銀閣寺〜南禅寺モデルコース – 哲学の道を歩いて周辺寺院を巡る【京都 観光情報】
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本記事では『銀閣寺』と『南禅寺』はもちろん、哲学の道沿いの観光スポットを効率よく巡るモデルコースをご紹介致します。観光名所だけでなく、ランチスポットも合わせてご紹介致します。
銀閣寺〜南禅寺モデルコース- 訪問スポットとタイムスケジュール
まずは本コースで立ち寄る観光スポットやタイムスケジュール、所要時間の目安などをご確認ください。観光スポット名をクリックすると、そのスポットの詳細解説部に移動します。
AM 9:00 - 平安神宮
所要時間:40分〜50分徒歩とバスで20〜25分
AM 10:20 - 銀閣寺(慈照寺)
所要時間:30分~40分世界遺産徒歩で4〜5分
AM 11:00 - ランチタイム 名代おめん 銀閣寺本店
所要時間:50分~60分徒歩で1〜2分
AM 12:10 哲学の道
全長:約1.8km徒歩で5〜6分
AM 12:20 法然院
所要時間:20分~30分徒歩で1〜2分
AM 13:00 安楽寺
所要時間:20分~30分徒歩で4〜5分
AM 13:40 大豊神社
所要時間:15分~20分徒歩で8〜10分
PM 14:10 - 禅林寺(永観堂)
所要時間:50分〜60分徒歩で5〜6分
PM 15:20 - 南禅寺
所要時間:60分〜70分徒歩とバスで40〜50分
PM 17:30頃 京都駅北口(観光終了)
Google Mapにて本モデルコースの移動範囲と位置関係もご確認ください。地図内の数字は見学する順序になります。
※ Googleアカウントでログイン中の方は「Chrome(クローム)』での閲覧だと地図が表示されない事があります。
- ① 平安神宮
- ② 銀閣寺(慈照寺)
- ③ 名代おめん 銀閣寺本店(ランチ)
- ④ 哲学の道
- ⑤ 法然院
- ⑥ 安楽寺
- ⑦ 大豊神社
- ⑧ 禅林寺(永観堂)
- ⑨ 南禅寺
- ⑩ 京都駅北口
今回ご紹介している「銀閣寺〜南禅寺モデルコース – 哲学の道を歩いて周辺寺院を巡る」は、トータル所要8時間30分です。かなり詰め込んでおりますので、ご自身の体力とペースに合わせて、いいとこ取りでご自由にカスタマイズください。
次項より、モデルコースの見学順序に沿って、各スポットの見どころや概要、観光情報などを詳しく解説していきます。
【京都駅から平安神宮へのアクセス】
最初の訪問スポット『平安神宮』へは、京都駅から市バス5系統、洛バス100号・110号系統のバスに乗車し「岡崎公園 美術館」か「平安神宮前」の停留所まで所要35分ほど。バス降車後、『平安神宮』までは徒歩1〜2分ほどです。トータル所要は40分〜50分程です。
『平安神宮』で緑豊かな庭園をのんびり散策
『平安神宮』は、明治28年(1895)に、平安遷都1100年を記念して創建された恒武天皇と孝明天皇を神としてまつる神社です。
明治維新の頃、実質的な遷都移転で「京都」の経済は著しく衰退しますが、市民一丸となって華やかな「京都」を復興させました。
そして、この町おこし事業の集大成となったのが『平安神宮』の創建でした。『平安神宮』には、かつての華やかな京都を取り戻したいと願った京都市民の熱い思いが込められています。
現在『平安神宮』は、敷地全体が国名勝指定になっているほか、「大極殿」「蒼龍楼」「白虎楼」など、重要文化財の建造物も数多く存在しています。
結婚式の前撮りスポットとしても人気が高く、敷地内にある「平安神宮会館」は格式高い結婚式会場としても有名です。
営業時間 |
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定休日 | 年中無休 |
拝観料金 |
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住所 | 〒606-8341 京都府京都市左京区岡崎西天王町 |
【平安神宮のおすすめ】朝一番で庭園散歩
敷地の建物全体を囲む様に広がる総面積約10,000坪の「池泉回遊式の日本庭園」は、名庭師「小川治兵衛」の作庭です。東・中・西・南の4つの神苑を有し、桜や睡蓮など四季折々の美しい草木花が咲き誇ります。
朝一番でこの庭園を訪問すれば、静寂につつまれた癒しの空間で、あふれる緑を感じながらのんびりと散策できます。
【平安神宮のシンボル】大鳥居
京都一の高さ24mを誇る「大鳥居」は、昭和天皇のご即位を記念して1928年に建造されました。幅も11mあり、京都府技師「阪谷良之進」さんによる設計です。この門をくぐった数100m先に「本殿」があります。
