オルセー美術館 行き方、料金、見るべき作品、館内マップ、所要時間、回り方まで徹底解説

(2018年9月19日 公開) (2019-11-20 最終更新) オルセー美術館の外観

ルーブル美術館に次ぐパリの人気美術館と言えば、年間約200万人もの来場者数を誇るこの「オルセー美術館」です。

オルセー美術館は、世界で最も多くの「印象派」と「ポスト印象派」の作品を所蔵している美術館として知られ、3万5000m²の敷地内には、ゴッホをはじめ、セザンヌ、モネ、ルノワール、ゴーギャンなど、世界の名だたる画家の有名作品が、常時約4,000点も展示されています。

本記事では、オルセー美術館への行き方や入場料金などの基本情報を中心に、当日の入場の流れやチケット購入方法などについても詳しく解説致します。他にも館内の見所やお勧め作品、ミュージアムパスを利用した優先入場方法まで、オルセー観光に役立つ情報が満載です。

営業時間・入場料金

オルセー美術館 入口付近の彫像

オルセー美術館

オルセー美術館は月曜が休館日で、木曜は夜間まで開館しています。

営業時間
  • 【火、水、金、土、日】
    ・9:30〜18:00
    ※ チケット販売は17時まで
  • 【木曜日】
    ・9:30〜21:45
    ※ チケット販売は21時15分まで
休館日毎週月曜日、5月1日、12月25日
入場料金
  • ・14 €(現地購入)
  • ・15.4 €(オンライン購入)
    ※ 18歳未満は入場無料。
    ※ 毎月第1日曜日は入場無料。
    ※ 毎週木曜日は18時以降、他の曜日は16時30分以降になると特別割引(一般大人は11€)で入場可能。
【オランジュリー美術館との共通チケット】
  • ・18 €(現地購入)
  • ・19.4 €(オンライン購入)
【ロダン美術館との共通チケット】
  • ・21 €(現地購入)
  • ・22.4 €(オンライン購入)
オーディオガイド5€でレンタル可能(日本語対応)
300以上の音声による作品説明によって、ご自分のペ ースでコレクションを鑑賞できます。ドイツ語、英語、 中国語、韓国語、スペイン語、フランス語、イタリア 語、日本語、ポルトガル語、ロシア語に対応。
その他パリミュージアムパスでの優先入場が可能。

ミュージアムショップ

オルセー美術館には、グッズなどを販売するミュージアムショップも営業しています。

営業時間
  • 【火、水、金、土、日】
    ・9:30〜18:00
  • 【木曜日】
    ・9:30〜21:30

レストラン・カフェ

オルセー美術館内にはレストランが1件、カフェが2件営業しています。

ミュゼ・ドゥ・オルセー・レストラン

1900年のオルセー美術館開館からある絵画に囲まれた2階のレストラン。値段もそこまで高級ではないのでランチやディナーにお勧めです。

営業時間
  • 【火、水、金、土、日】
    ・11:45〜17:30
  • 【木曜日】
    ・11:45〜14:45、19:00〜21:30

カフェ・カンパーナ

オルセー美術館の5階にあるレストランカフェ。スイーツから軽食まで食べられるので、ランチや休憩にお勧めです。

営業時間
  • 【火、水、金、土、日】
    ・10:30〜17:00
  • 【木曜日】
    ・11:00〜21:00

カフェ・ド・ルウス

フランソワ・ポンポンの「熊」が目印の2階のカフェ。オルセー美術館内では最もお手軽なカフェで、飲み物の他、甘い物やさまざまな軽食を頂く事ができます。

営業時間
  • 【火、水、金、土、日】
    ・9:00〜16:45
  • 【木曜日】
    ・9:00〜19:45

オンラインでのチケット購入について

オルセー美術館に並ばずに入場するには「パリミュージアムパス」の購入が最もお勧めですが、どうしても事前にオルセー美術館のチケットだけを購入されたい方は、以下の4サイトで優先入場チケットの購入が可能です。

上記のうち「M'O」と「ParisInfo」は以前はフランス語のみの対応でしたが、現在は英語で購入が可能です。4サイトのうち「ParisInfo」のみ手数料なしで購入可能ですが説明が不親切なサイトなのであまりお勧めしません。個人的には私も実際に利用した「M'O」か、日本の利用者も多く、日本語で安心購入できるGET YOUR GIDEでの購入がお勧めです。

GET YOUR GIDE(日本語)

