プラハ城・旧王宮の見どころと歴史|ヴラディスラフ・ホールや窓外投出事件を解説
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プラハ
プラハ城内にある「旧王宮(Old Royal Palace)」は、チェコ王国時代の政治と王政の中心として使用された歴史的建築です。内部には、壮大なアーチ天井の吹き抜け空間を持つ「ヴラディスラフ・ホール」や、かつて国政を担った「国会議場(ディエト)」、天井の紋章が印象的な「新国事録の間」など、多くの見どころがあります。
旧王宮の起源は、9世紀から10世紀にかけて建てられた木造建物にさかのぼります。その後、12世紀にソビェスラフ1世が石造のロマネスク様式の宮殿を建設し、これが本格的な王宮の始まりとなりました。この宮殿は後に「諸聖人教会(All Saints’ Church)」と接続され、1185年に献堂されています。
14世紀前半にはカール4世によって大規模な拡張が行われ、ロマネスク建築はゴシック様式の宮殿へと発展しました。さらに、息子ヴァーツラフ4世の治世下で新たな翼が増築され、宮殿の規模は一層拡大しました。
15世紀の動乱期には約80年間放棄されていましたが、1483年にヴラディスラフ・ヤギェウォ王がプラハに戻ると、建築家ベネディクト・リート(Benedikt Ried)が設計を担当し、後期ゴシックと初期ルネサンスの要素を融合させた大改修が行われました。このときに建設されたのが、現在でも圧巻の「ヴラディスラフ・ホール」です。
ヴラディスラフ・ホールは、16世紀以降、戴冠式の祝宴、騎士のトーナメント、市場や祝典など王国の重要行事の舞台として使用されました。現在でも国家的行事や大統領の就任関連儀式などに利用されています。ホールの南壁には展望ギャラリーがあり、「庭園の散歩道(Garden on the Ramparts)」を望む美しい景観が楽しめます。
ホールの南西側から続く「ルートヴィヒ翼」には、かつてチェコ王国の官庁(Chancellery)が置かれていました。1618年、この部屋で「ボヘミア貴族の反乱」によりハプスブルク家の代理人2名と書記1名が窓から投げ落とされる「プラハ窓外投出事件」が発生し、これが30年戦争(1618–1648)の発端となりました。
ヴラディスラフ・ホールの出口には「騎士の階段(Riders’ Staircase)」があります。これは、騎士たちが馬に乗ったままホールへ入場できるよう設計された階段で、複雑な後期ゴシックのリブ・ヴォールト天井が美しく残っています。
また、旧王宮の一角には、建築家ペーター・パルラーによって建てられた「諸聖人教会(All Saints’ Church)」があります。1541年の大火で大部分を失いましたが、外壁の一部が現存し、現在も礼拝時にのみ一般公開されています。
18世紀にはマリア・テレジアの治世下で「テレジア翼(Theresian Wing)」が建設され、20世紀には数度の改修を経て、1993年以降は芸術展示会などの会場としても利用されています。
旧王宮は、プラハ城の共通チケット「プラハ城 メイン周遊チケット」に含まれており、内部の主要エリアを見学できます。王政期から現代に至るまで、チェコ史を象徴する建築として多くの旅行者に親しまれています。
旧王宮の見どころと見学ポイント
ここでは「旧王宮」の見どころと見学ポイントをご紹介します。
ヴラディスラフ・ホール
長さ62m、幅16m、高さ13mの大きさをほこる旧王宮最大の部屋です。完成した16世紀当時はヨーロッパで最大の部屋でした。カレル1世の死後、城の建設を引き継いだ王の名から「ヴラディスラフ・ホール」と呼ばれました。このホールの中には柱が一本もなく、幾何学的に連なるアーチの天井が大きな空間を支えています。
これは16世紀初頭の建築技術としてはかなり優れたもので、後のゴシック建設に大きな影響を与えました。このホールは馬に乗った騎士たちが室内競技を行ったり、戴冠式など国家的行事に使用されました。1934年からは大統領選挙も行われています。
長さ約62m × 幅約16m × 高さ約13mの巨大空間で、旧王宮内で最大のホール。1490年代末~16世紀初頭にかけて、建築家ベネディクト・リート(Benedikt Rejt / Ried)が後期ゴシック(ヤギェウォ朝ゴシック)を基調に、到来したルネサンスの要素を織り交ぜて完成させました。柱を一切用いず、網状(ネット/スター)ヴォールトが幾何学的に連なる独特の天井構成で大空間を成立させています。
