【ヴェルサイユ宮殿の回り方】鏡の間や庭園などの見どころを徹底解説

(2018年10月28日 公開) (2018-12-29 最終更新) ヴェルサイユ宮殿 マルスの間

ヴェルサイユ宮殿の総面積は、庭園や公園なども含めると約1000ヘクタール(東京ドーム約220個分)と非常に広大です。

宮殿の敷地内には、大きく分けて「ヴェルサイユ宮殿(内部)」、「庭園」、「グラントリアノン」、「マリーアントワネットの離宮(プティ・トリアノン)」の4つの観光スポットが点在しています。

本記事では、この広大なヴェルサイユ宮殿の4つの観光スポットの概要を始め、ヴェルサイユ宮殿を半日で観光するためのモデルコースや、効率の良い周り方をご紹介致します。

他にも敷地内の移動手段など、ヴェルサイユ宮殿の観光に役立つ情報が満載です。

ヴェルサイユ宮殿 敷地内の見どころ

ヴェルサイユ宮殿と庭園

冒頭でも触れましたが、ヴェルサイユ宮殿の敷地内には、大きく分けると以下の4つのスポットが点在しています。

  • ・ヴェルサイユ宮殿(内部)
  • ・庭園
  • ・グラントリアノン
  • ・マリーアントワネットの離宮(プティ・トリアノン)

敷地内の各スポットは、それぞれ営業時間も異なり、入場チケットの種類によって入場できる範囲も異なってきます。次項より各スポットの概要や、営業時間、入場料金などについて紹介して行きます。

ヴェルサイユ宮殿の見どころ

ルイ14世が自身の権力をヨーロッパ全土に示すために建設した「ヴェルサイユ宮殿」。南北の長さ680mを誇るこの大宮殿内には、約600枚の鏡を使用した「鏡の回廊」をはじめ、ルイ15世時代に造られた「王立オペラ劇場」や「王室礼拝堂」など、見どころが満載です。まばゆいばかりの装飾を施した絢爛豪華な内装には圧倒されます。

【ヴェルサイユ宮殿 営業時間・入場料金】
営業時間
  • ・09:00~18:30(4月〜10月)
  • ・09:00~17:30(11月〜3月)
入場料金・18 €〜(大人)※入場チケットの料金は、入場できる範囲によって異なります。

鏡の間

鏡の間

ヴェルサイユ宮殿 最大の見どころがこの「鏡の間」です。この回廊は17世紀後半にフランスの建築家「マンサール」が国王の居室と王妃の居室を結ぶ回廊として改造したものです。当時、鏡の回廊は王の部屋に通じていたため、毎朝礼拝堂に赴く国王を一目見ようと宮廷人達が集まっていました。回廊の長さは約75m、幅は約10m、高さ約12mもあり、17組の巨大な窓と578枚もの鏡が壁一面に張られています。

天井はルイ14世の第一画家であった「シャルル・ルブラン」が手掛けた天井画で埋めつくされています。この天井画はオランダ戦争とフランドル戦争に焦点を当てたルイ14世の統治の歴史を描いたものです。

鏡の間の天井画

さらに天井画の下には、精巧を極めた無数のシャンデリアが輝いています。

鏡の間 クリスタルのシャンデリア

鏡の回廊に沿って左右に並ぶ彫像や大燭台もルブランが手掛けたものです。

鏡の間

室内の装飾は基本的に全てルブランが担当し「鏡の間」の全体の設計に関しては「マンサール」が担当しました。現在見る事ができるシャンデリアや大燭台(だいしょくだい)は、18世紀後半にルイ16世とマリーアントワネットの成婚時に新調されたオリジナルを忠実に復元したものです。

鏡の間の大窓からはヴェルサイユ宮殿の庭園を望む事ができます。

鏡の間の大窓

鏡の間は、外国からの特使との謁見の場や、祝宴、宴、仮面舞踏会などの開場として利用されていました。舞踏会の時はシャンデリアと燭台に3000本もの蝋燭(ろうそく)が灯されていたと言われています。1919年には第一次大戦帰結のヴェルサイユ条約もこの鏡の間で調印され、現在もフランスの外交の場として利用されています。

王室礼拝堂

王室礼拝堂

ヴェルサイユ宮殿内に入場して最初の見どころがこのマンサール設計の「王室礼拝堂」です。礼拝堂は二層で構成され、上階は国王や王族用、1階はそれ以外の信者が利用していました。

