オルセー美術館を攻略 – 見どころ、行き方、所要時間、回り方
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パリ
本記事では、オルセー美術館への行き方や入場料金などの基本情報を中心に、当日の入場の流れやチケット購入方法などについても詳しく解説致します。他にも館内の見所やお勧め作品、ミュージアムパスを利用した優先入場方法まで、オルセー観光に役立つ情報が満載です。
オルセー美術館の営業時間・入場料金

オルセー美術館は月曜が休館日で、木曜は夜間まで開館しています。
営業時間 |
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休館日 | 毎週月曜日、5月1日、12月25日 |
入場料金 |
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オーディオガイド | 6 €でレンタル可能(日本語対応) 300以上の音声による作品説明によって、ご自分のペ ースでコレクションを鑑賞できます。ドイツ語、英語、 中国語、韓国語、スペイン語、フランス語、イタリア 語、日本語、ポルトガル語、ロシア語に対応。 |
その他 | パリミュージアムパスでの入場が可能。 |
オンラインでのチケット購入について
オルセー美術館に並ばずに入場するには「パリミュージアムパス」の購入などもお勧めですが、どうしても事前にオルセー美術館のチケットだけを購入されたい方は、以下の4サイトで優先入場チケットの購入が可能です。
チケットは「公式サイト」などで購入するのが最安ですが、「Tiqets」はわずか1,5ユーロの手数料で日本語ページから予約できるかつ、予約手順も簡単なので、こちらの方がお勧めです。
行き方・ロケーション
オルセー美術館はパリの1区、セーヌ川沿いの「ヴェルテール通り」に面して建っています。近場には「ルーブル美術館」や「オランジュリー美術館」「ロダン美術館」など、芸術関連の観光スポットが多くあるほか、コンコルド広場や、パレ・ロワイヤルも徒歩圏内です。
オルセー美術館へのアクセスは、RER C号線か、地下鉄ライン12番を利用するのが便利です。
【地下鉄での行き方】
メトロ12番線「ソルフェリーノ駅(Solférino)」で下車後、オルセー美術館の入場口までは徒歩3分(270m)ほどです。
▼ メトロ12番線 路線図
- フロン・ポピュレール(Front Populaire)
- ポルト ド ラ シャペル(Porte de la Chapelle)
- マルクス ドルモワ(Marx Dormoy)
- マルカデ・ポワソニエ(Marcadet Poissonniers)
- ジュル ジョフラン(Jules Joffrin)
- ラマルク コランクール(Lamarck Caulaincourt)
- アベス(Abbesses)
- ピガール(Pigalle)
- サン ジョルジュ(Saint-Georges)
- ノートルダム・ド・ロレット(Notre-Dame de-Lorette)
- トリニテ デスティエンヌ・ドルヴ(Trinité d'Estienne d'Orves)
- サン ラザール(Saint-Lazare)
- マドレーヌ(Madeleine)
- コンコルド(Concorde)
- アサンブレ ナシオナル(Assemblée Nationale)
- ソルフェリーノ(Solférino)
- リュー デュ バック(Rue du Bac)
- セーヴル バビロヌ(Sèvres Babylone)
- レンヌ(Rennes)
- ノートルダム・デ・シャン(Notre-Dame des-Champs)
- モンパルナス ビアンヴニュ(Montparnasse Bienvenüe)
- ファルギエール(Falguière)
- パストゥール(Pasteur)
- ヴォロンテール(Volontaires)
- ヴォージラール(Vaugirard)
- コンヴァンシオン(Convention)
- ポルト ド ベルサイユ(Porte de Versailles
- コランタン セルトン(Corentin Celton)
- メリー ディシー(Mairie d'Issy)
【RERでの行き方】
RER C号線「ミュゼ・ドルセー駅(Musée d’Orsay)」で下車後、オルセー美術館の入場口までは徒歩1分(70m)ほどです。

