ミュンヘン 空港から市内へのアクセス方法を移動手段別に徹底解説

ミュンヘン ドイツ
ミュンヘン空港から市内への移動手段

ミュンヘン空港の正式名称は「フランツ・ヨーゼフ・シュトラウス空港」、ミュンヘン市内中心部からは約35kmほど北東に位置しています。そのため、空港から市内、もしくは市内からミュンヘン空港へ移動する際は、ルフトハンザ航空が提供する「ルフトハンザエクスプレスバス」か、「Sバーン(S-Bahn)」と呼ばれる郊外電車、「タクシー」の何れかを利用する形になります。

本記事では、この3種の移動方法それぞれについて、特徴、乗り方、チケット購入方法、メリットデメリットまで徹底解説致します。ミュンヘン空港と市内(ミュンヘン中央駅)間の移動方法をお探しの方は是非参考にしてください。

空港からミュンヘン市内への移動手段の比較

以下の「ミュンヘン空港~市内の送迎サービス比較表」では各移動手段の料金や所要時間、最終目的地などが比較できる様になっています。

※表は横にスワイプすると全体を表示できます。
ルフトハンザエクスプレスSバーンタクシー
料金10.5〜11.0€11.6€70.0€
所要時間約45分※140分〜45分約30分〜40分※1
営業時間6:30 – 22:30※1 4:04 – 25:23発まで(月-金)
4:04 – 25:44発まで(土日)
24時間
最終目的地ミュンヘン中央駅
北口バスターミナル
ミュンヘン中央駅指定の場所・滞在ホテル

※1道路の混雑状況によって変動致します。
※2ミュンヘン空港ターミナル2の営業時間。始発終電は各駅毎に若干異なります。

上記表を見ると、料金的にはタクシーがダントツで高額ですが、3つの移動方法の中では、唯一ホテルまでドアtoドアで移動する事ができます。この様にどの移動方法もメリットとデメリットがあります。

以上を踏まえ、次項より「ルフトハンザエクスプレスバス(シャトルバス)」「Sバーン(電車)」「タクシー」それぞれについて詳細に解説していきます。

ルフトハンザ エクスプレスバス

ルフトハンザエクスプレスのバス

ミュンヘンから発着するシャトルバスは「ルフトハンザ シャトルバス」「ルフトハンザバス」「ルフトハンザ航空のシャトルバス」などと呼ばれておりますが、正式な名称は「ルフトハンザ エクスプレスバス(Lufthansa Express Bus)」になり、ケルンを拠点とするドイツ最大の航空会社「ルフトハンザ航空」によって運営されています。もちろん、ルフトハンザ航空の飛行機を利用していなくても利用できます。

バスは毎日15分間隔で運航しているため、待ち時間も少なく、ミュンヘン空港の各ターミナルの目の前から、ミュンヘン中央駅まですばやく快適に移動する事できます。

料金体系や乗車方法、運航ルートなども非常に明解で分かりやすく、旅慣れしていない方や電車の利用に不安のある方には、これ以上にないお勧めの空港〜市内間の移動方法です。

運行ルート・運航時間

【運行ルート】

■ ミュンヘン空港 → ミュンヘン中央駅行きルフトハンザ エクスプレス 運行ルート(空港から市内)
  • ミュンヘン空港 ターミナル2(Munich Airport Terminal 2)
  • ターミナル1(エリアA)(Munich Airport Terminal 1 - Area A)
  • エアポートセンター(MAC)(Munich Airport Center - MAC)
  • ターミナル1(エリアD)(Munich Airport Terminal 1 - Area D)
  • 北部墓地バスターミナル(Munich Nord / Schwabing)
  • ミュンヘン中央駅(Munich Hauptbahnhof - main station)
■ ミュンヘン中央駅 → ミュンヘン空港行きルフトハンザ エクスプレス 運行ルート(市内から空港)
  • ミュンヘン中央駅(Munich Hauptbahnhof - main station)
  • 北部墓地バスターミナル(Munich Nord / Schwabing)
  • ミュンヘン空港 ターミナル2(Munich Airport Terminal 2)
  • ターミナル1(エリアA)(Munich Airport Terminal 1 - Area A)
  • エアポートセンター(MAC)(Munich Airport Center - MAC)
  • ターミナル1(エリアD)(Munich Airport Terminal 1 - Area D)

