ルーブル美術館 見るべき作品とフロアマップ(2階)

(2019年4月26日 公開) (2019-06-06 最終更新) ルーブル美術館 2階の展示作品

2階のフロアマップとおすすめ作品

ルーブル美術館 2階展示ホールの景観

2階は主に、14世紀から17世紀にかけて制作された「フランス絵画」が半分以上を占め、他には北ヨーロッパの絵画なども展示されています。

2階の展示スペースは北側の「リシュリー翼」と、東側「シュリー翼」に限定されているため、1階程の展示数はありませんが、フェルメールの「レースを編む女」を筆頭に、「ダイヤのエースを持ついかさま師」など、見逃せない作品が数多く展示されています。

ルーブル美術館 2階フロアマップと主要作品

① レースを編む女

レースを編む女 フェルメール(1669~1670年頃)

生涯の作品数が30数点と非常に少ない寡作のオランダ人画家として知られる「フェルメール」の代表作の一つ。絵画の大きさは24×21cmほどと小さな作品ですが、細い指先まで鮮明かつ詳細に描かれています。フェルメールは光の魔術師とも称されており、巧みな光の表現によって手先に神経を集中させるモデルの臨場感を際立たせています。この作品が描かれた17世紀はレース製品が盛んであったため、オランダ出身の多くの画家が、絵画の題材としてレースの制作風景を多様していました。このレースを編む女はフェルメールの作品の中ではかなり後期に描かれたものです。

② フランソワ1世の肖像

フランソワ1世の肖像 ジャン・クルーエ(1530年頃)

フランス・ルネサンスの宮廷肖像画家として活躍した画家の後年の作品で、ルイ12世の従兄弟である「フランソワ1世(1494-1547年)」の肖像画を描いたものです。衣装の光沢がまるで写真の様にリアルです。

フランソワ1世は1515年王位を継承し、イタリア戦争などで辣腕を発揮した豪勇な王として知られています。また、美術愛好家としての一面も強く、ルーブル美術館の作品収集の礎を築いた人物であるとも言われています。イタリアから「レオナルド・ダヴィンチ」をフランスに招くなど、フランスでルネサンスが開花したのも彼の統治時代でした。

③ 浴槽のガブリエル・デストレとその妹

浴槽のガブリエル・デストレとその妹 作者不明(1594年)

滑らかな曲線で描かれた2人の女性が特徴的な作品。ルーブルのグランドギャラリーを完成させたアンリ4世の寵姫であった「ガブリエル・デストレ(右)」とその妹「ヴィラール公爵夫人」の二人が描かれています。作者は不明ですがアンリ4世の宮廷で活躍したフォンテーヌブロー派の画家によって描かれたと考えられています。乳房の先端をつかむのは姉「ガブリエル」の懐妊を表しており、ガブリエルの左手の指輪は愛の絆の証であるとされています。

④ ダイヤのエースを持ついかさま師

ダイヤのエースを持ついかさま師 ジョルジュ・ド・トゥール(1635年頃)

フランス北東部のロレーヌという地方で活躍した17世紀の古典派を代表する画家「ラ・トゥール」の作品。彼の死後は長らく忘れさられていた作品ですが、20世紀初頭にフランスの地方美術館で発見された事を機に、3世紀ぶりに作品に注目があつまりました。中央の女性は非情な目つきで、他者を欺こうとする人間の心理をリアルに表現しています。また、左側の男性は後ろにカードを隠しもっており作品の緊張感を演出しています。

⑤ 真珠の女

コロー(1868年~70頃)

真珠の女は、19世紀の画家「ジャン=バティスト・カミーユ・コロー」の晩年の作品で、彼が没する直前まで自宅の客間に飾っていたと言われています。この作品はコローの人物画の中では最もメジャーなものです。

モデルはコローの家の近くに住んでいた16歳の小織物商人の娘「ベルト・ゴールドシュミット」で、小さな葉の冠をかぶり、イタリアの民族衣装をまとっています。作品名である「真珠の女」は額の葉を人々が真珠と間違えた事に由来しています。

モナリザに非常に似たポーズをとっているのが非常に特徴的ですが、モナリザとの関連性や作者が意識して描いたかなどについては、確かな事がわかっていません。

⑥ ヴァルパンソンの浴女

ヴァルパンソンの浴女 アングル(1808年)

19世紀の古典主義を代表するフランス画家「アングル」がローマ留学中の28歳時に描いた作品。当時は、ドラクロワなどのロマン主義の画家が台頭した時代でもありました。作品名の「ヴァルバンソン」は所有者にちなんだ名前で、元々は別名でサロンに出品されていました。

⑦ ピエロ(ジル)

ピエロ(ジル) ヴァトー(1718年~1719年頃)

16世紀中頃にイタリア北部で生まれた仮面を使用する即興演劇「コンメディア・デッラルテ」の登場人物を描いた作品。作者のヴァトーはこのデッラルテをはじめ、舞台に登場する役者を頻繁に描いた画家として知られています。

作品名である「ジル」は、即興演劇「デッラルテ」に登場する道化役の事で、作中ではほぼ等身大で描かれています。作者である「ヴァトー」は、この「ジル」をはじめ、演劇を題材に自身の心情を作品に投影していたと言われています。

近年では作中の白い衣装まとった人物は「ジル」ではなく、単にピエロを描いたとする説が有力となっています。ジルかピエロかについては現在に至るまで様々な議論がなされています。

少女の肖像(マグダレナ・ルターの肖像)

少女の肖像(マグダレナ・ルターの肖像) ルーカス・クラナハ(1512年頃)

この少女の肖像は、ドイツの画家ルーカスの数ある肖像画の中でも、代表的な作品の一つです。

かつて、作品のモデルは、作者の友人である「マルティン・ルター」の娘「マグダレナ」とされていました。しかし近年の研究によって、この作品をルーカスが描いたのは、絵の特徴から推測する限り1520年頃であるという説が有力となりました。

これにより「マグダレナ(1529年生)」が生まれる前にこの作品が描かれていた事となり、「マグダレナ」が絵のモデルであるという可能性はほぼなくなりました。

令和の現代においても、この肖像画が誰を描いたかは解明されておりません。