「GET YOUR GIDE」オルセー美術館 日本語予約ページ

GET YOUR GIDEは2009年に設立された世界遺産や施設のツアーやチケット手配を行っている会社です。以前は日本語に対応しておりませんでしたが、ここ数年は日本語に対応し、日本の利用者も増えております。

オルセー美術館のチケットをどうしても日本語で予約したい方は、この「GET YOUR GIDE」を利用すれば、通常のオルセー美術館の入場料金14ユーロに、わずかな手数料3ユーロ(340円〜400円)を加えただけで日本語の説明ページから予約が可能です。

▶ GET YOUR GIDEでオルセー美術館のチケット予約する

また、オルセーと共にオランジュリー美術館も観光される方は「パリ オルセー美術館&オランジュリー美術館:優先入場チケット」のページから共通チケットを購入する事も可能です。この場合、有効期限内であれば好きな日時に二つの美術館に優先入場ができるので更にお得です。料金的にも「22ユーロ」と、公式サイトで共通チケット(19.4ユーロ)を購入するよりも、2.6ユーロ高いだけです。

M'O(フランス語・英語)

GET YOUR GIDEの次にお勧めの予約サイトがこの「M'O」です。オルセー美術館の公式サイトでは、入場チケットの事前予約サイトとして、いくつかのサイトを推奨していますが、その中でも、個人的に利用した事もあって最も信頼できるのが、この「M'O」です。この方法で予約する場合、通常のオルセー美術館の入場料金14ユーロに、1.4ユーロの手数料が加わり、総額15.4ユーロになります。

Tiqets(英語)

Tiqetsは、2013年にオランダの起業家によって設立された、世界中の美術館や観光名所のオンラインチケット手配を専門に行うIT企業です。

会社としての歴史は浅いですが、本社のオランダの他に、スペイン、オーストリア、イタリア、フランス、アメリカなどにオフィスを構えています。

Tiqetsでは、世界中の旅行者が、予約したチケットをプリントアウトする手間や、入場列に並ぶ煩わしさなどから解放される事を、企業理念の一つとして掲げており、その姿勢はヨーロッパのメディアを中心に高い評価を得ています。

企業理念からも分かる通り、このサイトを経由して予約したチケットは全てペーパーレスかつ、優先入場が可能です。

この「Tiqets」のサイトを利用すれば、通常のオルセー美術館の入場料 14€に、わずか1.99€(手数料)を加えた 15,99€ で、オルセー美術館の入場チケット予約(購入)が可能です。

観光当日は、優先入場レーンの「Entrance C」からほとんど並ばずに入場できるのはもちろん、チケットも予約完了後に送られてくるPDFの「eチケット」をスマートフォン上や専用のアプリ上で提示すればOKです。

Tiqetsは、日本では全く馴染みはありませんが、ヨーロッパでは非常に評価されているチケット予約サイトです。安い手数料で、オルセー美術館のチケットを事前にオンライン購入するなら、この「Tiqets」の利用もお勧めです。

ParisInfo(フランス語・英語・他)

ParisInfoは、以前までフランス語のみの表示でしたが、最近英語にも対応しました。とは言え、ページの表示がくずれていたり、利用者のレビューなども少ないので、現時点では購入を見合わせて様子を見たほうが良いと思います。

パリミュージアムパスについて

パリ ミュージアムパス

ミュージアムパスはパリ市内の観光スポット60箇所以上で利用できるフリーパスチケットです。このミュージアムパスをオンラインか、オルセー訪問前に購入しておけば、観光当日は優先レーンからほとんど並ばずに入場する事ができます。ただし、料金的には一番安い2日券で7,000円(為替で変動します)となるので、複数の観光スポットに訪問して、金額の元を取らないと割高になります。

パリミュージアムパスは、「ミュージアムジャポンのHP(日本語)」からオンラインで購入する事ができます。サイトにアクセスの上、右上のメニュー「パスを購入する」から、必要情報を入力の上で申し込みを完了してください。その後、購入金額の振込案内メールが届きますので、指定された口座に料金を振り込むと、日本の正規代理店から自宅まで配送してくれます。

ただし、ミュージアムパスを郵送で受け取る場合は、7営業日(土日祝日除く)前までの申し込みが必要となりますので、お急ぎの方は「GET YOUR GIDEのオルセー美術館チケットページ」での通常のチケット購入がお勧めです。