【運行時間と運行間隔】

ルフトハンザ エクスプレスバスは「始発」から「最終」まで毎日15分間隔で運行しています。

■ ミュンヘン空港 → ミュンヘン中央駅行き
始発最終
ターミナル2
Munich Airport Terminal 2
6:30発から22:30発まで
ターミナル1(エリアA)
Munich Airport Terminal 1 - Area A
6:34発から22:34発まで
エアポートセンター(MAC)
Munich Airport Center - MAC
6:36発から22:36発まで
ターミナル1(エリアD)
Munich Airport Terminal 1 - Area D
6:39発から22:39発まで
北部墓地バスターミナル
Munich Nord / Schwabing
降車のみ
ミュンヘン中央駅
Munich Hauptbahnhof - main station
終点

市内行きバスの時刻表を見る(PDF)

■ ミュンヘン中央駅 → ミュンヘン空港行き
始発最終
ミュンヘン中央駅
Munich Hauptbahnhof - main station
5:15発から20:00発まで
北部墓地バスターミナル
Munich Nord / Schwabing
5:33発から20:18発まで
ターミナル2
Munich Airport Terminal 2
降車のみ
ターミナル1(エリアA)
Munich Airport Terminal 1 - Area A
降車のみ
エアポートセンター(MAC)
Munich Airport Center - MAC
降車のみ
ターミナル1(エリアD)
Munich Airport Terminal 1 - Area D
終点

空港行きバスの時刻表を見る(PDF)

乗車料金

乗車チケット料金は現地で運転手から購入するよりも事前にオンラインで購入した方が安くなります。

【オンライン購入】

  • ■ 片道:10.5 €(大人) / 5.50 €(子供)
  • ■ 往復:17.0 €(大人) / 11.0 €(子供)
  • ■ 10回券:75.0 €
  • ■ 月間フリーパス:110.0 €

10回券と月間フリーパスチケットは、オンライン限定販売になります。

【運転手から購入】

  • ■ 片道:11.0 €(大人) / 6.00 €(子供)
  • ■ 往復:18.0 €(大人 / 12.0 €(子供)

移動の所要時間

ミュンヘン空港とミュンヘン中央駅間の移動所要時間は、道路の混雑具合にもよりますが、「ミュンヘン空港」と「ミュンヘン中央駅」間は約45分、「ミュンヘン空港」と「北部墓地バスターミナル(Munich Nord / Schwabing)」間は約25分ほどになります。

乗車チケットの購入方法

ルフトハンザ エクスプレスのバスチケットの購入方法は「公式HPで事前購入」「運転手から購入」「オプショナルツアーサイトで事前購入」の3とおりあります。

【運転手から購入する】

バス乗車時に運転手から購入する方法です。クレジットカードの使用も可能なので、到着時にユーロに両替していない場合でも利用できます。

料金的には、オンラインで事前に購入するよりも若干だけ高くなりますが、予約は面倒くさいという方はこの方法が一番手っ取り早くてお勧めです。運行本数も多いので、1,2本バスを待つことはあっても、満席でバスに乗れないという事はまずありません。

購入時は「ワンアダルトプリーズ」などと運転手に伝えればOKです。

【公式HPで事前購入(オンライン購入)】

ルフトハンザ エクスプレスバスの公式HP(英語)では、乗車チケットを事前に購入する事ができます。料金的にも当日に運転手から購入するよりも0.5€ほど安くなります。

オンラインでチケットを購入する場合、まずはルフトハンザ エクスプレスバスの公式HP(英語)にアクセスします。

サイトにアクセス後、スマートフォンから予約する方は「Tickets from 10.50€」という紺色のボタン(写真下)をクリックしてください。

スマートフォン画面のチケット購入ボタン

パソコンの画面から予約される方は、ページ上部の白いボタン「Tickets from 10.50€」か、メニュー左下の「Buy tickets」というボタンをクリックしてください。

パソコン画面のチケット購入ボタン■ チケットの種類と枚数を選択

「Tickets from 10.50€」ボタンを押すと、以下の様なチケットの種類と枚数を選択するページに移動します。

チケットの種類と枚数の選択画面

まずは一番上の「チケット」の種類を選択します。通常は「Single Ticket(片道)」か「Return Ticket(往復チケット)」のいずれかになると思います。片道を2回購入するよりも、往復チケットで購入した方が料金的にはお得になります。

続いて、購入枚数を選択します。大人の方は「ADULTS」を、同伴の子供(4-13歳)がいるなら「CHILDREN」の右側にある1〜6枚の数字をそれぞれクリックしてください。

チケットの種類と枚数の選択が完了したら「CONTINUE」ボタンをクリックしてください。

■ メールアドレスや支払い情報を入力

「CONTINUE」ボタンを押すと画面が切り替わり、選択した購入内容が表示されます。ここでで入力・選択が必要なのは「メールアドレス」「規約の同意」「お支払い情報」の3つだけです。ページを下にスクロールして必要情報を入力していきます。