【バスでの行き方】
バス路線 24, 63, 68, 69, 73, 83, 84, 94 の何れかを利用して、バスターミナル「Musée d'Orsay駅」などで下車後、オルセー美術館の入場口までは徒歩1分ほどです。
【主要スポットから徒歩でのアクセス】
オルセー美術館と近場の観光スポットの位置関係及び、徒歩アクセスでの所要時間目安は以下の地図を参照ください。赤いマーカーの場所が「オルセー美術館」になります。
- ❶ コンコルド広場から:徒歩9分(700m)
- ❷ オランジュリー美術館から:徒歩9分(650m)
- ❸ ルーブル美術館から:徒歩13分(1.0km)
- ❹ パレ・ロワイヤルから:徒歩17分(1.3km)
- ❺ グラン・バレから:徒歩17分(1.3km)
- ❻ プティ・バレから:徒歩17分(1.3km)
- ❼ オペラ・ガルニエから:徒歩22分(1.6km)
- ❽ シャンゼリゼ通りから:徒歩26分(2.4km)
当日の入口について(優先入場口と一般入場口)
オルセー美術館の入口(エントランス)は、大きく「A」と「C」の入口があり、それぞれに2つづつ(合計4つ)の並び口「A1」「A2」「C1」「C2」が設けられています。
■ Entrance A - A1の並び口 (団体ツアーや特別会員用の入口)A1の並び口は主に「団体ツアー」や、VIP会員などの「特別会員」向けの入口になります。「妊婦の方」や「障害者の方(※要障害者手帳など)」もこの入口から入場できます。
■ Entrance A - A2の並び口(チケット予約者用の入口)A2の並び口は「チケット予約者」専用の入口です。ここで言う「チケット予約者」とは「公式サイト」経由のチケット予約者はもちろん、「GET YOUR GIDE」や「Tiqets」などのオプショナルツアーサイト経由でチケット予約した方が対象です。
■ Entrance C - C1の並び口(パリミュージアムパス保有者などの入口)C1の並び口は、日時指定予約を伴わないチケットやパス保有者の専用入口です。例えば「パリミュージアムパス」「パリ パス リブ」「共通チケット(オルセー美術館とオランジュリーorロダン美術館)」保有者などが該当します。C2並び口の次に混雑する可能性があります。
■ Entrance C - C2の並び口(当日券購入者用の入口)C2の並び口は、主に館内で入場チケットを購入される方用の入口です。4つの入口の中では最も混雑します。18歳未満の方で無料入場(要ID提示)を利用する方もこの入口から入場します。
WEBでチケット予約済みの方は「Entrance A」の「A2」並び口に、パリミュージアムパスを利用する方は「Entrance C」の「C1」並び口に、 館内で当日券を購入する方は「Entrance C」の「C2」に、それぞれ並んで入場してください。
見学開始までの流れ
どの入り口から入場した場合も、最初にセキュリティチェックがあります。セキュリティチェック通過後、チケット確認ゲート(画像下)があるので、予約書や入場チケットを提示して見学エリアに入場します。
館内で当日券を購入される方は、セキュリティチェック通過後にチケット販売窓口があります。ここでチケット購入し、そのまま流れに沿って、チケット確認ゲートに進みます。
チケット確認ゲートを通過した後、右手奥にはクロークルームがあるので、荷物やコートがある方は預けることができます。
クロークルームを右手にしてまっすぐ進んだ先が見学エリアになります。
見学エリアに出てすぐのところ(右斜めあたり)にインフォメーションがあります。ここで日本語の館内マップを忘れずに入手してください。
下は0階(地上階)の入口付近の地図です。こちらも参考にしてください。赤で塗られているのが展示エリアです。
インフォメーションの反対側はオーディオガイドのレンタルカウンターになっています。
レンタルされる方は、窓口の係員に「ジャパニーズ ワンアダルトプリーズ(日本語 大人一人)」などと言えば、簡単にレンタルできます。イヤフォンなどは付属しておりませんので、耳をオーディオガイドに当てて解説を聞く形になります。
見学の準備が整ったら、館内の至る所にある案内板(画像下)や地図を頼りに見学を開始してください。
下画像の階段の先が見学エリアになっています。中央に彫刻が並び、両翼に絵画が展示されています。
オルセー美術館の回り方
オルセー美術館はそこまで大きな美術館ではありませんので、気の赴くままに見学しても、それなりに見どころを網羅できると思います。
しかし、限られた観光時間を有効に使いたい方は以下の順路で見学するのがお勧めです。
- ↓ 5階で絵画・大時計を鑑賞
- ↓ カフェ・カンパーナで休憩(5階)
- ↓ テラスで記念撮影(5階)
- ↓ 2階で彫刻鑑賞
- ↓ 0階で絵画と彫刻鑑賞
- ↓ ミュージアムショップでお土産探し(0階)
オルセー美術館に入館したら、まずは、ゴッホ、ルノワール、マネ、モネなどの有名画家の作品が集中する、最上階の5階から見学を開始します。
また、5階には絶好の記念撮影スポットで混雑必須の「大時計」がありますのでお見逃しなく。
もし、朝一番でオルセー美術館を訪れる方は、5階にあるこの「大時計」に真っ先に向かえば、人込みで混雑する前に、並ばずに「大時計(画像上)」の前で記念撮影ができます。
5階の絵画と大時計の見学後は、同じ階にある「カフェ・カンパーナ(画像下)」で、休憩がてらのティーやスイーツタイムがお勧めです。参考までに、大時計はこのカフェ内に1つと、5階の奥に一つ、合計2つあります。
5階で絵画と大時計を堪能したら、2階、0階の順で見学をしていきます。
ちなみに、2階に関しては、彫刻のみの展示になるので、興味や時間のない方はスキップしてしまってもよいと思います。ただし、2階には、オルセー開館当初からある「ミュゼ・ドゥ・オルセー・レストラン」がありますので、時間に余裕のある方は、入り口付近から中を覗き込む程度でも見学してみてください。
夜にオルセーを訪れる方は、このお洒落なレストランでディナーなんて楽しみ方もありだと思います。
2階の見学後は、時間の許す限り地上階(0階)の絵画と彫刻見学を楽しんでください。
お土産探しにミュージアムショップに立ち寄るのもお忘れなく。
観光時間が限られる方や、とりあえずオルセー美術館はゴッホの作品だけ見学出来ればいいと言う方は、5階だけに絞って見学すれば、時間のロスもなく名作を効率よく見学できると思います。
オルセー美術館のフロマップと見どころ