ルイ14世は信仰にはあまり関心がありませんでしたが、後年の妻「マントノ夫人」の影響を受けて、次第に強い信仰心を持つようになりました。そして1689年にこの礼拝堂の建設をスタートしますが、他国との戦争によって工事は一旦中断を余儀なくされます。1689年に入り、再び工事が再開すると、約20年後の1710年に礼拝堂が完成しました。

王家の先祖で守護聖人のサン・ルイに捧げられたこの礼拝堂は、ルイ14世時代にヴェルサイユ宮殿で建設された最後の建築物となりました。ちなみにマリーアントワネットとルイ16世の結婚式もこの場所で行われました。

王室礼拝堂で一際目を引くのが新旧約聖書をテーマに三位一体を表現している天井画です。

王室礼拝堂の天井画

天井画の中央には宮廷の筆頭画家であった「アントワーヌ コワペル」作の「世界の贈罪の約束をもたらす栄光の中の神」、祭壇の上方にはシャルル・ド・ラ・フォス作の「キリストの復活」などの作品が描かれています。

更に祭壇上の2階部分には18世紀の前半に制作された「ロベール・クリコ」作のパイプオルガンが置かれています。

王室礼拝堂のパイプオルガン

王の寝室

王の寝室

ヴェルサイユ宮殿の建物の中央に位置するこの大広間は、ルイ14世が1701年に寝室と定め、1715年にこの部屋で亡くなりました。また、ルイ15世もこの場所を寝室として就寝の儀式を行っていました。1789年には、ルイ16世と王妃がヴェルサイユからパリに連行される前に、この部屋のバルコニーから群集の前に姿を現しました。金襴に囲まれた天蓋付きの王のベッドは豪華絢爛の一言です。

豊穣の間

豊穣の間

エメラルドグリーンの大理石の壁が特徴のこの部屋には、金やダイヤモンドなど、ルイ14世の貴重な所蔵品が置かれていました。中には日本や中国の磁器もあった事から、当時のフランスの国力の凄さが伺えます。ルネ=アントワーヌ・ウアスが描いた天井画も必見です。

マルスの間

マルスの間

この広間は元々は「衛兵の間」として使用されていました。そのため、軍事的な装飾が多く、兜や武器などが置かれています。その後、音楽会を開く場所や、舞踏会、賭博の場所としても使用されました。天井中央にはオーランド作の「狼の牽く戦車に乗るマルス」が飾られています。

メルクリウスの間

メルクリウスの間

この広間はヴェルサイユ宮殿の中でも最も贅を尽くした部屋の一つだと言われています。中でも1689年までこの広間にあった銀製の調度品が最も有名です。天井には、シャンペーニュ作の「2羽のニワトリに引かれた戦車にのるメリクリウス」が描かれ、天井支えの曲線部にも同じくシャンペーニュ作の絵画が飾られています。ルイ14世が亡くなった際にこの広間に遺体が一週間安置されていました。

戦争の間

戦争の間

戦争の間は、オランダ戦争でにけるルイ14世の勝利と終戦時の「ナイメーヘン和約」をテーマとしている部屋です。ルブランによってデザインされた暖炉はアントワーヌ・コワズヴォの浅浮彫りで飾られています。大きなメダイヨン(円形薄彫り肖像)には、ローマ皇帝の扮装をした馬上のルイ14世が描かれています。

ヴィーナスの間

ヴィーナスの間

1670年に造られたバロック様式の大広間。ルイ14世に因んだ太陽の装飾や神話を描いた天井画が描かれています。当時は夜会の際に軽食を採る場所として使用されていました。

ヘラクレスの間

ヘラクレスの間

ヘラクレスの間は、1604年にヴェネチア共和国からルイ14世に贈られた絵画「パリサイ人シモン家の食事」を飾るために造られた広間です。元々この場所には礼拝堂がありました。装飾はロベール・ド・コットが手掛け、壁には大理石が嵌め込まれています。

閣議の間

閣議の間

閣議の間は、かつてルイ14世の大広間であった部屋ともう一つの部屋を統合して作られた部屋で、18世紀に活躍したフランスの建築家「アンジュ=ジャック・ガブリエル」がデザインを担当しました。

この部屋では文字通り閣議が行われたり、王子達の結婚式前の儀式などが行われました。奥に見える金と青のひじ掛け椅子は王が閣議などの際に利用していたものです。

戦史の回廊

戦史の回廊

鏡の回廊に続く、宮殿内部の大きな見どころの一つがこの「戦史の回廊」です。建築家「フォンテーヌ」によって造られたこの回廊には、ナポレオンが勝利を収めた「ヴァグラムの戦い」に至るまでのフランス戦史の勝利をテーマーにした絵画が並んでいます。絵画の中では、ドラクロワ作の「タイユプールのサン・ルイ」が最も有名で、600年以上も前の出来事を描いた傑作です。

