ウィーン美術史美術館の観光情報 – 行き方、入場料金、館内マップ、所要時間など

ウィーン
ウィーン美術史美術館の外観

本記事では、ウィーン美術史美術館の営業時間や入場料金、行き方、各フロアの概要など、観光時に必要な基本情報について解説いたします。

館内の展示作品と見どころについては、以下の記事にて詳しく解説しております。

美術史美術館の基本情報

古代ギリシャ・ローマコレクション

まずは美術史美術館の営業時間や入場料金、行き方などの基本情報からご紹介いたします。

営業時間と休館日

営業時間

  • 10時~18時(木曜は10時~21時)

休館日

  • 9月~5月の月曜日

チケット料金と種類

美術史美術館の入場チケットには大きく、単館入場と複数の美術館に入場できるチケットがあります。

美術史美術館 単館の入場チケット

  • ・ 16ユーロ(一般大人)
  • ・ 12ユーロ(65歳以上 or 25歳未満)
  • ・ 15ユーロ(一般大人でウィーンカード保有者)
  • ・ 無料(18歳未満 )

コンビネーションチケット

美術史美術館とウィーン王宮宝物館に1度づつ入場できる共通チケットで、購入日から1年間有効です。

  • ・22ユーロ(一般大人)

マスターチケット

美術史美術館とレオポルド美術館に1度づつ入場できる共通チケットで、購入日から1年間有効です。

  • ・24ユーロ(一般大人)

年間パスポート

美術史美術館を含む7つの美術館に、購入から1年以内は何度でも入場できる年間パスポート。

  • ・44ユーロ(一般大人)

年間パスポートの対象施設は「美術史美術館」「ウィーン王宮宝物館」「馬車博物館」「アンブラス城」「民族学博物館」「古楽器博物館」「劇場博物館」になります。

注意事項

  • ・館内での写真撮影は可能ですが、フラッシュや三脚、自撮り棒を使用した撮影は禁止されています。
  • ・飲食や喫煙、ペットの持ち込みは禁止です。
  • ・絵画や彫刻など、全ての美術品に触れることは禁止です。

行き方とロケーション

美術史美術館はウィーン市内の中心部、ホーフブルク宮殿の南西側約600m(徒歩6分)ほどの場所に位置しています。以下の地図上のマークの場所が「美術史美術館」になります。

ブルグリング駅(Burgring)、ミュージアムクォーター駅(Museumsquartier)、フォルクステアター駅(Volkstheater)

ウィーン自然史博物館、ホーフブルク王宮、国立オペラ座、オーストリア国立図書館、ミヒャエル広場

トラムでのアクセス

トラムを利用する場合、トラム1・2・D線に乗車の上「ブルグリング駅(Burgring)」下車で、美術史美術館までは徒歩2分ほどです。

地下鉄でのアクセス

地下鉄を利用する場合、地下鉄2号線「 ミュージアムクォーター駅(Museumsquartier)」下車で、美術史美術館までは徒歩2分ほどです。もしくは、地下鉄2・3号線「フォルクステアター駅(Volkstheater)」下車で徒歩4分ほどです。

徒歩でのアクセス

ウィーン市内の現在地によっては、電車やトラムを利用するよりも徒歩でアクセスした方が早い場合があります。近場の観光スポットから「美術史美術館」までの距離は以下を参考にしてください。

  • 自然史博物館から徒歩約3分(240m)
  • ホーフブルク宮殿から徒歩約7分(600m)
  • ミヒャエル広場から徒歩約8分(650m)
  • 国立オペラ座から徒歩約9分(700m)
  • オーストリア国立図書館から徒歩約10分(850m)

美術史美術館の入口とチケット売場

美術史美術館に到着後、入口からチケット売り場を経由して入場する流れを詳しく紹介致します。

ウィーン美術史美術館周辺マップ

上の地図は北と南が逆さになっていますが「美術史美術館」と「自然史博物館」は、マリアテレジア広場を挟んで向かい合う様に建っています。マリア・テレジア像を正面にした場合、左手側に進むと「美術史美術館」、右手側に進むと「自然史博物館」です。

マリアテレジア広場のマリアテレジア像

参考までに、美術史美術館と自然史博物館の建物の外観は全く同じになります。左側が自然史博物館、右側が美術史美術館になります。

ウィーン美術史美術館と自然史博物館

上画像だと撮影日が異なるので、色味が違ってますが、実際の建物の外観は全く同じです。

とは言え、入り口左右の彫像やタペストリーを見れば、「自然史博物館」と「美術史美術館」の違いは明らかなので、間違える事はないと思います。

ウィーン美術史美術館と自然史博物館

下画像が美術史美術館の入り口の景観です。タペストリーは時期によって変更になりますが、「KUNST HISTORISCHES MUSIUM」と書かれていれば、美術史美術館で間違いありません。ドイツ語で歴史を意味する「HISTORISCHES」の単語があるので、すぐにわかると思います。