メールアドレスの入力項目
  1. ①「YOUR E-MAIL(メールアドレス)」メールアドレスを入力します。

  2. ②「CONFIRM E-MAIL(メールアドレス 確認用)」確認のため、①で入力した「メールアドレス」を再度入力します。①と②のメールアドレスが一致しないと次のステップに進む事ができません。

更に画面を下にスクロールすると「TERMS」という項目があるので、□の部分をクリックしてチェックを入れて規約に同意します。チェックを入れないとチケットを購入する事ができません。

規約同意のチェック項目

最後にお支払い情報を入力します。ページ下部に以下の様な「クレジットカード情報の入力項目」が表示されているので、各項目を埋めていきます。表示されていない場合は、クレジットカードのロゴをクリックすると表示されます。

クレジットカード情報の入力項目
  1. ④「CARD NUMBER」クレジットカードの番号を入力します。

  2. ⑤「CARD HOLDER」クレジットカードに記載されている表記と順序で氏名をローマ字入力します。

  3. ⑥「EXPIRATION DATE」クレジットカードの有効期限を選択します。「年」「月」の順で左右、もしくは上下に並んでいます。

  4. ⑦「CVV/CSC」クレジットカードの裏面に記載されているセキュリティコード(下3桁の数字)を入力します。

①〜⑦までの項目の入力・選択が完了したら、ページ最下部にある白のボタン「ORDER WITH OBRIGATION TOPAY」をクリックします。このボタンを押すと乗車チケットの購入が完了します。ボタンの色が薄い状態でクリックできない場合は、入力内容に不備があります。①〜⑦までの項目の不備を確認の上で修正ください。

チケット購入の確定ボタン

「ORDER WITH OBRIGATION TO PAY(購入ボタン)」をクリックした後、決済完了まで少しタイムラグがあります。この間はブラウザの戻るボタンを押したり、他のボタンを触らない様にしてください。

決済が正常に行われて購入が完了すると、以下の様な購入完了画面が表示されます。

チケット購入の完了ボタン
ルフトハンザエクスプレスバスのチケット

上記ページが表示されたら「DOWNLOAD YOUR TICKETS」ボタンを押すと、別ウインドウが開きPDFファイルのチケット(画像右)をダウンロードする事ができます。当日はこのチケットをプリントアウトの上、乗車時に運転手に提示すればOKです。

■ 購入完了メール

オンラインでチケット購入が完了すると同時に、購入時に登録したメールアドレスに2件のメールが届きます。そのうちの1件、件名「Lufthansa Express Bus Munich - Your Online Ticket」というメールにも「乗車チケット」が添付されています。乗車当日はどちらのチケットを利用しても問題ありません。

■ チケットの有効期限

オンラインで購入したチケットは2年間(24ヶ月)有効です。期限内であればいつでも好きな時にチケットを利用する事ができます。往復のチケットを購入した場合も、特に指定はありませんので、期限内の24ヶ月以内に使用すれば問題ありません。

チケットはスマートフォン上での表示は許可されていないので、必ずプリントアウトして利用してください。

【オプショナルツアーサイトで事前購入】

GET YOUR GIDE ルフトハンザバスの予約ページ

ルフトハンザエクスプレスのチケットは「GET YOUR GIDE」などの各種オプショナルツアーサイト経由でも購入する事ができます。

この場合、数百円ほど手数料がのりますが、予約完了まで日本語で行う事ができます。予約完了後は、マイページからダウンロード、もしくはメールに送信されてくるバウチャーをプリントアウトして運転手に提示すれば当日はバスに乗車できます。

GET YOUR GIDE経由で予約した場合は、スマートフォン上での運転手へのチケット提示も可能ですが、運転手がこの提示方法に慣れていない可能性があるので、プリントアウトして提示するのが無難です。

▶︎ルフトハンザエクスプレスの日本語予約ページ(GET YOUR GIDE)見る

ルフトハンザエクスプレスの乗車方法

ルフトハンザエクスプレス バス乗車時の景観

ルフトハンザ エクスプレスバスの乗車方法は簡単です。バスの停留所でバスの到着を待って、前方のドアからチケットを運転手に提示して乗車するだけです。当日にチケットを購入する方は、乗車時に運転手から直接チケットを購入して乗車します。オンラインでチケット購入済みの方はプリントアウトしたチケットの「QRコード」部分がしっかりと読み取れる状態で提示してください。

荷物を預ける場合は、バス到着後に運転手や係員がバス車体のコンパートメント(荷物収納スペース)を開けるので、そこで荷物を預けて収納してもらう形になります。荷物を預けてから乗車する流れになります。

