ベルヴェデーレ宮殿 攻略編 – 上宮の回り方、館内地図、展示作品、行き方など
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ウィーン本記事では、ベルヴェデーレ宮殿の基本的な観光情報や回り方はもちろん、館内地図や見るべきお勧めの作品、庭園の見どころ、行き方などについても詳しく解説していきます。
これからベルヴェデーレ宮殿を観光しようとお考えの方に向けたお役立ち情報が満載です。
ベルヴェデーレ宮殿とは
ベルヴェデーレ宮殿は、2つ本館と歴史的な庭園で構成されるバロック様式の宮殿です。敷地の広さはざっくりですが、南北に約1800m、東西は長い所で約800mぐらいあります。
宮殿の建物は、18世紀初頭に有名建築家「ヨハン・ルーカス・フォン・ヒルデブラント」によって、軍人で政治家の「オイゲン・フォン・ザヴォイエン」の夏の離宮として建設されました。
21世紀の現在、ベルヴェデーレ宮殿は世界で最も美しいバロック建築の一つとして、ユネスコの世界遺産に登録されています。
敷地内では美しい庭園、バロック様式の建物と装飾、ウィーン世紀末の貴重な絵画などを楽しむ事ができます。
まずは、ベルヴェデーレ宮殿観光に役立つ基本ポイントから解説していきます。
ベルヴェデーレ宮殿には3つの美術館がある
美しい庭園が広がるベルヴェデーレ宮殿の敷地内には「上宮」と「下宮」と呼ばれる2つのバロック様式の建物(美術館)があります。
更に、下宮の約1kmほど南側には、2010年に再オープンした「ベルヴェデーレ21」と呼ばれる現代美術館があります。3つの美術館は、入場料金や営業時間もそれぞれ異なり、展示内容も年代やコンセプトによって分けられています。
「上宮」「下宮」「ベルヴェデーレ21」の位置関係は以下の地図にてご確認ください。
一般的にベルヴェデーレ宮殿と呼ばれるのは「上宮」と「下宮」の二館だけですが、「ベルヴェデーレ21」も別館的な扱いでパンフレットやHP上では3番目の美術館として紹介されています。一番北側の「下宮」から中央の「上宮」までは、徒歩約8分ほど、「下宮」から「ベルヴェデーレ21」までは徒歩約16分ほど離れています。
人気・有名作品は全て「上宮」に展示されている
ベルヴェデーレ宮殿と言えば、世界で最も「グスタフ・クリムト」の絵画を所蔵している美術館として知られています。そして、この「グスタフ・クリムト」をはじめ、「エゴン・シーレー」や「オスカー・ココシュカ」など、日本で名の知れた画家の作品は全て「上宮」に展示されています。日本から来る観光客の方も「上宮」だけを見学する場合がほとんどです。
中には「下宮」まで見学される方もいますが、さすがに「ベルヴェデーレ21」まで見学される方は稀だと思います。本記事内で紹介するベルヴェデーレ宮殿の観光・攻略情報も「上宮」が中心になります。
ベルヴェデーレ宮殿の絵画を鑑賞する上で、上宮に展示されているクリムト作の「接吻(画像下)」は必見です。
入場無料の美しい庭園
ベルヴェデーレ宮殿観光のメインは「絵画鑑賞」になります。しかし、無料で入場できる広大な庭園と美しいバロック様式の宮殿外観(画像下)を見学するだけでも、足を運ぶ意味があると思います。庭園内の散策は無料です。
入場予約は必須?入場日時の指定制について
事前のチケット予約は必須ではありませんが、2012年のクリプト生誕150周年をきっかけに「上宮」の来館者は年々増加傾向にあります。可能なら事前にオンライン予約して訪問するのがベターです。
入場チケットを予約した方は予約日時にのみ、当日券を購入した方は入場チケットに記載された時間にのみ入場が可能です。
当日券を購入した場合も、その時間帯に空きさえあれば、お好きな入場時間を指定して入場できます。何も言わないと、購入した時間から一番近い時間帯で入場時間が設定されますが、すぐに入場されるなら問題ないかと思います。
