚の鏡の向かいには、対をなすように17枚の大窓が並び、窓からはヴェルサイユ宮殿の庭園を望む事ができます。
当時、鏡の間は、公的行事や外交の場として利用されていた以外にも、祝宴、宴、仮面舞踏会などの会場としても利用されていました。
王妃の寝室
© https://en.chateauversailles.fr/(image source by Palace of Versailles official site)
歴代の王妃が使用した部屋で「マリーアントワネット」だけでなく、「マリー・テレーズ」や「マリー・レクザンスカ」なども使用していました。また、王妃の朝の特別な謁見や王位継承者の出産などでも使用され、マリーアントワネットはこの場所で公開出産を行いました。
ピンクやパステルカラーの模様が如何にも女性らしい感じの部屋で、アントワネットが亡くなった1789年10月6日の状態が忠実に再現されています。ベッドに向かって左手側にある暖炉の上には「フェリックス・ルコント」が1783年に制作した白い胸像が置かれています。
戦史の回廊
鏡の回廊に次ぐ、宮殿内部の大きな見どころがこの「戦史の回廊」です。長さ120m、幅13mもあるこの巨大な回廊は、建築家「フォンテーヌ」によって造られ、フランス最後の王である「ルイ・フィリップ」の時代に改造が加えられました。
回廊の壁には、初代国王である「クロヴィス1世」が勝利した497年の「トルビアックの戦い」から、ナポレオンが勝利を収めた1809年の「ヴァグラムの戦い」に至るまでの、フランス戦史の勝利をテーマーにした33点の絵画が並んでいます。
絵画の中では、ドラクロワ作の「タイユブールのサン・ルイ」が最も有名で、600年以上も前の出来事を描いた傑作です。
タイユブールのサン・ルイ
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他にも、歴史的にも貴重な作品が複数飾られています。
「ルイ14世によるヴァランシエンヌの占領(ジャン・アロー作)」
「トルビアックの戦い(アリ・シェフェール作)」
大理石の柱の前に複数飾られている胸像は、祖国フランスのために戦死した偉大な将校や王子を象ったものです。
胸像の下のプレートには彼らの名前と生没年が記されています。
戦史の回廊に戦死者の胸像を並べたのは、フランス最後の王であった「ルイ・フィリップ」のたっての願いだったと言われています。
回廊の柱と天井の精巧な装飾も見事です。
大会食控えの間(第1控えの間)
第一の控えの間とも呼ばれるこの広間では、毎晩の様に大会食が開かれ、国王は多くの人々に見守られながら、ここで食事を取りました。暖炉の前に配置されているのが、国王の椅子です。宮廷人はこの椅子に、意見や希望を述べる請願書を置く事が許され、王も必ずその請願書に目を通したと言われています。
牛眼の間(第2控えの間)
「牛眼の間」という名は、この広間の天井と鏡の間にある円形の窓の形に由来しています。ルイ14世は政治のため、閣僚たちと多くの時間をこの広間で過ごしました。また、国王の起床・就寝の儀式を執り行う際の待合室としても使用され、朝になると、国王の引見を求める人たちで溢れていました。
元々は、現在よりも小さな広間でしたが、1701年に、ルイ15世の命を受けた建築家「ジャック・ガブリエル」によって、隣の寝室も広間の一部となり、現在の広さとなりました。部屋の壁には、フランス王室肖像画の第一人者「ジャン・ノクレ」が手掛けた大作「神話風に仮装した ルイ14世とその一族の肖像(画像下)」や、王家の人々を描いた複数の肖像画が飾れています。
王の寝室
鏡の間に隣接し、ヴェルサイユ宮殿の建物の中央に位置するこの大広間は、国王と王妃の共通の大広間として1688年に造られました。
その後、1701年にルイ14世の妻「マリー・ルイーズ」が亡くなると、ルイ14世はここを自身の寝室と定め、1715年にこの部屋で亡くなりました。
次いで、ルイ15世もこの場所を寝室と定め、この場所で就寝の儀式を行っていました。
1789年には、ルイ16世と王妃がヴェルサイユからパリに連行される前に、この部屋のバルコニーから群集の前に姿を現しました。
金襴に囲まれた天蓋付きの王のベッドは、豪華絢爛の一言です。
閣議の間