乗車後は特に停車ボタンなどはありませんので、目的地に到着したら降車するだけです。

ミュンヘン空港からミュンヘン中央駅に行く場合は、終点がミュンヘン中央駅になるので、特に降りるタイミングを気にする必要はありません。

逆に中央駅から空港に行く場合は、「ターミナル2」「ターミナル1(エリアA)」「エアポートセンター(MAC)」「ターミナル1(エリアD)」の順で停車するので、ご自身の搭乗予定の航空会社の受付ターミナルを確認の上で降車してください。

バス乗り場・停留所のロケーション

【ミュンヘン中央駅 バス停留所】

ルフトハンザエクスプレスの「ミュンヘン中央駅」のバス停留所は駅の北口になります。これは乗る場合も降りる場合も同じです。

ミュンヘン中央駅北口バスターミナル内にある「ルフトハンザエクスプレスバス」の発着場所には、黄色い目立つ標識(写真下)で「Airport Bus」と書かれてといるのですぐに分かるはずです。

ミュンヘン中央駅北口 ルフトハンザエクスプレスバスの乗り場

ミュンヘン中央駅のバス乗り場を少し離れた位置で見ると下の写真の様な感じです。駅の北口に出ればすぐに分かるので心配はいりません。

ミュンヘン中央駅北口 ルフトハンザエクスプレスバスの乗り場

【ミュンヘン空港 ターミナル2 バス停留所】

ルフトハンザ航空やANA、タイ国際航空、ターキッシュエアラインなど、スターアライアンス系航空会社はこのターミナル2に発着します。

ターミナル2に到着した場合は出口「G」を目指してください。標識は空港の至る所にあるので、常にチェックしながら歩いて行けば簡単に辿り着けます。

ミュンヘン空港 出口Gへの案内板

Gの出口から出ると、ルフトハンザエクスプレスのバス乗り場は目の前です。

ミュンヘン空港マップ

下のグーグルのVR画像は出口Gから出てすぐの景観になります。右奥に見えるのが出口「G」、左手に見えるバスが「ルフトハンザエクスプレス」の車両になります。ご覧のとおりバス乗り場は一目瞭然なので全く心配はありません。

ちなみにG出口から出た場合の乗り場番号は「1番」になります。

ミュンヘン空港 ルフトハンザエクスプレスバス G出口のバス乗り場

【ミュンヘン空港 ターミナル1バス停留所】

ターミナル1は、JALなど、スターアライアンス系以外の航空会社を利用した際に利用するターミナルです。ターミナル1には、ルフトハンザエクスプレスのバス乗り場(停留所)は2カ所あります。

一つは出口「A」から出てすぐのところ、もう一つは出口「D」を出てすぐのところになります。到着ホールに出た際に近い方の出口をご利用ください。

ミュンヘン空港マップ

不安な方は以下のグーグルマップでも乗り場の確認が可能です。

ターミナル1(エリアA)(Munich Airport Terminal 1 - Area A)

ターミナル1(エリアD)(Munich Airport Terminal 1 - Area D)

バスの設備とスーツケースについて

ルフトハンザ空港のシャトルバスは、無料Wifi、新聞(英語)、エアコンも完備しており車内は快適です。

ルフトハンザエクスプレスバスの車内

また、大きなスーツケースや荷物は車体のコンパートメント部分(写真下)に収納する事ができます。

ルフトハンザエクスプレスバス 車体に荷物を収納する様子

注意点としては、荷物収納時は係員が手伝ってくれますが、降車時に荷物を出す時は自分で行う形になります。バスを降りてコンパートメントが開いたら、自分の荷物を引いて取り出してください。

よくある質問(Q&A)

以下はルフトハンザエクスプレスの公式HP上に記載されている「よくある質問」の一部を抜粋したものです。

  1. ・バスは誰でも利用できますか?はい、ルフトハンザ航空のフライト利用の有無にかかわらず誰でも利用する事ができます。

  2. ・ベビーシートは完備していますか?いいえ、車内ではシートベルト着用の都合上、ベビーシートの完備はありません。

  3. ・車内にベビーカーを持ち込めますか?はい、無料で持ち込みが可能です。

  4. ・スーツケースなどの大きな荷物は持ちこめますか?はい、乗車時にバスのコンパートメントスペースに収納可能です。

  5. ・往復チケットを購入した場合、往路(行き)と復路(帰り)で利用日が異なっても使用できますか?はい、チケットの有効期限である24ヶ月以内ならいつでも利用可能です。

  6. ・座席の予約はできますか?いいえ、座席の予約はできません。座席は乗車順に埋まっていきます。

  7. ・予約したチケットはキャンセルできますか?はい、未使用のチケットはキャンセルが可能です。「info(a)airportbus-muenchen.de」宛に、予約番号を記載の上でキャンセルリクエストを行ってください。(a)は@マークです。ただし、5€のキャンセル費用が発生致します。

