パリ 凱旋門 観光ナビ – 入場料金、行き方、入口、登り方、見どころ
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パリ凱旋門は記念撮影のランドマークとして、その外観を楽しむだけでなく、建物の中に入場して高さ約50mの展望階からパリ市内の景観を楽しむ事ができます。最上階までは284段の階段を上がる必要がありますが、50mの高さから眺めるパリ市内の景観は絶景そのものです。
本記事では、これから「エトワール凱旋門」の観光をお考えの方に向けて、凱旋門への「行き方」や「営業時間」などの基本情報はもちろん、分かりにくい事で有名な「凱旋門の入口」から、入場して展望階のテラスに到達するまでの登り方の流れや見どころ、レリーフなどについても解説いたします。
凱旋門とは
パリのシンボルの1つである「エトワール凱旋門」は、時の皇帝「ナポレオン」率いるフランス軍が、劇的な勝利を収めた「アウステルリッツの戦い」の栄光を称えるために建てられました。建設にはフランスの建築家「ジャン・フランソワ・テレーズ・シャルグラン」が辺り、外観はローマの「ティトゥスの凱旋門」を参考にデザインされました。
工事はアウステルリッツの戦いの翌年の1806年に着工されましたが、たびたびの中断を繰り返し、完成したのは着工から30年後の1836年の事でした。
元々はパリ東部の「バスティーユ」に建てられる計画でしたが、かつての皇帝の居所「テュイルリー宮殿」から、シャンゼリゼ通りを挟んで正面に建つのが理想的であるとされ、現在の場所に建設されました。
凱旋門のある広場は、かつてはエトワール広場と呼ばれていましたが、現在は「シャルル・ド・コール広場」と呼ばれています。この広場を中心として、シャンゼリゼ通りを含む12本の大通りが放射線上に伸びて星形を形成しています。
営業時間・チケット料金
凱旋門の営業時間および、チケット料金などの観光情報は以下になります。
営業時間 | 10月1日〜3月31日
4月1日〜9月30日
最終入場は閉館の45分前までとなります。 |
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休業日 | 1月1日、5月1日、5月8日(朝休館)、7月14日(朝休館)、7月24日、11月11日(朝休館)、12月25日 |
チケット料金 |
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その他 | ・ミュージアムパスの利用可(別途予約不要) |
チケット予約・購入方法について
凱旋門のチケット予約は「凱旋門の公式サイト(英語)」や、GET YOUR GIDEというサイトの「パリ: 行列をスキップ エトワール凱旋門 屋上チケット」ページなどから可能です。
公式サイトやGET YOUR GIDEの予約方法ついて詳しく知りたい方は、以下の記事にて詳しく解説しておりますのでご参照ください。
行き方・ロケーション
エトワール凱旋門はパリの西側、「シャンゼリゼ通り」「コンコルド広場」「マドレーヌ寺院」などの観光スポットがあるパリの8区に位置しています。凱旋門へのアクセスは徒歩、もしくはメトロを利用するのがお勧めです。
【地下鉄・RERでの行き方】メトロのライン1, 2, 6 およびRERのラインAの停車駅「Charles-de-Gaulle-Etoile(シャルル・ド・ゴール・エトワール駅)」で下車後、1番出口から地上に出て、凱旋門までは徒歩5分ほどです。
地下鉄の1番出口で地上に出てから「凱旋門」に入場するまでの詳細な流れは、本記事別項の「凱旋門の入口から最上階に到達するまでの流れ」にて詳しく解説しております。
【バスでの行き方】バスのライン 22, 30, 31, 52, 73, 92で「Charles de Gaulle - Étoile - Marceau」などの凱旋門近くのバスターミナルで下車後、徒歩5分〜10分ほど。