【平安神宮の必見ポイント】大極殿
敷地内の中央にそびえる「大極殿(だいごくでん)」は、かつて平安京政治の中枢だった場所で、当時の姿が見事に再現されています。春には「左近の桜」が咲き、朱色の建物を更に際立たせます。
徒歩とバスで20〜25分
『銀閣寺(慈照寺)』で ”わび・さび” の世界に触れる
「銀閣寺」の正式名称は「東山慈照寺(じしょうじ)」と言い、金閣寺と同じく相国寺を本山とする「臨済宗相国寺派」の寺院です。
元々は、将軍「足利義政」が隠遁生活を送るために創建した山荘で、祖父「義満」の造った北山殿(金閣寺)にならって建立されました。
1490年の創建当初は「東山殿」と言う呼び名でしたが、義政の没後に、彼の贈り名「慈照院殿喜山道慶(じしょういんでんきざんどうけい)」から「東山慈照寺」と名付けられました。
金閣寺に対比する形で「銀閣寺」と呼ばれる様になったのは、江戸時代になってからの事です。
義政の究極の美が投影されていると言われる境内には「観音堂(銀閣)」を筆頭に、国宝の「東求堂」、砂盛りのアート「銀沙羅」「高月台」など、見どころが満載です。更に、敷地内の「展望所」からは、京の街並みと敷地内を一望する事もできます。
営業時間 |
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定休日 | 年中無休 |
拝観料金 |
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住所 | 〒606-8402 京都府京都市左京区銀閣寺町2 |
関連記事 | 銀閣寺を攻略 – 見どころ、所要時間、拝観料金【京都 観光情報】 |
【銀閣寺の必見①】「銀沙羅」
銀閣寺の庭園で一際異彩を放つのが、高さ約65cmほどの砂盛「銀沙羅」です。まるで、さざ波の様なこの砂盛りは、一説では月光を反射させて本堂を照らすために作られたと言われていますが、確かな事はわかっていません。
【銀閣寺の必見②】「観音堂(銀閣)」
「観音堂(銀閣)」は、金閣、飛雲閣(西本願寺)らと共に京都三名閣にも数えられ、創建当時から残る貴重な建造物として「国宝」にも指定されています。 この観音堂が「銀閣」と呼ばれる様になったのは江戸時代になってからの事で、単に金閣に相対する形で銀閣と呼ばれる様になったそうです。
【銀閣寺の必見③】「展望所からの景色」
銀閣寺庭園の上段(東側)には、敷地内や京都の街並みを見渡せる絶好の展望所があります。自然と見事に調和した「観音堂(銀閣)」の景観と敷地内全体を一望する事ができ、紅葉の時期は、特に美しい写真を撮影できます。
徒歩で4〜5分
『名代おめん 銀閣寺本店』で薬味たっぷりうどんを食す
『銀閣寺』周辺で京都らしい食事処をお探しなら、創業半世紀の老舗『名代おめん』がお勧めです。店構えも京都らしい上品で風格ある装いです。
『名代おめん』は、驚くほどたっぷりの薬味を出汁に入れていただく「うどん」が名物で、元々は上州、群馬県のつけ麺料理だそうです。
見た目も美しい薬味は食欲をそそり、甘辛く焚いた「きんぴらゴボウ」から「胡麻」「ネギ」「生姜」「季節の薬味野菜」など八種類。
健康的で体に優しい全体の味わいの中に、深みのある昆布と鰹の出汁がしっかりと効き、薬味が絶妙なアクセントになっています。化学調味料や食品添加物も一切使用していないそうです。
麺は、比叡山のふもと八瀬に自社の製麺所を開設し、独自の美味しさを追求するこだわり様です。普通麺と、大和平打ち麺もしくは野菜麺の食べ比べなども可能です。
がっつり食べたい方は、ネタが分厚い鯖寿司や天ぷらとのセットがお勧めで、麺も+110円で大盛り可能です。
『銀閣寺』から徒歩3分ほどの人気店なので、お昼少し前の来店が狙い目です。昼時は店前に行列ができる事も多々あります。
営業時間 | 11:00~21:00(ラストオーダー 20:00) |
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定休日 | 不定休(店舗スケジュールによる) |
住所 | 〒606-8406 京都府京都市左京区 銀閣寺バスプール南隣 |
徒歩で1〜2分
『哲学の道』で王道ルートを逝く
「哲学の道」は銀閣寺から熊野若王子神社まで続く流水沿いの散歩道です。通りに沿って数は多くありませんが、食事処、甘味処なども営業しています。
道の名は、大正時代の哲学者「西田幾多郎」「田辺元」「九鬼周造」などがこの道を歩きながら思索にふけったことに由来しています。