庭園の見どころ

ヴェルサイユ宮殿の庭園

ルイ14世が最も気に入っていたとされるのが18世紀の前半に完成した「庭園」です。宮殿の奥(西側)に広がるこの巨大な庭園は、左右対称に美しい幾何学模様を描く形で花や草が植えられています。

庭園内には、大小で500〜600ほどの噴水が置かれ、小道や森の中には一流彫刻家によって造られた大理石製の彫刻などが置かれています。奥行きの深い展望、花壇、樹木公園をはじめ、宮殿を逆さに写し出す「水の前庭」や、金色のカエルの像に囲まれた女神「ラトナ像」を中央に配する「ラトナの泉水」など、見どころが満載です。

【庭園 営業時間・入場料金】
営業時間
  • ・08:00~20:30(4月〜10月)
  • ・08:00~18:00(11月〜3月)
入場料金・無料※庭園で行われる噴水ショーは有料となり、営業時間も異なります。また、噴水ショーの開催日は庭園に入場するためにチケットが必要となる場合があります。

ラトナの泉水

ラトナの泉水

ヴェルサイユ宮殿側から見て「水の前庭」の先にある「ラトナの泉水」は、オウィデウスの「変身物語」からインスピレーションを受けて造られました。周囲を金色のカエルの像が囲み、3つの円状の段の頂点には「女神ラトーナ」の像が建っています。

アポロンの泉水

アポロンの泉水

グランカナルの手前にある「アポロンの泉水」は、太陽神アポロンが4頭の馬車に乗って海底から現れ、天に上ろうとする姿を表現しています。制作は国王お抱えの優秀な彫刻家「ジャン・バティスト・デビュー」が手掛けました。

グラントリアノンの見どころ

グラントリアノン

別名、「磁器のトリアノン」とも呼ばれるこの館は1670年に建てられました。その装飾の美しさから「大理石のトリアノン」とも呼ばれ、第二帝政の崩壊まで、ルイ14世をはじめとする歴代の君主や関係者が暮らし、後にあのナオポレオン1世もここに滞在していました。

グラン・トリアノンは、ピンクの大理石が美しい「吹き抜けの回廊」を境にして左翼と右翼に分かれ、合計15か所の広間や部屋などが見学スポットとして公開されています。かつてナオポレオンの妻が寝室として利用していた「皇后の寝室」や、王子たちの大広間「鏡の間」など見どころが満載です。

【グラントリアノン 営業時間・入場料金】
営業時間
  • ・12:00~18:30(4月〜10月)
  • ・12:00~17:30(11月〜3月)
入場料金・12 €〜(無料)※入場チケットの料金は、入場できる範囲によって異なります。

皇后の寝室(マリールイーズの部屋)

皇后の寝室(マリールイーズの部屋)

ナポレオンの妻である「ルイーズ」が寝室として利用していた部屋。コリント式の柱と、精巧に彫り込まれた木工細工の装飾が非常に特徴的です。寝室の調度品のほとんどが19世紀当時のものです。

音楽の間

ルイ14世の最初の居室の控えの間で、王の夕食が出された部屋でした。家具の木工品は宮殿の中でも最も古いものの一つで、入口の上にある高台の扉では、王の食事中に演奏家が音楽を奏でていました。

鏡の間

鏡の間

グラントリアノンの左翼で最も美しいこの部屋は、広間というよりは部屋と言った感じです。王子たちの部屋として使用されたのち、ルイ14世および、ルイ14世の王太子にも使用されていました。オリジナルの家具のほとんどが、フランス革命時に売却されてしまいましたが、その後ナポレオンによって新たな家具が置かれました。現在もナポレオンによって入れ替えられた当時の家具を見学する事ができます。

柱の回廊

柱の回廊

グラン・トリアノンの中で最も有名な場所が、ピンク色の大理石が美しい吹き抜けの回廊です。この柱の回廊は、建築家のフランソワ・マンサールがイタリア様式の回廊を手本に設計し、ルイ14世の発案なども取り入れて建設されました。この回廊によって建物の左翼と右翼を隔てているほか、マリーアントワネットの離宮に行き来できる庭園とも繋がっています。

次のページでは「マリーアントワネットの離宮」や「馬車ギャラリー」の見所や、宮殿内の回り方を詳しく解説。