ワットプラケオを攻略 – 見どころ、所要時間、回り方【バンコク観光情報】
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バンコク
本記事では「ワット・プラケオ」の「見どころ」「所要時間」「回り方」を中心に、観光の基本情報についても詳しくご紹介致します。これからワット・プラケオを観光する上で役立つ情報が満載です。
「ワット・プラケオ」の見どころを一覧形式で簡単に紹介
敷地内の「回り方」や「所要時間」「各スポットの詳細」などについては、順を追って解説していきますが、まずは敷地内の見どころを一覧形式でご覧ください。
画像をクリックすると拡大し、「詳細解説へ」ボタンをクリックすると、その見学ポイントの詳細解説部に移動します。
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ジーヴァカ(チーワカ)像
タイ医学の祖である「ジーヴァカ」のブロンズ像。
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プラ・シー・ラタナー・チェディー(仏舎利塔)
内部に釈迦の遺骨を納めるスリランカ様式の黄金仏塔。
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ウィハーン・ヨート(プラ・ビハーン・ヨッド)
ラーマ3世によって建立された白亜の外観が美しい仏堂。
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アンコール・ワットの模型
ラーマ4世がクメール国のアンコールワットに感銘を受けて建立した巨大模型。
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プラ・モンドップ(経堂)
ワットプラケオ初期の建造物の一つで、ラーマ1世による経典「金の法則」が納められています。
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プラサート・プラ・デビドルン(王室専用の御堂)
歴代国王像が納められた御堂。クメール様式のとうもろこし型仏塔(プラーン)が特徴的。
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プラ・スワンナ・チェーディー(2基の黄金仏塔)
ラーマ1世が両親にささげるために建設させた寺院内最古の建造物。
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エメラルド寺院(ワット・プラケオ本堂)
寺院名の由来である「エメラルド仏」を安置する必見の「本堂」。
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回廊の壁画
敷地内を囲む全長1900mの回廊に描かれている壁画。
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8基の仏塔
ラーマ1世の治世中に建設されたタイル貼り装飾が見事な8基の仏塔。
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鐘楼
鮮やかな磁器モザイクの装飾が見事な「鐘楼」。
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プラ・マハ―・モンティエン建物群
7つの異なる建物で構成される緑の屋根が特徴的な建造物。
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チャクリー・マハ・プラサート宮殿
イタリアとタイの建築様式を融合した建造物。1階の博物館エリアの見学が可能。
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ドゥシット・マハ・プラサート宮殿
7層構造の屋根が特徴的な建物。王族の葬儀にまつわる行事などに使用される。
ワット・プラケオ 所要時間の目安
ワットプラケオの観光所要時間の目安は1時間〜1時間30分ほどです。
上記の時間は、下の地図の「ワット・プラケオ」と「王宮」の見学エリアを平均的なペースで回った場合の所要目安です。建物内に入場するのは「ワットプラケオ」側の「本堂(エメラルド寺院)」のみで、それ以外は外観のみを見学する事を想定しております。
特別な期間を除けば「ワット・プラケオ」側で建物内に入場できるのは「本堂」のみとなりますが、「王宮」側にはいくつか入場可能な建物や博物館などがあります。仮に「王宮」側の建物や博物館などにも入場される場合は、トータルで所要2時間〜2時間30分ぐらいは必要になってくると思います。
また、地図上だと「王宮」側の方が見学ポイントが多いですが、見学ボリューム的には圧倒的に「ワット・プラケオ」エリアの方が密度が濃いです。時間の大半も「ワット・プラケオ」側の見学で費やす形になると思いますので、「王宮」側に関しては、外観のみをさっと見学される方がほとんどだと思います。
ワットプラケオの回り方
本記事内で何度か触れておりますが、敷地内には大きく「ワット・プラケオ」と「王宮」の2つの見学エリアがあります。共に東西南北1,900mの外壁に囲まれ、総面積はだいたい東京ドーム4.6個分(218,000㎡)ぐらいあります。
公式HP上で紹介されている見学ポイントは全部で34ヵ所あり、地図上の下側に記した「入場門」から入場すれば、「ワット・プラケオ エリア」「王宮エリア」の順で見学して行く順路になっています。
基本は地図上に記してある番号順に見学して行き、混雑具合や体力と相談しながらコースをカスタマイズして行けば良いと思います。見学開始から終了までの大まかな流れは以下のとおりです。
北側の入場門から「ワット・プラケオ」敷地内に入場
チケット売り場で入場チケットを購入
ワットプラケオの見学エリアに入場して見学
王宮エリアを見学
王宮エリアの北側から見学エリアを出て観光終了
また、「ワット・プラケオ」から「王宮エリア」への移動は、地図上に記した黄色枠線の黒丸の場所から可能です。参考までに、下画像の門が「ワット・プラケオ」と「王宮」を隔てる門になっています。2体の像が目印です。
ワット・プラケオの見どころを徹底解説
「ワット・プラケオ」の公式HP上では、全34箇所の見学ポイントが案内されております。本項ではその中でもお勧めの見学ポイントだけを厳選してご紹介致します。