参考までに、以下の写真は私が夏場のピークシーズンに朝一番で「上宮」を訪問した際の入口付近の景観です。
入館30分ぐらい前でしたが、既に20人近くは並んでいました。ベルヴェデーレ宮殿のチケット予約や購入、入場方法に関しては、以下の関連記事にて詳しく解説しておりますが、手っ取り早く日本語ページから定価で予約したい方は「GET YOUR GIDE」の「ウイーン:ベルヴェデーレ宮殿 入場チケット」ページ経由での予約がお勧めです。
ちなみに、当日券を購入される場合、上宮館内では入場チケットは販売されておりません。上宮やや南西側にあるチケットオフィスにて購入ください。この辺の詳細は本記事後半の「ベルヴェデーレ宮殿の入口」などを参照ください。
ウィーン・シティカードでお得に入場
市内の交通機関乗り放題と対象施設での割引がセットになったお得なカード「ウィーン・シティカード」をお持ちの方は、上宮、下宮、共通チケットを購入する際に、以下の金額にて割引を受ける事ができます。もちろん、オンライン予約時にも割引特典を受ける事が可能です。
ベルヴェデーレ宮殿の共通チケット:25.9 → 23.4ユーロ
ベルヴェデーレ宮殿の上宮チケット:17.5 → 16ユーロ
ベルヴェデーレ宮殿の上宮チケット:14.6 → 13.1ユーロ
注意点としては「ウィーンシティカード」を利用する場合、現地でのチケットこうにゅ
ウィーン・シティカードについては、本サイト別記事「ウィーン 地下鉄・トラム 乗り方、運賃、チケット購入方法、路線図まで徹底解説」内の「ウィーン・シティカード(ヴィエナ・シティカード)」の項にて詳しく解説しております。
ベルヴェデーレ宮殿 上宮の基本情報
ベルヴェデーレ宮殿「上宮」の営業時間や入場料金などは以下の通りです。
営業時間・休館日
ベルヴェデーレ宮殿 上宮は年中無休で開館しています。
- ・午前9時~18時
入場料金
上記画像内の料金は2020年ごろ撮影。現在は値上がりしています。
ベルヴェデーレ宮殿の敷地内や庭園には無料で出入りできますが、「上宮」「下宮」「ベルヴェデーレ21」の館内を見学するには入場チケットが必要で、それぞれ入場料金も異なります。以下は上宮と共通チケットの料金になります。
上宮(Upper Belvedere)のみ
料金は「オンライン予約時(現地購入時)」の形式で記載。
- ・17.5€(20.0€) - 一般大人
- ・14.1€(16.5€) - 66才以上
- ・14.1€(16.5€) - 25歳以下の学生
- ・無料 - 18歳以下
- ・4.0€ - 障害者カード保有者とその付き添い
- ・16.0€ - ウィーンシティカード保有者(オンライン購入の場合)
上宮と下宮の共通チケット
- ・25.9€(28,9€) - 一般大人
- ・21,6€(24,7€) - 66才以上
- ・21,6€(24,7€) - 25歳以下の学生
- ・無料 - 18歳以下
- ・5.0€ - 障害者カード保有者とその付き添い
- ・23.4€ - ウィーンシティカード保有者(オンライン購入の場合)
本チケットの有効期限は1日となります。「上宮」「下宮」の2つの施設に入場できます。
ほとんどの方が「上宮」しか見学されないと思いますので、「上宮(Upper Belvedere)」だけに入場できる大人17.5ユーロのチケットを購入すればOKです。もし、上宮と下宮の両方への訪問をお考えの方は、25.9ユーロの共通チケットを購入すれば、単体でそれぞれのチケットを購入するよりも8ユーロお得になります。
施設施設と注意事項
クロークルーム・コインロッカー