上記で紹介した予約サイトのうち、特におすすめの2サイト、「GET YOUR GIDE(日本語)」と「M'O(英語)」については、以下の記事で更に詳しく解説しております。

行き方・ロケーション

オルセー美術館はパリの1区、セーヌ川沿いの「ヴェルテール通り」に面して建っています。近場には「ルーブル美術館」や「オランジュリー美術館」「ロダン美術館」など、芸術関連の観光スポットが多くあるほか、コンコルド広場や、パレ・ロワイヤルも徒歩圏内です。

オルセー美術館へのアクセスは、RER C号線か、地下鉄ライン12番を利用するのが便利です。

【地下鉄での行き方】

メトロ12番線「ソルフェリーノ駅(Solférino)」で下車後、オルセー美術館の入場口までは徒歩3分(270m)ほどです。

▼ メトロ12番線 路線図メトロ Line12▲クリックするとPDFの路線図が別ウインドウで開きます。
  • フロン・ポピュレール(Front Populaire)
  • ポルト ド ラ シャペル(Porte de la Chapelle)
  • マルクス ドルモワ(Marx Dormoy)
  • マルカデ・ポワソニエ(Marcadet Poissonniers)
  • ジュル ジョフラン(Jules Joffrin)
  • ラマルク コランクール(Lamarck Caulaincourt)
  • アベス(Abbesses)
  • ピガール(Pigalle)
  • サン ジョルジュ(Saint-Georges)
  • ノートルダム・ド・ロレット(Notre-Dame de-Lorette)
  • トリニテ デスティエンヌ・ドルヴ(Trinité d'Estienne d'Orves)
  • サン ラザール(Saint-Lazare)
  • マドレーヌ(Madeleine)
  • コンコルド(Concorde)
  • アサンブレ ナシオナル(Assemblée Nationale)
  • ソルフェリーノ(Solférino)
  • リュー デュ バック(Rue du Bac)
  • セーヴル バビロヌ(Sèvres Babylone)
  • レンヌ(Rennes)
  • ノートルダム・デ・シャン(Notre-Dame des-Champs)
  • モンパルナス ビアンヴニュ(Montparnasse Bienvenüe)
  • ファルギエール(Falguière)
  • パストゥール(Pasteur)
  • ヴォロンテール(Volontaires)
  • ヴォージラール(Vaugirard)
  • コンヴァンシオン(Convention)
  • ポルト ド ベルサイユ(Porte de Versailles
  • コランタン セルトン(Corentin Celton)
  • メリー ディシー(Mairie d'Issy)

【RERでの行き方】

RER C号線「ミュゼ・ドルセー駅(Musée d’Orsay)」で下車後、オルセー美術館の入場口までは徒歩1分(70m)ほどです。

RER C線の路線図▲クリックするとPDFの路線図が別ウインドウで開きます。

【バスでの行き方】

バス路線 24, 63, 68, 69, 73, 83, 84, 94 の何れかを利用して、バスターミナル「Musée d'Orsay駅」などで下車後、オルセー美術館の入場口までは徒歩1分ほどです。

【主要スポットから徒歩でのアクセス】

オルセー美術館と近場の観光スポットの位置関係及び、徒歩アクセスでの所要時間目安は以下の地図を参照ください。赤いマーカーの場所が「オルセー美術館」になります。

当日の入口について(優先入場口と一般入場口)

オルセー美術館の入場口

オルセー美術館の入口(エントランス)は、チケット保有の有無や、団体、グループなどで4つに分けられています。入口は基本的に建物の左右の側面に2つづありますが、並ぶ時は赤い仕切り線にそって建物の正面に並びます。各入り口の概要は以下を参照ください。

  • ■ Entrance A Entrance Aは、当日券を購入して入場する方用の「一般入場口(individual visitors)」になります。チケットはセキュリティチェック通過後に館内で購入する形になります。ピークシーズンなどは1時間待ちという事もあり得ます。

  • ■ Entrance B Entrance Bは、事前予約済みのグループや団体客専用の優先入場口になります。

  • ■ Entrance C Entrance Cは、パリミュージアムパスや、事前にWEBでチケットを購入している方などの優先入場口になります。個人旅行などでチケットをお持ちの方はこちらから入場してください。

  • ■ Entrance D Entrance Dは、事前予約済みの学生団体専用の優先入場口になります。

パリミュージアムパスをお持ちの方や、WEBでチケット購入済みの方は「Entrance C」から、当日券を購入して入場するなら「Entrance A」に並んで入場してください。