オルセー美術館が収集・展示する作品は、1848年の二月革命から、第一次世界大戦が勃発する1914年までに限られます。
それ以前の作品はセーヌ川を挟んで向かいの「ルーブル美術館」に、1914年より後の作品は「国立近代美術館」に所蔵・展示されています。また、ルーブル同様にオルセーの展示品の幅も広く、絵画のみならず、装飾、建築、写真、デッサン、アールヌーボ様式の家具や陶器、工芸品など多岐に渡ります。
館内は、0階(地上階)、2階、3階、4階、5階の全5フロアで構成され、そのうち作品が展示されているのは、0階(地上階)、2階、5階の3つのフロアになります。残りの3階と4階はほぼ中継階としての役割を担っているだけです。
オルセー美術館では、作者や作風ごとに展示ブロックが区切られ、日本でも有名なゴッホやゴーギャンなどの作品は5階に展示されています。一方、落ち穂拾いで有名な「ミレー」や、笛を吹く少年やオランビアで有名な「モネ」、泉を描いた「ルノワール」などの作品は地上階の0階に展示されています。
オルセー美術館は印象派の殿堂と称される様に、印象派および、後期印象派と呼ばれる巨匠たちの名画が一堂に集結しているのが最大の魅力です。
以下より、館内のフロアマップと主要作品をご紹介致しますが、作品の解説やオルセー美術館の展示作品をより多く知りたい方は、以下の別記事にて、詳細に解説しております。
0階 フロアマップと見どころ
【1〜3】ブグロー、シャセリオー、ドラクロワ、ジェローム、アングル、他
【4】ミレー、ドーミエ
【5】写実主義
【6〜7】ギュスターヴ・クールべ
【8〜10】ジャン・ピエール、ボナール、ドニ、ヴァロットン、ヴュイヤール
【11〜12】ラトゥール、他
【13】ドガ(1870年より前)
【14】エドゥアール・マネ
【15〜16】オリエンタリズム
【18】モネと風景画
【19〜20】セザンヌ、ガシェ医師のコレクション
【22〜23】フランス第二帝政 装飾芸術
【中央廊下】彫刻 1850-1880年
地上階は、中央通路に1850年から1880年制作までの彫刻が並び、その通路を挟む様に左右に絵画展示室がおかれています。展示は、アカデミック美術の画家、ドラクロワ、ジェローム、アングルの絵画はじめ、ミレーの「落ち穂拾い」や「過廃期のローマ人たち」、マネの「オランピア」など名作ぞろいです。オペラ座の彫刻も手がけた彫刻家カルボーの作品「地球を支える四つの世界」も必見です。
※ 作品の展示場所は変わる可能性があるので、最終的には館内のインフォメーションで無料配布されている「館内マップ」を参考に見学を進めてください。
0階の見るべき作品
落ち穂拾い(ジャン・フランソワ・ミレー作 / 1857年)

