サン・パウ病院 観光ガイド – 行き方、入場料金、見どころ
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バルセロナ
本記事では、バルセロナを代表するモダニズム建築「サン・パウ病院」の観光情報をお届けします。サン・パウ病院への行き方、入場料金、見どころ、回り方、所要時間など、サン・パウ病院を観光する上で役立つ情報が満載です。
サン・パウ病院とは
モダニズム建築の至宝と称される「サン・パウ病院」は、バルセロナ市内に合った6つの病院を合併して建設された巨大病院です。正式名称は「サンタ・クレウ・イ・サン・パウ病院」と言います。
サン・パウ病院建設以前、20世紀初期のバルセロナには、総合病院と呼べるような大きな病院は一つもありませんでした。この事を生前から案じていた銀行家「パウ・ジル」の遺言に従って、彼の遺産がサン・パウ病院の建設費用として投じられました。
建設は1902年に着工され、設計にはガウディの当時のライバルでもあった「ルイス・ドメネク・イ・モンタネール」が担当しました。
残念ながら、ドメネクの生前に施設を完成させる事は出来ませんでしたが、彼の息子がその意志を受け継ぎ、着工から28年後の1930年にサン・パウ病院は完成を迎えました。
1997年には、サン・パウ病院の施設と建築群がユネスコの世界遺産にも登録されています。
その後、2009年までは、実際の病院として使用されていましたが、全患者と医療設備が完全に新病院に移設されると、病院としての役目を終えました。
現在のサン・パウ病院は、バルセロナの人気観光スポットの一つとなっています。チケットを購入して入場すれば、内部の装飾や彫刻、建設群などを間近で見学することができます。
サン・パウ病院の基本情報
サン・パウ病院の見学には、ご自身のペースで見学できる「自由見学(Self-Guided Visit)」と、ガイド付きで見学する「ガイドツアー(Guided Visit)」の2種類があり、それぞれ営業時間と入場料金が異なります。ガイドツアーに日本語はないので、基本は自由見学のチケットを購入して見学する形になると思います。
営業時間・休館日
自由見学(Self-Guided Visit)
【11月〜3月】- ・午前9時 - 午後5時30分(月-土曜)
- ・午前9時30分 - 午後3時(日曜祝日)
- ・午前9時 - 午後7時(月-土曜)
- ・午前9時30分 - 午後3時(日曜祝日)
入場は営業時間の30分前までとなります。
ガイドツアー(Guided Visit)
【金、土、日、祝日】- ・英語ツアー:午前11時〜
- ・スペイン語ツアー:午前12時〜
- ・カタルーニャ語ツアー:午前12時30分〜
- ・フランス語ツアー:午前10時30分〜
休館日
4月23日、9月24日、第1日曜日
チケット料金
12歳未満の入場は無料ですが、大人の同伴が必要となります。
自由見学(Self-Guided Visit)
- ・15ユーロ(大人)
- ・10.5ユーロ(12〜29歳以上)
- ・無料(12歳未満)
ガイドツアー(Guided Visit)
- ・20ユーロ(大人)
- ・14ユーロ(12〜29歳以上)
- ・無料(12歳未満)
オーディオガイドレンタル(Audio guide)
4ユーロ
サン・パウ病院のチケット予約・購入方法
サン・パウ病院のチケット予約・購入方法には大きく以下の3つの方法があります。
① サン・パウ病院の公式サイトでオンライン予約サン・パウ病院の入場チケットは、サン・パウ病院の公式サイトから事前にオンライン予約を行う事ができます。サイトの言語は英語になりますが、予約を完了するとメールアドレス宛にPDFのチケットが添付されてきます。当日はチケットオフィスに立ち寄る必要がなくなるので観光までの流れがスムーズです。
② GET YOUR GIDEからオンライン予約GET YOUR GIDEというサイトの「バルセロナ:サン パウ病院 入場チケット」ページからも「サン・パウ病院」のチケットを手数料なしの定価でオンライン予約する事が可能です。予約完了後は公式サイトと同様にPDFのチケットがメールアドレスに添付されてきます。予約手続きは日本語ページからできる上、予約に指定した日の24時間前までならキャンセル無料となっています。公式サイトで予約するのと全く遜色がないので、サン・パウ病院のチケット予約は、このGET YOUR GIDE経由がお勧めです。
③ 現地のチケットオフィスで購入サン・パウ病院のチケットは、当日に館内のチケットオフィスで購入する事が可能です。訪問時期や時間にもよりますが、サグラダファミリアの様に当日券が売り切れになるほどの混雑はありません。予約が面倒という方は現地購入でも問題ないと思います。
サン・パウ病院のチケット予約・購入方法については以下の記事にて詳しく解説しております。
行き方・ロケーション・入口
以下は、サン・パウ病院周辺の地図になります。
● サン・パウ病院 入口、● サン・パウ病院、❶地下鉄 L5線 サン・パウ駅(Sant Pau/Dos de Maig)、❷サグラダ・ファミリア、❸ガウディ通り
サン・パウ病院は、バルセロナの中心部、サグラダファミリアの北側約900mほどの場所に位置しています。サグラダファミリアからアクセスする場合は「❸ガウディ通り」という南北に伸びる通りを北側に歩いて徒歩12分ほどです。地下鉄の最寄駅は「❶地下鉄 L5線 サン・パウ駅(Sant Pau/Dos de Maig)」になり、駅から「● サン・パウ病院 入口」までは徒歩3分ほどです。
サン・パウ病院の入口と入場の流れ
サン・パウ病院の敷地は広大ですが、入口は一つで、建物の南側にあります。丁度、「ガウディ通り」の北端と、「カルテジェナ通り」、「サンタントニ・マリア・クラレト通り」の3つの通りが交差する地点です。

