函館観光モデルコース 車なし – 2泊3日で巡る人気スポット
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本記事では函館を車なし(自家用車やレンタカーを利用しない)で、二泊三日で観光するモデルコースをご紹介致します。公共の交通機関だけを利用して、函館の人気スポットを効率良く回っていきます。
![函館の写真](https://amazing-trip.xyz/wp-content/uploads/2021/10/hakohako37.jpg)
函館の観光日数は、一泊二日だとやや少なく、三泊四日だと少し時間を持て余す方が多いと思います。
函館観光 1日目のモデルコース
函館到着初日は「函館朝市」での朝食からスタートし、五稜郭エリアを観光していきます。初日の到着が昼以降になる方も、本記事のモデルコースを部分的にうまくご活用頂ければと思います。
以下地図の❶〜❽のルートで観光していきます。
※ 各名称をクリックするとイメージを画像で確認できます。
以下より上記モデルコースに沿って各スポットを詳しく解説していきます。
「函館朝市」で海鮮朝食
函館空港からシャトルバスなどを利用して、函館駅に到着したら、まずは朝市で朝食を堪能します。
1万坪(3ヘクタール)の面積を誇る「函館朝市」は、蟹、イカ、ウニなど、北海道ならではの海産物を扱う約250店舗が軒を連ね、函館を代表する名物エリアとなっています。
エリア内には、持ち帰り・土産用の生鮮品販売はもちろん、鮮度抜群の海鮮丼やお刺身を提供する食堂が複数あります。店舗によっては食べ歩き用に、ウニ、ホタテ、イカなどの店頭販売も行なっています。
営業時間 |
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定休日 | 年中無休(但し、店舗毎に異なります) |
函館朝市のおすすめ店舗【茶夢】
函館朝市内には「どんぶり横丁市場」と呼ばれる丼物屋が複数並ぶ飲食街があります。本記事でお勧めする店舗「茶夢」もその中の一店舗で、新鮮な海鮮丼を良心的な価格で提供しています。
この「茶夢」の最大の売りは、全ての丼物メニューに、味噌汁と10点以上の小鉢料理が付属してくる点です。参考までに以下が実際に丼物に付属する小鉢で、たくあんやポテトサラダの定番ものから、この場所ならではの珍味物もあります。
丼物で個人的にお勧めなのは「本日の五色丼(画像下)」で、その日のお勧めの海鮮物が5種類乗って1,850円です。もちろん上の小鉢全てと味噌汁も料金に含まれています。
「五稜郭タワー」の絶景ビュー
「五稜郭タワー」は、五稜郭築城100年を記念して昭和39年(1964年)年に建造された函館を代表するランドマークの一つです。現在の高さ107mのタワーは、平成18年(2006年)4月1日に新築された2代目にあたります。
全4フロアで構成される館内には、展望フロア、アトリウム(吹抜け空間)、展示スペース、ギフトショップ、レストラン、カフェ、売店など、様々な見どころが存在しています。
特にメインの見学ポイントである展望フロアからは、特別史跡五稜郭の星形の景観を望めるほか、函館山や津軽海峡、横津連峰の山並みも視界に捕らえる事ができます。正に函館随一の展望スポットと言える観光スポットです。
「五稜郭公園(五稜郭跡)」を散策
かつて幕末から明治維新にかけて函館戦争の舞台となった五稜郭公園(五稜郭跡)ですが、現在は無料で散策できる人気観光スポットとなっています。
五稜郭公園の面積は、25.2 ha(ヘクタール)と東京ドームの約5倍ほどあり、高台になっている星型の外周に沿って歩いたり、公園内を自由に散策する事ができます。座って休めるベンチも多く、休憩場所としてもお勧めです。
公園敷地内には、緑豊かな景観が広がり、軽食の食事処、土産物屋、この地に縁のある偉人の写真パネルなど、複数の見どころが点在しています。中でも最大の見どころは、公園内唯一の有料見学ポイントである「函館奉行所(画像下)」内部の見学です。
函館奉行所は、函館港開港の際に設置された江戸幕府の役所で、現在の建物は、平成18年〜22年の復元工事で建て直されたものです。
奉行所内では、幕末当時を忠実に再現した72畳の広間や、五稜郭と奉行所の歴史を解説する「歴史発見ゾーン」や「映像シアター」など、歴史好きには堪らない見学ポイントが設けられています。