敷地内マップ内の赤丸は当サイト独自で割り振ったものです。クリックすると拡大画像が別枠で表示されます。
以下より上記14箇所の見学ポイントについて、写真を交えて詳細に解説してまいります。
ジーヴァカ(チーワカ)像
ワットプラケオの敷地に入ってすぐに、ラーマ3世の命によって鋳造された「ジーヴァカ」のブロンズ像が置かれています。「ジーヴァカ」はタイ医学の祖であり、ブッダの主治医だった人物で、像の前には信者が薬をすりつぶすために使用した
プラ・シー・ラタナー・チェディー(仏舎利塔)

「ワット・プラケオ」敷地内の西側に建つ「プラ・シー・ラタナー・チェディー」は、1855年にラマ4世が、アユタヤにある「ワット•プラ・シー•サンペット」を模して建てた仏塔(チェーディー)です。高さは約40mほどで、内部には釈迦の遺骨である仏舎利が納められています。スリランカ様式(セイロン様式)の仏塔外観に見られる金色のモザイクタイル装飾は、19世紀後半のラマ5世時代に施されたものです。

ウィハーン・ヨート(プラ・ビハーン・ヨッド)
アンコールワットの模型の近くにある白亜の建造物「ウィハーン・ヨート」は、ラーマ3世によって建立された仏堂です。建物中央の塔は、タイの古代の王冠型をしており、色鮮やかな中国製の磁器モザイクタイルで装飾されています。
内部には、プラ・ナーク堂から移されたヒンドゥー教の蛇神「ナーク像(ナーガゾウ)」が祀られ、入口は半人半鳥の2体のガルーダ像によって守護されています。
アンコール・ワットの模型

ワット・プラケオの経堂北側にはカンボジアの「アンコール・ワット」の巨大模型があります。この模型は、ラーマ4世が当時属国であったクメール国のアンコールワットに感銘を受けて建立させたものです。この場所に模型を作る事によって、属国のクメールに対してシャム(当時のタイ)の威光を示したとも言われています。模型はかなり精巧につくられています。

プラ・モンドップ(経堂)

大理石の台座の上に建つワットプラケオ初期の建造物の一つ「プラ・モンドップ」。この建物は王室専用の経堂で、ラーマ1世によって書かれた経典「金の法則」が納められています。
経堂の建物は黄金に輝く何本もの柱によって支えられ、入口にはタイ仏教の守護神であるヤック(鬼)とナーク(蛇)の像が経典を守るために立っています。残念ながら建物内に入る事はできません。

プラ・モンドップの外観の装飾はワットプラケオの中でも一際美しく輝いています。

プラサート・プラ・デビドルン(王室専用の御堂)

4重層の屋根を持つ典型的なタイ様式の御堂。1856年にラーマ4世によって、エメラルド仏を安置する目的で建設されました。
しかし、エメラルド仏にまつわる儀式を行うには充分なスペースがなかったため、ラーマ5世時代から仏塔を納める場所となりました。建物は1903年に発生した火災で部分的に焼失しますが、ラーマ6世の時代に修復され、その美しい姿を今に留めています。
中央の屋上にはクメール様式のとうもろこし型仏塔(プラーン)が建ち、その先端には破壊神シヴァのシンボルが飾られています。これは堂内に聖なるものを安置している事を表しており、現在はラーマ1世から9世までのチャクリー王朝のタイ歴代国王像が納められています。
ラーマ1世がチャクリー王朝を起こし、バンコクを首都と定めた記念日「チャックリー王朝記念日(4月6日)」のみ入口が開かれますが、内部を見学する事はできません。
プラ・スワンナ・チェーディー(2基の黄金仏塔)

