ヴァザーリの回廊 訪問レポート – 集合場所から回廊の様子まで詳細に解説

フィレンツェ イタリア

2025年2月にヴァザーリの回廊を公式サイトから予約の上で訪問してきました。

今後訪問される方のために、集合場所や回廊の様子などを豊富な写真素材を交えてご紹介します。

因みに、ヴァザーリの回廊見学にはパスポート持参が必須となります。訪問予定の方は必ずご持参ください。また、見学には公式販売サイトから事前予約も必要です。予約方法に関しては以下の記事を参考にしてください。

まずはウフィツィ美術館に入場

今回のヴァザーリの回廊の予約時間は「10時35分」です。回廊の入口はウフィツィ美術館内にありますので、まずは通常見学と同様に、予約者レーンに並んで入場します。

ウフィツィ美術館内のセキュリティチェック

公式サイトには「ヴァザーリの回廊見学は予約時間の2時間前迄に美術館に入場する」と記載されています。2時間前迄となっているので、早く入館する分には問題ないという解釈で「朝一番の8時15分」に入館しました。

ウフィツィ美術館の入場の流れを詳しく知りたい方は「予約者入口から館内へ入場 - ウフィツィ美術館 チケット予約・購入方法を徹底解説内」の記事を参考にしてください。

セキュリティチェックを抜けて「8時30分」には、最初の見学エリアである3階に到着!

ウフィツィ美術館内の3階見学エリア

今回のヴァザーリの回廊の予約時間は「10時35分」なので、10分前に集合場所に到着する事を想定すると、約2時間ぐらいは館内を自由に見学できます。

ヴァザーリの回廊の集合場所と見学開始まで

この日は、1時間ほどで館内の主要作品の見学を終えたので、少し早いですが「ヴァザーリの回廊」の待ち合わせ場所(ツアー開始場所)に移動する事にしました。

「待ち合わせ場所」は、一番最初の見学フロアから一つ下の階に降りた「2階 D19室」にあります。

ウフィツィ美術館の館内図 - ヴァザーリの回廊の集合場所

上図だと1階となっていますが、日本式で言うと2階になります。イタリアでは地上階は0階になります。

集合場所へのアクセス経路は簡単です。3階から2階に降りて順路に沿って歩いていくと、必ず「展示室15(Room of the Dynasties)」を通過します。

ウフィツィ美術館の館内図 - ヴァザーリの回廊の集合場所

この展示室に入って、すぐ右手の部屋が「D19室」、つまり「ヴァザーリの回廊」の集合場所です。

ヴァザーリの回廊 集合場所の入口

右手の「フランチェスコ・デ・メディチの肖像画」が目印です。

「D19室」の奥に進むとミートポイントとなる案内板があります。

ヴァザーリの回廊のミートポイント

この場所に予約時間の5分〜10分前に到着していればOKです。前回、当サイトが、この場所に到着したのは、予約時間の1時間も前でしたので誰もいません。だいたい15分ぐらい前になると人が集まりはじめます。

参考までに、2階で必見の「カラヴァッジョの部屋(画像下)」は、出口近くの「展示室 E4」にあるので、奥の出口近くの展示室まで見学してから、待ち合わせ場所に戻ってくるのがお勧めです。

ウフィツィ美術館の「展示室 E4 カラヴァッジョの部屋」

全ての展示室を見学して、出口付近まで行くと「ヴァザーリの回廊を見学する方はUターンして戻ってね的な案内板」があります。

ウフィツィ美術館 出口付近のヴァザーリの回廊に関する案内板

「ヴァザーリの回廊」を見学する方は間違っても、見学の勢いで退館しない様にご注意ください。

さて、見学開始時間の10分ぐらい前になると、参加者名簿を持ったスタッフが「ミートポイント」にやってきます。

ヴァザーリの回廊の入口で参加者チェックをするスタッフ

このタイミングで「予約書」と「パスポート」による氏名の照合が行われます。くれぐれもパスポートはお忘れなく。また、予約書と氏名が一致しないと見学エリアに入れない可能性がありますので、予約時の入力間違いにもご注意ください。

受付が完了したら、奥に進んで、いよいよ「ヴァザーリの回廊」の見学スタートです。見学時は常にスタッフ2名が同行します。

見学開始!ヴァザーリの回廊の見学レポート

ヴァザーリの回廊の見学は、この部屋からスタートします。

ウフィツィ美術館の館内図 - ヴァザーリの回廊の集合場所

回廊見学に関する注意事項が全員に配られるので一読します。注意事項は一般的な内容なので、回廊でバク転したり、飲食したりしなければ問題ないです。

まずは、先頭のスタッフの後について階段をおります。

ヴァザーリの回廊へと続く階段

最初の長い回廊に出ます。かつてはここに肖像画が並んでいましたが、現在は一つもありません。

ヴァザーリの回廊

丁度「ヴェッキオ橋」の上に位置しています。

ヴェッキオ橋

メディチ家の人々は、このヴァザーリの回廊を通って、かつてのウフィツィ宮殿(政務機関)とピッティ宮殿(住居)を行き来していました。回廊は、1565年、トスカーナ大公コジモ1世の命で、建築家ジョルジョ・ヴァザーリによって建設されました。