クロークルームは地上階に、コインロッカーは地下階に完備されています。大きい荷物がある場合はコインロッカーの利用が便利です。また、コートを着たまま館内見学はできませんので、必ずクロークルーム(無料)に預けるか、コインロッカー(有料)に入れておく様にしてください。傘を持って館内を見学するのもNGです。
トイレ
上宮館内のトイレは地下に男女別に一カ所だけあります。庭園に面した入口付近にもトイレがありますが、館内のトイレの方が綺麗なので、そちらの利用がお勧めです。
ギフトショップ・カフェ
ベルヴェデーレ宮殿関連の各種商品を扱うギフトショップは、地上階(0階)に入ってすぐ左手側にあります。また、ギフトショップの奥にはカフェ・レストラン「Schlosscafé」も営業しています。見学後にお土産を見てから、カフェで一休みという流れもお勧めです。
写真撮影について
2019年頃から、絵画を含む館内での写真撮影が可能となりました。観光旅行の方が絵画などを撮影する分には全く問題ありません。
ただし、カメラに赤い斜線がはいった案内やマークがある場所での写真撮影はできませんのでご注意ください。また、商用目的での写真撮影も禁止されております。
上宮 館内マップ
ベルヴェデーレ宮殿「上宮」は地上3階と地下1階の全4フロアで構成されています。そのうち作品展示があるのは地上の3フロアで、地下1階にはコインロッカーやトイレなどが置かれています。
0階(地上階)のフロアマップ
ベルヴェデーレ宮殿 上宮北側にある入場口から館内に入ると、まずはこの0階に出ます。0階は、日本の1階にあたり、インフォーメーションやオーディオガイドレンタル、クロークルームなどがあります。インフォメーションでは、日本語のフロアマップも配布されているので必ずここで入手してください。0階には「Histry of Belvedere(ベルヴェデーレの歴史)」と呼ばれる展示セクション内に、ギフトショップやカフェも併設しています。
1階(日本の2階)のフロアマップ
ベルヴェデーレ宮殿 上宮における作品展示のメインフロアがこの1階です。1階は大きく「1900年頃のウィーン」「ロマン主義/ピーターマイヤー様式」「新古典主義」「バロック」の4セクションに分かれており、「グスタフ・クリムト」や「エゴン・シーレー」などの作品は「1900年頃のウィーン」のセクションで鑑賞する事ができます。
2階(日本の3階)のフロアマップ
最上階にあたる2階は、「戦間期(1919〜39年)」「ペーターマイヤーズ様式」「リアリズム(印象派)」の3セクションに分かれて作品が展示されております。一つ下の1階と比べると、著名な作品も少なく、時間に余裕がない方や、クリムトと一部の有名作品だけ鑑賞されたい方は、この階の見学はスルーしてしまっても良いと思います。ただし、時期によっては有名作品がこのフロアに移動してきてる場合もあります。当日の現地情報を最優先してください。
1階(地下1階)のフロアマップ
上宮殿で唯一の地下階である本フロアに作品展示はなく、コインロッカー、トイレ、授乳や障害者の方のためのスペースが設けられています。
作品の展示場所は、2018年に館内のコンセプトが一新されて以後、クリムトの「接吻」以外は公式マップにも記載されなくなりました。どちらにしても、そこまで広い美術館ではないですし、展示のメインである1階(日本の2階)に上がれば、お目当ての作品は簡単に見つかると思います。
上宮の回り方と所要時間
本項ではベルヴェデーレ宮殿 上宮に入場後、メイン展示エリアに移動して見学を開始するまでの流れを解説します。
STEP1 北側の入口から上宮に入場
ベルヴェデーレ宮殿に到着後、上宮殿の入口は建物の北側にあるので、庭園を通ってこの入口から館内に入場します。
オンライン予約されていない方は、上宮の建物やや南西側にあるチケットオフィスでチケットを購入してから、館内に入場します。チケットの予約・購入方法や当日の入場の詳細な流れについては、以下の記事にて詳しく解説しております。