ウィーン美術史美術館の入口

自然史博物館の入口には、子供と母親が視線を合わす様な像が置かれています。

自然史博物館の入口

美術史美術館は、3つある扉のうち、真ん中以外の左右どちらからでも入場できます。

ウィーン美術史美術館の入口

どちらの入口から入場しても、中でつながっているので大差はありませんが、左側の入口から入場して、すぐ左手側のチケット売り場は必ず営業しているので、左側入口からの入場がお勧めです。

美術史美術館のチケット売り場

また、建物に入ってすぐ正面には、自動券売機も設置されており、この券売機でチケットを購入する事も可能です。

美術史美術館の自動券売機

自動券売機では、通常の入場チケット以外にも、コンビネーションチケットや年間パスポートの購入が可能です。操作は画面に直接タッチして行い、クレジットカードも使用する事ができます。

美術史美術館の自動券売機

こちら(下画像)が美術史美術館の入場チケット(写真下)です。デザインは時期によって変わると思います。

美術史美術館の入場チケット

チケットを購入したら、チケット売り場を背にして2~3メートル歩いた左手側にある入口(写真下)から、係員にチケットを提示して入場します。入場時には簡単な荷物検査があります。

美術史美術館 見学ゾーンへの入口

館内マップと展示作品

絵画コレクションの展示室

ハウスブルク家の美術品が一堂に会する「美術史美術館」の建設は1871年にスタートしました。全体の設計はドイツの建築家「ゼンバー」が担当し、内装は、ウィーンの建築家「ハーゼナウアー」が担当しました。

建設にあたっては、予算の制限や期限は一切設けず、グスタフ・クリムト、ハンス・マカルト、フランツ・マッチュ、ミハーイ・ムンカーチなど、名だたる芸術家たちを集めました。彼らが手がけた彫刻や壁画、天井画で飾られた美術館内の内装は、まるで宮殿の様な豪華さです。

5つのフロアで構成される館内は、大きく「絵画コレクション」「エジプト・オリエントコレクション」「古代ギリシャ・ローマ・コレクション」「美術工芸品コレクション」「コインコレクション」の5セクションに分かれ、展示品は、絵画から彫刻、コイン、古銭まで多岐にわたります。

最大の見どころは1階の絵画ギャラリーで、「ブリューゲル」や「フェルメール」「ラファエロ」「ルーベンス」「ティッツィアーノ」「カラヴァッジォ」など、名だたる画家の作品が展示されています。

以下に館内マップ、各フロアの概要、展示作品名などを記載致しましたので、観光時の参考にしてください。

0階と-0.5階(コインロッカー、クロークルームなど)

美術史美術館の地上階がこの0階になります。

美術史美術館 0階(地上階)と-0.5階(半地下階)

美術史美術館の建物に入場して正面の階段を登って行くと、0.5階や1階の絵画コレクションのフロアにアクセスする事ができます。下の画像は入口を背にした景観です。

0階 正面階段とインフォーメーション、オーディオガイドのレンタルカウンター

上画像の左右にも階段がありますが、1階の「絵画コレクション」から見学する場合は、正面の階段を登って行くのが最短ルートです。エレベーターを利用する場合は、インフォメーションとオーディオカウンターの奥にそれぞれ一台づつ設置されています。

インフォメーションセンター(0階)

入り口を背にして、正面階段の右手側にはインフォメーションセンターがあります。ここで日本語のフロマップ(無料)や、観光情報を入手できます。

0階のインフォメーション 0階のインフォメーション

オーディオガイドカウンター(0階)

入り口を背にして正面階段の左手側には「オーディオガイドのレンタルカウンター」があります。オーディオガイドは、日本語、英語、ドイツ語、中国語、韓国語、ロシア語、スペイン語に対応しており、全作品の詳細な解説を聞く事ができます。オーディオガイドのレンタル料金は5ユーロになります。

0階 オーディオガイドのレンタルカウンター

コインロッカーとクロークルーム(−0.5階)

美術史美術館の建物に入ってすぐ左手の突き当たりに、-0.5階(半地下階)に降りる階段があります。

0階 半地下階への階段入口の説明画像 -0.5階(半地下階)のミュージアムショップの入口-0.5階(半地下階)のコインロッカールームの入口

-0.5階(半地下階)に降りると、ロッカールームやクロークルーム、トイレなどがあります。コインロッカーの利用には、1〜2ユーロの硬貨が必要ですが、投入した硬貨は最終的に返却されます。また、無料で利用できるクロークルームは、衣服だけでなく、荷物を預ける事も可能です。細かい硬貨がない方は、クロークルームを利用してください。