営業時間 | 【五稜郭公園 郭内(堀の内側)】
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休館日 | 年中無休(但し、函館奉行所は年末年始休館) |
「ラッキーピエロ 五稜郭前店」でランチ&お土産探し
函館ご当地グルメの一つ「ラッキーピエロ」は、道南エリアだけで17店舗を展開する地元民御用達のファーストフード店です。
有名ファーストフード店では味わえない独創的なメニューが人気で、あのGLAYも足を運んでいた事で知られています。
看板メニューであるハンバーガーは、一番人気の「チャイニーズチキンバーガー」をはじめ、「ラッキーチーズバーガー」「函館山バーガー」「北海道ジンギスカンバーガー」など、興味深いものばかりです。また、サイドメニューの熱々ポテトに溶けたチーズが絶妙の「ラギポテ」も外せない一品です。
他にもカレーやオムライス、店舗によってはピザなども提供しており、年齢や好みを問わず食事を楽しめる場所です。どのメニューもそこそこボリューミーなので、軽くランチというよりはがっつり食べる感じになると思います。
店内ではお土産も販売しており、一番人気の「ラッキーガラナ」から、「一生懸命カレー」「ラッキーピエロラーメン」など、かなりのバリエーションです。店舗によっては「ラッキーガラナ」だけを販売するユニークな自動販売機も設置されています。
営業時間 | 【ラッキーピエロ 五稜郭前店】
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定休日 | 年中無休 |
「茶房 旧茶屋亭」でお休憩
市電(路面電車)の「十字街」停留所からベイエリアに向う途中には、個性的なカフェや喫茶がいくつかありますが、一押しは、和洋折衷の外観が特徴的な「茶房 旧茶屋亭」です。店舗の建物は、明治末期の海産商の店舗兼居宅を利用しており、大正ロマン漂う店内は雰囲気抜群です。
店名からも分かるとおり、食事処ではなく茶房なので、軽いスイーツと共にお茶やコーヒーを頂くスタイルの和カフェです。また、2階では手作り雑貨の販売も行っています。
甘味物は、定番メニューの「フルーツあんみつ」「おしるこ」「アイス」などの和系スイーツを中心に、コーヒーや抹茶とのセットで「シフォンケーキ」「きんつば」「プリン」「シャーベット」なども提供しています。
看板メニューである「お抹茶」はしっかりとお茶点てされたものが提供され、三年間熟成させたコーヒーは、氷までをコーヒーで作るこだわり様です。とにかく、内装、調度品、茶器、食器、味、提供スタイルまで、全てがハイクオリティの素敵なお店です。
営業時間 |
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定休日 | 不定休 |
「金森 赤レンガ倉庫」でショッピングとジェラート
江戸時代の開港から多くの人が行き来してきた「赤レンガ倉庫」。現在は巨大ショッピングエリアとして、「函館ヒストリープラザ」「金森洋物館」「BAYはこだて」「はこだて明治館」などの施設があり、合計50店近くが営業しています。
取扱商品は、北海道の海産物やご当地土産はもちろん、スイーツ、ガラス製品、オルゴール、雑貨、革製品など様々です。ショップ以外にも、ビアホールやレストラン、カフェなど、飲食系の店も複数入っています。
赤レンガ倉庫群のヒストリープラザ内でお勧めなのが、函館を本店とするイタリアンジェラートショップ「MILKISSIMO(ミルキッシモ)」です。
MILKISSIMOのジェラートは、旬の北海道産果物や野菜を原料に、その時いちばんおいしい品種を厳選して提供しています。なんと、いちごのジェラートは原料の70%以上に生果実が使用されています。個人的には、北海道の特産果実「ハスカップ(画像下)」を使用したジェラートが一押しです。
ジェラート屋の店舗前に丁度ベンチもあるので、休憩がてらのスイーツタイムに持ってこいです。
営業時間 | 【各ショップ】
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定休日 | 年末年始(MILKISSIMOは、金森赤レンガ倉庫に準ずる) |
