【ヴィース教会 行き方】 ミュンヘンやフュッセンからのアクセス方法を徹底解説

ミュンヘン ドイツ
ヴィース教会

ロマチック街道の中でも「ノイシュヴァンシュタイン城」「ローテンブルク」と並んで必須の訪問スポットがこの「ヴィース教会」です。実はノイシュヴァンシュタイン城やローテンブルクは世界遺産ではありませんが、このヴィース教会は1983年に世界文化遺産に登録されている貴重な建造物です。決して大きな教会でこそありませんが、そのロココ様式の美しいフレスコ画は一見の価値があります。

本記事では、ヴィース教会のアクセス拠点として一般的な「ミュンヘン」や「フュッセン」からの行き方を中心に、営業時間や見どころなど、ヴィース教会観光に役立つ情報をお届けしております。

ヴィース教会の営業時間・見学可能時間

ヴィース教会内部の装飾

営業時間
  • ・午前8時~20時(サマータイム)
  • ・午前8時~17時(ウインタータイム)
※ サマータイムは3月の最終日曜日から10月の最終日曜日までの期間。
入場料金
  • 無料

ヴィース教会は営業時間中でも、ミサや特別な行事、見学ツアー、コンサートなどがある時間帯は、個人旅行者の方は教会内部を見学する事ができません。詳しくは以下の時間別スケジュール表をご参照ください。

日・祝日
8-9時×
9-10時×
10-11時××××
11-12時×××
12-13時×
13-14時
14-15時
15-16時
16-17時

以下の時間帯はサマータイムのみです。

日・祝日
17-18時×
18-19時×
19-20時
○ 見学可× 見学不可 ※1△ 見学可 ※2

※1 赤色の時間帯でも、通常のミサ中であれば、教会内部への入場は可能です。ただし、写真やビデオ撮影をしたり歩き回るのは不可です。
※2 ツアーや団体客などの予約が入ってない場合は見学可能。

自由に見学して写真撮影などをしたい場合は、確実に見学可能な緑色の時間帯での訪問をお勧め致します。

本項で掲載している見学スケジュールは、ヴィース教会公式HPの「Visti times(英語)」でもご確認頂けます。

ヴィース教会のロケーション

ヴィース教会は南ドイツのバイエルンという州に位置しています。ミュンヘンからだと南西に約80km〜90kmほど、フュッセンからだと北西に25km〜30kmほどの距離になります。

ヴィース教会、 ミュンヘン中央駅、 フュッセン駅、 ノイシュヴァンシュタイン城

ヴィース教会へ行く場合、恐らくほとんどの方が、ミュンヘンかフュッセンのいずれかを起点としてアクセスすると思います。

以下はミュンヘンとフュッセンから「ヴィース教会」へアクセスする流れを図にしたものです。まずはご覧ください。

ミュンヘンとフュッセンからのヴィース教会への行き方の流れ

ミュンヘンからヴィース教会にアクセスする場合も「フュッセン駅」を経由して行くのが王道のアクセス方法です。

次項より、ヴィース教会への行き方を「ミュンヘン」から「フュッセン」、「フュッセン」から「ヴィース教会」の順で解説していきます。「フュッセン」を起点としてアクセスされる方は「フュッセンからヴィース教会への行き方」の項に移動してください。

ミュンヘンからフュッセンへの行き方

ミュンヘンからフュッセンへの移動は、ドイツの国鉄「DB」を利用します。ミュンヘン中央駅からフュッセン駅まで、乗り換えなしで2時間とちょっとで到着します。以下より、朝7時ごろにミュンヘン駅を出発するモデルスケジュールを例に解説していきます。

ミュンヘン中央駅からフュッセン駅への電車移動の流れ

1

7:51 ミュンヘン中央駅

ミュンヘン中央駅の外観

ミュンヘンから他都市へ電車移動する場合は全てこの「ミュンヘン中央駅」が起点となります。ミュンヘン中央駅の構内に入ったら、電光掲示板や黄色の運行スケジュール表で、フュッセン行き列車の乗車ホームを確認します。

▼ 電光掲示板

駅構内の列車運行表

▼ 運行スケジュール表

運行スケジュール表

ミュンヘン中央駅からフュッセン行きの電車は、ミュンヘン中央駅右奥の「27〜36」のいずれかの乗車ホームから出発します。詳しくは場所は以下のミュンヘン中央駅構内の地図を参照ください。