閣議の間は、ルイ15世の時代に、かつてルイ14世の大広間であった部屋に、国王用のカツラを並べていた「カツラの部屋」と「胸像の間」を統合して作られた部屋です。18世紀に活躍したフランスの建築家「アンジュ=ジャック・ガブリエル」がデザインを担当しました。
この部屋では、毎週日曜と水曜日に国務会議が行われ、火曜と土曜には財務会議が行われていました。王子達の結婚式前の儀式などもこの場所で執り行われました。
奥に見える金と青のひじ掛け椅子は王が閣議などの際に利用していたものです。青銅で飾られたグリオット大理石の暖炉の上には、ルイ15世時代の時計とルイ16世時代の2つのセーブル焼きが置かれています。
王妃の階段(大理石の階段)
別名「大理石の階段」とも呼ばれるこの大階段は、1679年から1681年にかけて造られました。
その名の通り、王妃の御殿に続く専用の階段として使用されていましたが、1683年にマリー・ルイーズが亡くなると、王の御殿にも通じる様になりました。
この王妃の階段へは、王妃の御殿から王の御殿に移動する際や、宮殿2階の見学を一通り終えて「EXIT」の案内に従って歩いて行くと、たどり着きます。
見どころ② 庭園の見どころ
ヴェルサイユ宮殿の中で「ルイ14世」が最も気に入っていたとされる「庭園」は、18世紀の前半に「アンドレ・ル・ノートル」によって完成されました。
宮殿の奥(西側)に広がるこのフランス式庭園は、計算し尽くされた遠近法によって、奥行きの深い壮大な景観が演出され、花壇、遊歩道、池、刈り込まれた樹木が、左右対称、幾何学模様に美しく配置されています。
庭園内には、大小で500〜600ほどの噴水があり、小道や森の中には一流彫刻家が手がけた大理石彫刻なども置かれています。
噴水の中でも、宮殿から大運河(グラン・カナル)へと延びる中央歩道上に配置された「ラトナの泉水」と「アポロンの泉水」は必見です。
ラトナの泉水
ヴェルサイユ宮殿の前には「水の前庭」と呼ばれる八角形の池が二つあり、その少し先にあるのが「ラトナの泉水」です。
この噴水は、ローマの詩人「オウィデウス」の古典神話「変身物語」が題材になっており、3つの円段の頂点には、太陽神アポロンの母「女神ラトナ」の像が置かれ、周囲をカエル像が囲んでいます。
物語によれば、息子を馬鹿にされた女神ラトナは、ゼウスに頼んで村人をカエルに変えてもらったそうです。ラトナの周囲を黄金のカエル像が囲んでいるのは、そのためです。
アポロンの泉水
大運河(グラン・カナル)の手前にあるのが「アポロンの泉水」です。
噴水の中央では「太陽神アポロン」が、4頭の馬車に乗って海底から現れる姿が表現され、その周囲を4体のトリトン(海神)と、4匹の怪物が囲んでいます。
この噴水の彫刻群は「シャルル・ルブラン」が全体を構想し、実製作は、国王お抱えの優秀な彫刻家「ジャン・バティスト・デビュー」が担当しました。
水中から現れた「太陽神アポロン」は、前途有望なフランス治世の幕開けと、日の出を表しているそうです。
庭園の噴水ショー
ヴェルサイユ宮殿の庭園では、時間帯や曜日によって、【Musical Gardens(音楽の庭園)】や【Musical Fountains Show(大噴水ショー)】など様々な有料ショーが開催されています。噴水ショーの見学は、別途チケット購入が必要です。
見どころ③ 大トリアノン宮殿(グラン・トリアノン)の見どころ
イタリア建築の影響が色濃く見える「大トリアノン」は、1階建ての宮殿です。建物自体は、ルイ14世が愛妾のモンテスパン夫人と密会するために、1670年に建設させた「磁器のトリアノン」が元になっています。
この宮殿は、1687年の完成以来、ルイ14世以降の歴代君主と、その関係者が住み続けた場所として知られています。後に、あのナポレオン1世もこの宮殿を気に入り、妻のマリー・ルイーズと共に何度も滞在しました。
大トリアノン宮殿内では、約20箇所ほどの広間や回廊が一般公開されており、ピンクの大理石が美しい「柱の回廊」をはじめ、かつてナポレオンの妻が寝室として利用した「皇后の寝室」や、王子たちの大広間「鏡の間」など、見どころが満載です
中でも「柱の回廊」は必見スポットで、ヴェルサイユ宮殿の「鏡の間」を手がけた建築家「フランソワ・マンサール」が、イタリア様式の回廊を手本に設計した傑作です。ルイ14世も多くのアイデアを出し、この回廊の建造には並々ならぬ拘りを持っていたそうです。
【柱の回廊】
見どころ④ マリーアントワネットの離宮