また、どの入口から入場しても、館内に入ってすぐにセキュリティチェックがあります。

下の画像は、チケット保有者の優先入場口「Entrance C」です。オルセー美術館の各入口には、明確にAからDまでの表記があるので、非常に分かりやすいと思います。

チケット保有者の優先入場口「Entrance C」

こちらは一般入場口の「Entrance A」になります。

一般入場口「Entrance A」

学生団体専用の優先入場口「Entrance D」は閉まっている事が多いです。

学生団体専用の優先入場口「Entrance D」

オルセー美術館のフロマップと作品

オルセー美術館内の景観
オルセー美術館内の景観

オルセー美術館が収集・展示する作品は、1848年の二月革命から、第一次世界大戦が勃発する1914年までに限られます。

それ以前の作品はセーヌ川を挟んで向かいの「ルーブル美術館」に、1914年より後の作品は「国立近代美術館」に所蔵・展示されています。また、ルーブル同様にオルセーの展示品の幅も広く、絵画のみならず、装飾、建築、写真、デッサン、アールヌーボ様式の家具や陶器、工芸品など多岐に渡ります。

館内は、0階(地上階)、2階、3階、4階、5階の全5フロアで構成され、そのうち作品が展示されているのは、0階(地上階)、2階、5階の3つのフロアになります。残りの3階と4階はほぼ中継階としての役割を担っているだけです。

オルセー美術館では、作者や作風ごとに展示ブロックが区切られ、日本でも有名なゴッホやゴーギャンなどの作品は5階に展示されています。一方、落ち穂拾いで有名な「ミレー」や、笛を吹く少年やオランビアで有名な「モネ」、泉を描いた「ルノワール」などの作品は地上階の0階に展示されています。

オルセー美術館は印象派の殿堂と称される様に、印象派および、後期印象派と呼ばれる巨匠たちの名画が一堂に集結しているのが最大の魅力です。

0階 フロアマップと展示作品

0階(地上階)のフロアマップ
  • 【1〜3】ブグロー、シャセリオー、ドラクロワ、ジェローム、アングル、他

  • 【4】ミレー、ドーミエ

  • 【5】写実主義

  • 【6〜7】ギュスターヴ・クール

  • 【8〜10】ジャン・ピエール、ボナール、ドニ、ヴァロットン、ヴュイヤール

  • 【11〜12】ラトゥール、他

  • 【13】ドガ(1870年より前)

  • 【14】エドゥアール・マネ

  • 【15〜16】オリエンタリズム

  • 【18】モネと風景画

  • 【19〜20】セザンヌ、ガシェ医師のコレクション

  • 【22〜23】フランス第二帝政 装飾芸術

  • 【中央廊下】彫刻 1850-1880年

地上階は、中央通路に1850年から1880年制作までの彫刻が並び、その通路を挟む様に左右に絵画展示室がおかれています。展示は、アカデミック美術の画家、ドラクロワ、ジェローム、アングルの絵画はじめ、ミレーの「落ち穂拾い」や「過廃期のローマ人たち」、マネの「オランピア」など名作ぞろいです。

0階の見るべき作品

落ち穂拾い(ジャン・フランソワ・ミレー作 / 1857年)
ミレー作 落ち穂拾い

収穫後の麦の穂を拾い集める貧しい農民のありのままの姿を描いた作品で、3人の老女の遥か奥に目を向けて見ると、馬に乗った人物が老女たちを監視しているのが分かります。この表現によって老女たちの貧しさを一層強調しています。当時の時代背景を考えるとこれは非常に挑戦的で画期的な作風だと言えます。

過廃期のローマ人たち(ジャン・フランソワ・ミレー作 / 1847年)
過廃期のローマ人たち

オルセー美術館の地上階の中でも一際巨大なこの「過廃期のローマ人たち」は、縦466×横775cmの大きさを誇ります。また、館内では最古参の作品の一つで、腐敗したローマ帝国の姿を風俗というシーンで表現する事で、ローマは戦争ではなく堕落で滅亡したという事を比喩的に表現しています。

晩鐘(ジャン・フランソワ・ミレー作 / 1857~59年)
晩鐘

パリ南方の郊外にある小さな田舎村「バルビゾン村」で、農作業を行う農夫の姿を描いた作品。教会の鐘の音を聞いた農夫が、作業を中断して祈りを捧げています。女性の足下には収穫したじゃがいもが、遙か遠くには教会の塔も描かれています。