「はこだて海鮮市場」で土産物探し
赤レンガ倉庫と隣接して建つ巨大お土産専門店「はこだて海鮮市場」では、新鮮な魚介類を筆頭に2,000種類を超える北海道・函館の名産品を販売しています。
店内には、駅や空港でも見かけない商品がずらりと並んでいます。菓子やスイーツ、ご当地系商品のラインナップも函館随一で、土産物探しはこの場所だけで事足りてしまいます。
店内は大きく3セクションに分かれており、土産物販売以外にも、海鮮丼などを扱うフードコートやパン屋さんなどがあります。フードコートでは新鮮な海鮮丼をその場で食せるほか、タイミングによってマグロの解体ショーなども行われています。この場所だけで1時間は楽しめるお勧めスポットです。
「あじさい」で函館塩ラーメンを堪能
函館と言えば「塩ラーメン」が有名ですか、やはり創業80年を越える老舗の人気店「あじさい」は外せません。
あじさいは、函館市内だけで4店舗あり、最も有名な五稜郭近くの本店のほか、ベイエリアや函館駅購内などにも店舗を構えています。特に函館駅やベイエリアは観光客の人気宿泊エリアなので、ホテルから徒歩で手軽に利用する事ができます。
「あじさい」のメニューはかなりバリエーションがあり、塩、醤油、赤味噌、白味噌、背油拉麺など様々です。とは言え、初訪問の方は、やはり王道の「味彩塩拉麺(あじさいしおらーめん)」か「塩チャーシュー」がお勧めです。
あじさいの塩ラーメンは、さっぱりとした塩味の中に深いコクと味わいがあります。食べ始めはやや物足りなく感じても、食べ進めるうちに旨味が増していきます。
営業時間 | 【あじさい 函館駅前店】
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定休日 | 店舗によって異なる(函館駅前店は年中無休) |
「函館ベイ美食倶楽部」でのディナーもオススメ!
函館駅周辺ではなく、ベイエリア周辺のホテル「ラビスタ函館ベイ」などにご宿泊の方は、隣接する複合飲食施設「函館ベイ美食倶楽部」でのディナーもお勧めです。
複合施設と言ってもそこまで大規模ではありませんが、「きくよ食堂ベイエリア店(海鮮丼)」、「ジンギスカン羊羊亭(ジンギスカン)」「大地のめぐみ(スープカレー)」「函館まるかつ水産本店(回転寿司)」「あじさい 紅店(ラーメン)」など、北海道を代表する有名7店舗が営業しています。
この場所でディナーをする際のおすすめは、函館朝一に本店がある「きくよ食堂(画像下)」です。
朝一の本店の方は如何にも地元の海鮮丼屋と言う感じですが、支店にあたるベイエリアの「きくよ食堂」は全く趣きが異なり、スタイリッシュで落ち着いた雰囲気となっています。
函館観光 2日目のモデルコース
函館観光の二日目は、函館山から湾に向かって延びる坂道の景観が特徴的な「本町エリア」を観光します。市電バスを利用して「末広町」停留所を降りたら観光スタートです。
元町エリアには、教会や洋風の建物が数多くならび、レトロで可愛い建物が数多く残っています。カフェやレストラン、雑貨店なども非常に個的です。このエリアには、内部見学できる入場施設も複数ありますが、時間との兼ね合いやご自身の趣向に沿って、入場するか外観見学だけにするかを判断しながら観光ください。
以下地図の❶〜⓮のルートで観光していきます。
※ 各名称をクリックするとイメージを画像で確認できます。
- ↓① 旧イギリス領事館
- ↓② 元町公園
- ↓③ 旧相馬家住宅
- ↓④ 旧函館区公会堂
- ↓⑤ 元町日和館
- ↓⑥ チャイカ
- ↓⑦ ハコダテソフトハウス 北櫻茶
- ↓⑧ 八幡坂
- ↓⑨函館ハリストス正教会
- ↓⑩聖ヨハネ教会
- ↓⑪カトリック元町教会
- ↓⑫ 天然酵母パンtombolo
- ↓⑬ 五島軒本店(雪河亭)
- ↓⑭ 函館山のロマンチック夜景
以下より上記モデルコースに沿って各スポットを詳しく解説していきます。
「旧イギリス領事館」で庭園散策
旧イギリス領事館は、大正2年にイギリス政府工務省上海工事局の設計によって建造され、昭和初期までは領事館として利用されていました。
現在は、当時の様子を再現した領事執務室や家族居室などを見学できるほか、函館開港の歴史やペリーの来航を紹介した展示室や、開港記念ホールなどが入っています。
