ワットパクナムを徹底解説 – 回り方、所要時間、見どころ、見学時の注意事項など【バンコク】

バンコク
ワットパクナムのガラスの仏舎利塔

本記事では、バンコクの人気スポット「ワットパクナム」の回り方や所要時間、見どころなどを中心にご紹介致します。これから「ワットパクナム」を見学する上で役立つ情報が満載です。

ワットパクナムとは

ワットパクナムの仏像と装飾、階段など

タイ語で「河口にあるお寺」を意味する『ワットパクナム(Wat Paknam Phasi Charoen))』は、アユタヤ王朝時代に建立された歴史ある寺院です。

タイ国内では、非常に有名な寺院で、タイ仏教の発展に重要な役割を果たした『アンポーソッド氏』が1956年に亡くなるまで「僧正」を務めた事でも知られています。

『アンポーソッド氏』は、坐禅・瞑想の新理論「タマカーイ式瞑想」を生み出した人物として、タイで絶大な人気を誇ります。

2017年より以前に『ワットパクナム』を訪れる観光客はほぼ皆無でしたが、『ガラスの仏舎利塔』の美しさがSNSで話題となり、現在はバンコクでも1、2を争う人気フォトジェニックスポットとなっています。不思議な事に、観光客の割合は圧倒的に日本人が多いです。

『ワット・パクナム』はあくまでも神聖な寺院ではありますが、広さ3万2000㎡の広大な敷地内には「ガラスの仏舎利塔」を筆頭に「博物館」「黄金の大仏」「本堂」など、見応え抜群の複数の見学ポイントが存在しています。

敷地内の「回り方」や「見どころ」は順を追ってご紹介してまいりますが、まずは『ワットパクナム』の基本情報からご確認ください。

正式名称ワット・パクナム・パーシーチャルーン
寺院の等級第3級王室寺院
敷地面積3万2000㎡
営業時間8時00分〜18時00分
定休日年中無休
入場料金無料
行き方MRTブルーラインの「バンパイ駅」の1番出口から徒歩10〜15分
GooleMap
見どころ黄金の大仏、ガラスの仏塔と天井画、テラス、博物館など
所要時間の目安60分〜80分
服装に関する注意事項ノースリーブ、半パン、ミニスカート、キャミソールなどの着用は避ける

ワットパクナムは年中無休で入場料金は無料です。あくまでも神聖な寺院なので服装やマナーにご注意ください。

ワットパクナムの回り方

『ワットパクナム』の見学は、下の『ワットパクナム周辺マップ』に記した緑色の点線のルートで『① 大仏塔』『② 黄金仏像』『③ 本堂』の順で回るのがお勧めです。

ワットパクナム周辺マップ

以下『ワットパクナム』の回り方の解説です。

  1. 『大仏塔』を最上階から見学

    ワットパクナム

    「大仏塔」は全5フロアあり、階段とエレベーターで各フロアを行き来できます。ただし、1階だけは階段で繋がってないので、まずは1階から入場して見学し、そこから、最上階の「ガラスの仏舎利塔」までエレベーターで上がり見学。後は1フロアづつ階段で下りながら2階まで見学して行くのがお勧めです。注意点として、エレベーターは土日のみ利用が可能となっていますので、週末以外は、2階〜5階を最初に見学して、最後に1階を見学するのが効率が良いと思います。展示に興味のない方は1階の見学をスキップするのもありだと思います。

    徒歩で敷地内を1分〜2分移動

  2. 『黄金大仏』を見学

    ワットパクナムの黄金大仏

    『大仏塔』の正面にある大階段から外に出ると、丁度真正面あたりに『黄金大仏』へと続く数10mほどの通路があります。この通路を抜けると広場があり、広場に出て振り返ると、圧巻の姿で『黄金大仏』が聳え立っています。鎌倉の大仏の様に仏像内に入ったりはできませんので、外観のみ思う存分撮影ください。

    徒歩で敷地内を1分〜2分移動

  3. 『本堂』を見学

    ワットパクナムの本堂

    『黄金大仏』を正面にして真後ろ(広場の北側)に、屋根付きの建物とベンチがあります。この屋根付き建物に入って、左方向(西側)に歩いて行くと『本堂』にアクセスできます。『本堂』は現地参拝者の方も多く、非常に神聖な場所なのでマナーにはご注意ください。建物に入る際は靴を脱ぐのもお忘れなく。

  4. 見学終了

    以上、『ワットパクナム』の回り方をご紹介しましたが、敷地内は然程広くはないので、特に回り方に拘らずに散策しても問題ないと思います。お時間と相談しながら自由に楽しんでください。

ワットパクナム 所要時間の目安

ワットパクナム見学の所要時間の目安は60分〜80分ほどです。

上記の所要時間は、敷地内の大きな見どころ3箇所「大仏塔」「黄金大仏」「本堂」を平均的なペースで見学した場合の目安です。「大仏塔」の1階と3階にある博物館の展示品も丁寧に鑑賞する方などは、所要90分〜100分は見ておいた方が良いと思います。