門をくぐると中庭に出ます。この中庭のすぐ右手側にチケットオフィスと有料エリアへの入場口があります。

建物に入場すると、ギフトショップがあります。このギフトショップとインフォメーションを右手にして奥に進みます。

奥に進むと右手側にチケットカウンター、左奥にセキュリティチェックがあります。

予約者の方は直接セキュリティチェックを、当日券を購入する方はチケットカウンターでチケット購入してからセキュリティチェックを受けます。セキュリティチェックを抜けた後は、自由に観光をスタートしてください。
サン・パウ病院の回り方
サン・パウ病院の見どころ
多柱式ホールとトンネル
サン・パウ病院で誰もが最初に足を踏み入れる見学スポットがこの「多柱式ホール」です。このホールはサンパウ病院の「管理事務局」という建物の下に位置する場所で、サン・パウ病院が病院として機能していた頃は、救急サービスの場所として利用されていました。
多柱式ホールを順路に沿って進んで行くと、中庭の見学スペースへと繋がるトンネルがあります。

サン・パウ病院は複数の建物練が敷地内に連なっていますが、全ての建物はこのトンネルで繋がっています。当時はきっと「多柱式ホール」に運ばれた患者さんや医師達はこの「トンネル」を通っていろんな病棟を行き来していたと容易に想像できます。
ただし、観光客が移動できるトンネルの範囲は見学順路に沿った一部のみです。
また、ちょっとシュールですが、トンネルの壁面には医師や赤ちゃんなどの映像が投写されています。なぜかちょっとホラーチックです。

庭園
トンネルを順路に沿って進み奥の階段を上がると、この庭園に出ます。

庭園はサン・パウ病院観光の起点となる場所で、この場所に面して見学可能な複数の建物練が東西南北に連なっています。どの建物を見ても芸術的で、写真撮影を行うには絶景のスポットです。
建設初期の計画では、病棟やサービス棟を含む全48連の建物が並ぶ予定でしたが、最終的には27連にとどまりました。複数の建物に分散して建設しているのは、設計者の「ドメネク」が、建物を分散させる事で、新鮮な空気や日光を効率的に館内に取り込もうと考えたからです。巨大な建物が患者に威圧感を与える事を避けるという意味もありました。

庭園の木々や自然環境も病院を病院として機能させるには不可欠な存在で、草木が空気の浄化や湿度調整の役割を果たしていました。サン・パウ病院の全ては、芸術性だけでなく患者ファーストな機能性を兼ね備えて建設されています。

聖サルバドール(聖救世主)分館
サン・パウ病院の建物練はそれぞれ装飾が異なり、建築様式にはイスラム美術とゴシック美術を併せ持つスペイン特有の「ムデハル様式」が採用されています。この聖サルバドール(聖救世主)分館は、1916年に初めて患者を収容した分館で、後年に修復も行われました。
手術室(手術棟)
庭園の正面に建つのがこの「手術棟」です。残念ながら中に入館する事はできませんが、壁面には青と白の美しいタイル装飾が施されています。赤字で書かれている文字は著名な医師の名前です。

最上部には両手を天に突き出す様なポーズを取る天使像も飾られています。
手術練後部(裏側)のガラス張りのホールは、かつて主要手術室として使用されていた場所です。

聖ラファエル分館
「聖ラファエル分館」は、かつて看護分館だった建物です。館内は展示スペースとなっており、1920年当時の各分館や入院設備がどの様になっていたかが再現されています。

当時の様子が分かる写真付きのパネルや、病棟の模型なども展示されています。


展示スペースと繋がっている「デイホール」と呼ばれる円形ホール(画像下)も見学可能です。

ここは、起床可能な患者が休憩や面会する際のホールとして使用されていました。
プリシマ分館
プリシマ分館は、設計者のドメネクが手掛けた当時のままの状態で残る数少ない建物です。そのため、壁などもボロボロの状態で、ただ何もない空間が広がっています。