踊るジャンヌ・アヴリル(ロートレック作 / 1892年)
踊るジャンヌ・アヴリル

ムーラン・ルージュの花形の踊り子であった「ジャンヌ・アヴリル」がフレンチカンカンを踊る姿を描いた作品。ロートレックはこの「ジャンヌ・アヴリル」を題材にしていくつもの作品を残しています。

(ジャン・オーギュスト・ドミニク・アングル作 / 1863年)
ジャン・オーギュスト・ドミニク・アングル作「泉」

この作品はアングルがフィレンツェに滞在していた1820年頃に制作をスタートをしました。その後は彼の弟子たちによって完成されました。この泉に描かれた女性の肉体美のなめらかな表現方法は、多くの画家たちに模写され多大な影響を与えました。

笛を吹く少年(エドゥアール・マネ作 / 1866年)
笛を吹く少年

オルセー美術館の至宝と呼ばれるこの絵画は、マネの作品の中でも最も有名なものです。この絵画のモデルとなっているのは、マネの友人である軍人が連れてきた少年で、衣装はその友人から借りたものだと言われています。

エミール・ゾラの肖像(エドゥアール・マネ作 / 1868年)
エミール・ゾラの肖像

フランスの作家で批評家でもあった「エミール・ゾラ」を描いた作品。背景には日本の力士が描かれています。エミール・ゾラはマネの生涯の友人としても知られ、マネの描いた作品に関しては好意的な批評を行い、常にマネの良き理解者でした。

スミレの花束をつけたベルト・モリゾ(エドゥアール・マネ作 / 1872年)
エドゥアール・マネ作 スミレの花束をつけたベルト・モリゾ

作中のモデルとなっている女性「ベルト・モリゾ」は、19世紀印象派の画家の一人です。モリゾは度々、マネの作品のモデルとして描かれており、同年だけで彼女の肖像画は4枚も描かれています。これはモリゾがマネを尊敬していため、もしくはモリゾがマネにとってモデル以上の存在であったためだとも言われています。

オランピア(エドゥアール・マネ作 / 1863年)
エドゥアール・マネ作 オランピア

制作された当初は大胆な作風によって大きな非難を浴びた作品。1865年のサロンに入選した事で大きな衝撃を与えました。オランビアは当時の人ならば誰でも知っている夜の仕事を生業にする女性の呼び名です。

バジールのアトリエ(フレデリック・バジール作 / 1870年)
フレデリック・バジール作 バジールのアトリエ

初期の印象派を代表する画家のひとりである「フレデリック・バジール」自身のパリのアトリエを描いた作品。絵画の正面に立つのがバジール本人で、その後ろには友人のマネも描かれています。バジールは非常に経済的には恵まれていましたが、この作品を完成させた1870年、同年に勃発した普仏戦争で命を落としました。享年28歳という若さでした。

2階 フロアマップと展示作品

2階のフロアマップ
  • 【50】メダルギャラリー(Galerie des médailles)

  • 【51】Salle des fêtes

  • 【52〜53】装飾芸術 折衷主義とジャポニスム

  • 【55】第三共和統治下の美術と社会

  • 【56】ワークフィギュア(Figures du travail)

  • 【59】象徴主義

  • 【61〜66】アールヌーボー(ベルギー/スペイン/フランス/イタリア)、クローデル、ロダンなど

2階はクローデル、ロダンなど、アールヌーボーを代表する芸術家の彫刻や、工芸品、陶器などが展示されています。また、このフロアにはレストランやテラスなども併設しているので、休憩には一休みするには持ってこいのフロアです。

5階 フロアマップと展示作品

5階のフロアマップ
  • 【29〜37】印象派と新印象派モネ、マネ、ルノワール、ドガ、セザンヌ、ピサロ、シスレー、スーラ、シニャック

  • 【38〜40、42〜45】ポスト印象派ベルナール、ゴーギャン、ルドン、セリュジエ、ゴッホ

  • 【41】グラフィック・アート

  • 【46】ル・シャ・ノワール

  • 【47】シネマ (1895-1914)

5階はオルセー美術館が誇る名作が集結しているメイン展示エリアです。「ゴッホ」や「モネ」「ルノワール」など印象派と新印象派画家達の名画が集結しています。館内はライトや環境などにも大きなこだわりがあり、印象派特有の色調が目立つような工夫がなされています。