ワット・プラケオ敷地内中央の東側に建つのが、2基の仏塔「プラ・スワンナ・チェ―ディー」です。この高さ16メートル程の仏塔は、ラーマ1世が両親にささげるために建設させた寺院内最古の建造物です。
角張った造形と輝く金色の外観が特徴で、仏塔の台座はヒンドゥー教の聖典「ラーマ―ヤナ」に登場する猿の神と悪魔が交互に支えています。
エメラルド寺院(ワット・プラケオ本堂)

本堂は、金箔や色ガラスの芸術的な装飾を施した外観が非常に美しく、内部には18世紀のラオス侵攻時に持ち帰った「エメラルド仏」が安置されています。
翡翠(ひすい)で造られた高さ66cm、幅48cmの「エメラルド仏」は、タイの本尊仏として最も人々に崇められており、ワット・プラケオの別名「エメラルド寺院」の由来にもなっています。
現在も仏教の教えを信じる多くの信者がこの仏を参拝するために「ワット・プラケオ」を訪れます。
エメラルド仏は、夏季、雨季、寒季で年に3回異なる衣服をまとい、国王自らが衣替えを行っています。残念ながら内部の撮影は禁止となっていますが、このエメラルド仏は必見です。

回廊の壁画

ワットプラケオの外周は屋根付きの全長1900mの回廊で囲まれ、内壁には全178枚のパネルで構成された壁画が描かれています。
この壁画は、ヒンドゥー教の聖典「ラーマ―ヤナ」の物語をベースに、タイ風にアレンジがされています。ラーマ1世の治世に初めて描かれ、現在に至るまで何度も修復されてきました。
壁画はストーリー仕立てになっており、回廊を時計回りに歩いて行くと、話の時系列に沿って見学できます。絵だけですが内容もなんとなく理解できます。
ストーリーを簡潔に説明しますと、悪魔の王である「トッサカン」に、妃の「シーター」を誘拐された「ラーマ王」が、猿の軍隊の力を借りて「シーター」を取り戻す話です。
8基の仏塔
ワット・プラケオの入口から見て一番奥の東側の壁に沿って、ラーマ1世の治世中に建設された8基の仏塔(プラーン)が並んでいます。
8基のうち2基だけがワットプラケオを囲む回廊の内側にありますが、これはラーマ4世の治世時代に、寺院の壁が拡大されたためです。残りの6基は回廊の外側に建っています。
各塔には八角形の土台と像が置かれた4つの窓があります。仏塔の形状は全て同じですが、タイル貼り装飾の色が異なっています。
これは後年にラーマ3世が色つきの磁器で覆ったためで、各仏塔は色によって、仏教的な様々な意味が込められています。
- 白色:仏陀
- 紺色:仏法
- 桃色:高僧
- 緑色:尼僧団
- 紫色:前世の仏陀
- 青色:国王
- 赤色:観音菩薩
- 黄色:
弥勒菩薩
鐘楼
敷地内の南側には、色鮮やかな花柄と幾何学模様で装飾された尖塔内の上部につり下げられた「鐘楼」があります。この鐘楼はラーマ4世によって建設されたもので、現在はほとんど利用される事はありません。唯一、サンガラージャ(最高位の僧侶)が指名された時だけ鐘が鳴らされ、内部の階段から上がれる構造になっています。
プラ・マハ―・モンティエン建物群
赤い淵に緑の屋根が特徴的な「プラ・マハ―・モンティエン建物群」は主に7つの異なる建物で構成されています。
建物群の最も北側に位置するのが「アマリン・ウイニッチ堂」で、1785年にラーマ1世によって建設されました。この場所は正式な国王への謁見の間として使用されているほか、国王の誕生日や国事に関する重要な儀式なども行われています。
建物群の真ん中あたりに位置する「パイサーン・タクスィン堂」では戴冠式などが行われ、玉座に座った国王が国民を守る事を宣誓します。また、タイの守護神でもある神像を安置する祭壇なども置かれています。
そして最も南側に位置する「チャクラバーピマン堂」の内部には国家の紋章などが飾られているほか、国王の宝器や装具などが保管されています。
チャクリー・マハ・プラサート宮殿