収穫後の麦の穂を拾い集める貧しい農民のありのままの姿を描いた作品。
過廃期のローマ人たち(ジャン・フランソワ・ミレー作 / 1847年)

オルセー美術館の地上階の中でも一際巨大なこの「過廃期のローマ人たち」は、縦466×横775cmの大きさを誇ります。
晩鐘(ジャン・フランソワ・ミレー作 / 1857~59年)

パリ南方の郊外にある小さな田舎村「バルビゾン村」で、農作業を行う農夫の姿を描いた作品。
踊るジャンヌ・アヴリル(ロートレック作 / 1892年)

ムーラン・ルージュの花形の踊り子であった「ジャンヌ・アヴリル」がフレンチカンカンを踊る姿を描いた作品。
泉(ジャン・オーギュスト・ドミニク・アングル作 / 1863年)

この作品はアングルがフィレンツェに滞在していた1820年頃に制作をスタートをしました。その後は彼の弟子たちによって完成されました。
笛を吹く少年(エドゥアール・マネ作 / 1866年)

絵画のモデルとなっているのは、マネの友人である軍人が連れてきた少年で、衣装はその友人から借りたものだと言われています。
エミール・ゾラの肖像(エドゥアール・マネ作 / 1868年)

フランスの作家で批評家でもあった「エミール・ゾラ」を描いた作品。背景には日本の力士が描かれています。
スミレの花束をつけたベルト・モリゾ(エドゥアール・マネ作 / 1872年)

作中のモデルとなっている女性「ベルト・モリゾ」は、19世紀印象派の画家の一人です。
オランピア(エドゥアール・マネ作 / 1863年)

制作された当初は大胆な作風によって大きな非難を浴びた作品。1865年のサロンに入選した事で大きな衝撃を与えました。オランビアは当時の人ならば誰でも知っている夜の仕事を生業にする女性の呼び名です。
バジールのアトリエ(フレデリック・バジール作 / 1870年)

初期の印象派を代表する画家のひとりである「フレデリック・バジール」自身のパリのアトリエを描いた作品。
地球を支える四つの世界(ジャン=バティスト・カルポー作 / 1872年)
本作は、ヨーロッパ、アジア、アメリカ、アフリカの四大陸を表す擬人化された女性像が、天球儀を支える姿が表現されています。
2階 フロアマップと見どころ
【50】メダルギャラリー(Galerie des médailles)
【51】Salle des fêtes
【52〜53】装飾芸術 折衷主義とジャポニスム
【55】第三共和統治下の美術と社会
【56】ワークフィギュア(Figures du travail)
【59】象徴主義
【61〜66】アールヌーボー(ベルギー/スペイン/フランス/イタリア)、クローデル、ロダンなど
2階はクローデル、ロダンなど、アールヌーボーを代表する芸術家の彫刻や、工芸品、陶器などが展示されています。また、このフロアにはレストランやテラスなども併設しているので、休憩には一休みするには持ってこいのフロアです。
2階の見るべき作品
※ 作品の展示場所は変わる可能性があるので、最終的には館内のインフォメーションで無料配布されている「館内マップ」を参考に見学を進めてください。
弓を射るヘラクレス(アントワーヌ・ブールデル作 / 1853年)
ステュムパーリデスの鳥を英雄ヘラクレスが、毒矢で射る瞬間が表現されています。
歩く男(オーギュスト・ロダン作 / 1907~1910年)
本作は、人体を部分的に構成し、地面をしっかりと捕らえた両足を強調する事で、歩く人の最初と最後の動きを見事に表現しています。
5階 フロアマップと見どころ
【29〜37】印象派と新印象派モネ、マネ、ルノワール、ドガ、セザンヌ、ピサロ、シスレー、スーラ、シニャック
【38〜40、42〜45】ポスト印象派ベルナール、ゴーギャン、ルドン、セリュジエ、ゴッホ
【41】グラフィック・アート
【46】ル・シャ・ノワール
【47】シネマ (1895-1914)
5階はオルセー美術館が誇る名作が集結しているメイン展示エリアです。「ゴッホ」や「モネ」「ルノワール」など印象派と新印象派画家達の名画が集結しています。館内はライトや環境などにも大きなこだわりがあり、印象派特有の色調が目立つような工夫がなされています。
※ 作品の展示場所は変わる可能性があるので、最終的には館内のインフォメーションで無料配布されている「館内マップ」を参考に見学を進めてください。
5階の見るべき作品
シエスタ(フィンセント・ファン・ゴッホ作 / 1890年)