「マリーアントワネットの離宮」は、1763年から1768年にかけて建築家ガブリエルが手がけた「プティ・トリアノン(小トリアノン)」と、その庭園から成るエリア一帯の事です。
離宮の敷地内には、「プティ・トリアノン(小トリアノン)」をはじめ、「王妃の村里」や「愛の神殿」など、複数の見どころが広大なエリアに点在しています。
プティ・トリアノン
元々は「ルイ15世」が愛人の「デュバリー伯爵夫人」とプライベートな時間を過ごすために建てた小宮殿でしたが、ルイ16世の時代に「マリーアントワネット」にこの宮殿を贈りました。
アントワネットはこの小宮殿を大いに気に入り、自分好みに改築していきました。内部には「王妃の寝室」や「控えの間」など、複数の広間がおかれています。控えの間に飾られている肖像画「バラを持つ王妃マリー・アントワネット」は必見です。
愛の神殿
ここはかつて「アントワネット」が、愛人のスウェーデン貴公子「フェルゼン」と密会を行った神殿です。
6段の階段を登ると円形の台座があり、その上に設置された12本のコリント式円柱が、円形屋根を支えています。
中央には、この神殿名の由来であるキューピット像(ブシャルドン作)が置かれています。
王妃の村里
王妃の村里は12の家屋からなる農村エリアで、宮殿の生活にうんざりした「マリー・アントワネット」は、やすらぎを求めて、この「村里」で多くの時間を過ごしました。
この村里での穏やかな暮らしは「アントワネット」の心境に大きな変化を与え、宮殿での華やかな生活や賭博よりも、子供たちと過ごす時間が最も大切だと感じる様になりました。彼女はこの集落で晩年を過ごし、農作業などをしながら暮らしていました。
見どころ⑤ 王室の馬車ギャラリー
「王室の馬車ギャラリー」は、当時実際に使用していた馬車や馬車具などを展示するギャラリーです。
1000㎡の広さを誇る館内は入場無料とは思えないほど見応えがあり、「ナポレオンの結婚式」「ルイ18世の葬式」「シャルル10世の戴冠式」など様々な公式行事で使用された馬車が展示されています。馬車の進化を辿ることで、フランスが歩んできた歴史の一部を知ることができます。
当時の馬車は、莫大な費用をかけて、建築家、家具職人、彫刻家、ブロンズ職人、金メッキ職人、室内装飾職人など、あらゆる分野の一流技術者達を結集して造られています。
馬車の表面は、金の装飾や美しい彫刻で飾られており、その出来栄えは1つの芸術作品と言えます。
この「馬車ギャラリー」は、公式HP上でヴェルサイユ宮殿の付属施設に含まれていますが、敷地内から数百メートルほど離れた場所にあるため、意外と知られていません。
入場自体は無料かつ、見応え抜群なので、時間のある方は是非お立ちよりください。
ヴェルサイユ宮殿の回り方・モデルコース
本項では「ヴェルサイユ宮殿敷地内の回り方」と「ヴェルサイユ宮殿内部の回り方」について、敷地内マップとフロアマップを交えて、それぞれ詳しくご紹介致します。
敷地内の回り方と地図
ヴェルサイユ宮殿を効率良く回るには、敷地の構造的にも以下の順で見学して行くと効率良く観光できると思います。
- ↓ ①ヴェルサイユ宮殿内部
- ↓ ②庭園
- ↓ ③トリアノン宮殿
- ↓ ④マリーアントワネットの離宮
以下より、上記のモデルコースを、写真付きで時系列の流れに沿って詳しく説明致します。
09:00 ヴェルサイユ宮殿内部の見学
最も混雑する「ヴェルサイユ宮殿の内部」を朝一番で観光します。見学は建物の北翼から入場し「王室の礼拝堂(写真上)」から観光をスタートしていきます。
■ヴェルサイユ宮殿見学は事前の入場予約が必須ヴェルサイユ宮殿への入場は事前の日時指定予約が必須かされております。現地窓口での入場予約も可能ですが、希望の時間や当日に入場できる保証は一切ありません。必ず事前に入場予約の上で訪問する事をお勧め致します。
ヴェルサイユ宮殿のチケット予約や優先入場方法、当日の入場の流れなどについては別記事の「ヴェルサイユ宮殿 チケット予約・購入方法を徹底解説」にて詳しく解説しております。
徒歩1分~2分
10:30 庭園・噴水の見学
徒歩8分~10分
11:30 庭園内のレストランでランチ
庭園の観光後は、早めのランチタイムです。というのも、次の目的地である「トリアノン宮殿」のオープンが12時からになるからです。ここで早めに休憩がてらのランチを取って次の観光に備えます。