STEP2 館内マップを入手して1階へ
上宮の建物に入館すると「サーラ・テレーナ」という、巨人彫刻の柱が特徴的な白いホールに出ます。
この4本の巨人の柱は、建物が崩れ落ちそうになったため、上宮完成から約10年後の1732~1733年にかけて付け加えられたものです。
このホールの斜め左奥側にはインフォメーションがあり、ここで館内マップ付きの無料パンフレット(日本語)を入手できます。館内マップは、チケットオフィスでも無料配布されております。
館内マップ入手後、地上階には、見どころと呼べるほどの展示はありません。正面の階段から1階(日本の2階)に上がって行きます。
階段の横手には館内の展示案内が記載されています。
とにかく「The Kiss(接吻)」や「Wien um 1900(1900年頃のウィーン)」などのセクションがあるフロアを目指せば、上宮のメイン展示エリアに出る事ができます。印字された展示案内板も作ってしまっている様なので、当分は作品配置が大きく変わることはないと思います。クリムトやシーレーの作品は1階に行けば鑑賞できます。
1階に上がる階段の左手側には、オーディオガイドレンタル窓口があります。日本語にも対応しているので、レンタル(5ユーロ)される方は立ち寄ってください。
STEP3 1階から見学スタート
1階(日本の2階)にあがると、美しい彫刻や装飾の見事な「大理石の間」があります。
頭上には見事な天井フレスコ画も描かれています。
この天井画はイタリア画家の「カルロ・カルローネ」が2年の歳月をかけて描いたものです。
この大理石の間から、階段を正面にして左手に行くと、クリムトやシーレーの作品展示がある「1900年頃のウィーン」セクションに、右手に行くと「バロック」の作品展示があるセクションに出ます。展示室の行き来は自由なので、後はご自身のお好きなルートで時間の許す限り絵画を堪能してください。
所要時間
ベルヴェデーレ宮殿 上宮館内の見学所要時間は1時間30分〜2時間ぐらい、庭園は30分〜40分ぐらいが目安です。
ただし、上記の所要時間はあくまでも目安なので、いくらでも短縮できますし、併設のカフェで一休みされる方などは、トータルで3時間〜3時間半ぐらい見ておけば良いと思います。例えば、朝一番の10時に訪問して、14時前には観光を終える様なイメージです。
上宮 必見絵画作品25選
本項では「クリムト」や「シーレー」「ココシュカ」の作品を中心に、上宮でこれだけは必見という作品を25点ピックアップ致しました。
接吻(The kiss)
グスタフ・クリムト作1907~1908年
ウィーン世紀末美術の至宝と賞されるこの「接吻」は、クリムトが46歳のころに手がけた彼の代表作です。大きさは縦横180cmほどで、油彩、金箔、銀箔などが画材として使用されています。クリムト作品の多くには、画材として「金箔」が多く使われています。これはクリムトの父が金細工師であったからだと言われています。
作中では、抱き合う男女が描かれ、男性が女性の頬に口づけをしています。女性と男性は一体化している様にも見えますが、衣服の模様で区切られています。2人が立つ場所は花園にも段階絶壁にも見えます。
女性のモデルが誰であるかは確かな事は分かっていませんが、クリムトが別作品で肖像画として描いた「アデーレ・ブロッホ・バウアー」であるという説や、クリムトの生涯の伴侶であった「エミーリエ・フレーゲ」であるという説などが有力です。
本作が展覧会で発表された当時「接吻」の作風は非常に斬新であったため、作品に対する否定的な意見も多くありました。しかしそれ以上にこの作品の評価は高く、国家がこの作品を買い上げました。
フリッツァ・リードラーの肖像
グスタフ・クリムト作1906年