逆に、人気フォトジェニックスポットの「ガラスの仏舎利塔」と「黄金大仏」だけがお目当ての方は、所要40〜50分もあれば十分だと思います。

ワットパクナムの見どころ

『ワットパクナム』の見どころは、大きく分けると【大仏塔】【黄金の大仏】【本堂】の3箇所があります。以下より、それぞれの概要や見学ポイントを紹介してまいります。

ガラスの仏舎利塔が美しい
【マハー ラチャモンコン大仏塔】

ワットパクナムの大仏塔

『ワットパクナム』にある白亜の大理石の外観が美しい【マハー ラチャモンコン大仏塔】は、タイ国王陛下と王妃陛下の72歳の誕生日を記念して、2004年から2012年にかけて建設されました。

日本の方にはフォトジェニックスポットとして人気ですが、本来は、前僧正「ルアンポーワット・パクナム」と仏法僧に帰依を表すための場所であり、タイの方も多く参拝に訪れます。

【大仏塔】の高さは80m、基壇の一辺の幅は52メートルあり、大仏塔の先端は100キロの金で造った宝珠で飾られています。

建物内部は5階層で構成され、基本的に全てのフロアの見学が可能です。人気の「エメラルドグリーンの仏舎利塔」と「天井画」は最上階の5階で見学する事ができます。

各フロアの概要は以下の通りです。

  • 5階:プッタクナーロム室(ガラスの仏舎利塔)
  • 4階:タンマクナーロム室(高僧の仏像を安置)
  • 3階:サンマクナーロム室(博物館 - 仏像・仏教用具などを展示)
  • 2階:タンクナーロム室(瞑想・儀式用ホール)
  • 1階:博物館 - 仏像・民芸品・芸術品などを展示

以下より、各フロアの見どころなどを詳しくご紹介していきます。

5階 プッタクナーロム室 - ガラスの仏舎利塔と屋上テラス

ワットパクナム ガラスの仏舎利塔

最上階まで上がった瞬間に目の前に幻想的な空間が飛び込んできます。中央に堂々と聳え立つのが、エメラルドグリーンに輝くガラスの「仏舎利塔ぶっしゃりとう」です。

「仏舎利塔」の高さは約8メートル、厚さ1cmの緑色のガラスを800枚も精巧に積みあげて造られています。

ワットパクナム ガラスの仏舎利塔の上部

ガラス部分に目を凝らして見ると、何層ものガラスが縦に重ねられているのがはっきりとわかります。

仏舎利塔を覆うドームの中央部分では宇宙が表現され、神秘的な光を発しています。古来より日本の仏教(密教)でも「曼荼羅まんだら」という仏の配置図像を用いて、仏教が持つ宇宙感を視覚的に表現してきました。仏教の教えと宇宙の世界観は常に密接な関係にあります。

ワットパクナム ガラスの仏舎利塔の天井画

ドーム下部の縁に沿って28尊の「釈迦」と、28本の「菩提樹」も描かれています。「釈迦」は「菩提樹」の下で悟りを開いたと言われています。

釈迦と菩提樹の天井画

天井から少し視線を落として、塔の上部に目を向けて見ると、最頂部やや下あたりのスペースに「小さな黄金仏」が収められています。

ガラスの仏舎利塔最上部の黄金仏

かなり小さいので、存在を知らない方は見逃してしまうと思います。綺麗に撮影するには高性能なズームカメラが必要です。

「仏舎利塔」の下部を飾るガラス製の「蓮の花」は、葉脈まで精巧に表現されています。

ガラスの仏舎利塔を飾る「ガラスの蓮の花」

塔の基壇を守る様に配置されているのは80体のガラス製の「ナーガ」です。「ナーガ」は 釈迦が悟りを開く際に守護の役目を担ったとされる蛇の精霊です。

ガラスの仏舎利塔を囲むナーガのガラス像

80という数字は「お釈迦様」がなくなった年齢に関連づけられており、『大仏塔』全体の高さも80メートルあります。

「ガラスの仏舎利塔」を見学後、同階にある「テラス」の見学もお忘れなく。テラスからは、見晴らしの良い景色と「黄金大仏」の後ろ姿を望む事ができます。

大仏塔のテラスから見る黄金大仏の後ろ姿

テラスの通路は広く設けられており、外周に沿って歩く事ができます。

ワットパクナム最上階のテラス

4階 タンマクナーロム室 - 高僧の仏像を安置

ワットパクナム大仏塔 4階 高僧の仏像

4階には『ワットパクナム』の前僧正ルアンボーソッド師の像や、この寺院に関連の深い高僧の仏像が安置されています。このフロアは「タンブン」する場所としても利用されます。「タンブン」とはタイ仏教に根付く言葉で、善行を行って徳を積む事です。

3階 サンマクナーロム室 - 博物館(仏像・仏教用具などの展示)

ワットパクナム大仏塔 3階の博物館

3階は博物館となっており、仏像や仏教関連の資料、宝具などが展示されています。陶器から布製のものまで様々です。

2階 タンクナーロム室 - 瞑想・儀式用ホール

ワットパクナム大仏塔 2階 瞑想・儀式用ホール

2階は、壁面に国王の肖像画が飾られ、正面に3体の坐像が置かれているだけの広い空間です。主にこのフロアは、儀式や集会、メディテーション(瞑想)用のスペースとして利用されています。