ゴッホが精神病院に入院していた時に描かれたフランスの田園風景をモチーフにした作品。
自画像(フィンセント・ファン・ゴッホ作 / 1889年)

シエスタと同時期に描かれたゴッホの自画像。背景や絵のタッチからゴッホの内面に秘めた激しい感情が伝わってきます。
オヴェールの教会(フィンセント・ファン・ゴッホ作 / 1890年)

「オヴェール」は「パリ」の北西にある街で、ゴッホが自らの人生に幕を閉じた場所でもあります。
医師ガジェの肖像(フィンセント・ファン・ゴッホ作 / 1890年)

ゴッホがパリ近郊の「オヴェール」で精神の治療を受けていた時の担当精神科医「ガシェ医師」を描いた肖像画。
アルルの寝室(フィンセント・ファン・ゴッホ作 / 1889年)

ゴッホが南フランスのプロヴァンス地方にある「アルル」にいた時の寝室を描いた作品。
ローヌ川の星月夜(フィンセント・ファン・ゴッホ作 / 1888年)

フランス南東部を流れる全長 812kmの「ローヌ川」に映るロマンチックな星空と、腕を組んで歩くカップルをムーディーに描いた作品。
ウージェーヌ・ボックの肖像(フィンセント・ファン・ゴッホ作 / 1888年)

ゴッホの友人であり、ベルギー出身の画家「ウージェーヌ・ボック」を描いた肖像画。
イタリアの女(フィンセント・ファン・ゴッホ作 / 1887年)

作中のモデルは、パリで「カフェ・タンブラン」というカフェを営む女性「アゴスティーナ・セガトーリ」です。イタリアのナポリ出身であったため「イタリアの女」というタイトルが付けられています。
ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会(オーギュスト・ルノワール 作 / 1876年)

かつて、モンマルトルの丘上にあったダンスホールを舞台にした作品。
【展示室29】草上の昼食(エドゥアール・マネ 作 / 1863年)

印象派の父と呼ばれる「マネ」が1863年の落選展に出品した作品。
都会のダンス(オーギュスト・ルノワール 作 / 1883年)

田舎のダンスと対になる作品で、パリ市内におけるお洒落な男女2人のダンス姿が描かれています。
田舎のダンス(オーギュスト・ルノワール 作 / 1882〜1883年)

都会のダンスと対になる作品で、セーヌ川河畔の行楽地でのダンス場面が描かれています。
日傘の女(右向き)(クロード・モネ作 / 1885年)

二つで対を成す人物画で、モデルはモネのお気に入りのシュザンヌと言う18歳の女性で、セーヌ川の島の土手上で描かれました。
日傘の女(左向き)(クロード・モネ作 / 1885年)

左向きのシュゼンヌはやや下のアングルから描かれています。こちらの方が草むらが力強く描かれているのが分かります。
ルーアンの大聖堂(クロード・モネ作 / 1893年)

構図は変えず、天候や季節、時間帯などの条件だけをかけて描いた連作のうちの一枚。
リンゴとオレンジ(セザンヌ作 / 1895~1900年)

セザンヌは静止画を最も絵のモチーフとして取り上げた画家として知られ、一つの静止画の中に複数の視線と角度が入り混じっている作風が特徴です。
アブサント(ドガ作 / 1876年)