16世紀には戴冠式の祝宴、騎士の模擬トーナメント、市場(工芸・贅沢品の市)など、王国の国家的儀礼や市民行事の舞台として使用されました。現在も国家的な式典の会場として機能しており、大統領の就任関連行事などがここで執り行われます。
ホール南壁のギャラリーからは「城壁の庭園(Garden on the Ramparts)」方面の眺望が楽しめます。また、出口側には「騎士の階段(Riders’ Staircase)」があり、騎士が馬に乗ったままホールへ入場できるよう設計されたことで有名です。複雑な後期ゴシックの肋骨ヴォールトが美しく残る見学ポイントです。
王室の国会議場
このエリアは1541年の大火で大きな被害を受け、その後16世紀に再建されました。
再建後は、ボヘミアの土地会議(Land Diet)や法務・政務の諸機能が置かれ、諸議場・執務室・文庫が連続する構成になりました。隣接空間には「ディエト(議場)」と並んで諸聖人教会(All Saints’ Church)が位置づけられます。
議場の壁面に見られるハプスブルク家関連の肖像は、周辺諸室(とくにルートヴィヒ翼の官房関連)と併せて、16~17世紀の政治的文脈を伝える展示として解説されることが多いです。

なお、1618年の「プラハ窓外投出事件」は、ヴラディスラフ・ホール南西から接続するルートヴィヒ翼(Ludvík Wing)内のチェコ王国官房(Chancellery)側の室で発生。ハプスブルクの代理官2名と書記1名が窓から堀へ突き落とされ、これが三十年戦争の端緒となりました。
新国事録の間
土地台帳(zemské desky)などの重要文書を保管した部屋で、天井一面にはボヘミアの二尾の獅子を中心に、貴族・高官・都市等の紋章群が描かれています。ヴラディスラフ期以後の再整備で意匠的に統一された天井装飾が施され、旧王宮が「法と統治の記憶」を象徴的に体現する空間として機能したことを示しています。
王冠のレプリカ
ここ旧王宮に展示されているのはチェコ王冠宝器(聖ヴァーツラフの王冠・王笏・宝珠など)のレプリカです。オリジナルの宝器は聖ヴィート大聖堂内の「王冠室」に厳重に保管されており、特別な儀式や国家的行事の際にのみ一般公開されます。
第二次世界大戦中、王冠宝器は空襲や略奪を避けるため秘匿・分散保管されていました。戦後に再び聖ヴィート大聖堂へ戻され、現在も国の象徴として大切に守られています。
チケット料金・営業時間・ロケーション
ここでは「旧王宮」のチケット料金、営業時間、城内のロケーションなどを紹介しております。
◾️旧王宮のチケット料金
旧王宮美術館には「プラハ城 メイン周遊チケット」を購入すれば入場する事ができます。
表はスワイプ(横スクロール)で全体表示可能。
| 料金(大人17歳以上) | 入場対象 | |
|---|---|---|
プラハ城 メイン周遊チケット | 450CZK |
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プラハ城 常設展チケット | 300CZK |
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旧王宮美術館 チケット | 200CZK |
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大聖堂付属の展望塔 チケット | 200CZK |
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5歳以下、障害者手帳をお持ちの方は無料
◾️旧王宮の営業時間
□09:00 〜 17:00(4月1日〜10月31日)
□09:00 〜 16:00(11月1日〜3月31日)
入場は閉門の30分前までです。
◾️旧王宮のロケーション
旧王宮は聖ヴィート大聖堂の南側に面する「第3中庭」に入口があります。
プラハ城のおすすめスポット
プラハ城内には複数の見学スポットが存在しており、現在は以下の9施設に入場可能となっております。
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