サント・シャペルの観光情報と見どころを徹底解説
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パリ
本記事ではパリの人気スポット「サント・シャペル」の観光情報と見どころについて詳しく解説致します。
「サント・シャペル」のチケット予約方法につきましては、以下の記事にて詳細に解説しておりますので参考にしてください。
サント・シャペル 営業時間・休館日
現在、サント・シャペル教会では、教会内部の美しい景観やステンドグラスを有料で見学する事ができます。営業時間と休館日は以下のとおりです。最終入場は営業終了の30分前になります。
営業時間
- 9時〜17時(1月2日〜3月31日)
- 9時〜19時(4月1日〜9月30日)
- 9時〜17時(10月1日〜12月31日)
休館日
サント・シャペル教会の休館日は、「毎週火曜日」「1月1日」「5月1日」「12月25日」となります。
サント・シャペルの行き方・ロケーション
サント・シャペル教会はシテ島の西側、パリの1区に位置しております。近隣にはコンシェルジュリーやメトロ Line4の「Cité」駅もあり、非常にアクセスしやすい場所に位置しています。
【地下鉄での行き方】地下鉄ライン4「Cité(シテ駅)」で降りて徒歩4分(280m)ほどです。
【バスでの行き方】バスライン21, 27, 38, 85, 96のいずれかの路線を利用して、「Cité - Palais de Justice」や「Pont Saint-Michel - Quai des Orfevres」などの停留所で降りて徒歩1分〜2分ほどです。
【徒歩での行き方】コンシェルジュリーから:徒歩1分(40m)
サン・ジャックの塔から:徒歩5分(350m)
ノートルダム大聖堂から:徒歩6分(500m)
ルーブル美術館から:徒歩13分(1.0km)
サン・ジェルマン・デ・プレ教会から:徒歩13分(1.0km)
サント・シャペルのチケット料金と種類
サント・シャペル教会のチケット料金は以下のとおりです。ただし、1月〜4月、11月〜12月の最初の日曜日(第1日曜日)は、全ての訪問者を対象に入場が無料となります。
【サント・シャペル教会のみの入場】
- 一般大人:11.5ユーロ
- 18歳未満:無料(要ID提示)
【サント・シャペル教会とコンシェルジュリーのコンボチケット】
- 一般大人:18.5ユーロ
- 18歳未満:無料
【日本語のオーディオガイドレンタル】
- 3ユーロ
サントシャペルとコンシェルジュリーのチケットを別々に購入すると「30 ユーロ」になるため、両方を見学予定の方は、コンボチケットを購入した方がお得です。
参考までに「コンシェルジュリー」とは、サント・シャペルと同じ敷地内にある別の施設で、マリーアントワネットが収監されていた牢獄がある事で有名な人気スポットです。
また、チケットに関しては「サント・シャペルの公式販売ページ(英語)」からも購入可能ですが、以下の日本語サイト『GET YOUR GIDE』で購入しても同額となるので、こちらでの購入がお勧めです。公式サイトでチケット購入する場合と比較してもデメリットはありません。
サント・シャペルの見どころとステンドグラス

サント・シャペルの礼拝堂は、コンスタンティノーブルの皇帝から「ルイ9世」が買い取った「キリストの荊の冠」と「磔刑の十字架の断片」を安置するために、ルイ9世の命によって建設されたものです。
ルイ9世はこの礼拝堂の建設に莫大な費用を投下しました。中でも、ここに安置するために入手した「キリストの聖遺物」には、建設費用の3倍にも上ると言われています。現在この聖遺物は、パリのシテ島にある「ノートルダム大聖堂」の宝物庫に保管されています。
サント・シャペル教会の大きさは、高さ42.5m、奥行き36m、幅17m、上層(2階)と下層(1階)の2層の礼拝堂で構成されています。
見学は1階からスタートして、ハイライトであるステンドグラスは2階に上がると見学することができます。
下層礼拝堂(1階)の見どころ
一階の礼拝堂正面の入口から入場しようとすると、正面の柱には教会の守護聖人であるマリア(イエスの母)の彫像が飾れています。

サント・シャペル教会に入場して誰もが最初に目にするのが、こちら1階のバジリカ式の下層礼拝堂(画像下)です。

教会に入ってすぐ右手側にはインフォメーションがあり、ここで日本語のパンフレットを入手する事ができます。

1階の礼拝堂はメインの2階に比べると非常に簡素なつくりで、主に使用人など身分の低い人達の祈りの場として使用されていました。

全体の装飾は1690年の洪水によって大被害を受け、後年の19世紀に復元が試みられましたが、建設当時の資料や文章がなかったため、ほぼ作り直しという形で一新されました。