女性の前に置かれているグラスのお酒が、作名でもある「アブサント(アブサン)」です。アブサントとは、ヨーロッパ各国で作られている薬草系リキュールの一つです。
床に鉋をかける人々(ギュスターブ・カイユボット作 / 1875年)

上流階級出身の画家「カイユボット」が、下層階級の労働者を写実的に描いた作品。
タヒチの女たち(ポール・ゴーギャン作 / 1891年)

ゴーギャンが初めてタヒチを訪問してすぐに描いた作品の一つ。
美しきアンジェール(ポール・ゴーギャン作 / 1848~1903年)

ゴーギャンがサトル夫妻へのお礼として、夫妻の当時21歳の娘「アンジェール」を描いた作品。
5階 その他の見どころ
大時計
オルセー美術館のシンボルと言えば、この大時計です。大時計はオルセー美術館随一の記念撮影スポットとなっており、常に写真撮影待ちの人で溢れています。
Water Block - ウォーターブロック(吉岡 徳仁作 / 2002年)
オルセー美術館の常設展示エリアにあるベンチは、日本人のデザイナー「吉岡 徳仁」さんのデザインです。光の加減によって氷の様にも、中に水が流れている様にも見えます。
テラス
オルセー美術館5階のテラスからは、パリのセーヌ川方面の景色を楽しむ事ができます。テラスが開放されていない日もありますが、天気の良い日などは、絶好の記念撮影スポットになります。
レストランとミュージアムショップ
オルセー美術館は、絵画や彫刻だけではなく、レストランやお土産屋(ミュージアムショップ)も大きな見どころの一つです。
レストラン・カフェ
オルセー美術館内では、レストランが1件、カフェが2件営業しています。
カフェ・カンパーナ(5階)
「カフェ カンパーナ」は、ブラジルの有名なデザイナー「カンパーナ兄弟」によって設計されたオルセー美術館5階のカフェレストランです。メイン料理やデザートの提供はもちろん、ホッドリンクは3〜5ユーロぐらいから注文可能です。5階の展示作品を見学後、2階と0階を見学する前に、ここでティータイムで一休みする休憩場所としてお勧めです。結構、混雑している事が多いので、その場合は0階奥のカフェの利用がお勧めです。
営業時間 |
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ミュゼ・ドゥ・オルセー・レストラン(2階)
ミュゼ・ドゥ・オルセー・レストランは、1900年の開館当初からある、オルセー美術館内では最も高級なレストランです。夜間開館の木曜日などは夜まで営業しているので、作品見学後のお洒落ディナーなどにもお勧めです。レストラン内は、見事な天井画や美しいシャンデリアで飾られ、その辺の高級レストランよりは格段にお洒落な雰囲気があります。雰囲気のわりに料金設定もそこまで高くはありません。
営業時間 |
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カフェ(0階)
オルセー美術館の0階の奥には、カジュアルで手軽に利用しやすいカフェがあります。どっしり腰を据えて休憩できる感じではありませんが、少人数や一人でちょこっと休憩するには便利な場所です。
ミュージアムショップ(お土産屋)
オルセー美術館には、グッズなどを販売するミュージアムショップも営業しています。ゴッホやルノワールなどの作品をあしらった商品をはじめ、オルセー美術館ならではのグッズが多数販売されています。
ミュージアムショップの営業時間は、オルセー美術館の営業時間とほぼ同じになります。
営業時間 |
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オルセー美術館のミュージアムショップで販売されている商品の一部もご紹介いたします。
まずはこちら、オルセー美術館の展示作品をあしらった「マグネット」です。バラマキ土産にもってこいの商品ですね。
定番商品のマグカップにも、オルセー美術館のロゴやゴッホの絵画があしらわれています。
折りたたみ傘や扇子、鉛筆などの文房具も販売されています。下はモネ作の睡蓮のマグカップです。
ゴッホやモネ、ルノワールの作品が描かれた大サイズのポストカードはかなり豊富なラインナップです。
オルセー美術館のマスコット的存在、フランソワ・ポンポン作のシロクマの人形もあります。小サイズだと5ユーロなのでお買い得です。
本記事で紹介するミュージアムショップのお土産は以上ですが、他にもトートバック、クッションカバー、クリアファイル、靴下、スカーフなど幅広く販売されています。是非、ギフトショップにも立ち寄って、お土産探しも楽しんでください。
所要時間の目安
オルセー美術館観光の所要時間の目安は2時間〜3時間ほどです。
上記は「ゴッホ」や「モネ」など、ガイドブックなどで紹介されている有名作品だけに絞って観光した場合の所要の目安です。
オルセー美術館は、広さ3万5000m²、常設展示の作品数は約4,000点ほどになります。ルーブルと比べるとおおよそ9分の1ほどの展示数になりますが、美術館の規模としては十分に大規模です。全作品を網羅するには、最低でも所要半日は必要だと思います。
ただし、一つ一つの作品鑑賞にかける時間は人それぞれなので、じっくりと全作品を鑑賞したいとお考えなら、半日ぐらいは「オルセー美術館」のために予定を確保しておくのがお勧めです。
お勧めの訪問時間と曜日

