ルーブル美術館 レオナルド・ダヴィンチ展の作品と見学ガイド

(公開:2020年1月6日)

ルーブル美術館 パリ
レオナルド・ダヴィンチの素描と絵画

本記事では、2019年10月24日~2020年2月24日まで期間限定で開催されていた「レオナルド・ダヴィンチ展」の展示作品などを紹介しております。

レオナルド・ダヴィンチ展とは

フランチェスコ・メルツィ作 レオナルド・ダヴィンチの肖像画

レオナルド・ダヴィンチ展とは、彼の没後500年を記念して、パリのルーブル美術館で2019年10月24日~2020年2月24日まで間だけ期間限定で開催されている、レオナルド・ダヴィンチと彼に関連した作品を集めた企画展です。

ルーブル美術館が既に所有しているダヴィンチ作品はもちろん、ロンドンのナショナルギャラリー、ロシアのエルミタージュ美術館、アラブのルーヴル・アブダビ美術館、バチカン美術館など、世界中の美術館が所蔵しているダヴィンチ作品を同じ場所で鑑賞する事ができる夢の様な企画展です。

通常はルーブル美術館の常設展で見る事ができるダヴィンチ作品の数点も、ダヴィンチ展の中に展示されているため、期間中にダヴィンチ作品を鑑賞したい場合は、ルーブル美術館の通常チケット予約ではなく、ダヴィンチ展の企画展のチケット予約が必要となります。企画展のチケットがあれば、ダヴィンチ展だけでなく、通常の展示(常設展)も含めた全てのゾーンを見学する事ができます。

ダヴィンチ展の景観と展示作品

レオナルド・ダヴィンチ展の見学エリア

ダヴィンチ展の展示エリアに入ると、絵画だけではなく、ダヴィンチに関する資料、下絵や素描、レリーフ、彫像なども展示されています。

レオナルド・ダヴィンチ展 展示エリアの景観レオナルド・ダヴィンチ展のレリーフレオナルド・ダヴィンチの素描レオナルド・ダヴィンチの下絵

こちらは下絵というよりも、既に作品として仕上がっている感じです。ドラゴンの様な生き物が2匹描かれています。

レオナルド・ダヴィンチの絵画

この頭蓋骨の素描画は見た事がある方も多いのではないでしょうか。こちらも当然ダヴィンチ直筆のオリジナルです。

レオナルド・ダヴィンチ作 頭蓋骨の素描画

ダヴィンチ展では、ダヴィンチの作品に混じって他の画家の作品も展示されています。下画像はイタリア画家「アレッソ・バルドヴィネッティ」の「聖母子(1464年)」という作品です。

アレッソ・バルドヴィネッティ作「聖母子(1464年)」

こちらは、アンドレア・デル・ヴェロッキオ作「トビアスと天使(1470〜75年)」になります。

アンドレア・デル・ヴェロッキオ作「トビアスと天使(1470〜75年)」

ダヴィンチ展では、通常の美術館と同様に複数の展示スペースに分かれています。各展示スペースには上手く分散される形で、ダヴィンチの有名作品が展示されています。以下よりダヴィンチ展で展示されているダヴィンチの作品をご紹介いたします。

ブノワの聖母

レオナルド・ダヴィンチ作 ブノワの聖母(1478年)

レオナルド・ダヴィンチ作(1478年)

ブノワの聖母は、通常ロシアのサンクトペテルブルク エルミタージュ美術館に展示されている作品です。

聖ヒエロニムス

レオナルド・ダヴィンチ作「聖ヒエロニムス(1480年)」

レオナルド・ダヴィンチ作(1480年)

聖ヒエロニムスは、バチカン市国内 バチカン美術館所蔵の作品です。

音楽家の肖像

レオナルド・ダヴィンチ作「音楽家の肖像(1483〜90年)」

レオナルド・ダヴィンチ作(1483〜90年)

音楽家の肖像は、イタリア・ミラノのアンブロジアーナ図書館が所蔵しているダヴィンチ作品です。ダヴィンチには珍しく油彩画で男性を描いているのが特徴です。

ミラノ貴婦人の肖像(ベル・フォロニエール)

レオナルド・ダヴィンチ作(1490〜97年)

ミラノ貴婦人の肖像は、かつてはフランス王室の所蔵でしたが、現在はルーブル美術館の所蔵となっています。普段は常設展内で見る事ができますが、ダヴィンチ展期間中は、ダヴィンチ展内のみで鑑賞可能となっています。

岩窟の聖母

レオナルド・ダヴィンチ作「岩窟の聖母(1483〜1486年)」

レオナルド・ダヴィンチ作(1483〜1486年)

ダヴィンチが生涯に2つ描いた「岩窟の聖母」のうちの一つで、通常時はルーブル美術館の常設展示エリアで見学する事ができます。参考までに、もう一つの岩窟の聖母はロンドンのナショナル・ギャラリーが所蔵しています。

最後の晩餐(レプリカ)

レオナルド・ダヴィンチ作「最後の晩餐(1497〜1498年)」

レオナルド・ダヴィンチ作(1497〜1498年)