館内には他にも、お洒落なカフェや雑貨ショップが営業しているほか、建物に隣接する美しいイギリス式庭園も見学できます。庭園は季節によって美しい花を咲かせ、観光客を楽しませてくれます。庭園やショップの入場などは無料で、展示物があるエリアへの入場のみが有料となります。
営業時間 |
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定休日 | 年末年始 |
「元町公園」をちょこっと散歩
旧イギリス領事館を左手にして「基坂」を登って行くと、正面に緑豊かな「元町公園」が見えてきます。
元町公園は、広さ23,399㎡ほどの公園で、春は美しい桜が園内を彩り、高台からは美しい「函館港」の景観を望む事ができます。また、園内には、船舶給水業を行うために、実業家のアルフレッド・ジェラールが建設した「ジェラールの水屋敷跡」や遺跡など、歴史的に貴重なものが数多く存在しています。
この公園は、「はこだて」の名前の由来になったとされる場所で、津軽の豪族「河野政通」が、箱型の館を築いたことから、「箱館」の名がついたと言われています。
「旧相馬家住宅」の外観を見学
国の重要文化財にも指定されている「旧相馬家住宅」は、北海道の豪商で函館の発展に大きく貢献した「相馬哲平」によって明治時代に建てられた私邸です。建設には多くの職人が携わっており、当時では珍しい見事な和洋折衷の造りとなっています。
一般公開されている内部の見学は有料となりますが、技術・建材、デザイン性など、あらゆる面で趣向を凝らした近代建築の傑作となっています。
内部の見学ポイントは、A〜Iまで大きく9箇所に分類され、書院造りの「主座敷」を筆頭に、天井や部屋全体に施されたモールディングの装飾が美しい「洋室」、切妻造の倉庫「土蔵(どぞう)」、相馬家の品々や写真を展示する「資料室」から「カフェ」まで、見応え満載です。
本モデルコースでは、時間の都合上で外観だけの見学としましたが、時間に余裕のある方は是非内部も見学ください。
営業時間 |
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定休日 | 毎週水・木曜日および、冬期閉館(12月1日~3月31日) |
「旧函館区公会堂」を入場見学
旧函館区公会堂は、明治43年(1910)に建てられた、函館を代表する洋風建築物です。 昭和49年(1974)には、国の重要文化財にも指定されています。
二階建ての建物は、本館(886.3㎡)と付属棟(133.9㎡)で構成され、内部はまるで明治時代を切り取った様な空間が広がっています。調度品なども、当時の物がそのまま展示されています。
館内一の見どころである2階の「大広間」は、高さ約6m・130坪の規模があり、音楽会や講演会等の行事などにも使用されている開放的な空間です。
大広間と隣接するバルコニーは、穴場的な絶景スポットとして、函館港や横津連山の景観を一望する事かできます。
広い館内には、他にも「大食堂」「寝室」「球戯室」をはじめ、約20部屋ほどの見学ポイントが存在しています。意外にガイドブックなどでも扱いが小さいこのスポットですが、見応え抜群の一押しスポットです。見学料金もわずか数百円と割安なので、時間のある方は是非足を運んでください。
館内にある「函館ハイカラ衣裳館」でレンタル衣装を利用すれば、当時の衣裳を着用し、館内を周遊・撮影する事が出来ます。
営業時間 |
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休館日 | 年末年始(12月31日~1月3日) |
「元町日和館」で北うさぎグッズ探し
元町日和館は、大火後の大正10年に建てられた洋館を利用した雑貨店です。函館の作家によるオリジナル商品や動物をモチーフにした雑貨などを取り扱っています。
商品の中では、北うさぎと猫をモチーフにした絵葉書やフォトフレーム、可愛い小物などが人気で、店内の大半を占めています。特に、北うさぎグッズと呼ばれる雑貨は、作家「成田粋子」さんのオリジナル商品で、観光客はもちろん、地元函館でも人気です。
営業時間 |
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定休日 | 通年月曜日、その他不定休有り |
「チャイカ」で雑貨探し
