プラハ地下鉄 乗り方からチケットの買い方まで徹底解説
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プラハ世界遺産の街であるプラハ市内の交通手段は、車を除くと「トラム」「バス」「地下鉄」の3種類があります。この中で最も利用されているのが「地下鉄」で、チェコ国民の40%が通勤の移動手段として利用しています。
年間の利用人数は6億人にものぼります。プラハの地下鉄の歴史は意外に新しく、誕生したのは約40年前の1974年の事です。元々は冷戦時代に核シェルターを想定して作られたとも言われています。
プラハの地下鉄内は非常に綺麗で、市内を効率よく移動するにはとても便利な移動手段です。プラハ訪問時は、地下鉄を使いこなすとで行動範囲もグッと広がります。
是非、当サイトを参考に、地下鉄マスターを目指してください。また、全ての駅にエスカレータも完備されているので、年配の方や障害者の方も安心して利用頂けます。
地下鉄(メトロ)へのアクセス
チケットとパス
プラハの公共交通機関のチケットは「地下鉄」「トラム」「バス」も全て共通です。一度の使い切りではなく時間制となっておりますので、有効時間内であれば何度でも乗り降り可能です。
例えば「列車→バス」「バス→トラム」などの異なる交通機関をまたがっての利用も可能です。チケットの有効時間は、チケットを機械で刻印して「有効」にした時点からカウントされます。
■チケットの種類について
チケットの種類は複数あり、用途や目的によってチケットの種類を選んで購入する形になります。基本的にプラハは徒歩で観光できる街なので、通常は「30-mininute ticket(30分有効なチケット)」か「90-minute ticket(90分間有効なチケット)」を購入する人がほとんどだと思います。
- 【30-minute ticket(30分間有効なチケット)】
- 大人:24 CZK
- 子供:12 CZK
- 【90-minute ticket(90分間有効なチケット)】
- 大人:32 CZK
- 子供:16 CZK
上記2種類のチケットは街や駅中のキオスク及び、券売機で購入が可能です。
券売機でのチケットの買い方
券売機でのチケット購入は非常に簡単です。購入予定のチケットのボタンを押して硬貨を投入するだけです。チケットのボタンを押してからじゃないと、硬貨が機械に投入できない場合があります。ボタンを押さずに最初に硬貨を入れてようとして焦っている旅行者をよく見かけますので、その場合は焦らずに、まずは購入するチケットのボタンを押してから、硬貨を投入してみてください。投入した硬貨がチケットの金額に達した時点で、チケットが機械の下の部分から発券されます。ちなみに、お札は使用できませんので予め硬貨の用意が必要です。
▲地下鉄の券売機
乗車チケットはバス乗車時に運転手から直接購入も可能ですが、若干値段が高くなりますし、お釣りはもらえないと思った方が無難です。
また、30分や90分有効なチケット以外にも、24時間や72時間などの長時間有効なチケットもあります。種類と金額は以下になります。
- 【Short-term passes(24時間有効なパス)】
- 大人:110 CZK
- 子供:55 CZK
- 【Short-term passes(72時間有効なパス)】
- 大人:310 CZK
- 子供:155 CZK
- 【Long-term passes (1ヶ月〜1年間有効なパス)】
- Monthly(1ヶ月有効):550 CZK
- Quarterly(3ヶ月有効):1,400 CZK
- 5-month(5ヶ月有効):2,450 CZK
- Annual(1年間有効):4,750 CZK
Short-term passes(24時間有効なパス)などのチケットは券売機やキオスクでは購入できないので、各地下鉄駅のチケットオフィスやインフォメーションセンターで購入する形になります。また、Long-term passes (1ヶ月〜1年間有効なパス)は、チケットオフィスのみで購入が可能です。