「チャクリー・マハ・プラサート」の外観はイタリアとタイの建築様式が融合しているのが特徴で、建物の入口には礼装をした衛兵が立っています。この宮殿はラーマ5世の命によって建設が開始され、1882年のバンコク王朝100年際の時に完成しました。現在は2階が迎賓館として、国賓の訪問時に、公式の宴会が催される場所となっています。見学できるのは、1階の博物館のエリアのみになります。
ドゥシット・マハ・プラサート宮殿
チャクリー宮殿に向かって右側に建つのが7層構造の屋根が特徴的なこの「ドゥシット・マハ・プラサート宮殿」です。ドゥシット宮殿は王宮の中では最も古く、ラーマ1世の統治時代であった1789年に建立されたものです。この宮殿には、王の死後、一時的に遺体が安置されるほか、王族の葬儀にまつわる行事などが行われます。
ワット・プラケオ 観光基本情報(入場料金・営業時間など)

「ワットプラケオ」の営業時間や入場料金などの基本情報は以下のとおりです。
名称 | ワット・プラ・ケオ(エメラルド寺院) |
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営業時間 | 08:30〜16:30 (チケット購入は15:30まで) |
入場料金 | 500バーツ |
オーディオガイドレンタル | 200バーツ【対応言語】日本語、英語、タイ語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、中国語、ロシア語 |
最寄り駅 |
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住所 | Thanon Naa Phalaan khween Pra-Barom Mahaa-Rachawang, Khet Phranakhorn,Bangkok |
公式サイト | ワット・プラケオ公式サイト |
最終チケット購入時間と入場最終時間が異なりますので、ご注意ください。
ワット・プラケオのロケーション
ワット・プラケオは、チャオプラヤー川東側の「ターチャン船着場(Tha Chang)」から徒歩2分〜3分の場所に位置しています。「ターチャン船着場」までは、バンコク中心部の「サトーン船着場(sathorn / Taksin)」から水上バスで所要約30分ほどです。
「ワットプラケオ」へのアクセス方法につきましては、別記事の「ワットプラケオ 行き方と入口を徹底解説」にて詳細に解説しております。
ワット・プラケオ見学時の注意事項
ワット・プラケオと王宮観光時は服装や持ち物にも注意が必要です。
服装に関する注意(ドレスコード)
ワット・プラケオと王宮内にはドレスコードがあり、極端に肌や体の線を露出する様な服装では見学する事ができません。服装のチェックは、敷地内への入口門「ウィセーッチャイシ―門」から入ってすぐの所にチェックする検査員がいます。もし、入場に不適切な服装だと判断された場合は、上着やパンツなどの貸し出しが行われます。その際にパスポートなどを預ける必要があるので面倒です。予め肌の露出の多い服装は避けて訪問するのがお勧めです。
【入場が禁止されている主な服装】
- ・ノースリーブやシースルーのシャツやトップス
- ・半パンやホットパンツ
- ・ミニスカートやキュロットパンツ、タイツ
- ・ダメージジーンズ
上記に記載のない「Tシャツ」や「サンダル」での入場は問題ありません。
【寺院観光はタイパンツがお勧め】
寺院やバンコク市内を観光する際は涼しくて快適な「タイパンツ」の着用がお勧めです。

タイパンツは、バンコク市内のあらゆる露店などでも販売されていますが、ターチャン船着場を降りてすぐの通りにも販売店がいくつかあります。男性なら露店で購入して、トイレなどでさっと着替えてしまうと良いです。料金は100バーツが相場ですが、値切り交渉も可能です。タイパンツは本当に涼しくて快適です。
パスポートについて
基本的にワット・プラケオ訪問でパスポートは必要ありませんが、訪問のタイミングによっては厳重なセキュリティチェックが行われている事が稀にあります。
この場合、荷物検査に加え、「パスポート」の提示を求められる事があります。
これまでワット・プラケオには20回近く訪問しており、セキュリティチェックで「パスポート」の提示を求められたのは1度だけです。
しかし、テロや世界情勢の影響でセキュリティが厳しくなると、前触れなく「パスポート」の提示を求められる事があります。
不用意にパスポートを持ち歩く事はお勧めできませんが、テロなどのニュースがあった際は、念のため持参しておくと、万が一当日に入場できないという自体を回避できます。
また、ピークシーズンなどは入口付近にコンサート会場にある様な低い鉄柵(写真下)が設けられ、その列に沿って行列ができるので、入口が目の前にも関わらず鉄柵に沿って狭い範囲をぐるりと歩かされる場合もあります。

写真撮影の禁止エリアと三脚使用について
敷地内のほとんどの場所で写真撮影は許可されていますが、ワット・プラケオの本堂内や、アマリン・ヴィチャイ宮殿内、王宮建物内などでは撮影は禁止されています。また、基本的に三脚の使用は全てのエリアで禁止されています。
まとめ
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