桜が開花する春の景観は特に美しく、約1.8km(徒歩30分程)の道が桜色で彩られます。この桜は「橋本関雪」が画家として大成した感謝として寄贈した事から、関雪桜と呼ばれます。他にもツツジ、山吹、かえで、ミツマタなどが植えられ、季節によって違う表情を見せてくれます。
哲学の道と並行して走る通りや東側には、寺院や神社が複数点在しています。本モデルコースでもその内の何箇所かに立ち寄りながら歩みを進めて行きますが、時間と体力と相談しながら随時ご調整ください。ただし紅葉の時期の「禅林寺(永観堂)」と「南禅寺」は必見です。
徒歩で5〜6分
『法然院(ほうねんいん)』で豊かな自然に包まれる
哲学の道を東に折れると、茅葺(かやぶき)屋根の「山門」が特徴的な『法然院』と呼ばれる緑豊かなお寺があります。
『法然院』は「法然上人」の草庵(粗末な小屋)を起源とする古寺で、本堂には本尊として「阿弥陀如来像」と「法然上人立像」が安置されています。
コンパクトな境内には、本堂以外にも「講堂」「経蔵」「方丈」などの伽藍があります。毎年4月1日〜6日までと、11月1日〜7日までの年2回のみ、一部の伽藍の内部が一般公開されます。「講堂」に関しては、講演会・個展・コンサートの場などにも利用されています。
敷地内に入ってすぐの場所には、秋流水模様が描かれた「白砂壇(びゃくさだん)」と呼ばれる2つの砂盛りがあり、この間を通ると心身が清まるとされています。白砂の表面は季節によって様々な模様が描かれます。
境内は春の椿の時期が最も見頃で、3月中旬から下旬にかけては、落ちた赤い藪椿(やぶつばき)の花びらで鮮やかに彩られます。
営業時間 | 6時00分~16時00分 |
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定休日 | 年中無休 |
拝観料金 | 無料(伽藍内特別公開の期間中、伽藍内の拝観は有料) |
住所 | 〒606-8422 京都府京都市左京区鹿ケ谷御所ノ段町30番地 |
徒歩で1〜2分
『安楽寺』でのんびり足休め
法然上人の二人の愛弟子「安楽上人」と「住蓮上人」が、現在の場所より1kmほど東に「鹿ヶ谷草庵」を結び、布教活動の拠点としたのが、このお寺の起源です。
後鳥羽上皇の女官「松虫姫・鈴虫姫」の出家にまつわる出来事で、上皇の怒りを買った「安楽上人」と「住蓮上人」は処刑されてしまいますが、後に「法然上人」によって寺院は復興され、現在の呼び名である「住蓮山安楽寺」と名付けられました。
紅葉の時期は石畳の階段が落ち葉で鮮やかに彩られ、知る人ぞ知る穴場的フォトジェニックスポットになっています。
毎年初夏(7月下旬頃)には、「中風(ちゅうふう)」にならない様に、参拝者に甘く炊いたカボチャを振る舞う行事「かぼちゃ供養」も行われ、当日に煮炊きされた鹿ヶ谷カボチャを頂く事ができます。
小さなお寺ですが、カフェも併設しており、哲学の道の足休めにもおすすめです。拝観可能な期間はかなり限定的ですが、タイミングが合えば是非お立ち寄りください。
営業時間 | 10時00分~16時00分 |
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拝観可能日について | 拝観可能日は秋を中心に期間限定となっております。 詳細は「公式HPの年間スケジュール」にてご確認ください。 |
拝観料金 | 500円(中学生以下無料) |
住所 | 〒606-8422 京都府京都市左京区鹿ケ谷御所ノ段町21 |
徒歩で4〜5分
『大豊神社』で縁結びや長寿などのご利益祈願
『哲学の道』を少し横道に入った場所にある『大豊神社(おおとよじんじゃ)』は、平安時代初期の仁和3年(887)に、宇多天皇の病気平癒を祈願するために創建されました。
境内には、少彦名命、菅原道真、応神天皇の三神が祀られており、縁結び、健康長寿、安産のご利益があると言われています。
花木の名所としても有名で、梅や30種以上の椿(つばき)が、11月下旬から5月初旬ごろまで、美しく咲き誇ります。
全国で唯一「狛ねずみ」が鎮座する珍しい神社としても知られ、別名「ねずみの社」とも言われます。これは、出雲に大国をつくった国づくりの神「大国主命(オオクニヌシノミコト)」が、ねずみに助けられたと言う故事に基づいています。
境内には「狛ネズミ」以外にも、「狛鳶(とび)」「狛猿」「狛巳」など、可愛らしい神獣の像が複数鎮座しています。
営業時間 | 9時00分~17時30分 |
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定休日 | 年中無休 |
拝観料金 | 無料 |
住所 | 〒606-8424 京都府京都市左京区鹿ケ谷宮ノ前町1 |
徒歩で8〜10分
『禅林寺(永観堂)』で優美な景観に癒される