チケットオフィスはほとんどの主要駅にはあります。(例:Dejvická, Hradčanská, Můstek, Florenc, Hlavní nádraží, Nádraží Holešovice, Náměstí Míruなど)。営業時間は午前6時半から午後6時半まで、ランチタイムなどは閉まっている場合がありますので、ご注意ください。
上の写真は地下鉄の券売機で購入したチケットです。買う場所などによって若干チケットのデザインが異なりますが、見るポイントは一緒です。
①はチケットの有効時間です。写真のチケットは30minと記載されているので、30分有効なチケットになります。
②の部分には刻印後に日時が刻印されます。刻印をせずに列車に乗車すると罰金になります。チケットの刻印方法や列車の乗り方については次項で詳しくご紹介します。
➂はチケットの料金が記載されています。24CZKなので日本円で120円ぐらいです。
地下鉄の乗り方1【チケットの刻印】
プラハの地下鉄はオープンチケットシステムを採用しており、改札はありません。地下鉄に乗る時は、必ず駅入り口付近の刻印機で、チケットに刻印を押して有効にしてください。チケットを有効にしないと罰金が課せられます。結構な頻度でチェックに来るので注意ください。
地下鉄(メトロ)の場合はほとんどの駅で、エスカレーターの前にチケットの刻印機が並んでいます。
刻印機は、ほとんどの駅で階段やエレベータを降りる前にあるので、乗り場のホームに行く前に探してみてください。刻印機は黄色で公衆電話ぐらいの大きさをしているので、すぐに分かります。刻印機を見つけたらチケットを中に入れるだけです。チケットに日付と時間が印字されます。もし印字されなければ、別の機械で印字されるまで試してください。チケットは矢印の方向に印字しないと刻印があっても有効にならないのでご注意ください。
チケットを矢印の方向に刻印機に挿入すると、赤枠の部分に日時が印字されます。
地下鉄の乗り方2【乗車・乗換】
チケットへの刻印が完了したら、後は乗車するだけです。降車駅ではチケットの刻印や回収はありませんが、駅を降りた所で係員に切符の提示を求められる場合があるので絶対にチケットは無くさない様にしてください。
さて、地下鉄の乗り場ですが、乗り場は刻印機や切符売り場よりも下の階にあります。刻印機を通過したら、そのままエスカレーターか階段で下に降りてください。しばらく降りると列車の乗り場にたどり着きます。
地下鉄のホームです。左(①)と右(②)にそれぞれ乗り場があります。
地下鉄ホームに必ずある駅の路線図が書かれた看板です。上の写真はB線の「Můstek」駅のホームにある路線図です。
プラハの地下鉄ホームは進む方向によって、①と②で乗り場が左右に分かれております。また現在の駅は駅名が白背景になっています。上の写真だと「Můstek」駅が現在地になります。
もし、現在地の駅よりも向かって右側に表示されている駅に行きいのであれば、向かって右側の①のホームで電車に乗ります。もし、左側に書かれた駅に行きたいのであれば、向かって左側の②のホームの電車に乗ればよいです。
緑と赤で「A」と「C」と書かれているのは、別の路線への乗換がある事を示しています。プラハの地下鉄には「A線(緑色)」「B線(黄色)」「C線(赤色)」の三つの路線があって行き先によって乗り換える形になります。色とABCで明確に区切られています。
プラハの地下鉄は表示が日本の地下鉄以上に明確です。切符の改札や回収がない点を除けば、後は日本の地下鉄と大して変わりません。焦らずに標識や路線図の意味をじっくり理解すれば非常に簡単に乗りこなせるはずです。
プラハ地下鉄のホームです。電車を待つ人の上には時計版があって、次の電車が来るまでの時間をカウントダウンしています。
■地下鉄のアナウンスとドアの開閉ボタンについて
地下鉄に乗ったら、後は乗車予定の駅で降りるだけです。降りるときはドアにある黄色いボタンを押すと扉が開きます。
上の写真が地下鉄ドアの開閉ボタンです。