ルフトハンザエクスプレスのメリットとデメリット

【メリット】

ミュンヘン空港と市内間の移動に「ルフトハンザエクスプレスバス」を利用する場合、リーズナブルな料金設定(片道 10.5〜11.0€)も魅力的ですが、やはり最大のメリットは、移動中はバスの車体に荷物を収納できる点です。

これがSバーン(電車)を利用した場合だと、スーツケースを持ったまま電車移動をしなくてはなりません。その点「ルフトハンザエクスプレスバス」なら、移動中は荷物に意識を払う必要がないので、精神的にもかなり楽だと思います。乗り場も空港の到着ホールと同じ階にあるため分かりやすく、乗車チケットも運転手から手軽に購入できます。また、バスの乗り方も非常にシンプルなので、ドイツが初めての方や、海外旅行慣れしていない方には最もお勧めの移動方法になります。

【デメリット】

これは電車(Sバーン)以外の全ての移動手段に言える事ですが、移動の所要時間が交通状況に左右されやすいという点がデメリットの一つとなります。他には大きなデメリットは見当たりませんが、空港から市内行きのルフトハンザバスは、ミュンヘン中央駅北口のバスターミナルに停車します。もし、南口や極端に駅から離れたホテルを予約してしまうと、バス降車後にかなり歩く羽目になります。その点は注意ください。

もし、ミュンヘン空港からバスを利用しての移動をお考えなら、滞在ホテルはミュンヘン北口バスターミナルを降りて目の前にある4つ星ホテル「エデン ホテル ヴォルフ」への宿泊がお勧めです。4つ星ホテルながら料金もリーズナブルで、ほとんどの部屋(シングルルームも)でバスタブを完備しています。日本人の方の宿泊者も多く、私もミュンヘン旅行の際はかなり重宝しています。

電車Sバーン

Sバーンの電車がホームに到着する様子

ミュンヘン空港と市内(ミュンヘン中央駅)は、空港直結の駅から「Sバーン(S-bahn)」と呼ばれる電車を利用して移動する事ができます。

Sバーンは、1972年にミュンヘンオリンピックに合わせて開通した都市近郊鉄道で、S1〜S8までの8路線に、S20を加えた全9路線が運行しています。このうち、ミュンヘン空港と市内を結んでいるのが「S1」と「S8」の路線で、どちらの路線を利用した場合でも、空港と市内間の移動は所要40分ほどになります。

運行時間・運行ルート

Sバーンのミュンヘン空港発の電車は毎日午前4時4分発〜 25時台発まで、10分〜20分間隔で運行しています。また、ミュンヘン中央駅から空港に行くバスは24時間運行しています。

【運行時間 始発と終電】

ミュンヘン空港〜ミュンヘン中央駅間
始発最終
ミュンヘン空港駅発
Flughafen München
4:04発から25:24発まで
※土日は25:44発まで
ミュンヘン中央駅発
München, München Hbf
24時間運行

MVVの交通機関の運行スケジュールはこちらの「MVV Journey planner(英語)」より、出発地と目的地を入力して検索が可能です。終電と始発の時間帯で利用される方は念の為に最新の運行時間を確認する事をお勧め致します。

【S1ライン 路線図】

SバーンのS1路線利用した際、ミュンヘン空港から17駅目が中央駅になります。

  • ミュンヘン空港駅(Munich Airport)
  • München Flughafen Besucherpark
  • Freising
  • Pulling
  • Neufahrn bei Freising
  • Eching
  • Lohhof
  • Unterschleißheim
  • Oberschleißheim
  • Feldmoching
  • Fasanerie
  • Moosach
  • Laim
  • Hirschgarten
  • Donnersbergerbrücke
  • Hackerbrücke
  • ミュンヘン中央駅(Munich Hbf)

【S8ライン 路線図】

SバーンのS8路線を利用した場合、ミュンヘン空港から中央駅までは、ミュンヘン東駅などを経由して15駅目です。

  • ミュンヘン空港駅(Munich Airport)
  • Flughafen Besucherpark
  • Hallbergmoos
  • Ismaning
  • Unterföhring
  • Johanneskirchen
  • Englschalking
  • Daglfing
  • Leuchtenbergring
  • ミュンヘン東駅(Munich East)
  • ローゼンハイマー・プラッツ駅(Rosenheimer Platz)
  • Isartor
  • Marienplatz
  • Karlsplatz
  • ミュンヘン中央駅(Munich Hbf)