柱上部の赤、青、金色のポリクロミー(統一的な色調をもたない多彩色)なども19世紀に加えられた装飾で、青地の部分には百合の花模様が描かれています。ヴォールト構造の天井は、床からの高さはわずか6.6mと非常に低く、どことなく閉塞感を感じる空間です。140本の柱が建物を支えています。

左右の側廊に挟まれた中央回廊の幅は約6mほどです。
ルイヴィトンを彷彿させる円柱の模様は、百合の花と城を象っています。

一階の右手側(入り口を背にして)にはギフトショップが並んでおり、ステンドグラスの模様をあしらった商品など、様々なアイテムを販売しています。


文房具屋や雑貨、書籍など種類は豊富です。


2階に登った後も1階には戻って来れるので、お土産は2階を見学した後にゆっくりと見るのがお勧めです。2階の上層礼拝堂には1階内部、入口の扉を背にして左奥の階段から上がる事ができます。

ちなみに、当時の王などはこの1階の礼拝堂の階段を通らずに、外側テラスの階段から上層礼拝堂(2階)に直接入場していました。現在、その階段はありません。
また、サント・シャペルの階段は一方通行なので、2階から降りて来るときは、入口の扉を背にして右奥の階段からになります。
上層礼拝堂(2階)の見どころ

1階から階段を登り、上層礼拝堂に入場した瞬間に、煌びやかなステンドグラスの数々が目に飛び込んできます。

参考までに下画像は朝一にステンドグラスを撮影したものです。上で紹介したステンドグラスとは全く色合いが違いますが、同じものです。個人的にはサント・シャペルのステンドグラスは日中の陽が降り注いだタイミングのもの(写真上)が一番綺麗だと思います。

さて、15の窓を飾るステンドグラスは高さ約15m、フロア全体の約600m2を占有しています。15のステンドグラスのうち3分の2が、12世紀当時の最高技術を駆使して制作されたオリジナルで、全てのステンドグラスには、新約・旧約聖書に登場する人類誕生からキリスト復活までの1,134ものシーンが描かれています。そのシーンは祭壇に向かって左から半時計周りに年代順に描かれ、創世記のアダムとイブ、キリストの受難、洗礼者ヨハネとダニエル書、黙示録など、様々な場面がステンドグラスで表現されています。

2階礼拝堂内の壁面は大半をステンドグラス窓が占有しているため、その間に細い柱を何本も建てる事で強度を維持しているのが分かります。


窓と窓の間の柱には、キリスト12使徒の彫像が柱を支えるかの様に飾られています。
壁面のステンドグラスだけでなく、バラ窓のステンドグラスの美しさも中々の物です。この西側のバラ窓はヨハネの黙示録を表していて、敢えて東側の「キリストの受難」のステンドグラスの正面に配置されています。
このバラ窓は直径9メートル、89枚の装飾パネルで構成されています。なんと89枚のうち、80枚が当時のオリジナルです。
バラ窓の下のタンパン(玄関上のアーチと梁に囲まれた部分)には、キリストのフレスコ画が描かれています。左右上の四葉型の部分に描かれているのは、預言者イザヤ(右上)とエレミヤ(左上)です。

2階礼拝堂のバラ窓の下には扉があり、小さなテラスに出る事ができますが、たまに閉鎖されている事もあります。

テラスからの絶景は特にありませんが、キリストの彫像や、キリストをテーマーにした彫刻などを見る事ができます。
2階礼拝堂の地図とステンドグラスの配置図
サント・シャペル 観光所要時間の目安
サント・シャペルの公式パンフレットでは、見学の所要時間は1時間となっています。
確かに、教会内部の装飾やステンドグラスに描かれた物語を一つ一つじっくりと見学して行くと、それぐらいの所要時間は必要かと思います。
ただ実際は、1時間もかからずに見学を終える人が大半だと思います。教会内部はそこまで広くないので、内部の景観を堪能して、ある程度ステンドグラスをゆっくりと鑑賞するだけなら、所要30分〜45分もあれば十分だと思います。
サント・シャペルのまとめ
「サント・シャペル教会」は、規模こそ大きくはありませんが、ステンドグラスだけで言えば、チェコの聖ヴィート大聖堂や、スペインのサグラダファミリアなど、著名な教会を遥かに凌ぐ美しさです。
近年はSNSメディアの発達で、インスタ映えスポットとしても更に人気が高まっていますが、事前に予約さえしておけば、混雑に巻き込まれる事なく入場できます。ロケーション的にも市内の中心部に位置しており、パリ訪問時は見学必須と言える人気スポットです。
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