こちらは残念ながら、「最後の晩餐」のレプリカになります。本物の最後の晩餐は、イタリア ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会に隣接する食堂の壁に描かれています。オリジナルは壁画なので、他の場所に持ち運ぶ事は今後も難しいと思います。本物を見たい方はイタリア ミラノの現地に足を運ぶほかありません。最後の晩餐のオリジナルの見学・予約方法に関しては、以下の別記事にて紹介しております。

糸車の聖母

レオナルド・ダヴィンチ作「糸車の聖母(1499〜1507年)」

レオナルド・ダヴィンチ作(1499〜1507年)

糸車の聖母は、スコットランド国立美術館が所蔵する作品で、これとは別に、ランズダウンの聖母という同じ構図の作品があります。

ほつれ髪の女

レオナルド・ダヴィンチ作「糸車の聖母(1499〜1507年)」

レオナルド・ダヴィンチ作(1500〜1510年)

こちらは、イタリア パルマ国立美術館所蔵のダヴィンチ作品「ほつれ髪の女」です。

洗礼者聖ヨハネ

レオナルド・ダヴィンチ作「糸車の聖母(1499〜1507年)」

レオナルド・ダヴィンチ作(1508〜1519年)

この「洗礼者聖ヨハネ」もルーブル所蔵で、ダヴィンチの最晩年の作品になります。

サルバトール・ムンディ(救世主)

レオナルド・ダヴィンチ作「サルバトール・ムンディ - 救世主(1499〜1507年)」

レオナルド・ダヴィンチ作(1505〜1515年)

救世主は、赤い服に青いローブをまとったイエス・キリストの肖像画を描いた作品です。サルバトール・ムンディとはラテン語で「救世主」を意味しています。この作品の所蔵は、アラブ首長国連邦にある「ルーヴル・アブダビ美術館」になります。

聖アンナと聖母子と幼児聖ヨハネ

レオナルド・ダヴィンチ作「聖アンナと聖母子と幼児聖ヨハネ(1500年)」

レオナルド・ダヴィンチ作(1500年)

ドローイングという線画で描く絵画手法で描かれた作品で、木炭と白黒のチョークで描かれています。作品の所蔵はロンドンのナショナルギャラリーになります。

聖アンナと聖母子

レオナルド・ダヴィンチ作「聖アンナと聖母子(1500年)」

レオナルド・ダヴィンチ作(1503〜1519年)

「聖アンナと聖母子」はフィレンツェのサンティッシマ・アンヌンツィアータ教会の祭壇に飾るために描かれた作品です。作品の所蔵はルーブル美術館になります。

以上が、ダヴィンチ展で鑑賞できるレオナルド・ダヴィンチの主要作品12点になります。既にお気づきかと思いますが「モナリザ」に関しては、ダヴィンチ展内ではなく、通常どおりルーブル美術館の常設展示エリアに展示されています。ダヴィンチ展見学後にゆっくりと見学ください。ただし混雑は必須です。

ダヴィンチ展の見学後は「モナリザ」鑑賞

レオナルド・ダヴィンチ展の見学エリアを順路に沿って見学した後は、入場時と同じ場所からダヴィンチ展の外に出ます。再びナポレオンホールに戻ってくるので、後は時間が許す限りルーブル美術館の通常展示(常設展)を堪能してください。

本記事の途中でも触れましたが、ルーブル美術館所蔵のダヴィンチ作品の中では「モナリザ」が唯一、通常の展示エリア内に展示されています。モナリザを鑑賞するにはナポレオンホールの南側(ダヴィンチ展を出て左手側)に面する「DENON(ドゥノン翼)」から入場してください。チケットはダヴィンチ展入場時に使用したチケットをドゥノン翼の入口で再び提示して入場します。

ルーブル美術館 DENON(ドゥノン翼)の景観

注意点としては、ダヴィンチ展開催中のルーブル美術館の混雑は尋常ではないため、最混雑エリアの「DENON(ドゥノン翼)」は入場制限がかかっている場合があります。その際は、「RICHELIEU(リシュリュー翼)」か「SULLY(シュリー翼)」から入場の上で、展示エリア内から「DENON(ドゥノン翼)」を目指す形になります。そういった意味で、ダヴィンチ展は朝一番で見学するのがお勧めです。

レオナルド・ダヴィンチ展の入口と見学開始までの流れ

ダヴィンチ展 入口付近の景観

「レオナルドダヴィンチ展」を予約した方は、ガラスのピラミッド中央口に新規で設けられた「ダヴィンチ展予約者専用の列」から入場する形になります。ルーブル入口付近でも、多くの方がこの事を知らずに大混乱を招いていました。

ガラスのピラミッド中央口をご存知ない方は、以下のルーブル美術館の各入口を記した地図を参考にしてください。ルーブル美術館には複数の入場口が存在しています。

ルーブル美術館 入場口マップ

そして、下の写真がピラミッド中央口にある「ダヴィンチ展予約者専用」の入口になります。

レオナルド・ダヴィンチ展予約者の専用入口

レオナルド・ダヴィンチ展予約者専用の入口は左右に2つあり、予約時間によって別れています。ダヴィンチ展予約者の方は、ご自身の予約時間を確認の上、上画像の左右のいずれかの入口から入場する形になります。通常の入場予約者よりも、入場の優先度が高く非常にスムーズに入場する事ができます。