オルセー美術館を訪問するなら、夜間入場(21時45分まで営業)がある木曜日の18時以降がお勧めです。しかも、木曜日の18時以降のチケット「Late opening rate」は、通常よりも4ユーロ安い、12ユーロで公式サイトから予約する事ができます。
夜間の訪問が厳しい方は、比較的混雑が緩やかな週の中日、 水曜から金曜日あたりの訪問がお勧めです。
逆に、休館日前後に当たる「日曜」と「火曜」、更に「土曜の夕方」の訪問は、混雑する場合が多いので、あまりお勧めしません。
以下は、オルセー美術館の公式サイトで以前に公開されていた、曜日と時間帯毎の混雑傾向を表で示したものになります。あくまでも目安ですが、参考にしてください。
9.30〜13:00 | 13.00〜18:00 | 18.00〜21:45 | |
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火曜 | 混雑 | 混雑 | - |
水曜 | 普通 | 普通 | - |
木曜 | やや混雑 | やや混雑 | 普通 |
金曜 | 普通 | 普通 | - |
土曜 | やや混雑 | やや混雑 | - |
日曜 | 混雑 | 混雑 | - |
火曜日は「ルーブル美術館」の休館日であるため、混雑する傾向がかなり強いです。日曜日は元々混雑しやすいですが、完全無料入場日である、毎月第1日曜日は、特に混雑します。
オルセー美術館の歴史
オルセー美術館の礎は、1810年にナポレオン1世が古代ローマの宮殿の様な建物を建設した事が始まりでした。しかし、その建物は1871年に焼き討ちにあって廃墟となりました。
1900年、パリ万国博覧会の開催に伴い、オレリアン鉄道会社はその廃墟となっていた場所に終着駅を建設する事を提案します。近代的な建物はパリの景観を損ねると言う反対意見もありましたが、石造りの外壁で建物を覆う事で、その問題をクリアしました。
駅舎は1900年7月14日に落成式を迎え、400室近い客室を持つラグジュアリーなホテルも併設され、当時では類をみない近代的な大型駅が誕生しました。しかし、工業の発展と共に駅の経営は難しくなり、1939年に幹線の運行は中止されました。その後、映画のロケ地に使用されるなどもしましたが、1973年にホテルも閉鎖となりました。
20世紀後半になると、新たなホテルへの改修が計画され、元々の建物は取り壊しが確実視されていました。しかし、政治家「ジャックス・デュアメル」をはじめとする文化庁の働きかけによって建物は保護され、1986年に美術館としてオープンしました。現在もオルセー美術館の建物の外観や内観には、駅舎だった頃の名残が多く残っています。
まとめ
オルセー美術館は、ルーブル美術館に比べると規模的には小さいですが、その分建物の構造もシンプルで非常に見学しやすい場所です。
また、館内は20世紀前半当時の建物をそのまま利用しつつも、現代風にアレンジされているので館内や外観を見学するだけでも、十分に見ごたえのある場所です。ロケーション的にも「ルーブル美術館」や「オランジュリー美術館」から徒歩圏内に位置しているので、時間がある方やミュージアムパスをお持ちの方は是非足を運んでみてください。
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