南禅寺の北側に位置する『禅林寺(ぜんりんじ)』は、浄土宗西山禅林寺派の総本山で、『永観堂』の名でも親しまれています。
その歴史は古く、仁寿三年(853)に空海の弟子「真紹(しんじょう)」が、山荘を整備して、五智如来像を安置したのが起源です。
古くから「秋はもみじの永観堂」と言われ、紅葉の時期には、約3000本ものモミジやイチョウが、庭園や塔の周囲を彩ります。京都の中でも指折りの紅葉スポットとして知られ、お堂や回廊の目の前に迫ってくる鮮やかな岩垣もみじは、この場所ならではです。秋はライトアップや特別拝観も行われます。
境内の「阿弥陀堂」には、首を左にかしげ、振り向いて穏やかな微笑みを浮かべる「みかえり阿弥陀」さまが本尊として安置されています。
他にも、高台にそびえる二重塔「多宝塔」や、龍の背をイメージした「臥龍廊」、葉先が三つに分かれる珍しい古木「三鈷の松」など、多くの見どころが存在しています。
銀閣寺から『哲学の道』ルートで観光する場合、この『禅林寺』と、次にご紹介する『南禅寺』は鉄板のお立ち寄りスポットです。
営業時間 | 9時00分~17時00分(受付は16時まで) ※ ライトアップ期間中は17時30分~21時00分(受付は20時30分まで)も営業 |
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定休日 | 年中無休 |
拝観料金 |
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住所 | 〒606-8445 京都市左京区永観堂町48 |
徒歩で5〜6分
『南禅寺』の有名フォトジェニックスポットを訪問
『南禅寺』は、亀山天皇の離宮だった禅林寺殿が前身で、大明国師の開山によって寺院に改められました。
室町時代には「足利義満」の下で、京都五山の最高位の寺格・五山之上の寺院として栄え、最盛期は、約10万坪の境内に数十の子寺を擁する大寺でした。
敷地内の国宝「方丈」には、小堀遠州作の「枯山水庭園」、狩野派の「障壁画」など貴重な文化財が数多く残されています。隣接する和の空間「滝の間」では、清涼の滝を眺めながら抹茶(有料)を味わう事もできます
桜や紅葉の時期は、四季折々の植物で色鮮やかに彩られ、歴史的な建造物と自然か調和した美しい景観が楽しめます。
『清水寺』や『金閣寺』などと比べると知名度は低めですが、見応えの点で言えば『金閣寺』以上です。京都の中でも特にお勧めの観光スポットです。
営業時間 |
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定休日 | 12月28日~31日 |
拝観料金 | 【方丈庭園】
【三門】
【南禅院】
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住所 | 〒606-8435 京都府京都市左京区南禅寺福地町86 |
【南禅寺の必見①】フォトジェニックスポット「水路閣」
全長93m、幅4mもある巨大な「水路閣」は、琵琶湖の水を運ぶ水路(疏水)として明治時代に建造されました。 レンガ造りのアーチが美しいレトロな景観は、フォトジェニックスポットとして非常に人気が高く、テレビcmやドラマの舞台として度々登場しています。階段を登れば、上部の水路に水が流れる様子も見ることができます。
【南禅寺の必見②】「三門」に登って敷地内を一望
境内中央にそびえる重要文化財の「三門」は、日本三大門にも数えられています。別名「天下竜門」とも呼ばれ、現在の姿は「藤堂高虎」が大阪の陣で戦死した家来を弔う菩提として寛永5年(1628年)に再建されたものです。別途チケットが必要ですが、2階の回廊部分まで登れば、見晴らしの良い景観を楽しむ事ができます。この門と周辺は桜の時期が絶景です。
【南禅寺の必見③】国宝「方丈」で日本美に癒される
敷地内東側に位置する、境内唯一の国宝「方丈」は、入母屋造りに柿葺きの屋根を持つ、桃山時代の建造物です。室内は狩野派の華やかな金碧障壁画で彩られ、南側には「小堀遠州」が6つの石を虎の親子に見立てて作庭した枯山散水庭園「虎の子渡しの庭」が広がっています。松や楓、椿などが庭園の四季を彩ります。
本モデルコースは以上です。後は京都駅に戻って、お土産探しやディナーを楽しんでください。
【南禅寺から京都駅への帰路】
南禅寺の最寄りバス停は「南禅寺・永観堂道(徒歩8分)」になります。 ここから「市営5系統(京都駅前行)」になど乗車。「京都駅前」の停留所で下車してください。トータル所要時間は40〜50分ほどです。
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