【ミュンヘン レジデンツ】 行き方・チケット料金・営業時間・見どころまで徹底解説
ミュンヘン最大の見どころと言えるのがこの「レジデンツ」です。レジデンツは、約740年にも渡りミュンヘンを拠点にバイエルン王国を統治した「ヴィッテルスバッハ家」が1809年から1918年に住んでいた宮殿です。
第二次世界大戦で建物は大きな被害を受けましたが、幸いにも美術品や宝石類は被害を免れ、建物自体も1980年に修復が完了しました。
現在、レジデンツの内部は4つの博物館と劇場になっており有料で見学する事ができます。館内は天井一面のフレスコ画が見事な大ホール「アンティクヴァリウム」をはじめ、あのモーツァルトが初演を行った「クヴィリエ劇場」や、ヴィッテルスバッハ家の子孫の肖像画が並ぶ「祖先画ギャラリー」など大きな見どころが満載です。
本記事ではこのレジデンツの行き方や入場料金、営業時間などの基本情報はもちろん、内部の見どころも豊富な写真付きで詳しく解説致します。
レジデンツ内施設の営業時間と休館日
レジデンツ内には複数の博物館や宮殿、劇場などが入りまじっていますが、大きくは「レジデンツ博物館」「宝物館」「キュビリエ劇場」「庭園(ホーフガルテン)」の4つに分ける事ができます。
基本的に、レジデンツ博物館と宝物館以外の施設は毎日営業しています。また、全ての施設の最終入場は閉館の1時間前になります。
レジデンツ博物館
レジデンツの中でも、最も広く見どころが多いのがこのレジデンツ博物館になります。130室にも及ぶ展示スペースには、ヨーロッパ中から収集したと言われる「金銀細工」「宝石」「絵画」などが数多く展示されています。その中でも「アンティクヴァリウム」と「祖先画ギャラリー」と呼ばれる部屋は必見です。
4月1日 〜 10月20日 |
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10月21日 〜 3月31日 |
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1/1、12/24、12/25、12/31、パンケーキデイ(Shrove Tuesday)は休館日となります。
宝物館
宝物館には、王家の10世紀からの財宝の数々が展示されています。中でも王冠と宝石をちりばめた聖ゲオルクの騎馬像は必見です。展示部屋は10室とそこまで広くはありませんが、さすがは王家の収集品だけあり豪華さはピカイチです。
4月1日 〜 10月20日 |
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10月21日 〜 3月31日 |
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1/1、12/24、12/25、12/31、パンケーキデイ(Shrove Tuesday)は休館日となります。
キュビリエ劇場
キュビリエ劇場は、18世紀にフランス建築家「フランソワ・キュビリエ」の設計で造られたロココ様式の劇場で、「ロココの真珠」とも称されています。
4月1日 〜 7月28日 |
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7月29日 〜 9月9日 |
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9月10日 〜 10月20日 |
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10月21日 〜 3月31日 |
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庭園(Court Garden)
レジデンツの建物の北側には毎日無料で開放されている庭園があります。
4月1日 〜 10月20日 |
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上記は庭園内噴水の稼働時間になります。庭園自体は毎時毎日営業しています。
入場料金とチケットの種類
チケットには各施設単体と複数施設に入場できるコンビネーションチケットがあります。複数施設の入場をお考えの方はコンビネーションチケットを購入した方が料金的にはお得です。
チケットの種類 | 料金 | 入場可能施設 |
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Residence (レジデンツ博物館) |
| ・レジデンツ博物館 |
Treasury (宝物館) |
| ・宝物館 |
Theatre (キュビリエ劇場) |
| ・キュビリエ劇場 |
Combination Ticket (コンビネーションチケット) |
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Triple Ticket (トリプルチケット) |
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※料金は全てユーロ(€) 表示です。
※18才未満の方は入場無料です。
※18才以上で学生の方は割引料金が適応されます。
※無料や割引を適応させるには、パスポートや国際学生証などの提示が必要となります。
※レジデンス北側にある庭園(Court Garden)への入場は無料です。