【主要スポットからのアクセス】- ■シャンゼリゼ通り(西端から):徒歩5分(350m)
- ■エッフェル塔から:徒歩30分(2.1km)
- ■コンコルド広場から:徒歩32分(2.4km)
- ■マドレーヌ寺院から:徒歩35分(2.5km)
凱旋門の入り方と登り方の流れ
凱旋門は、その周囲を道路に囲まれているため、凱旋門に入場するには必ず「地下通路」を通っていく必要があります。本項ではその地下通路の入口やアクセスの流れなどを写真付きでご紹介します。
① 地下通路へアクセス
凱旋門へと繋がる地下通路の入り口は、凱旋門の北西側「グランド・アルメ通り」沿いと、南東側の「シャンゼリゼ通り」沿いにあるので、いずれかの入口から地下通路を通って凱旋門にアクセスする事ができます。地下通路の入口と凱旋門の位置関係は、以下の画像マップを参照ください。
【シャンゼリゼ通り沿いの「地下通路」からアクセス】
地下鉄で「Charles-de-Gaulle-Etoile(シャルル・ド・ゴール・エトワール駅)」に到着した方は、1番出口から地上に出れば、シャンゼリゼ通り沿いの「地下通路の入口」が目の前なので、こちらから凱旋門にアクセスするのが最もスムーズです。
下の画像はシャンゼリゼ通り沿い側にある「地下通路への入口」になります。入口には「ARC DE TRIOMPHE(凱旋門)」「ACCES」などと表示されているので、すぐに分かります。
【グランド・アルメ通り沿いの「地下通路」からアクセス】
基本はシャンゼリゼ通り沿いの地下通路から凱旋門にアクセスするのがお勧めですが、グランド・アルメ通り沿い付近のホテルにご滞在の方は、こちらの地下通路から凱旋門にアクセスする方が便利です。
上と下の写真がグランド・アルメ通り沿いの地下通路入口になります。下り口正面には、目立たないですが「凱旋門」のロゴもあります。
② 地下通路から凱旋門へ
「シャンゼリゼ通り」と「グランド・アルメ通り」沿いのどちらの入口から地下に降りた場合も、長い通路を数十メートルほど進んでいきます。
2分ほど進むと正面左手側(グランド・アルメ通りから来た場合は右側)にチケットオフィスらしき建物が見えてきます。
既に「公式サイト」や「GET YOUR GIDE」でチケットを予約済みの方や「パリミュージアムパス」をお持ちの方は、右側の通路から階段を上がって再び地上に出てください。凱旋門が目の前です。一方、当日券を購入される方は、左側の通路を進み、奥の窓口でチケットを購入してください。チケット購入後に、右側の通路(チケット保有者用の通路)から階段を登って地上に出る流れです。上写真は朝一でしたので比較的空いていますが、日中は窓口から通路にかけて行列ができます。確実に、チケット窓口の行列をスキップしたい場合は、必ずチケット予約の上で訪問ください。
階段を上がって地上に出ると、凱旋門の北側「地下通路の出口」に出ます。
地上に出てすぐ左手側が「凱旋門の入口」です。
以前までは「チケット予約者」「パリミュージアムパス保有者」などでレーンが分かれていましたが、現在並ぶレーンは一箇所しかありません。
後はレーンの先から、凱旋門の建物に入って「セキュリティチェック(荷物検査)」を受けます。
セキュリティチェックを受けた後は、その先で係員にチケットやパリミュージアムパスのバーコード部分をスキャンしてもらいます。
③ 階段で地上階からテラスへ
階段登り口付近の係員にチケットを提示したら、後はひたすら螺旋状の階段を284段上ってテラスを目指すだけです。
地上から最上階のテラスまではノンストップではなく、途中にトイレや休憩用の椅子がある「Mezzanine Floor(中二階)」と、ギフトショップなどが営業している「attic room(アッティクの部屋)」という2つのフロアを順番に経由します。