全路線図を確認したい方は、MVVの公式HPより「運行路線図のPDF」がダウンロードできますので、ご利用ください。

チケットの種類と料金

基本的にミュンヘンの交通機関は、ミュンヘン交通連合MVVが運営しているので、Sバーン、Uバーン、バス、トラムのチケットは全て共通です。

チケットには主に1回券と1日券があり、ゾーンと呼ばれるエリアごとに料金が変動する運賃制度が導入されています。

ミュンヘン ゾーンの図表

ミュンヘン空港は「4 Zone」、ミュンヘン中央駅は「1 Zone」に区分けされています。ゾーン別のチケットの種類や料金は以下の表を参照ください。ミュンヘン空港と市内間の移動時に利用できるチケットは黄色い背景で記しております。

1回乗車券(Einzelfahrkarten)

1回使い切りのチケットで、移動するゾーン数によって料金が異なってきます。空港から市内までは4つのゾーンを移動するので一番下の「4 Zone」のチケットを購入する形になります。

有効範囲有効期間料金
短距離券(Short trip)
SとUバーンは2駅、バスとトラムは4駅まで乗車可能
1時間有効1.50 €
1ゾーン(1 Zone)3時間有効2.90 €
2ゾーン(2 Zone)4時間有効5.80 €
3ゾーン(3 Zone)4時間有効8.70 €
4ゾーン(4 Zone)4時間有効11.60 €

1日券(Tageskarten-Single)

決まったゾーンの範囲内で、MVVの交通機関が1日乗り放題になるチケット。空港からミュンヘン中央駅までの移動は「①〜④のゾーン」チケットを購入する形になります。

有効範囲有効期間料金
①のゾーン(市内 Inner district)1日乗り放題6.70 €
②〜④のゾーン(市外 Outer district)6.70 €
①と②のゾーン(ミュンヘンと近郊 Munich XXL)8.90 €
①〜④のゾーン(全域 Entire network)16.80 €

3日券(Tageskarten-3days)

決まったゾーンの範囲内で、MVVの交通機関が3日間乗り放題になるチケット。残念ながらミュンヘン空港から市内への移動には利用できません。

有効範囲有効期間料金
①のゾーン(市内 Inner district)3日間乗り放題16.80 €

移動の所要時間

Sバーン利用時のミュンヘン空港とミュンヘン中央駅間の移動所要時間は、「S1」「S8」どちらの路線に乗った場合でも、所要40分〜約45分ほどなので、発車時刻の早い路線に乗車すればOKです。

乗車チケットの購入方法

Sバーンの乗車チケットは、MVVのHP上で事前にオンライン購入、もしくは空港駅に設置してある自動券売機で当日購入できます。ただし、ローカル電車のチケットをわざわざ事前にオンライン購入する必要はないと思いますので、空港到着後に自動券売機で購入するのがおすすめです。

自動券売機で購入する場合

MVV交通機関(Sバーン)の自動券売機

自動券売機は、空港到着ホール「ターミナル1」と「ターミナル2」の間から地下に降りるとアクセスできる「ミュンヘン空港駅(Flughafen München)」の乗車ホームに設置されているほか、空港駅に移動する途中にも設置されています。下の写真はミュンヘン空港のターミナル2内に設置してある自動券売機です。

MVV交通機関(Sバーン)の自動券売機

自動券売機の上部にはドイツ語で切符を意味する「Fahrkarten」と大きく書かれているので、券売機を探す際の目印としてください。また、券売機自体も赤と白のボディで非常に目立つのですぐに分かると思います。

MVVのHP上で購入する場合

mvvのチケット販売ページ

ミュンヘン空港の到着日にバタバタしたくない方は、事前に「MVVのチケット販売ページ(英語)」からオンライン購入が可能です。

ただし、オンライン上では「1回乗車券(Einzelfahrkarten)」は販売されておりませんので、「1日券(Tageskarten-Single)」を購入する形になります。オンライン購入した場合、購入完了後にダウンロードできるpdfのチケットをプリントアウトの上で利用します。また、専用アプリを利用して購入すれば、スマートフォンの端末上でチケットを表示して利用する事も可能です。

【MVV公式アプリ】

ミュンヘン空港駅でのSバーン乗車の流れ

ミュンヘン空港到着後、Sバーンに乗車する流れは以下になります。

1

乗車ホームへ移動

ドイツの電車には日本の様な改札はありませんので直接乗車ホームに向かいます。ミュンヘン空港到着時も、市内でSバーンの乗り場を探す際も、とにかく緑色に白地で「S」と書かれた標識(写真下)にしたがって行けば乗り場に辿り着けます。下の写真はミュンヘン空港内の至る所にあるSバーンの案内板になります。空港から市内への移動に「Sバーン」を利用される場合は、この案内板に従って移動してください。