■庭園内のおすすめカフェ・レストランヴェルサイユ宮殿の敷地内には軽食店も含め、いくつかのレストランが存在していますが、お勧めはグラン・カナルの近くにあって、テラス席が心地よいカフェ・レストラン「La Flottille takeaway(ラ・フロッティーユ)」です。お勧めの理由は、味も決して悪くないですが、午前中から営業している点と、次のスポット「トリアノン宮殿」への移動手段として活用する「レンタサイクル」や「プティ・トラン」の乗場近くだからです。ラ・フロッティーユでは、ピザやパスタ、ハンバーガー、クラブサンドイッチなどを味わう事ができます。
「La Flottille takeaway(ラ・フロッティーユ)」でランチを取ったら、レンタサイクルかプティ・トランを利用して「トリアノン宮殿」へ移動します。ヴェルサイユ宮殿の敷地内の移動手段に関しては本記事別項の「敷地内の移動手段について」を参考にしてください。
10分(自転車かプティ・トランで)
13:00 トリアノン宮殿の見学
トリアノン宮殿の内部には「鏡の間」や「音楽の間」「礼拝堂の間」など全15部屋があり、順路に沿って歩いて行けば、全ての見学スポットを観光する事ができます。
徒歩10分〜15分
14:30 マリーアントワネットの離宮
トリアノン宮殿西側の中庭から、マリーアントワネットの離宮に歩いて来た場合は、最初に「プティ・トリアノン(写真上)」に辿り着きます。現在、プティ・トリアノン館内は、1階と2階の全17スポットを見学する事ができますが、別名「小トリアノン」と呼ばれる小さな離宮なので、15分〜25分もあれば観光できます。
■マリーアントワネットの離宮の観光順路プティ・トリアノンの見学の後は、道なりに東側に進んで行くと、「愛の神殿(所要15分ほど)」「王妃の農村(所要30〜40分ほど)」の順で観光できます。ただし、マリーアントワネットの離宮の出口は「プティ・トリアノン」の近くにあるので、一番最初に「王妃の村里」まで行ってから戻ってくる形で見学する方が気分的には楽かもしれません。
16:00 観光終了
これでヴェルサイユ宮殿敷地内の主要スポットの観光は終了です。後は、ヴェルサイユ宮殿の出口に向かいながら、庭園を見学したり、時間のある方は「ギフトショップ」でお土産探しも良いと思います。ギフトショップはヴェルサイユ宮殿内を見学した後に通る場所や、プチ・トリアノンの入口付近など複数個所にあります。プチ・トリアノンの入口近くのギフトショップ「レユニオン・デ・ミュゼ・ナショノー」は王妃をモチーフにした可愛い雑貨が豊富にそろっています。
■馬車ギャラリーヴェルサイユ宮殿の入口を出て徒歩数分の場所に、無料で入場できる「馬車ギャラリー」という当時利用していた馬車を展示しているギャラリーがあります。豪華な装飾の馬車は中々の見ごたえがあるので、時間のある方は是非立ち寄って見てください。
ヴェルサイユ宮殿内部の回り方とフロアマップ
ヴェルサイユ宮殿の回り方について解説致します。まず、ヴェルサイユ宮殿内へは、下地図の矢印のルートで中庭を通って、宮殿の右翼側から入場します。
宮殿の右翼側に入場後、順路に沿って進むと、長い回廊(画像下)に出ます。
この通路沿いの右手側に最初の見どころでもある「王室礼拝堂」があります。
王室礼拝堂は、宮殿1階唯一の見どころになりますので、見学後はそのまま回廊を奥に進み、階段(画像下)で2階へ上がってください。残りの見どころは全て2階になりますので、ここからが本格的な見学開始になります。
ここまでご説明した、入場から宮殿2階に上がるまでの流れを地図上でもご覧ください。地図上の赤矢印のルートで移動する形になります。
1階から階段を上がると、2階の右翼側(地図の右手側)に出ますので、後は順路に沿って左翼側を目指して歩いていってください。そうすれば、自然に「鏡の間」などの大きな見どころを網羅できる構造となっています。
下はヴェルサイユ宮殿2階のフロアマップです。2階は、大きく「正殿」「王の御殿」「王妃の御殿」の3セクションに分かれています。以下の「ヴェルサイユ宮殿 2階のフロアマップ」でご確認ください。
- ① 王室礼拝堂
- ② ヘラクレスの間
- ③ 豊穣の間
- ④ ヴィーナスの間
- ⑤ ディアナの間
- ⑥ マルスの間
- ⑦ メリクリウスの間
- ⑧ アポロンの間
- ⑨ 戦争の間
- ⑩ 鏡の間
- ⑪ 平和の間
- ⑫ 王妃の寝室
- ⑬ 貴人の間
- ⑭ 大会食の間(王妃の御殿)
- ⑮ 衛士の間(王妃の御殿)