ミュンヘン中央駅構内の地図

ドイツの電車に日本の様な改札はありませんので、チケットを持参の上でホーム(写真下)に行って乗車します。

ミュンヘン中央駅 乗車ホームミュンヘン中央駅 フュッセン行きの乗車ホーム

ドイツ列車のチケット購入方法や乗車方法に関しては別記事の「ドイツ国鉄 DB チケット予約や当日券の購入方法、乗車の流れまで徹底解説」にて詳しく解説しております。

ミュンヘン中央駅からフュッセンに電車で行く場合、だいたい1時間〜2時間おきに運行している「BRB(バイエルン地域鉄道)」という青色の車体が目印の列車に合わせて行けば、乗り換えなしでフュッセン駅まで移動できます。BRBは、午前5:52発、午前7:52発、午前9:41発、午前11:52発など、朝早い時間帯から複数路線運行しています。

ミュンヘン中央駅に停車する「BRB(バイエルン地域鉄道)」

一方、ミュンヘン中央駅から赤い車体の「RE(写真下)」という電車種を利用すると、Kaufbeuren(カウフボイレン駅)や、Buchloe(ブーフロー駅)などで乗り換えが必要となります。乗換駅での乗り継ぎ時間もかなり短いのであまりお勧めしません。できる限りBRBの出発時間に合わせて駅に来てください。

ミュンヘン中央駅に停車するRE(リージョナルエクスプレス)
ドイツ国鉄 チケットの検札

乗車して座席に座る事ができたら(座れなかった方も)、後は検札員が来るのを待ってチケットを提示するだけです。

「BRB(バイエルン地域鉄道)」のフュッセン行きに座席予約はありませんので、好きな席に座る事ができます。

ただし、2等席のチケットで1等席に座る事はできません。パスポートの提示を求められる事は稀ですが、パスポートは最も信頼できるご自身の身分証明書となります。絶対に持参しておく事をお勧めします。

▼ BRB(バイエルン地域鉄道)の電車内の様子。

BRB(バイエルン地域鉄道)の電車内の様子

BRBはバイエルンのローカル鉄道の割に普通に快適です。

電車内にはトイレも完備しているので、安心して水分補給ができます。

電車の開閉ボタン

また、停車駅と行先は常にモニターに表示されています。どちらにしても「フュッセン駅」で大量に人が降りるので、降り間違えはないと思います。

BRB車内のモニター

フュッセン駅に到着したら、ボタンを押してドアを開いて降車します。自動ドアではありません。

電車の開閉ボタン

電車で2時間10分ほど

2

10:05 フュッセン駅に到着

フュッセンからヴィース教会への行き方

フュッセン駅

ミュンヘン中央駅から電車でフュッセン駅に到着したら、人の流れに沿って南口を出てすぐのバス・タクシー乗り場を目指します。

フュッセン駅

駅を降りて進めるのは一方向なので迷う事はありません。駅のホームを奥まで進み、一旦右手側の建物に入ります。

フュッセン駅

建物に入ったら、売店を右手にそのまま真っ直ぐ進んでいきます。

フュッセン駅隣接の建物内部

奥のガラスドアの外がバス・タクシー乗り場です。

フュッセン駅隣接の建物内部

ここからは、バスかタクシーのいずれかの方法でヴィース教会へのアクセスが可能です。

フュッセンからバスでヴィース教会に行く場合

フュッセン駅の南口から建物を出ると、正面から右手側にかけて、行き先別に複数のバス乗り場が並んでいます。

フュッセン駅前のバス乗り場

ヴィース教会行きのバスは、バス停番号「5」から発着します。バスの路線番号は、73番、9651番(平日のみ)、9606番(日祝日のみ)の何れかに乗車すればヴィース教会に停車します。

ヴィース教会行きバスの時刻表ヴィース教会行きバスの時刻表

バス乗り場に到着したら、バスの到着を待ちます。各乗り場にも時刻表(写真上)は貼ってありますが、以下の2019年度の時刻表も参考にしてください。

ヴィース教会行きバスの時刻表(フュッセン発)

下記は乗り換えなしで、フュッセンからヴィース教会まで直通で行くバスの運行スケジュールのみ表記しております。乗り換えを含むと、もう少し運行本数が増えます。

平日
フュッセン駅発ヴィース教会着
9時45分発(9651番)10時21分着(9651番)
12時30分発(73番)13時21分着(73番)
13時05分発(9651番)13時49分着(9651番)
14時05分発(73番)14時49分着(73番)
16時10分発(9651番)16時57分着(9651番)