ただし、最初の経由フロアである「Mezzanine Floor(中二階)」に辿り着くまで、202段の階段を上る必要がありますので、最初から飛ばしすぎない様にご注意ください。
2つのフロアを経由して、屋上のテラスに到着したら、後は絶景のパノラマビューを心ゆくまで堪能してください。
帰りは、下り専用の階段から284段の階段を降りて、凱旋門の南東の支柱から外に出る事ができます。
こちらが出口になります。上の方にここからは登れない事を示すアイコンが記されています。帰りは行きで通ったのと同じ地下通路を通って戻る形になります。
【エレベーターの利用について】凱旋門の南西側の支柱には、エレベーター専用の入り口があります。ただし、利用できるのは、高齢者か車椅子や障害者の方のみになります。
高齢者の方を見かけると、係員の方がエレベーターの入り口を案内してくれる場合もある様ですが、声をかけられない場合は、ご自身で係員に声をかけるか、直接、エレベーターの入り口にアクセスしてみてください。
各フロアの概要と見どころ
凱旋門は全部で三つのフロアで構成され、独自の展示や景観などを楽しむ事ができます。
Mezzanine Floor(中二階)
セキュリティチェック通過後、202段の階段を上ると、最初にこの「Mezzanine Floor(中二階)」に到達します。フロア全体は簡素な感じで、部屋の端と中央に映像モニターが配置され、後は休憩用の椅子と、男女それぞれのトイレがあるぐらいです。
部屋内のモニターでは、世界中にある凱旋門のデーターや写真を見ながら、パリの凱旋門と比較する事ができます。
部屋の中央では、凱旋門の真下の景観をモニターを通して見る事ができます。
部屋の奥には次のフロア「attic room(アッティクの部屋)」へとアクセスできる階段があります。向かって左側は下り専用なので、右側の階段から上っていきます。
屋上の展望階までは、残り82段です。
attic room(アッティクの部屋)
「Mezzanine Floor」の上階に位置する「attic room(アッティクの部屋)」は凱旋門の支柱の上部付近に位置するフロアです。かつては凱旋門の建築構造を簡素化するため、このフロアは一度消滅しましたが、上部の装飾を支える目的で1834年に復活して現在に至っています。
中2階のモニターには世界中の凱旋門のデーターが映し出されていましたが、この階のモニターでは凱旋門の歴史などが紹介されています。
フロアの奥にはギフトショップも営業しているので、凱旋門関連の雑貨やお土産を購入する事ができます。凱旋門のお土産に関しては記事の後半でご紹介します。
展望フロアに上がる階段に行く途中の右手側に、日本語のパンフレットがあります。無料なので、是非入手してください。
terrace(展望階のテラス)
最上階にあたるテラスでは、パリ市内の景観をパノラマビューで堪能する事ができます。エッフェル塔ほどの高さはありませんが、その分、建物一つ一つを鮮明に視界にとらえる事ができます。
凱旋門のテラスから見るパリ市内の景観です。奥にはエッフェル塔もはっきりと見えます。
下の写真は夜に凱旋門に登った際に撮影したパリの夜景です。
撮影した時期が年末でしたので、シャンゼリゼ通りのイルミネーションがとても綺麗でした。
こちらはエッフェル塔方面の景観です。エッフェル塔がひときわ目立って輝いています。
より詳細な景色を眺めたい方は2ユーロで利用できる望遠鏡も設置してあります。クレジットカードの使用もできる優れものです。
さて、凱旋門から見るパリの景観を日中と夜景でご紹介しましたが、正直なところパリの夜景はそこまで美しい訳ではありません。どちらかと言えば、建物がはっきりと見える日中の景観の方が見応えはあるので、夜景のタイミングに合わせて凱旋門に登る必要はないと思います。ただし、凱旋門は冬場も夜間まで営業している数少ないスポットなので、日中は他のスポットを観光して、夜に凱旋門を訪問すれば、朝から夜までフルで観光に時間を費やす事ができます。限れた時間の中で多くの観光スポットを巡りたい方には夜の凱旋門訪問はお勧めです。