-0.5階(半地下階)のロッカールーム

ミュージアムショップ(−0.5階)

入口を背にして、右手側の入口から書籍や雑貨を扱う「ミュージアムショップ」にアクセスする事ができます。このミュージアムショップは、館内配布の地図では-0.5階(半地下階)と案内されていますが、実質は地上階(0階)にあります。

-0.5階(半地下階)のミュージアムショップの入口

下画像は別角度から撮影した写真です。入り口とミュージアムショップの位置関係把握の参考にしてください。

-0.5階(半地下階)のミュージアムショップの入口

ミュージアムショップでは、アクセサリー、衣類、書籍、カタログ、雑貨など、作品やハプスブルク家に関連したグッズが販売されています。ミュージアムショップはこの-0.5階以外にも、正面のメイン階段を登り切った1階の右奥にもあります。

1階のミュージアムショップ入口

0.5階(美術収集室、古代ギリシャ・ローマ・エジプトコレクションなど)

地上階から半階分ほど階段を上がった最初の展示フロアがこの0.5階です。

展示品は西側ウイングの「美術収集室」と、東側ウイングの「古代ギリシャ・ローマ・コレクション」「古代エジプト・オリエント・コレクション」の3セクションに分類されています。

美術史美術館 0.5階のフロアマップ

  • ① グリフィン形水差し
  • ② 食卓用塩入れ(サリエラ)/ ベンヴェヌート・チェッリーニ作
  • ③ ケンタウロスに乗るディアナの人形時計/ ハンス・ヤコブ I バッハマン作
  • ④ 飛翔するマーキュリー/ ジャンボローニャ作
  • ⑤ イボイノシシの牙付きサイの角の蓋付き酒盃/ ニコラス・パフ作
  • ⑥ サギの形の大型飾り鉢/ サラッキ工房作
  • ⑦ フリアのマイスターの象牙彫刻
  • ⑧ テセウス彫像/ アントニオ・カーノヴァ作
  • ⑨ カバの小像/ エジプト、中王国時代
  • ⑩ 実在人物頭部/ エジプト、古王国時代
  • ⑪ 歩くライオンの瓦礫レリーフ
  • ⑫ アマゾネスの石棺
  • ⑬ ブリュゴスの酒杯(アッティカ赤像式)
  • ⑭ アウグストゥスの宝玉
  • ⑮ ナギセントミコロスの円形(浮き彫り杯)

1階 絵画コレクション

1階は美術史美術館のメイン展示フロアで、15世紀から19世紀初期までの貴重な絵画のコレクションが展示されています。

絵画コレクションの展示は大きく、西側ウイングの「オランダ・フラマンおよびドイツ絵画」と、東側ウイングの「イタリア・スペインおよびフランス絵画」の2つに別れています。また、東側ウイングの一部では季節ごとに異なる「企画展」も開催されています。さらに、西と東ウイングの間には、お土産探しにもってこいの「ミュージアムショップ」や世界で最も美しいと言われる「カフェ」も営業しています。

美術史美術館 1階のフロアマップ

  • ⑯ ザクセンの三王女 / ルーカス・グラナッハ作
  • ⑰ サムソンとデリア / アンソニー・ファン・ダイク作
  • ⑱ 磔刑トリブティーク / ロヒール・ファン・デル・ウェイデン作
  • ⑲ 毛皮をまとった妻 / ルーベンス作
  • ⑳ 絵画芸術 / フェルメール作
  • ㉑ バベルの塔 / ブリューゲル(父)作
  • ㉒ マクシミリアン1世 / アルブレヒト・デューラー作
  • ㉓ 階段の壁画 / クリムト作
  • ㉔ 凸面鏡での自画像 / パルミジャニーノ作
  • ㉕ 草原の聖母 / ラファエロ作
  • ㉖ ディアナとカリスト / ティチアーノ・ヴェチェッリオ作
  • ㉗ ロザリオの聖母 / カラヴァッジオ作
  • ㉘ ベルベデーレから見たウィーン / ベルナルド・ベッロット作

2階 コインコレクション

美術史美術館の最上階にあたるフロアがこの2階です。このフロアでは主に「コインコレクション」の展示が行われています。

美術史博物館 2階フロアマップ

㉙ 錬金術師の大メダル㉚ 二重ソリドゥス金貨㉛ グルデン貨㉜ シフスゲルト(銀貨)㉝ 半月形のクリッペ

フロアマップのダウンロード

ウィーン美術史美術館の公式サイトで配布している館内マップは以下よりダウンロードください。

美術史美術館のフロアマップ(126KB)