※8月15日、10月3日、11月1日は運行スケジュールが変更になるのでご注意ください。

日曜・祝日
フュッセン駅発ヴィース教会着
12時45分発(9651番)13時30分着(9606番)
13時05分発(73番)13時57分着(73番)
16時05分発(9606番)16時49分着(9606番)

以下はRVAの公式サイトで配布されているバスの時刻表と路線図になりますので合わせてご参照ください。

参考までにバスの時刻表を見る上で、以下のドイツ語だけでも知っておくと理解度が格段に上がると思います。

  • hält nur zum Aussteigen(下車のみ)
  • Abfahrt(出発・発車)
  • Montag - Freitag(月曜〜金曜)
  • Samstag(土曜日)
  • Sonn- und Feiertag(日曜・祝日)

さて、バス乗り場にバスが到着したら乗車します。バスの車体は赤色で非常に分かりやすいです。車体には「RVA」と書かれています。

RVA ホーエンシュヴァンガウ行きの赤いバス

バスは前方のドアから乗車します。チケットは運転手から直接購入(片道5.8〜6.0€ほど)する事も可能ですが、バイエルンチケットを事前に購入しておくとお得な料金でバスと電車に乗車する事ができます。

バイエルンチケットの購入方法や利用方法に関しては別記事の「バイエルンチケット オンラインとアプリでのチケット購入方法から利用範囲まで徹底解説」にて詳しく解説しております。

バス乗車後は車内に表示されるモニターで停車駅を確認しながら「Wieskirche(ヴィース教会)」で下車してください。

RVAバスの車内

フュッセン駅から、ヴィース教会前のバス停までは35分〜45分ほどで到着します。そこから教会の建物までは2分〜3分です。

バス利用のメリット

とにかく料金が安いの一言につきます。路線バスはバイエルンチケットでも乗車できるので、お持ちの方は断然バスでのアクセスがお勧めです。

バス利用のデメリット

運行本数が少ないので、待ち時間のロスが発生する点や、途中で何駅も停車する分、タクシーよりも移動時間を要する点がマイナスポイントです。ノイシュヴァンシュタイン城を予約されている方は、ヴィース教会の観光を後に回した方が、時間が押した時に安心だと思います。

フュッセンからタクシーでヴィース教会へ行く場合

フュッセン駅 タクシー乗り場

フュッセン駅の南口に出て、正面左手側が「タクシー乗り場」になります。ドイツ正規のクリーム色をした車体のタクシーが並んでいます。運転手はタクシーの前か、車の中にいるので最初に値段交渉をします。ある程度の相場は決まっているので、ぼったくられる心配はありません。

フュッセン駅前のタクシー乗り場フュッセン駅のタクシー

参考までに、私が2019年の5月に行った時点でのタクシー料金は何と90€になっていました。これは、フュッセンからヴィース教会への移動と、ヴィース教会観光中の1時間の待機時間、ヴィース教会からノイシュヴァンシュタイン城への移動を含んだ料金になります。

以前は同じルートで、70€だったのですが大幅に跳ね上がっていました。かなり粘って交渉しましたが、90€から1€足りとも運転手は譲りませんでした。この点踏まえると、現在の相場は90€となっている様です。

ただし、今回は乗車人数が4人だった点や、ピークシーズンという事もあったので、そのあたりの要素でも運賃は変わってくるのかもしれません。乗車人数が多いと重くなる分だけ燃料費もかかるので、一応の説明はつきます。

どちらにしても、諸々踏まえると、フュッセンからヴィース教会に立ち寄って(観光して)、ノイシュヴァンシュタイン城に行く場合のタクシー料金の相場は70€〜90€ぐらいを見ておけば間違いないです。

フュッセン駅からヴィース教会までの道中は下の様な感じで、特に何もない道路をひたすら走ります。

フュッセン駅からヴィース教会までの道中

途中、これが「ヴィース教会か!」という様な紛らわしい建物(写真下)も通過します。

フュッセン駅からヴィース教会までの道中

タクシーを利用した場合、フュッセン駅からは25分〜30分ほどで、ヴィース教会前の駐車場に到着します。教会の建物まではそこから徒歩2分〜3分です。

ヴィース教会でタクシーを離れる間は、念のため「ナンバープレート」をスマホなどで撮影しておくと安心です。

タクシーのナンバープレート

慎重派で心配症の方は、助手席前にある「タクシー会社名と運転手名のプレート」をあからさまに運転手が分かるように撮影しておくと、不正の抑止になります。とは言え、ドイツのタクシーは基本的に健全なので過剰に心配しなくても安全です。