- ⑯ 戦士の回廊
- ⑰ 大会食の間(第1控えの間)
- ⑱ 衛士の間(王の御殿)
- ⑲ 牛眼の間(第2控えの間)
- ⑳ 王の寝室
- ㉑ 閣議の間
- ㉒ ルイ15世の寝室
- ㉓ 王妃の階段
※ ①の「 王室礼拝堂」は、1階に位置していますが、2階までの吹き抜けの構造となっているので、2階のフロアマップにも含めております。
もっと細かく記すと、見学ポイントは上記以外にも複数ありますが、大きくは以上です。①から㉓までの番号は、見学順の目安に記しておりますが、あくまでも参考程度とお考えください。
見学の順路は、当日の状況や修復作業の影響などによって、大きく変わる事が頻繁にあります。基本は、現地の係員や案内版の指示に従ってください。
ヴェルサイユ宮殿の観光情報
本項ではヴェルサイユ宮殿の「営業時間」「チケット料金」「お勧めの訪問時間・混雑回避方法」などの観光情報をご紹介致します。
営業時間
庭園と公園は年中無休で一般開放されておりますが、ヴェルサイユ宮殿とそれ以外の全ての施設は【毎週月曜日】と【5/1(祝)】が休館日になります。
ヴェルサイユ宮殿(The Palace)
- ・09:00~18:30(4月〜10月)
- ・09:00~17:30(11月〜3月)
庭園(THE Gardens)
- ・08:00~20:30(4月〜10月)
- ・08:00~18:00(11月〜3月)
大トリアノン宮殿(The Estate of Trianon)
- ・12:00~18:30(4月〜10月)
- ・12:00~17:30(11月〜3月)
マリーアントワネットの離宮(The Estate of Marly)
- ・12:00~18:30(4月〜10月)
- ・12:00~17:30(11月〜3月)
王室の馬車ギャラリー(the gallery of coaches)
- ・12:30~18:30(4月〜10月)
- ・12:30~17:30(11月〜3月)
チケット料金
パスポート(Passport) 料金:24.0€(※噴水ショー開催日は32.0€)ヴェルサイユ宮殿、庭園、トリアノン宮殿、マリーアントワネットの離宮などほぼ全ての敷地内施設に入場可能。庭園ショーへの入場も含む。
ヴェルサイユ宮殿のみ(Palace ticket) 料金:21.0€ヴェルサイユ宮殿と庭園に入場可能。ただし、庭園ショーの開催日は庭園への入場が一部制限されます。
上記はオンライン予約時のチケット料金です。ヴェルサイユ宮殿のチケット予約方法については、以下の記事にて詳しく解説しております。
また、日本語ページから手軽に予約したい方は、 GET YOUR GIDEというサイトの利用がお勧めです。手数料なしの正規料金で予約が可能です。
GET YOUR GIDE ヴェルサイユ宮殿のチケット予約ページ
ベルサイユ宮殿&庭園:全アクセス チケット&音声ガイドヴェルサイユ宮殿敷地内の全施設に入場できる「Passport」に相当するチケットを購入したい方はこちらのページからの予約になります。
ベルサイユ宮殿:入場チケット&音声ガイドヴェルサイユ宮殿のみ入場できれば良いという方はこちらのページからの予約になります。庭園への入場は基本的に無料(一部のエリアを除く)です。
ロケーションと行き方
ヴェルサイユ宮殿は、パリの西側約20kmほどの場所に位置しています。個人でパリ市内から「ヴェルサイユ宮殿」に行く場合は、電車と徒歩でアクセスするのが一番です。
パリ市内からヴェルサイユ宮殿への詳しいアクセス方法に関しては別記事の「パリからヴェルサイユ宮殿への行き方を徹底解説」にて解説しております。
お勧めの訪問時間と混雑回避方法
公式HP上でも記載がありますが、ヴェルサイユ宮殿は休館日前後の「日曜」と「火曜」が最も混雑します。もし、スケジュールの調整が可能なら、なるべく日曜と火曜の訪問は避けた方が無難です。
また、時間帯的には、朝一番の9時が最も混雑が少なく、続いてツアーや団体客がいなくなる夕方以降、時間で言えば「16時30分頃」の混雑が緩やかでお勧めです。16時30分に「ヴェルサイユ宮殿」に入場すれば、閉館までの2時間の間、ゆっくりと見学する事ができます。
敷地内の移動手段について
ヴェルサイユ宮殿の敷地内は、徒歩で観光する事も不可能ではありませんが、敷地内で提供している「移動手段」を活用する方が効率よく観光できます。
ヴェルサイユ宮殿で利用できる移動手段には以下の4つがあります。