ミュンヘン空港内 Sバーンへの案内標識

空港到着後、Sバーンの標識に従って行くと、「ミュンヘンエアポートセンター」という大きな広場に出ます。広場をそのまま真っ直ぐ進むと、奥に地下に降りるエスカレーター(写真下)があります。ここを降りると市内行きの「Sバーン」の乗車ホームがあります。チケットはこのホームにある自動券売機で購入する事ができます。

ミュンヘンエアポートセンター Sバーンへの階段
2

乗車チケットの購入

乗車ホームに到着したら、ホームにある自動券売機(写真下)で乗車チケットを購入します。

ミュンヘン空港駅乗車ホーム設置の券売機

乗車チケットの券売機は、ターミナル2から空港駅に移動する途中にもあるので、乗車チケットを購入してから乗車ホームに移動しても問題ありません。

【チケットの刻印について】

通常、ミュンヘンでSバーンを利用する際、乗車前に必ず刻印機でチケットに刻印を行う必要があります。ただし、ミュンヘン空港内や空港駅ホームにある最新型の自動券売機(写真上)で購入したチケットに関しては刻印の必要はありません。そもそもミュンヘン空港駅に刻印機自体がありませんし、右側のチケットは大きさ的にも刻印機には通りません。

Sバーンのチケット

※上写真のチケットは「1 Zone」チケットになります。空港から市内への移動には「4 Zone」の1回券か1日券の購入が必要です。

3

列車に乗車する

乗車チケットを購入しホーム(写真下)に移動したら、電車が到着するのを待って乗車します。

Sバーン ミュンヘン空港駅の乗車ホーム

Sバーンというか、基本的にドイツはどの電車も自動でドアは開きません。ドア付近にある丸いボタンを押すとドアが開くので乗車します。閉まる時だけはドアは自動で閉まります。また、ドアをレバーで開くタイプの電車もありますので、その場合はレバーを捻って乗車します。

Sバーンのドア開閉ボタン
4

列車を降りる

電車に乗車したら、車内の掲示板(写真下)などを頼りに目的の駅で降車します。

Sバーン 車内の電光掲示板

参考までに「hauptbahnhof」とは中央駅の事なので、ミュンヘンで言えば「ミュンヘン中央駅」にあたります。

また、降車の際もドアは自動で開きませんので、ボタンを押すか、レバーを捻ってご自身でドアを開いて降車します。

Sバーン 車内のドア開閉ボタン

ボタンでドアを開閉する場合、電車が停車するとボタンが緑色に光かります。ボタンが緑色に光った事を確認したら、ボタンを押してドアを開きます。

ミュンヘン空港から、SバーンのS1路線に乗った場合は、空港から「ミュンヘン中央駅(Munich Hbf)」までは17駅目、S8路線に乗った場合は15駅目が「ミュンヘン中央駅(Munich Hbf)」になります。終点ではないので降り忘れにご注意ください。

ミュンヘン空港 Sバーン乗り場

ミュンヘン空港マップ Sバーンへのアクセス

ミュンヘン空港とSバーンが発着する「ミュンヘン空港駅(Flughafen München)」は地下で直結しています。位置的には、丁度ターミナル1とターミナル2の中間がぐらいの場所になります。以下のグーグルマップも参考にしてください。

Sバーンのメリットとデメリット

【メリット】

ミュンヘン空港から市内への移動に「Sバーン」を利用する最大のメリットは、最も料金的にお得という点です。確かに通常のシングルチケット(1回券)だと、ルフトハンザバスが「10.5〜11.0€」なのに対して、Sバーンは「11.6€」なので、若干高くなります。

しかし、ミュンヘン市内の交通機関が乗り放題になる「1日券(16.80 €)」を購入する事で料金的には非常にお得になります。

1日券は空港と市内間の移動利用だけだと割高ですが、ミュンヘン市内到着後に、バス、路面電車(トラム)、Uバーン(地下鉄)が、その日中であれば全て乗り放題となります。もし、朝早い時間にミュンヘン空港に到着して、その日はミュンヘン市内を1日観光する予定の方は、1日券を購入してSバーンでミュンヘン中央駅まで移動すると料金的なメリットは非情に大きいと言えます。また、渋滞に巻き込まれる心配もないので、到着時間が読みやすいと言う点も、空港移動にSバーンを利用するメリットの一つです。

【デメリット】

空港と市内間の移動にSバーンを利用する最大のデメリットは、大きなスーツケースを持って、電車に乗らなくては行けない点です。日本からのフライトでクタクタの状態で、荷物を運びながら移動するのは体力的にも精神的にもきついと思います。しかも、英語表記の自動券売機での乗車チケット購入や、刻印機でチケット刻印など、ドイツが初めての方にはややハードルが高い部分も多く、比較的、海外旅行慣れしている方にお勧めの移動方法となります。