回廊の窓からは、ヴェッキオ橋を歩く観光客の姿が見えます。

ヴァザーリの回廊から見るヴェッキオ橋の景観

こちらは反対側の窓から見える「アルノ川」の景観です。

ヴァザーリの回廊から見るアルノ川の景観

回廊の上で10分程度の自由時間があります。自由時間以外でも写真撮影は特に問題ないです。

ヴァザーリの回廊から見るアルノ川の景観

回廊に並ぶ肖像画を期待していたのか、この時点で韓国人風の方が、スタッフに申し出て離脱していました。勝手に回廊の先には進めないので、恐らく見学開始口から展示エリアに戻ったと思われます。

ヴァザーリの回廊見学は、ひたすら簡素で長い回廊を歩いていくのみです。

ヴァザーリの回廊の様子

回廊見学の後半に、フィレンツェで最も古い教会の一つ「サンタ・フェリチタ教会」の上を通過します。

ヴァザーリの回廊からサンタ・フェリチタ教会とメディチ家専用の礼拝堂

手前に見えるのは、メディチ家専用の礼拝席(バルコニー)です。かつてメディチ家の支配者たちは、この場所から一般信者と交わらずにミサに参加していました。

「ヴァザーリの回廊」は、ポンテ・ヴェッキオを渡り、サンタ・フェリチタ教会を経て、最終的に「ボーボリ庭園(ピッティ宮殿内)」に到達します。

ヴァザーリの回廊の出口「ボーボリ庭園(ピッティ宮殿内)」

回廊出口の脇に見えるのは「ブオンタレンティの洞窟」です。柵越しに覗き込むと、表面に鍾乳石風の装飾が施されています。

ヴァザーリの回廊の出口「ブオンタレンティの洞窟(Grotta del Buontalenti)」

この時点で「11時5分」だったので、開始から丁度30分程度で、この庭園に到着するイメージです。

ボーボリ庭園(ピッティ宮殿内)」

庭園で10分程度の自由時間が設けられており、自由に写真撮影可能です。「ボーボリ庭園」は、ピッティ宮殿に隣接する庭園で、通常は有料(10ユーロ程度)見学エリアになります。ヴァザーリの回廊の見学料金が高いのは、この庭園の入場料が含まれている可能性がありますね。

「ボーボリ庭園」の見学後は、奥に進んで見学ツアーは終了です。

ボーボリ庭園から出口方面へ

庭園から出口に向かう途中にヴェッキオ宮殿の「アンマンナーティの中庭(Cortile dell'Ammannati)」 を通過します。

アンマンナーティの中庭(Cortile dell'Ammannati)

この三層のアーチが特徴的なルネサンス建築の中庭は「バルトロメオ・アンマンナーティ」の設計で16世紀後半に造られたものです。

ヴァザーリの回廊見学後に「ピッティ宮殿」見学を予定しておくと観光効率が良いです。ただし、宮殿内を見学するには、別途でチケット購入が必要です。

ヴァザーリの回廊の見学レポートは以上です。所要時間の目安は40分〜45分ほどになると思います。

ヴァザーリの回廊は訪問すべきか

ヴァザーリの回廊を訪問すべきかは個人差があると思いますが、メディチ家の歴史に興味がある方であれば見学する価値はあると思います。

一方、景観のインパクトや美しさを求めて訪問すると、簡素な回廊を歩くだけなので、がっかりしてしまう可能性は高いです。多くの方がイメージしている肖像画が並ぶ景観はありません。絵画は一点も飾られていませんし、景観の変化も乏しいです。

料金的な面で考えると、美術館+回廊で「47ユーロ」なので、美術館の29ユーロを引くと、実質的な「ヴァザーリの回廊」の入場料金は18ユーロ程度です。これだと若干割高な気もしますが、最後にボーボリ庭園(10ユーロ程度)にも入場できる点を踏まえると、妥当な金額かなと思います。引率スタッフが2人つくので、運営側も人的コストがかかるのだと思います。

また、ウフィツィ美術館の次に「ヴェッキオ宮殿」を見学しようと考えている方は、見学しながら移動できるので効率は良いと思います。

もし「ヴァザーリの回廊」を見学するかお悩みで「メディチ家の礼拝堂」や「アカデミア美術館」の訪問予定がない方は、そちらに時間を割いた方が見応えはあると思います。

意地でも「ヴァザーリの回廊」を訪問される方は、必ず事前に公式サイトより予約を行なってください。

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