列車内に乗るとチェコ語で以下のアナウンスが流れますが、基本的に日本と同じ様な感じなので気にしないでください。
- 1、停車した駅の名前のアナウンス
- 2、次に停車する駅のアナウンス
- 3、ドアが閉まる時に「ドアが閉まります。無理なご乗車はお止めください。」的なアナウンス
- 4、停車駅が別のラインへ乗り換え可能な駅に着いた時、その事をお知らせするアナウンス
地下鉄路線図と運行ライン
プラハの地下鉄は全部で3ラインに別れており、ライン毎に色で区分けされています。この3つのラインが総距離62キロもあるプラハ地下鉄の線路全てを網羅しております。各ラインの詳細は以下になります。
- ラインA(緑色)
- 東側から西側に走るラインで、「Depo Hostivař駅」と「Nemocnice Motol駅」の間を17駅で結んでいます。2015年4月に大きな拡張が行われ、現在はプラハ空港までこのラインAに乗って行く事ができます。それまでは、バスが唯一の空港までの公共交通手段でした。
- ラインB(黄色)
- 東側から西側に走るラインで、「Černý most駅」と「Zličín駅」の間を24駅で結んでいます。
- ラインC(赤色)
- 北側から南側に走るラインで、「Letňany駅」と「Háje駅」の間を20駅で結んでいます。
- ラインD(青色)
- 将来的に建設が予定されている新ライン。2022年から2023年に完成予定。
プラハの地下鉄は全部で61駅あり、まだまだ増えております。各ライン間は以下の3駅で乗り換え可能です。
- ・「Muzeum」… ラインA(緑色)とラインC(赤色)
- ・「Můstek」… ラインA(緑色)とラインB(黄色)
- ・「Florenc」… ラインB(黄色)とラインC(赤色)
上記ライン間の乗り換えは、所要平均、約3分〜5分ほどです。
■運行間隔地下鉄は、午前5時から午後12時の間で毎日運行しています。乗車がピークの時間帯には2分〜3分の間隔で運行、ピークが過ぎる午後7時以降は、4分から9分の間隔で運行しています。列車の運行状況は線路上の時間版で確認できます。
■地下鉄の標識地下鉄内には多くの案内標識がありますが、ほとんどがチェコ語で分かりにくい部分もありますが、キオスクや案内所で情報を得る事ができます。
■地下鉄とトラムの路線図以下は、地下鉄の路線図にトラムの路線図を加えたものです。トラムに乗り換えたい場合などは以下を参照ください。クリックすると別ウインドウで地下鉄路線図のPDFファイルが開きます。
■観光名所と最寄り駅プラハの主な観光名所と、地下鉄の最寄り駅は以下になります。
【プラハ城】… 「Malostranská(ラインA)」駅から徒歩10分
【マラーストラナ広場】… 「Malostranská(ラインA) 」駅から徒歩8分
【旧市街広場】… 「Staroměstská(ラインA)」駅から徒歩5分
【カレル橋】… 「Staroměstská(ラインA)」駅から徒歩5分
【ヴァーツラフ広場】… 「Můstek(ラインA)か(ラインB)」駅から徒歩2分
【長距離バスターミナル(Na Knížec)】… 「Andel(ラインB)」駅から徒歩1分。
【プラハ本駅】… 「Hlavní nádraží(ラインC)」駅から徒歩2分。
まとめ
プラハの面積は東京の約5分の1ほどなので、その気になれば徒歩でも、メインどころの観光名所は全て観光できてしまいます。また、地下に下りる手間を考えると、基本的には、徒歩か地上からそのまま乗車できるトラムを活用した方が観光の利便性は高いです。
しかし、旧市街やマラーストラナ地区などから、新市街やプラハ本駅、長距離バスターミナルなどへ移動する時は、地下鉄を活用しないと20分以上歩く場合もあります。そんな時は、地下鉄を乗りこなす事で、時間も体力も有効活用できると思います。是非、地下鉄を乗りこなして、プラハの観光スポットを効率良く堪能してください。
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