ヴェルサイユ宮殿の敷地内の面積は1,000ヘクタール(東京ドーム220個分)と想像以上に広大です。徒歩で観光する事も不可能ではありませんが、敷地内で提供している「移動手段」を活用する方が効率よく観光できます。
ヴェルサイユ宮殿で利用できる移動手段には以下の4つがあります。
【プティ・トラン】
「little train」と呼ばれる敷地内の4つ停車ポイントを巡回するミニ列車の様な乗り物です。
プティ・トランの運行ルートは「①庭園の北側(Palace’s North Terrace)」→「②プティ・トリアノン(Petit Trianon)」→「③トリアノン宮殿(Grand Trianon)」→「④グランカナル(Grand Canal)」の順で、再び「①庭園の北側(Palace’s North Terrace)」に戻ってきます。
プティ・トランは、庭園の北側(画像マップ①参照)の乗り場及び、各停車スポットでチケット購入の上で乗車する事ができます。
料金 |
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支払い方法 | 現金 |
営業時間 |
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運行間隔 | 10分〜20分間隔で運行 |
その他 |
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【レンタサイクル】
レンタルサイクルは、庭園の西側と北側のエリアを自由に行き来できる移動手段です。
レンタサイクルは、敷地内の北西側の観光スポット「大運河(グランカナル)」「トリアノン宮殿」「マリーアントワネットの離宮」を行き来するのに非常に便利です。
ヴェルサイユ宮殿の敷地内の道は、ほぼ平地で整備されているので、自転車に乗ると非常に快適に移動する事ができます。レンタサイクルは、「ヴェルサイユの噴水」近くに貸出し所があります。詳しくは「画像マップ②」を参照ください。
料金 |
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支払い方法 | クレジットカード、現金 |
営業時間 |
※11月16日〜2月14日まではクローズとなります。 |
その他 |
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【レンタル カート】
「small electric vehicles」と呼ばれる、ゴルフで使用する様な四人乗りカートです。
レンタルカートは、24歳以上の国際免許所有者なら誰でもレンタルする事ができます。貸出し時には簡単なガイダンスがあります。「Geolocation」という現在の位置情報を取得する技術を利用しており、自動で音声ガイダンスが流れます。
貸し出し場所は、庭園内の宮殿建物近くと、庭園と公園の境目付近に合計2箇所あります。詳しくは「画像マップ③」を参照ください。
料金 | 1時間:42€(以降は15分毎に10.5€加算) |
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支払い方法 | クレジットカード、現金 |
営業時間 |
※1月〜2月15日、まではクローズとなります。 |
最大乗車人数 | 4名 |
その他 |
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【レンタル ボート】
大運河(グランカナル)内を自由に行き来できるボートです。
ヴェルサイユの噴水の西側に広がる大運河「グランカナル」の中をボートで移動する事ができます。観光スポットを巡るというよりは、ボートの乗船自体を楽しむアトラクションの1つになります。
ボートは、ネプチューンの噴水の北側にある貸出し所でレンタルする事ができます。詳しくは「画像マップ④」を参照ください。
料金 |
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支払い方法 | クレジットカード、現金 |
営業時間 | 【月〜金】
※12月〜2月まではクローズとなります。 |
その他 |
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