チャイカは、ロシアや東欧の雑貨を中心に扱うショップで、店内には陶器などの工芸品から、マトリョーシカや絵本などの洋物雑貨が並んでいます。
店内には雑貨品以外にも、ロシアの蜂蜜に函館のフルーツを加えた「フルーツハニー」や、マトリョーシカをあしらった入れ物が可愛い北海道産の「ジャム」、「ロシア•フランスの紅茶」など、拘りの食品系商品も数多く取り扱っています。
また、店内のティーコーナーでは、ロシアンスタイルによる、紅茶や自家製ケーキやジャムの提供も行っています。参考までに、古くからロシアと函館は交流があり、領事館なども置かれていました。
営業時間 |
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定休日 | 火曜日 |
「ハコダテソフトハウス 北櫻茶」でスイーツタイム
元町エリアに来たら「ハコダテソフトハウス 北櫻茶」のソフトクリームは外せません。看板メニューの一つ「特濃 牛乳ソフト」は、甘すぎないさっぱりとした味加減が絶妙で、原料には、函館の山川牧場から直送したジャージミルクを使用するこだわり様です。
メニューは季節限定商品も含めて「牛乳ソフト」「夕張メロン」「イカスミ」など、常時20種類以上、インパクト抜群の8段ソフトクリームなどもあります。もちろん、カップとコーンの選択も可能です。
営業時間 |
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定休日 | 記載なし。基本的に月〜日と祭・祝日も営業。要確認 |
「八幡坂」で記念撮影
元町エリアは函館湾に向かって数多くの坂が存在していますが、この「八幡坂」の高台から見る函館湾方面の景観が最も美しいです。八幡坂は、函館を代表する絶景スポットとして、テレビや雑誌などにも頻繁に紹介され、ドラマや映画のロケ地としても利用されています。
青空と緑の木々が織りなす色鮮やかで開放な景観は、インスタ映えの鉄板スポットです。冬季は夜の訪問もお勧めで、美しいイルミネーションで坂道が彩られます。参考までに、八幡坂と言う名前は、かつて八幡神社があった事に由来しています。
元町の3教会巡り
八幡坂と並行して走る「大三坂」から「チャチャ通り」へと繋がるおおよそ100m四方のエリアには、趣の異なる3つの教会「函館ハリストス正教会」「聖ヨハネ教会」「カトリック元町教会」が存在しています。どの教会も建築様式が異なっており非常に個性的で、3つのうち「聖ヨハネ教会」以外は内部見学が可能です。
函館ハリストス正教会
19世紀後半に日本初のロシア領事館の付属聖堂として建設された「函館ハリストス正教会」は、日本最古のロシア正教会です。現在は、このエリアのシンボルとして、国の重要文化財にも指定され、多くの観光客が訪れる人気スポットとなっています。
また、鐘楼(しょうろう)の鐘の音色から「ガンガン寺」の呼び名でも地元市民にも親しまれており、「日本の音百選」にも選ばれています。外観は、真白な漆喰壁や鐘楼と、上部の爽やかなパステルグリーンが特徴的で、ロシアの聖堂ならではのクーポルと呼ばれる玉ねぎ型の飾りが嫌でも目を引きます。
わずかな拝観料を払えば見学できる内部は、高い丸天井が特徴的で、当時ロシアから持たらされた70枚の美しいイコン(聖書の場面を描いた絵)などで飾られています。外観見学だけでも十分に楽しめるスポットですが、拝観料も割安なので、時間のある方は是非内部も見学してみてください。
ただし、2021-22年にかけて大規模な聖堂保存修理工事が行われ、耐震補強と共に老朽化した部分の修復が予定されています。修復期間中は敷地内に入る事ができませんので、状況を随時ご確認ください。
営業時間 |
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休館日 | 冬期(12月26日~3月1日)は聖堂拝観を休止しています。 |
聖ヨハネ教会
函館聖ハリストス教会からチャチャ通りを挟んで向かいに建つのが、英国プロテスタントの教会「聖ヨハネ教会」です。
現在の建物は、火災による消失を経て昭和54年に再建された二代目にあたり、どの角度から見ても十字架が見えるユニークなデザインとなっています。見学は外観のみになりますが、非常に写真映えする建物なので、是非写真撮影の上で、旅の思い出に加えてください。
カトリック元町教会