所要時間の目安

絵画コレクションの展示作品

美術史美術館の観光所要時間の目安は2時間〜2時間半ほどです。

上記の所要時間は、2階の「絵画コレクション」をじっくりと観光し、0.5階の「美術収集室」「古代ギリシャ・ローマ・コレクション」「古代エジプト・オリエント・コレクション」をさらっと見学した場合の所要時間目安です。

参考までに私は以下の時間配分で全セクションを2時間で見学しました。

  • 3階 コインコレクション:所要30分(さらっと見学)
  • 2階 絵画コレクション:所要1時間
  • 0.5階 美術収集室などの3セクション:所要30分(さらっと見学)

3階の「コインコレクション」と、0.5階の美術収集室などを含む3セクションも、じっくりと観光して、更に世界一美しいカフェで一休みしたい方などは、4時間~5時間ほどの所要は見ておいた方が良いと思います。逆に「絵画コレクション」だけで良いという方は、所要1時間~1時間30分ぐらいあれば十分に堪能する事ができます。

上記の所要時間はあくまでも目安です。ご自身の回り方次第で、いくらでも所要時間は調整可能かと思います。当日の状況で、随時調整しながら見学ください。

美術史美術館の回り方

絵画コレクションの展示室

美術史美術館のメイン展示は1階の「絵画コレクション」です。そのため、ある程度時間が限られた中で観光される方は、最初に1階から見学をスタートすると時間配分の調整がしやすいと思います。

絵画コレクションを思う存分観光し、残りの時間で0.5階の「美術収集室」「古代ギリシャ・ローマ・コレクション」「古代エジプト・オリエント・コレクション」の3セクションを、時間が余れば2階の「コインコレクション」も見学するという回り方がお勧めです。

一方、美術史美術館の全てをゆっくり観光するために、半日ぐらい時間を割いて訪問される方は、時間配分の心配はありません。最上階にあたる2階の「コインコレクション」から階段を降りながら、順番にじっくりと展示作品を堪能ください。また、1階の絵画コレクションの見学前後には、同階にある世界一美しいカフェ「カフェKHM」も立ち寄る事をお忘れなく。

館内の展示作品や見どころについては、以下の記事にて詳細に解説しております。良ければ参考にしてください。

美術史美術館のチケット予約・購入方法

美術史美術館の入場チケット

美術史美術館の入場チケットは以下のいずれかの方法で購入可能です。

  • ・現地のチケットオフィスか自動券売機で購入する現地の美術史美術館のチケットオフィスか自動券売機で入場チケットを購入する方法です。窓口は2つありますが、1つしか稼働してない事があるので、状況によっては20分ほど並ぶ場合もあります。

  • ・公式サイトでオンライン予約する(英語)美術史美術館の公式サイトでオンライン予約する方法です。サイト表示は英語になりますが、予約完了後に送られてくるPDFファイルをそのままチケットとして利用する事ができます。

  • ・GET YOUR GIDEでオンライン予約する(日本語)GET YOUR GIDEはヨーロッパを中心に現地ツアーやチケット予約の手配を行なっている会社です。GET YOUR GIDEの「ウィーン美術史美術館:1日入場チケット」ページ経由で予約すれば、手数料なしで予約完了まで日本語で行う事ができます。現地のインフォメーションでチケットを受け取る手間はありますが、チケットオフィスが混雑している場合などは、行列を横目に入場します。チケットは館内入場後にインフォメーションで受け取る形になります。英語の予約に抵抗のある方や、現地で絶対に並びたくない方におすすめの購入方法です。

美術史美術館のチケット予約や購入方法については、以下の参考記事にて詳しく解説しております。

まとめ

絵画コレクションの展示作品

ウィーンの美術史美術館は、ガイドブックなどでもそこまでプッシュされてないので、観光コースに含めない方も多いと思います。しかし、時間と予算に一切の制限を設けずに建設された美術館内部の装飾には一見の価値があります。

肝心の展示作品に関しても、フェルメールの「絵画芸術」、ブリューゲルの「バベルの塔」、ラファエロの「草原の聖母」をはじめ、名作ぞろいです。

加えて、世界一美しいカフェ「カフェKHM」も併設しているとなれば、立ち寄らない手はないです。個人的にはシシィミュージアムに行くなら、この美術史美術館を訪問した方が、見た目的なインパクトはもちろん、見どころも多いと思います。ロケーション的にもウィーンの中心部に位置しているので、立ち寄りやすくてお勧めです。是非足を運んでみてください。