5階の見るべき作品

シエスタ(フィンセント・ファン・ゴッホ作 / 1890年)
ゴッホ シエスタ

ゴッホが精神病院に入院していた時に描かれたフランスの田園風景をモチーフにした作品。ゴッホはミレーに尊敬の念を抱いており、この作品もミレーをもとにしたものであると言われています。昼寝をする二人の前に2つの鎌が置かれているのは死のイメージを示唆していると言われています。

自画像(フィンセント・ファン・ゴッホ作 / 1889年)
ゴッホ 自画像

シエスタと同時期に描かれたゴッホの自画像。背景や絵のタッチからゴッホの内面に秘めた激しい感情が伝わってきます。この作品はゴッホがサン・レミの病院にいた時に描いたもので、背景とゴッホが同化する様なうねりから、ゴッホの当時の精神状態を垣間見る事ができます。

オヴェールの教会(フィンセント・ファン・ゴッホ作 / 1890年)
オヴェールの教会

「オヴェール」は「パリ」の北西にある街で、ゴッホが自らの人生に幕を閉じた場所でもあります。ゴッホの晩年の作品はうねる曲線が特徴ですが、その中でもこの「オヴェールの教会」は特にうねりが強い作品だと言われています。

医師ガジェの肖像(フィンセント・ファン・ゴッホ作 / 1890年)
フィンセント・ファン・ゴッホ作 医師ガジェの肖像

ゴッホがパリ近郊の「オヴェール」で精神の治療を受けていた時の担当精神科医「ガシェ医師」を描いた肖像画。ガジェは良き理解者として、ゴッホの最後を看取りました。左手には医師や治療の象徴として薬草が描かれています。ちなみに、ゴッホはこの肖像画を同じ構図でもう1枚描いています。これはガジェ医師がこの作品を欲しがったためだと言われています。

アルルの寝室(フィンセント・ファン・ゴッホ作 / 1889年)
フィンセント・ファン・ゴッホ作 アルルの寝室

ゴッホが南フランスのプロヴァンス地方にある「アルル」にいた時の寝室を描いた作品。ゴッホはこの土地の太陽の光にインスピレーションを受けて、黄色の美しい色調に目覚めます。作中ではその影響から、黄色がキーカラーとして至る事に使用されており、この寝室は通称「黄色い家」とも言われます。

ローヌ川の星月夜(フィンセント・ファン・ゴッホ作 / 1888年)
フィンセント・ファン・ゴッホ作 ローヌ川の星月夜

フランス南東部を流れる全長 812kmの「ローヌ川」に映るロマンチックな星空と、腕を組んで歩くカップルをムーディーに描いた作品。

ウージェーヌ・ボックの肖像(フィンセント・ファン・ゴッホ作 / 1888年)
フィンセント・ファン・ゴッホ作 ウージェーヌ・ボックの肖像

ゴッホの友人であり、ベルギー出身の画家「ウージェーヌ・ボック」を描いた肖像画。本作品は、ボックの死後、彼の意志により「ルーブル美術館」に寄付されました。現在はオルセー美術館でこの作品を鑑賞する事ができます。

イタリアの女(フィンセント・ファン・ゴッホ作 / 1887年)
フィンセント・ファン・ゴッホ作 イタリアの女

作中のモデルは、パリで「カフェ・タンブラン」というカフェを営む女性「アゴスティーナ・セガトーリ」です。イタリアのナポリ出身であったため「イタリアの女」というタイトルが付けられています。絵の上と右側の縁の模様は、日本の浮世絵にインスピレーションを受けて描いています。

ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会(オーギュスト・ルノワール 作 / 1876年)
ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会

かつて、モンマルトルの丘上にあったダンスホールを舞台にした作品。ルノワールはこの情緒ある田舎風景を非常に気に入り、近くにアトリエを借りて「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」を制作しました。

【展示室29】草上の昼食(エドゥアール・マネ 作 / 1863年)
草上の昼食

印象派の父と呼ばれる「マネ」が1863年の落選展に出品した作品。その時の作品名は「水浴」で、裸体を描いた作風は当時の倫理観にそぐわず非難の的となりました。その時に入選を果たしたのが「ヴィーナスの誕生」でした。

都会のダンス(オーギュスト・ルノワール 作 / 1883年)
田舎のダンス

田舎のダンスと対になる作品で、パリ市内におけるお洒落な男女2人のダンス姿が描かれています。女性はユリトロの母でもあるフランスモンマルトルの画家「シュザンヌ・ヴァラドン」がモデルになっています。都会のダンスと田舎のダンスはオルセー美術館で並べて展示されています。