ロケーションと行き方
レジデンツはミュンヘンの中心である「マリエン広場」から約800mほど北側に位置しています。
レジデンツと、周辺駅や他の観光スポットの位置関係は以下のグーグルマップをご覧ください。
赤い●マークの場所がレジデンツになります。
ミュンヘン中央駅からレジデンツまでは、徒歩でも20分〜25分ほどの距離なので、健脚の方なら十分アクセス可能です。あまり歩きたくない方は「Sバーン(地上電車)」で、ミュンヘン中央駅から「マリエン広場駅(Marien- platz)」まで行き、そこから徒歩でレジデンツにアクセスするのがオススメです。「ミュンヘン中央駅」から、Sバーンと徒歩で行く流れは以下を参考にしてください。
ミュンヘン中央駅からSバーンでレジデンツに行く流れ
Sバーンの乗車ホームへ移動
ミュンヘン中央駅構内の自動券売機などで乗車チケットを購入したら、Sバーンの緑色に白字の標識を目印(写真下)に乗り場へ移動します。
ミュンヘン中央構内や周辺には、Sバーンのエリアへと続く階段やエスカレーターが至る(下画像の青枠内)ところにあります。
Sバーンの乗車チケット購入方法や乗車方法については別記事の「Sバーン・地下鉄・トラム・バス 乗り方からチケット購入まで徹底解説」にて詳しく解説しております。
Sバーンで「マリエン広場」へ移動
Sバーンの乗車ホームに移動したら「マリエン広場駅(Marien- platz)」に停車する路線 S1〜S4、S6〜S8の到着を待ちます。
ミュンヘン中央駅のSバーンは、進行方向別に2つの線路があるだけで、 S1~S8 までの8路線が同じホームから時間差で運行しています。到着する電車がどの路線かは、乗車ホームなどにある電光掲示板’(写真下)で確認する事ができます。
「マリエン広場駅」は、ミュンヘン中央駅から二駅目です。
全路線図はこちらのリンクよりPDFのファイルをダウンロードください。
マリエン広場駅で電車を降りたら「出口A」を目指してください。参考までに「RATHAUS」は市庁舎を意味するドイツ語なので「出口A」を探す際にこちらも目印にしてください。
出口Aから地上に出るとマリエン広場内の「新市庁舎」が目の前です。
マリエン広場から徒歩でレジデンツへ移動
マリエン広場に到着したら、徒歩で目的地の「レジデンツ」へ移動します。
マリエン広場からレジデンツまでは北側にほぼ一本道です。新市庁舎の建物の東側(向かって右側)から北側へと伸びる「ディーナ通り」を真っすぐ進んでいきます。
あとはひたすら北方に「ディーナ通り」「レジデンツ通り」の順で10分ほど歩いて行くと、右手側に「マックスヨーゼフ広場(写真下)」という大きな広場が見えてきます。レジデンツはこの広場の北側に面しています。
正面に見えるのがレジデンツの建物です。右手側に見えるのはバイエルン王「マキシミリアンI世」の銅像です。そして、レジデンツを正面にして右手側にはギリシア風の大きな建物「バイエルン国立劇場(写真下)」もそびえ立っています。
レジデンツの正面には、3つのドアがあります。開いているドアから入ればいいと思いますが、基本は真ん中の「RESIDENZ MUNCHEN」と表示されている真ん中の扉(写真下)から建物に入ります。
この入口から行けるのは「チケット売り場」および、「レジデンツ博物館」と「宝物館」の展示ゾーンになります。「キュビリエ劇場」だけは入口が異なりますのでご注意ください。
キュビリエ劇場の入口は「レジデンツ」の建物を正面にして左手側にある「レジデンツ通り」をレジデンツの建物を右手にして北に進んで行くと見つける事ができます。「キュビリエ劇場」の入り口の両側には、触ると願いが叶うと言われている「幸運のライオン像」が建っています。「幸運のライオン像」と「キュビリエ劇場」入口付近の景観は以下のVR画像を参考にしてください。
レジデンツの入口やチケット売り場のロケーション、キュビリエ劇場入口などは以下のレジデンツ周辺マップをご参照ください。
チケット売場と見学ゾーンの入口
レジデンツのチケット売場は、建物に入ってから少しだけ歩いた場所にあります。「マックス・ヨーゼフ広場」に面する正面入口から「レジデンツ」に入ったら、下の様な屋根付きの通路(写真下)を真っ直ぐ中庭まで進みます。
「Ticket」と書かれた案内に従って進んで行きます。
案内板に従って行くと、一旦中庭に出ます。
この中庭の東側(右手側)に見える「RESIDENZ MUSEUM」と書かれた入口が「レジデンツ博物館の展示ゾーン」と「チケット売り場」への入口になります。
宝物館もこの入口からアクセスする事ができます。
扉を開けて中に入ると横長の廊下に出るので、そのまま奥の部屋に進むとチケット売場があります。
▼チケット売り場
チケット売り場はギフトショップも併設しております。チケットの料金や種類に関しては本記事前項の「入場料金とチケットの種類」を参照ください。
チケット売り場を出て右手側に行くとクロークルーム(荷物預かり所)があり、その先がレジデンツ博物館の見学ゾーンになります。
クロークルームは、レジデンツ博物館の見学ゾーンに行く途中に必ず通過します。
一方、チケット売り場を出て、左手に進むと「宝物館」の入口があります。
レジデンツ博物館から見学をスタートしても、宝物館からスタートしても、再びチケット売り場前の通路に戻ってきますので、お好きな方から見学をスタートください。
オーディオガイドのレンタル