1920年当時は、このスペースの両側にはベッドが並んでいました。その様子は部屋の奥の写真パネルで確認する事ができます。

管理事務分館
サン・パウ病院最大の見どころが、この「管理事務分館」の見学です。館内の装飾はガウディの作品群などと比較しても全く引けを取らないほどの美しさです。
管理事務分館には、庭園に面したガラスのドアから入場できます。

建物に入ってすぐに、美しアーチが並ぶロビーの景観が目に飛び込んできます。

館内のステンドグラスやタイル、モザイク装飾には、ピンクや黄色が多用されています。これは、設計者のドメネクが、色彩の柔らかさで患者に癒やしを与え、精神的にリラックスさせたいという願いがあったからです。サン・パウ病院には、単なる建築美の追究だけでなく、少しでも患者の苦痛を取り除きたいという設計者の強い想いが込められています。
天井のモザイク装飾に目を向けて見ると「A 1905」という文字がありますが、これは建築を開始した西暦になります。

ロビーの景観を堪能したら、奥のメイン階段から2階にあがります。

建物の至るところには、天使や花などをあしらった彫刻や装飾がほどこされています。この階段の装飾もお見逃し無く。

メイン階段の天井にはステンドグラスがあります。ステンドグラスの中や回りの装飾に注目して見ると、ハート型が多用されているのが分かります。こういった部分からもドメネクの患者ファーストの想いが伝わってきます。

大階段を上がると縦長の回廊に出ます。

この回廊のガラス窓越しに「ガウディ通り」と「サグラダファミリア」側の景観を望む事ができます。何気に絶好の写真撮影スポットなのでお見逃し無く。

さて、回廊に面したドアから別の部屋に入ると、この管理事務分館最大の見どころである「ドメネク・イ・ムンタネー・ホール」に出ます。

ここは礼拝堂として利用されていた場所で、絵画やタイル装飾、モザイク画などで美しく彩られています。


ホールの至るところには、花柄のタイル装飾や彫刻が飾られています。

頭上のステンドグラスはシンプルながら、周囲の装飾や光と見事に調和して、どことなく神秘的な雰囲気を醸し出しています。

入口の上部には美しい彫像や彫刻も飾られています。

天井のアーチ部分も洗濯板の様に凸凹しており独特の形状をしています。

2階の見学を終えたら、再び1階のロビーに戻ります。大階段に向かって左側の階段を登って行くと、ステンドグラスが特徴的なガラスドアがあります。

このドアを抜けると、天井のタイル装飾が見事な細長い回廊に出ます。

この回廊に沿っていくつかの小部屋が並んでいます。写真ではわかりにくいですが、小部屋の床にはモザイクタイルの装飾がほどこされています。

回廊の一番奥にはパイプ椅子が並ぶ吹き抜けのホールがあります。光が丁度い具合に差し込んで綺麗です。恐らく会議室か何かで現在も使用されている様です。

このホールの天井もムデハル様式独特の天井装飾で飾られています。

管理事務分館の見どころは以上です。
その他の分館と建物
ここまで本項では、公式パンフレットの見学コースに沿って分館や建物をご紹介しましたが、それ以外の分館や建物も外観だけですかご紹介します。庭園を囲む分館は一見同じに見えますが、全て微妙に装飾やデザインが異なっています。
各分館の違いは非常に見分けにくいと思いますが、ドーム部分や塔の装飾の違いで見分けられます。
各分館や建物の位置は以下の配置図を参考にして見学ください。

向かって左側の聖母が頭に付く分館は女性病棟、右側の聖が頭に付く分館は男性病棟になります。
聖母モンセラット分館

聖レオポルド分館

聖マヌエル分館

聖母カルメ分館

聖母メルセ分館

聖ジョルディ分館

聖ロニア分館

サン・パウ病院の出口
所要時間
サン・パウ病院の観光所要時間の目安は45分~60分ほどです。
60分の持ち時間があれば、かなり余裕を持って見学できます。サン・パウ病院の見学ポイントは意外に多いですが、庭園を中心に狭い範囲に集中しており、誰でもスムーズに回る事ができます。
参考までに、所要30分以下だと、見学はかなり駆け足になってしまうと思います。その場合も「管理事務分館」だけには絶対に立ち寄る事をお勧めします。サン・パウ病院見学最大の見どころです。
まとめ
サン・パウ病院は、ガウディ建築の陰に隠れてしまっていますが、非常に美しい装飾が見事なお勧めの観光スポットです。サグラダファミリアからも徒歩数分圏内なので、サグラダファミリアを観光した後にでも、是非足を運んでみてください。ガウディ建築とはひと味違った装飾が楽しめます。個人的にはカサ・ミラやカサ・バトリョなどよりもお勧めです。
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