田舎のダンス(オーギュスト・ルノワール 作 / 1882〜1883年)
都会のダンス オーギュスト・ルノワール 作

都会のダンスと対になる作品で、セーヌ川河畔の行楽地でのダンス場面が描かれています。こちらは都会のダンスとは対照的に喉かな田舎の風景が描かれています。男性は都会のダンスのモデルと同じ人物で、女性はルノワールの妻である「アリーヌ・シャリゴ」がモデルとなっています。男性の扇子には、喉かな田舎感を強調したかったのか日本の浮世絵が描かれています。

日傘の女(右向き)(クロード・モネ作 / 1885年)
日傘の女(右向き)

二つで対を成す人物画で、モデルはモネのお気に入りのシュザンヌと言う18歳の女性で、セーヌ川の島の土手上で描かれました。

日傘の女(左向き)(クロード・モネ作 / 1885年)
日傘の女(左向き)

左向きのシュゼンヌはやや下のアングルから描かれています。こちらの方が草むらが力強く描かれているのが分かります。

ルーアンの大聖堂(クロード・モネ作 / 1893年)
ルーアンの大聖堂

構図は変えず、天候や季節、時間帯などの条件だけをかけて描いた連作のうちの一枚。他にも同じ構図の作品が複数ありますが全て構図以外は異なった条件で描かれています。モネはルーアンに滞在していた1892年と1893年頃にこの作品を制作しました。

リンゴとオレンジ(セザンヌ作 / 1895~1900年)
リンゴとオレンジ

セザンヌは静止画を最も絵のモチーフとして取り上げた画家として知られ、一つの静止画の中に複数の視線と角度が入り混じっている作風が特徴です。実際にリンゴ一つ一つに目をやると様々な視点で描かれている事が分かります

アブサント(ドガ作 / 1876年)
ドガ作 アブサント

女性の前に置かれているグラスのお酒が、作名でもある「アブサント(アブサン)」です。アブサントとは、ヨーロッパ各国で作られている薬草系リキュールの一つです。作中の疲れ切った表情の女性と男性は、ドガの友人がモデルとなっています。ドガはこの絵を通して、都会の悲哀漂う寂しげな雰囲気を表現しています。

床に鉋をかける人々(ギュスターブ・カイユボット作 / 1875年)
ギュスターブ・カイユボット作 床に鉋をかける人々

上流階級出身の画家「カイユボット」が、下層階級の労働者を写実的に描いた作品。経済的に恵まれていたカイユボットは、1874年の第2回印象派グループ展の開催に財政的な面で大きく貢献し、彼自身も作品を出展しました。

作品の展示場所は変わる可能性があるので、最終的には館内のインフォメーションで無料配布されている「館内マップ」を参考に見学を進めてください。

タヒチの女たち(ポール・ゴーギャン作 / 1891年)
タヒチの女たち

ゴーギャンが初めてタヒチを訪問してすぐに描いた作品の一つ。暖かい南国での作品だけあって暖色が多様されているのが特徴的で、地上の楽園と呼ばれるタヒチに到着したゴーギャンの喜びの感情が作品にもにじみ出ています。

美しきアンジェール(ポール・ゴーギャン作 / 1848~1903年)
美しきアンジェール

ゴーギャンがサトル夫妻へのお礼として、夫妻の当時21歳の娘「アンジェール」を描いた作品。アンジェールは村一番の美人として知られていたため、このお世辞にも美人とは言えない田舎娘風の肖像画をサトル夫妻は全く気に入らず、受け取りを拒否しました。

お勧めの訪問時間と曜日

オルセー美術館 展示フロアの景観

オルセー美術館を訪問するなら、比較的混雑が緩やかな週の中日、 水曜から金曜日あたりがお勧めです。特に夜間営業がある木曜日の夜18時以降は、日中の混雑が嘘の様に人の波が引くため、最もお勧めの訪問タイミングです。

逆に、休館日前後に当たる「日曜」と「火曜」、更に「土曜の夜」の訪問は、混雑する場合が多いので、あまりお勧めしません。

以下は、オルセー美術館の公式サイトで公開されている、曜日と時間帯毎の混雑傾向を表で示したものになります。

9.30〜13:0013.00〜18:0018.00〜21:45
火曜混雑混雑-
水曜普通普通-
木曜やや混雑やや混雑普通
金曜普通普通-
土曜やや混雑やや混雑-
日曜混雑混雑-
【当日の混雑状況】