1階 - 博物館(仏像・民芸品・芸術品などの展示)

ワットパクナム大仏塔 1階 博物館

1階は仏像やタイの民芸品を展示する博物館になっており、絵画、模型、陶器、家具など幅広い品々が展示されています。像も「高僧」「仏像」「神獣」「動物」など、素材や種類も様々なものを見る事ができます。

高さ65m!迫力満点
【黄金大仏】

ワットパクナムの黄金大仏

この黄金大仏は、総工費608,531,300.66バーツ(約23億円)を投じて、2017年〜2021年にかけて建造されました。元住職の「ソムデット・プラマハ・ラチャマンカラチャーン」が、建設委員長としてプロジェクトを取り仕切りました。

大仏の正式名称は『プラプッタ・タンマカーイ・テープモンコン』と言い、主に3つのパーツ「仏像の基部」「蓮子の基部」「大仏本体」で構成されています。

全体の高さは69mあり、仏像としてはタイで3番目、バンコクでは最大の高さを誇ります。

総重量は741.2トンあり、奥行きは一番深い「仏像の基部」で40m、幅は「大仏本体」の両膝部分で40mあります。

像本体の素材には銅が用いられ、内部には6キロの金製の心臓が納められています。

ワットパクナムの本堂

ワットパクナムの本堂

【本堂】礼拝所の奥には黄金の仏像が3体置かれ、天井からは美しいシャンデリアがかかっています。左右の壁面上部には釈迦の物語が壁画で描かれ、下部には国王や王妃の肖像画などが描かれています。見学エリアの中では、この【本堂】が最も厳粛な雰囲気です。【本堂】はこの礼拝所以外にも立ち入れる場所があるので、マナーを守った上で散策してみてください。

ワットパクナム見学時の注意事項

ワットパクナム見学時の注意事項

『ワットパクナム』見学時の服装やマナーなどの注意事項は以下の通りです。

  1. 服装や身につけているものに注意する。「ワットパクナム」は神聖な寺院です。タンクトップ、ノースリーブ、キャミソール、半パン、ミニスカートなど、肌の露出の多い服装での参拝はNGです。また、建物内では、帽子やサングラスを着用するのもNGです。入口で服装チェックがある訳ではありませんが、見学時や入場時に注意を受けます。

  2. 敷地内の建物は基本的に土足厳禁。「大仏塔」に入場する際は、寺院備え付けのビニール袋に靴を入れて持ち歩く必要があります。ビニールは使い回しなので、衛生的に気になる方はご持参ください。以前は下駄箱がありましたが、盗難防止の観点から、2023年頃より撤去されました。

  3. 靴を入れた袋を持って神聖な場所に近づくのは禁止大仏塔内の神聖な祈り場(ガラスの仏舎利塔など)に近づく際は、一旦、靴の入ったビニール袋をフロアの端に置いてから見学する様にしてください。別のフロアへ移動する際は、再びビニール袋を持って移動し、各フロア到着時に再びビニールを置いてから見学するイメージです。博物館などの展示エリアでは、ビニール袋を持ったままでも大丈夫です。

  4. 撮影時のポーズや振る舞いに注意「ガラスの仏舎利塔」などの神聖な祈り場で写真撮影を行う際は、飛び跳ねたり、ハグしたり、寝そべったり、ヨガポーズをとるなどの行為は禁止です。また、足を伸ばす、足の裏を仏塔に向けるなどもNGです。マナーをしっかりと守って撮影を行ってください。

まとめ - 見学に関する重要ポイント

当記事内でご紹介した『ワットパクナム』観光の重要ポイントをまとめましたので、情報の整理用にご活用ください。

  1. 『ワットパクナム』は年中無休で入場料金は無料

  2. 『ワットパクナム』は神聖な場所なので服装や見学マナーに注意する

  3. 人気フォトジェニックスポット『ガラスの仏舎利塔』は「大仏塔」の最上階で見学できる

  4. 「大仏塔」内はエレベーターを利用すれば全フロア間(1階〜5階)の行き来が可能

  5. 「大仏塔」内のエレベーターは土日しか利用できない。平日は階段で5階まで上がる必要がある

  6. 「大仏塔」内で、2階〜5階のフロア間は階段で行き来できるが、2階から1階の展示フロアには直接階段で行けない。

  7. 「大仏塔」の1階と2階は、それぞれ別々の入口がある。

  8. 『ワットパクナム』には「ガラスの仏塔」以外にも「黄金大仏」や「本堂」などの見どころがある

この記事への質問と回答一覧

  1. ウエノタカトシ より:

    寺院内の案内説明パンフレットが無いのはなぜですか?

    • Amazing-TRIP 管理者 より:

      以前までは「大仏塔」の入口付近で配布されていましたが、コロナ・ウィルス蔓延以降、配布されなくなった可能性があります。

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