凱旋門のレリーフと外観の見どころ
凱旋門は高さ約50m、奥行き45m、幅22mと、実際に見るとその大きさに圧倒されます。凱旋門の外観には4本の柱をはじめ、至る所に精巧な彫刻が刻まれています。
「1972年の義勇兵の出陣」
リュード作の通称「ラ・マルセイエーズ」。マルセイユから集結した義勇兵達が国境を超える姿を表現した彫刻で、頭上の女性は勝利の女神を表していると言われています。
「1810年の勝利」
1809年のウィーン条約を記念したコルトー作の彫刻。勝利の女神に冠を授かるナポレオンが描かれています。
スール作「アブキールの戦い」
日本でもお馴染のナポレオンが、1799年にエジプトのアブキールでトルコ軍に勝利した場面が描かれています。
マルソー将軍の葬儀
1975年にオーストラリア軍を撃破して英雄となったが、翌年に戦士したマルソー将軍の葬儀の様子が描かれています。
門のアーチ
アーチの左右の柱にはフランス革命時代の将軍の名前が刻まれています。戦死した将軍の名前には下線が付いています。
無名戦士の墓
門の真下には、第一次世界大戦の死者を弔うために建てられた「無名戦士の墓」があります。墓には1921年1月28日に埋葬された1人の無名戦士の遺骸が眠っています。
無名戦士の墓の円形の部分には、毎日18時30分になると炎が灯ります。
所要時間の目安
凱旋門観光の所要時間の目安は1時間ほどです。
上記は、ミュージアムパスなどのチケットを事前に用意の上で、チケット購入列に並ばない事を前提とした所要時間になります。公式サイトで配布されているパンフレットでは所要目安40分と紹介されていますが、凱旋門内にあるギフトショップの見学や休憩時間なども含めると、これにプラスで15分〜20分を加えた、所要1時間ぐらいが適切な所要時間だと思います。
参考までに、地上階から展望階までは普通のペースで階段を上って行けば10分ほど、下りは5分もあれば地上におりてこれますので、階段の乗り降りの所要合計は15分〜20分を見ておけば良いと思います。
ギフトショップのお土産紹介
凱旋門の見どころの項にて、凱旋門の上階にギフトショップが併設している事を触れましたが、本項ではそのお土産「凱旋門グッズ」の一部を簡単に紹介します。
まずは凱旋門のロゴがプリントされたパーカー、トレーナー、Tシャツからご紹介します。
いろんな素材やサイズの凱旋門オブジェクトはバラマキ土産に持ってこいです。
もちろん、凱旋門の建設を命じたナポレオングッズも販売されています。個人的にはナポレオンに扮した猫のクッションカバーが一押しです。
こちらは凱旋門が描かれたクッションカバーです。
変わり種の高級お土産で行くと、凱旋門型のペンダントなどもあります。ちょっと写真だと分かりにくいですがペンダントのトップが凱旋門の形をしています。
お土産の定番ポストカードも、凱旋門の色んな角度の写真があります。
凱旋門関連の書籍も豊富にそろっています。残念ながら日本語訳の凱旋門の解説本はありませんでした。
本記事で紹介する凱旋門グッズは以上です。他にもマグネットやマグカップ、お皿、キーホルダーなど種類豊富な凱旋門グッズが揃っていますので、凱旋門観光の際は是非ギフトショップにも立ち寄ってみてください。
まとめ
凱旋門は、入口の分かりにくさや、建物の中に入場できる事自体を知らない観光客も多いため、外観だけ撮影して次のスポットに移動される方が意外に多いです。
そのため、夏場のピークシーズンでもそこまで混雑する事は稀なので、エッフェル塔やルーブル美術館の混雑でうんざりした方も、凱旋門ならそこまでストレスを感じる事はないと思います。是非、パリ観光の際は「エトワール凱旋門」に足を運んでみてください。
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