オルセー美術館の当日の混雑状況に関しては、オルセー公式HPの「Current waiting time」ページにて、リアルタイムで確認する事ができます。

オルセー美術館HPの待ち時間グラフ

「General public」が一般入場列の待ち時間、「Priority access」が、パリミュージアムパスなど、何らかの優先入場チケットをお持ちの方の待ち時間になります。

リアルタイムの待ち時間表示は、当然ながらオルセー美術館の営業時間中にしか表示されません。また、待ち時間の確認ページに表示される時間は、あくまでも目安として鵜呑みにしない様にしてください。25分程度の待ち時間が表示されていても、すぐに入場できてしまう場合もあります。

所要時間の目安

オルセー美術館観光の所要時間の目安は2時間〜3時間ほどです。

上記は「ゴッホ」や「モネ」など、ガイドブックなどで紹介されている有名作品だけに絞って観光した場合の所要の目安です。

オルセー美術館は、広さ3万5000m²、常設展示の作品数は約4,000点ほどになります。ルーブルと比べるとおおよそ9分の1ほどの展示数になりますが、美術館の規模としては十分に大規模です。全作品を網羅するには、最低でも所要半日は必要だと思います。

ただし、一つ一つの作品鑑賞にかける時間は人それぞれなので、じっくりと全作品を鑑賞したいとお考えなら、丸1日は「オルセー美術館」のために予定を確保しておくのがお勧めです。

オルセー美術館の回り方

ゴッホ、ルノーワール、マネ、モネなど、オルセー美術館が誇る名作の大半は、最上階の5階に集中しています。とにかくまずは、最上階の5階から見学をスタートし、次に2階の順で見学して行くのがお勧めです。

2階の見学後は、そのまま地上階(0階)に移動して見学してもよいですが、2階にはレストランやテラスなどもあるので、ランチや軽食を楽しみながら一休みという過ごした方もお勧めです。その後は残った時間で、思う存分0階の絵画と彫刻を堪能してください。

また、朝一番で美術館を訪れる方は、5階の「大時計」に真っ先に向かえば、人込みでごった返す前に、人気スポットの「大時計」の前でじっくりと記念撮影ができるのでお勧めです。

オルセー美術館 大時計

観光時間が限られる方や、とりあえずオルセー美術館はゴッホの作品だけ見学出来ればいいと言う方は、5階だけに絞って見学すれば、時間のロスもなく名作を効率よく見学できると思います。

オルセー美術館の歴史

オルセー美術館 館内の大時計

オルセー美術館の礎は、1810年にナポレオン1世が古代ローマの宮殿の様な建物を建設した事が始まりでした。しかし、その建物は1871年に焼き討ちにあって廃墟となりました。

1900年、パリ万国博覧会の開催に伴い、オレリアン鉄道会社はその廃墟となっていた場所に終着駅を建設する事を提案します。近代的な建物はパリの景観を損ねると言う反対意見もありましたが、石造りの外壁で建物を覆う事で、その問題をクリアしました。

駅舎は1900年7月14日に落成式を迎え、400室近い客室を持つラグジュアリーなホテルも併設され、当時では類をみない近代的な大型駅が誕生しました。しかし、工業の発展と共に駅の経営は難しくなり、1939年に幹線の運行は中止されました。その後、映画のロケ地に使用されるなどもしましたが、1973年にホテルも閉鎖となりました。

20世紀後半になると、新たなホテルへの改修が計画され、元々の建物は取り壊しが確実視されていました。しかし、政治家「ジャックス・デュアメル」をはじめとする文化庁の働きかけによって建物は保護され、1986年に美術館としてオープンしました。現在もオルセー美術館の建物の外観や内観には、駅舎だった頃の名残が多く残っています。

まとめ

オルセー美術館は、ルーブル美術館に比べると規模的には小さいですが、その分建物の構造もシンプルで非常に見学しやすい場所です。

また、館内は20世紀前半当時の建物をそのまま利用しつつも、現代風にアレンジされているので館内や外観を見学するだけでも、十分に見ごたえのある場所です。ロケーション的にも「ルーブル美術館」や「オランジュリー美術館」から徒歩圏内に位置しているので、時間がある方やミュージアムパスをお持ちの方は是非足を運んでみてください。