タクシー

空港タクシー

ミュンヘン空港から市内までの移動はタクシーを利用する事も可能です。タクシーなら滞在ホテルや指定の場所までドアtoドアで移動する事ができるほか、深夜に到着した場合は、バスも電車も利用できないので、タクシーか民間の送迎サービスが空港から市内までの唯一の移動手段となります。

【空港タクシー利用時の基本情報】

料金70€ほど
※夜間は割増しになります。
※スーツケースなどの収納にトランクを利用した場合は、1〜2€のチップを渡すのがベターです。
運行時間24時間
所要時間約30分〜40分
※道路の混雑状況によって変動します。

【利用方法】

ミュンヘン空港でのタクシーの利用方法は日本と全く同じです。直接タクシー乗り場(写真下)に行き、運転手に行き先を告げて乗車するだけです。空港各出口付近に停車している車体がクリーム色のタクシーは、正規のタクシーなので、ボッタクリの心配はありません。

ミュンヘン空港のタクシー乗り場

行き先は、有名ホテルなら名前だけ言えば伝わりますが、予めホテル名と住所を記したメモを書いて運転手に見せるのが確実です。

また、ミュンヘン空港のターミナル2にはタクシーの受付カウンターがあるので、こちらで手続きの上で乗車する事も可能です。

ミュンヘン空港のタクシーカウンター

【空港内のタクシー乗り場】

ミュンヘン空港のタクシー乗り場は各ターミナルに複数箇所あります。基本的にはミュンヘン空港到着後、黄色に黒字で「TAXI」と書かれた標識に従って歩いて行けば、乗り場に到着できます。

ミュンヘン空港 タクシー乗り場への案内板
  • 【ターミナル1】
    エリアA-Eの出口付近
  • 【ターミナル2】
    Level 03と04の北側出口付近
  • 【MAC ※】
    フロア3 北側のタクシー乗り場

参考までに以下のグーグルのVR画像は「ターミナル2 Level3」北口のタクシー乗り場の景観です。

また、以下は「ターミナル1」エリアB出口のタクシー乗り場になります。この様な感じでタクシー乗り場は複数あり、非常に分かりやすいので、迷うことはないと思います。

タクシーのメリットとデメリット

【メリット】

タクシーの1番のメリットは、滞在ホテルでもどこでもドアtoドアで移動できる点です。また、深夜にミュンヘン空港に到着する場合、Sバーンとルフトハンザエクスプレスバスは運行が終了している場合があります。そういった場合にもタクシーは大活躍です。

【デメリット】

タクシーのデメリットは言わずもがな料金が最も高額な点です。ミュンヘン空港と市内の移動には最低でも70€はかかるため、一人旅の方などはかなり割高になってしまいます。逆に4人グループの方は割り勘にすれば、一人当たりの負担額は18〜19€ほどになるので、グループ旅行の方はタクシーの選択肢もありだと思います。

プライベート送迎サービスの利用もおすすめ

送迎サービスは、メリットもデメリットもタクシーとほぼ同じですが、GET YOUR GIDEなどのサイトを利用して予約すれば、日本語で事前に送迎車を準備しておく事ができます。料金的には高くなりますが、現地でのタクシー、バス、電車の乗車に高いハードルを感じる方は、こちらの利用が安心でお勧めです。予約後にメールアドレスに届くPDFファイルをプリントアウトして、到着エリアで待っている運転手に提示するだけで乗車できます。

GET YOUR GIDEは2009年に設立された世界遺産や施設のツアーやチケット手配を行っている会社です。以前は日本語に対応しておりませんでしたが、ここ数年は日本語に対応し、日本の利用者も増えております。

▶︎ GET YOUR GIDEの送迎サービスページへ

まとめ

ミュンヘン空港と市内間(ミュンヘン中央駅)の移動手段の中で、どれが一番お勧めかは、皆様が何を重視するかによって変わってくると思います。例えば、リーズナブルな料金で手軽に移動したいなら、乗り場で運転手からチケットを購入して乗車するだけの「ルフトハンザエクスプレスバス」が簡単でお勧めです。旅慣れしてない方にとっては乗り方やチケットの買い方がシンプルなので利用しやすいと思います。

一方、とにかくコストパフォーマンスを重視したいなら、1日券を購入して「Sバーン」を利用するのがお勧めです。Sバーンの1日券は、空港から市内への乗車チケットとしてだけでなく、市内到着後のトラムやバス、地下鉄の乗車券としてもそのまま利用できます。

ただし、空港到着が深夜になる場合に限っては「バス」も「電車」も運行が終了しているため利用できません。その場合は自ずと「タクシー」か「送迎サービス」を利用する形になります。この場合は多少料金は高くなっても、GET YOUR GIDEの送迎サービスなどを事前に予約しておくと安心かもしれません。