カトリック元町教会は、フランス人宣教師の「メルメ•デ•カション」が江戸時代に建造した仮聖堂を起源しています。現在の建物は二度の焼失を経て、大正13年に再建されたもので、高さ33mある付属の鐘楼もその際に建造されました。
無料で見学できる堂内の中央祭壇や副祭壇、聖画などは、カトリックの総本山「バチカン市国」の教皇「ベネディクト15世」により寄贈されたものです。また、聖堂内を飾るキリスト、マリア、12使徒を題材にしたレリーフや彫像なども見事なので、時間のある方は是非内部も見学ください。
営業時間 |
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休館日 | 年末年始、教会行事の際は見学不可 |
「天然酵母パンtombolo」でパンをテイクアウト
「天然酵母パンtombolo」は、パンと陶芸作品を販売する函館のパン屋さんです。パステルイエローの外観が可愛いらしい建物は、大正10年造の古民家を利用しています。
木造りの店内には、焼きたてのパンの芳しい香りが広がり、棚やテーブルには、まるで芸術作品の様なハード系パンが並んでいます。
店内の全てのパンは、自家製天然酵母と北海道産の小麦、塩、水のみで作っているそうです。大サイズのパンやコンプレなどはグラム売りで販売され、1〜2人前の大きさのパンはだいたい250円〜500円ほどの価格レンジです。
お勧めは「いちじくとナッツのパン」で、いちじくの甘さにナッツの歯応え、さらに天然酵母のパンの風味が絶妙な味わいです。パンマニアとグルメ好きの方は必見のお立ち寄りスポットです。
カフェスペースもあるので、店内でコーヒーと共に焼きたてパンを頂く事も可能ですが、翌日の朝食としてテイクアウトもお勧めです。
営業時間 |
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定休日 | 月、火(月、火が祝日の場合は営業) |
五島軒本店(雪河亭)で遅めの洋食ランチ
五島軒は、創業者の若山惣太郎氏と、初代料理長・五島英吉氏が、明治12年に創業した老舗の洋食屋さんです。函館洋食の元祖とも言えるこのレストランは、観光客のみならず、地元の方にも1世紀以上愛されてきた名店中の名店です。
落ち着いた雰囲気の店内は、テーブル席と掘りごたつ席があり、フランス料理、ロシア料理、明治の洋食など様々なメニューを提供しています。メニューはコースだけでなく、アラカルトも豊富で、洋食の定番「ビーフシチュー」「ステーキ」「グラタン」など、聞き慣れたものばかりです。
看板メニューのカレーライスは10種類以上あり、イギリス風、フランス風、インド風、明治のカレーなど、多国籍スタイルで提供しています。あいがけカレーを注文すれば、明治のカレーとイギリスカレーが両方とも楽しむ事もできます。
まるで帝国ホテルの様な店内は内装も素晴らしく、女神と料理をモチーフにしたステンドグラスや、函館ゆかりの芸術家による絵画や彫刻、古地図や版画等などを展示しており、自由に見学できます。
元町エリア観光後、同エリア内にある函館ケーブルカー乗り場から「函館山」に行くとルート的には非常に効率良く観光できます。ただし、函館山に登るなら最も美しい景観が望める夜がお勧めです。可能な方は、一度ホテルに戻って休憩の上で再訪するのがお勧めです。
函館山のロマンチック夜景
函館観光最大の見どころと言えるのが、標高334mの函館山から見る美しい函館市街の景観です。
函館山では、絶景ポイントの山頂広場や漁火公園から景観を楽しめるほか、隣接する3階建ての施設では、ラウンジ、ティーラウンジ、レストラン、ギフトショップ、などが営業しています。施設の中でも、美しい夜景に包まれながら食事やカクテルが楽しめる「レストランジェノバ」は特に人気です。
函館山の山頂へは、元町エリアの「山麓駅」から15分間隔で運行しているロープウェイを利用すれば、所要3分で到着できます。もしくは、函館駅前のバス停4番乗り場から発着している一番系統「函館登山バス」を利用すれば、所要12〜15分で山頂に到着できます。函館駅周辺に宿泊の方は、リーズナブルなバス利用が便利ですが、運行本数が1時間に2本ほどしかないので、ご注意ください。
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