タクシーのネームプレート

ヴィース教会見学後は、タクシーが停車した駐車場(写真下)に戻って来れば大丈夫です。あまり早く戻りすぎると運転手がいないかもしれないので、降りる際に運転手と戻り時間をしっかりと調整してください。

ヴィース教会の駐車場

タクシー利用のメリット

メリットは、ヴィース教会とノイシュヴァンシュタイン城を効率良く観光できる。移動時間が読みやすいなどです。時間的な効率を考えると、バスよりもタクシーの方が断然お勧めです。一人だと割高なのでタクシーはお勧めしませんが、3〜4人のグループの方などは悪くない選択肢だと思います。

タクシー利用のデメリット

料金相場が70€〜90€と高額。これにつきます。

ヴィース教会に到着

ヴィース教会の駐車場

フュッセンからタクシーを利用した場合も、バスを利用した場合も、ヴィース教会近くの駐車場(写真上)付近に到着します。後はヴィース教会の建物に向かって歩いて行くだけです。

駐車場からヴィース教会に向かって歩いて行くと、小さな広場(写真下)の様な場所に出ます。

ヴィース教会前の広場

ヴィース教会近くの有料トイレ ▲ヴィース教会前の広場には有料のトイレもあります。

ヴィース教会近くの土産物店 ▲お土産屋さんも数件ほど営業していますが、あまり目を引く商品は無いと思います。

建物に向かう途中に絶好の撮影スポットがありますので、皆さんも是非記念撮影してください。

ヴィース教会前の広場

ヴィース教会の建物に向かって右手側、赤枠で囲った所が教会内部への入り口です。

ヴィース教会の入口

建物に入ると、更に中にドアがあります。正面のドアから入場すると美しいロココ様式の内装とフレスコ画が目に飛び込んできます。

ヴィース教会内部のドアヴィース教会内部の景観

▼ ヴィース教会の祭壇

ヴィース教会の祭壇

こちらは入り口側上部にあるパイプオルガンとフレスコ画です。まさに世界遺産の名に恥じない美しさです。フュッセンから時間をかけても来る価値はあると思います。

ヴィース教会のパイプオルガン

▼天井のフレスコ画

天井のフレスコ画

ヴィース教会観光 所要時間の目安

ヴィース教会の外観

ヴィース教会内部の見学所要時間目安は30分ほどです。

後は教会の外観を撮影したり、土産物屋やトイレに立ち寄ったりで45分〜1時間くらいはあっという間です。

また、フュッセンからヴィース教会を観光した後に、ノイシュヴァンシュタイン城を観光する場合、ノイシュヴァンシュタイン城の入場予約時間の4~5時間前には、フュッセン駅に到着している必要はあると思います。

例えば、ノイシュヴァンシュタイン城の入場予約が14時なら、フュッセン駅に9時〜10時ぐらいには到着していないと時間的に厳しいと思います。

と言うのも、ノイシュヴァンシュタイン城の予約チケットの受け取りは予約時間の60分〜90分前までになるので、その時間までにホーエンシュヴァンガウのチケットセンターでチケットを受け取る必要があるからです。

以上を踏まえると、ノイシュヴァンシュタイン城を午前に観光してから、午後以降にヴィース教会に立ち寄った方が、ノイシュヴァンシュタイン城の予約時間を気にせずに観光できるのでお勧めです。

ノイシュヴァンシュタイン城のチケット予約や詳細に関しては、別記事の「ノイシュヴァンシュタイン城 予約から入場まで徹底解説」にて詳しく解説しております。

ロマンチック街道バスを利用したアクセス方法について

ロマチック街道バス

ロマンチック街道バスは、ツーリング・ツアーズ社(Touring Tours GmbH)が運行する定期観光バスです。以前までは、フランクフルトやミュンヘンからこのバスを利用すれば、ヴィース教会まで乗り換えなしでアクセスする事ができました。

しかし2019年以降、ロマンティック街道バスの「ヴィース教会」への運行はなくなりました。現在は「フランクフルト中央駅」〜「ローテンブルク」間と、「ローテンブルク」〜「ミュンヘン中央駅」間の2路線のみが運行されています。

ローテンブルクに立ち寄りたい方以外に、もはやロマンチック街道バスを利用するメリットはあまりありません。