オーディオガイドはレジデンツ博物館と宝物館の入り口付近で無料でレンタルする事ができます。ただし日本語には対応しておりません。
オーディオガイドのレンタルカウンターはレジデンツ博物館に入場してすぐ右手側にあります。先にチケットを購入してからレンタルする形になります。
レジデンツの見どころ
レジデンツは、数世紀に渡り増改築が繰り替えされてきたため、ルネッサンス、バロック、ロココ、古典主義に至るまで、様々な建築様式の部屋やホールを見学する事ができます。
アンティクヴァリウム(Antiquarium)
レジデンツで最大の見どころがこのルネサンス様式の巨大ホール「アンティクヴァリウム」です。アンティクヴァリウムは16世紀に建造された宮殿内で最も古い場所で、アルブレヒト5世(在位:1550年 - 1579年)によって収集された古代ローマの胸像が、長さ66mの回廊左右にずらりと並んでいます。
頭上の丸天井には隙間もないほど美しいフレスコ画が描かれています。
グロット宮殿(Grotto Courtyard)
このグロット宮殿と呼ばれる広間には、貝殻でびっしりと装飾された壁や扉に加え、インドやアジア諸国の神々を思わせる像が並んでいます。洞窟を模して造られたと言われています。
祖先画ギャラリー(Ancestral Gallery)
ヴィッテルスバッハ家の一族の肖像画が121枚も並ぶ「祖先画ギャラリー」。絵画以外のスペースには惜しみなく金が使用され、その景観は圧巻の一言です。
121枚の肖像画の中でも「ルードヴィヒ2世」と「カール大帝」の2枚の肖像画だけは他のものよりも大きいので探してみてください。
緑のギャラリー(Green Gallery)
緑の壁が非常に特徴的なこの「緑のギャラリー」は、主に祝祭の際に利用された部屋です。2011年に修復が完了したばかりの部屋内には、ヨーロッパの絵画が70点ほど展示され、絵画に挟まれる様に鏡が置かれています。
天井には美しい装飾が描かれ、部屋内は豪華な調度品で飾られています。
ライヒェ・カベレ(Reiche Kapelle)
バロック様式の装飾が美しい「ライヒェ・カベレ」は、マクシミリアン1世とその妻の専用礼拝堂だった場所です。内装には宝石や大理石が惜しみなく使用されています。
頭上に視線を向けると、ロイヤルブルーと金で装飾された美しい天井が輝いています。花やツタ、月桂樹の精巧な装飾が実に見事です。
下の写真は、同部屋内で見る事ができるアウスブルクの金細工職人によって造られた銀の祭壇です。
陶磁器のキャビネット(Porcelain Cabinet)
まばゆいばかりの黄金が輝く陶磁器のキャビネットは、レジデンツの中でも一際美しく目を引く部屋です。キャビネット内にはマイセン製の陶磁器をはじめ、貴重な品々が展示されています。
アジア・コレクション(East Asian Collection)
アジアコレクションは、中国と日本の陶器、織物、絨毯、家具、宝石などを展示したレジデンツの中でもガラリと趣の異なる部屋です。中には、本の伊万里焼をベースにした中国の陶器なども見られます。
キュビリエ劇場(Cuvillies Theatre)
キュビリエ劇場は1750年にマキシミリアン3世が、フランス建築家「フランソワ・キュビリエ」に命じて造らせたロココ様式の劇場です。美しいシャンデリアが輝くその景観は「ロココの真珠」と称され、その豪華で煌びやかな景観は一見の価値があります。
レジデンツ博物館 その他の見どころ
ニーベルンゲンホール(Nibelungen Halls)
部屋の四方に美しい絵画が並ぶ「ニーベルンゲンホール」。
ゲルハルト作のブロンズ像
オランダの彫刻家「ヒューバート・ゲルハルト」が16世紀以前に製作したブロンズ像「Tellus Bavarica」。
諸聖人宮廷礼拝堂
ルードヴィッヒ1世の時代19世紀に造られたイタリア風の礼拝堂。
宝物館の見どころ
バイエルン王国の王冠
19世紀初期のバイエルン王国の王冠。
聖ゲオルクの騎馬像
ミュンヘンの金細工職人によって造られた「聖ゲオルクの騎馬像」は宝物館随一のお宝です。散りばめられた宝石が美しく輝いています。
所要時間の目安
レジデンツ観光の所要時間の目安は3時間〜3時間30分ほどです。
上記の所要時間は「レジデンツ博物館」「宝物館」「キュビリエ劇場」を全て観光した場合の目安です。
所要時間の内訳は、レジデンツ博物館で約1時間30分〜2時間ほど、宝物館で30分〜40分ほど、キュビリエ劇場で30分〜40分になります。
3つの中でもレジデンツ博物館は特に広く館内もやや複雑なレイアウト構成になっています。展示品もかなりの数になるので、じっくりと見学しながら、全見学可能スポットを網羅したい方は、休憩なども含めて半日(5~6時間)は見ておいた方が良いと思います。
まとめ
レジデンツは外観のシンプルさからは想像がつきませんが、館内の装飾や展示品は非情に豪華で見ごたえがあります。館内の見学スペースという点だけで言えば、同じく南ドイツの人気観光地「ノイシュヴァンシュタイン城」などよりも遥かに見ごたえがあります。あのナポレオンもその豪華さに感嘆したと言われているほどです。
レジデンツの見どころは、博物館と宝物館を合わせると約140部屋にも上り、本記事で紹介しているのはほんの一部です。是非時間をかけてゆっくりと見学してみてください。ミュンヘン市内観光のハイライトとして訪れるにはこれ以上にない場所です。
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