ウィーンに住む政府の高級官僚夫人「フリッツァ・リードラー」を描いた肖像画です。
ユディト
グスタフ・クリムト作1901年
ユディトは、旧約聖書外典に登場するユダヤ人女性で、多くの画家の作品で描かれています。クリムトは本作完成の八年後にも、同じくユディトをテーマにして作品を描いています。
ヒマワリの咲く庭
グスタフ・クリムト作1906年
アダムとエヴァ
グスタフ・クリムト作1917~1918年
水蛇Ⅰ
グスタフ・クリムト作1904~1907年
ソニア・クニップス
グスタフ・クリムト作1898年
実業家アントン・クニップスの妻「ソニア」の二十五歳の姿を描いた作品。
けしの咲く野
グスタフ・クリムト作1907年
ヨハンナ・シュタウデの肖像
グスタフ・クリムト作1917~18年
乙女(バージン)
グスタフ・クリムト作1913年
エディス・シーレの肖像
エゴン・シーレー作1918年
家族
エゴン・シーレー作1918年
死と乙女
エゴン・シーレー作1914~1915年
抱擁
エゴン・シーレー作1917年
ヘルベルト・ライナーの肖像
エゴン・シーレー作1910年
4本の樹
エゴン・シーレー作1917年
2人の子供を持つ母親
エゴン・シーレー作1915~17年
画家カール・モル
オスカー・ココシュカ作1913年
虎獅子
オスカー・ココシュカ作1926年
会計係
オスカー・ココシュカ作1910年
料理人(ムッシュ・ポール)
クロード・モネ作1882年
オヴェールの平野
フィンセント・ファン・ゴッホ作1882年
サン・ベルナール峠を越えるナポレオン
ジャック・ルイ・ダヴィッド作1801年
聖体拝受日の朝
フェルディナント・ゲオルグ・ヴァルトミュラー作1857年
悪しき母達
ジョヴァンニ・セガンティーニ作1857年
ニルヴァーナという詩を、イタリア人画家のセガンティーニが絵画化した作品。作者が6歳の時に出産で早世した母親に対する愛がテーマになっています。
庭園の景観と見どころ
世界で最も美しい庭園の1つに数えらる「ベルヴェデーレ宮殿」の美しい「庭園」は、ヴェルサイユ宮殿の庭園工事にも携わった庭師「ドミニク・ジラール」によって、1717年に基礎が築かれました。そのため、庭園の至る所にベルサイユ宮殿の面影が見えます。
庭園は上宮を中央にして、北側と南側に広がっています。上宮南側の庭園にはダイヤモンド型の池があり、この池に反射したベルヴェデーレ宮殿の景観は絶好の撮影ポイントです。天気が良いときは、上宮の建物が綺麗に池に写し出されますので、上宮をバックに映える写真が撮影したいなら、南側の池越しから撮影するのがお勧めです。
南側の庭園から上宮に向かって左手側にある建物は「チケットオフィス」です。近くにベンチもあるので休憩するには持ってこいの場所です。
下画像は、庭園の南端にある正門です。ウィーン中央駅の北口から徒歩でアクセスした場合はここから入場する形になります。
宮殿敷地内への入り口は、ここ以外にも庭園の北端に2か所、上宮の西側に1か所あります。
続いて、上宮北側に広がる庭園をご紹介します。こちらは南側の庭園よりも南北に長く、約800mほど先の「下宮」まで続いています。公式ガイドブックでは、こちら側がメインの庭園として紹介されていました。
奥に見える赤い屋根の建物が「下宮」になります。
庭園にはバロック様式の彫刻が何体も置かれています。入口付近には、こちらを眺める様に2体のスフィンクス像が、噴水にはヴェルサイユ宮殿を彷彿させる様な彫刻が配置されています。
彫刻は庭園の至る所に配置されています。
続いて庭園の造形に目を向けてみると、見事の幾何学模様で整えられています。
シンメトリー(左右対称)の景観が美しいです。
「ベルヴェデーレ」は「美しい眺め」を意味しており、庭園の遥か向こうには、ウィーン市街の景観も望む事もできます。