位置的には、ピラミッドに向かって一番左側に「通常チケット予約者」の入口、そのやや右側に「ダヴィンチ展予約者」の入口、一番右側に「当日券購入者(予約なし)」の入口が並ぶ形になります。

レオナルド・ダヴィンチ展予約者の専用入口と他の入口の位置関係

また、各列の並び口には看板があるので、この看板を目印にすれば並び間違う事はないと思います。

レオナルド・ダヴィンチ展予約者並び口の看板とそれ以外の並び口の看板の比較画像

向かって一番左側の緑の看板「Visitors with tickets for a specific time slot」と書かれているのが通常予約者、真ん中の「EXPOSITION LEONARD DE VINCI」と書かれているのがレオナルドダヴィンチ展予約者、右側の「Visitors without tickets」と書かれているのが「当日券購入者(予約なし)」の並び口にある看板になります。ダヴィンチ予約者の方は真ん中の「EXPOSITION LEONARD DE VINCI」の看板がある並び口から入場する様にしてください。

ダヴィンチ展を予約した方の入口はこのガラスのピラミッド中央口だけになります。間違って左側の通常予約者の列や、ピラミッド中央口以外の入口に並ばない様にご注意ください。ダヴィンチ展予約者の方はどの入り口よりも最優先の最短で入場する事ができます。

さて、ダヴィンチ展予約者専用入り口からルーブル館内に入場すると、通常の入場者と変わらずルーブル美術館 地下2階の「ナポレオンホール」に出ます。

ナポレオンホールの景観

ナポレオンホールには、観光マップが貰えるインフォーメーションをはじめ、チケット売場や券売機、売店、クロークなどの施設が集まっている言わばルーブル美術館観光の起点となるホールです。

ダヴィンチ展の見学開始口も、このナポレオンホール東側の「シュリー翼(SULLY)」の脇に設置されています。ダヴィンチ展を予約済みの方は、この入口で予約書を提示の上で見学を開始してください。

ルーブル地下2階「ナポレオンホール」内のダヴィンチ展入場口

ダヴィンチ展の見学開始口から少し進んだ右手側で「ダヴィンチ展のパンフレット(無料)」を入手する事ができます。

レオナルド・ダヴィンチ展のパンフレット

パンフレットは赤と紺色の2種類があり、赤が英語、紺色がフランス語での解説になります。残念ながら日本語のパンフレットはありません。

レオナルド・ダヴィンチ展のパンフレット

パンフレットを入手後、正面にオーディオガイドレンタルのカウンターが見えてきます。展示スペースの入口もこの先にあります。

レオナルド・ダヴィンチ展内の通路

オーディオガイドをレンタルする場合は、カウンターに向かって左手側に設置してある自動券売機(写真下)でチケット(5ユーロ)を購入してから、正面のカウンターでオーディオガイドを受け取る形になります。

レオナルド・ダヴィンチ展内 オーディオガイドレンタルの券売機

注意点としては、ここでレンタルするオーディオガイドは「ダヴィンチ展」のみの解説が収録されたオーディオガイドになります。しかも英語とフランス語のみの対応なので、日本人の方は基本的にスルーして良いと思います。奥の見学スペースに進んでください。

展示スペースへの入口は、正面のカウンターの右手側にあります。

レオナルド・ダヴィンチ展内 展示エリアへの入口

所要時間と混雑具合

レオナルド・ダヴィンチ展の見学所要時間は30分〜45分ぐらいが目安となります。

見学エリアは、ルーブル美術館全体からするとほんの一部なので、さっと歩いて回るだけなら30分以内でも見学可能だと思います。ただし、世界中に散らばっているダヴィンチの作品を一箇所で見れる機会は非常に貴重です。どうせなら1時間ぐらいかけてゆっくりと鑑賞してください。

また、ダヴィンチ展の見学は時間指定の予約制だけあって、混雑はそこまで激しくはありません。比較的ゆっくりと見学する事が可能です。むしろ通常の展示エリアのモナリザ周辺の方が圧倒的に混雑しています。

まとめ

ダヴィンチ展開催中は、ダヴィンチ展の見学を含む入場チケットを予約した方が、同じ料金で「常設展(普段の展示作品)」と「ダヴィンチ展」の両方の展示作品を鑑賞する事ができるのでお得です。

「モナリザ」に関してはダヴィンチ展内ではなく、常設展示エリアに通常どおり展示されています。そのため、モナリザさえ鑑賞できればダヴィンチ展に興味なしという方もいるかも知れません。しかし、ダヴィンチ展予約者は、通常の予約者よりも最優先の専用レーンから館内に入場する事できるため、とりあえず期間中はダヴィンチ展の予約を行わない手はありません。

ダヴィンチ展の予約を含む、ルーブル美術館の予約方法に関しては、以下の別記事にて詳しく解説しておりますので、良ければ参考にしてください。