庭園の散策は、上宮の入館前に狭い「南側」を、上宮の見学後に広い北側を見学するなどすれば、時間配分もしやすいと思います。下の地図を参考に庭園散策のイメージしてみてください。
下宮の見どころ
上宮の約800mほど北側に位置する下宮には、「ゴールドキャビネット」や「グロリエッテの間」と呼ばれる建設当時の面影を残す美しい広間があります。
館内展示では、中世時代の宗教画を中心とした常設展と、季節ごとに変わる現代アートの企画展などが行われています。下宮に関して詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
ロケーションと行き方
ベルヴェデーレ宮殿はウィーンの観光スポットが集中するリンク内からは少しだけ離れた場所に位置しています。
シュテファン寺院や旧王宮などから徒歩でアクセスすると平均で30分ぐらいはかかりますので、リンク内周辺からアクセスされる方は、鉄道(Sバーン)、地下鉄(Uバーン)、トラムなどを利用するのが一般的です。ただし、ウィーン中央駅周辺にご滞在の方であれば、徒歩15分弱ぐらいでアクセス可能です。以下、アクセス手段別の概要になります。
トラム
トラムは「D」「O」「18」などの路線がベルヴェデーレ宮殿方面を通過します。トラム路線「D」を利用する場合は「シュロス・ベルヴェデーレ停留所(Schloss Belvedere)」下車で徒歩2分ほど、トラム路線「O」か「18」を利用する場合は「クヴァルティア・ベルヴェデーレ停留所(Quartier Belvedere)」下車で、宮殿までは徒歩7分ほどです。
トラムを利用する場合は「D」路線を利用するのが断然便利です。庭園西側の上宮やチケットオフィスに近い場所までアクセスできます。「D」路線は、ウィーン国立歌劇場の前や、ブルク劇場の近くなどから発着しています。
鉄道(Sバーン)
Sバーンを利用する場合は「クヴァルティア・ベルヴェデーレ駅」で下車後、宮殿までは徒歩6分ほどです。ウィーン・ミッテ駅などからアクセスされる方は、この方法が便利だと思います。
ウィーン・ミッテ駅から「クヴァルティア・ベルヴェデーレ駅」までは、S3路線を利用して、2駅(所要4分)ほどです。
地下鉄(Uバーン)
Uバーンを利用する場合はU1路線の「ジュートティローラープラッツ駅(Sudtirolerplatz)」下車で徒歩15分ほど、同じくU1路線の「ハウプトバーンホフ駅(Hauptbahnhof)」下車で徒歩17分ほどです。
ベルヴェデーレ宮殿の入口
ベルヴェデーレ宮殿の上宮を目指す場合も、庭園を通ってから館内に入場します。庭園の入口は何カ所かありますが、上宮に行く場合は下地図の「入口①」か「入口②」のいずれかより入場する形になると思います。
トラムのD路線を利用した場合は「入口①」近くの停留所まで行くことができます。ご利用した交通機関の近い方の入口から入場ください。
上宮の入口は建物の北側、チケットオフィスは上宮建物のやや南西側にあります。
まとめ
本記事でご紹介したベルヴェデーレ宮殿観光の重要なポイントをまとめると以下のとおりです。
・ベルヴェデーレ宮殿には上宮と下宮という宮殿があり、共に美術館として利用されている。館内では絵画鑑賞を楽しむことができる。
・ベルヴェデーレ宮殿の上宮には、グスタフ・クリムト、オスカー・ココシュカ、エゴン・シーレーなど、この場所ならではの画家の作品が多く展示されている。
・ほとんどの方は、上宮と庭園だけを見学する。庭園の入場と散策は無料。
・上宮の入場は時間指定制が設けられているので、日時予約して訪問するとスムーズに入場できる。
・上宮の当日券を購入した場合も、チケットに記載された時間以外は入場できない。夏場などはチケット予約がおすすめ。
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